データベース登録件数:815 件中 112 件
その他 | 摂南大学 | 『 数値シミュレーションによる超弦理論の行列模型の研究 』
その他 摂南大学 物理・数学 キーワード:超弦理論、数値シミュレーション、符号問題 『 数値シミュレーションによる超弦理論の行列模型の研究 』 理工学部 都市環境工学科 准教授 東 武大 AZUMA Takehiro 研究の内容 超弦理論は弱い相互作用、強い相互作用、電磁相互作用に加えて、重力相互作用を統一的に記述する理論の有力な候補です。 超弦理論の摂動論によらない定式化として、IKKT行列模型が提唱されています。 私はこれまで、主に行列模型の数値計算を通して私たちの住んでいる宇宙が生成される仕組みについて研究してきました。 超弦理論は数学的な整合性から時間1次元+空間9次元の10次元時空で定義されます。 このことから宇宙初期では空間が9次元に広がっており、宇宙膨張の過程で空間の3次元方向のみが膨張したと考えられます。 IKKT行列模型を数値的に解析する上では、分配関数が複素数になることから所謂『符号問題』に直面します。 符号問題を持つ系を数値的に扱う上で有用な方法として、『因子化法』や『複素ランジュバン法』等があります。 特に『複素ランジュバン法』に関しては、近年の研究で経路積分と等価な正しい結論を導くための条件について理解が進んでおります。 時間tを虚時間-itに読み替えず、実時間として扱うローレンツ時空上でのIKKT行列模型の数値計算では、宇宙初期における3次元方向の膨張を示唆する結果が先行研究で得られました。 数値計算を通して宇宙膨張の時間発展について調べることで、輻射優勢、物質優勢等の宇宙膨張の仕組みについて調べたいと思います。 4次元時空 (時間+3次元空間) 10次元時空のうち、残りの6次元空間は宇宙初期に膨張しないスーパーコンピュータ「富岳」(理化学研究所様より引用) 産学連携・社会連携へのアピールポイント 符号問題は様々な興味深い物理系で現れる問題であり、複素ランジュバン法などによる数値解析は幅広い分野に役立つと考えられます。 グラスマン数で記述されるフェルミオンを含んだ行列模型の数値計算で現れる1次連立方程式Aw=vでは、Aは成分の大多数が0で巨大な正方行列です(典型的には5000行5000列程度) これを解く上で用いる共役勾配法等の手法は、自然科学で多くの応用があります。 こうした大規模計算に向けては、スーパーコンピューターの使用も視野に入れております。 基礎理工学機構 URL: http://www2.yukawa.kyoto-u.ac.jp/~takehiro.azuma/index.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
その他 | 摂南大学 | 『 グローバルエイジの住宅・都市論 』
その他 摂南大学 建築・都市 キーワード:住宅、都市、ライフコース 『 グローバルエイジの住宅・都市論 』 現代社会学部 現代社会学科 特任教授 平山 洋介 HIRAYAMA Yosuke 研究の内容 グローバル化する資本主義、テクノロジーの革命、金融のとてつもない成長と広域化、市場化する経済・社会、福祉国家の変貌、人口・社会の少子・高齢・単身化、リスク社会の形成、社会的不平等の増大など、社会・経済・政治・イデオロギーのメガトレンドのもとで、国家・資本による「上空」からの都市改造と「地上」の都市を生きる人たちの人生の実践がどう交錯し、そこからどういう空間が立ち上がるのか。 この問いに挑戦するために、都市再生のメガプロジェクト、住宅投資の金融・グローバル化、ホット/コールド・スポットの分裂、住宅システムの国際比較分析、若者のライフコース、女性のライフコース、超高齢社会の住宅階層分解、貧困層の住宅セーフティネット、震災復興と住宅・地域再生などに関する理論・実証研究を重ねてきました。 観光・金融都市ニューヨーク 東京再生のタワーマンション 住民参加のまちづくり 産学連携・社会連携へのアピールポイント 建築学に社会学、政治経済学の方法を持ちこみ、「上空」から降りてくる力と「地上」での人生の実践がどう交わるのかをみることで、都市・住宅研究を発展させようとしています。 内外トップジャーナルに論文を書き続け、震災復興・団地再生などの街づくり現場に参加し、専門家・一般向け著書・論説を大量に書き、市民団体・NPO・マスメディア・自治体・国会等に対応してきました。 研究者総覧(平山 洋介) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000677_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
その他 | 摂南大学 | 『 周期構造に励起する大振幅振動現象の解明 』
その他 摂南大学 物理・数学 キーワード:局在振動、周期構造系、振動伝播 『 周期構造に励起する大振幅振動現象の解明 』 理工学部 機械工学科 准教授 渡邉 陽介 WATANABE Yosuke 研究の内容 当研究室では周期構造に励起する振動モードについての研究を、実験と数値計算の両面から進めています。 特に、非線形振動とよばれる大振幅、高振動数の振動モードに興味をもっており、近年は局在振動の励起やその伝播・制御、不規則振動に対する予測手法の解明に力を入れています。 多数のユニットの連結による大規模構造物や宇宙構造物から、結晶格子やカーボンナノ材料等まで、周期性をもった構造は様々なスケールで存在します。 周期構造に励起する振幅の小さな振動(線形振動)の特性については、力学や工学分野で既にかなりの一般的知見が得られていますが、非線形振動についてはまだまだ個別的な研究が多く、その応用や制御については現在も研究途上段階にあります。 当研究室では最もシンプルな周期構造を再現した力学実験装置(非線形連成振動子列)を作製、所有しており、応用につながる非線形振動の定性的な知見の確立を目指しています。 39個の振動子と40本のばねからなる連成振動子列実験装置 産学連携・社会連携へのアピールポイント 材料の特殊性と構造の幾何を活かした、大規模構造物の振動制御手法やその指針の提示、周期構造物の欠陥診断、機械製品における衝撃吸収等の応用へ繋げたいと考えていますが、まだまだ「サイエンス」段階の研究です。 研究者総覧(渡邉 陽介) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000462_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
その他 | 摂南大学 | 『 地域文化資源の新たな価値付けー街の歴史や成り立ちを掘り起こし、建築資源・空間資源の価値を見える化するー 』
その他 摂南大学 建築・都市 キーワード:都市計画史、持続性のあるまちづくり、地域資源の価値付け 『 地域文化資源の新たな価値付けー街の歴史や成り立ちを掘り起こし、建築資源・空間資源の価値を見える化するー 』 理工学部 建築学科 教授 加嶋 章博 KASHIMA Akihiro 研究の内容 研究室では、身近な地域に目をむけ、見過ごされがちな土地の地域資源の新たな価値づけに向けて、デザイン思考から提案を行います。 例えば、地域にとって大切な建築資源がある場合、その建物を徹底的に調べ、あまり認識されていない価値を探求します。 そして、それをどのようにすれば見える形となり、市民の理解を得て、地域の大切な文化資源としての認識を高めることができるのか、また、様々な視点から保存継承の方途を探ります。 具体的には、市民向けの情報発信や解説資料の作成から建物実測、図面や模型による復元など、また、プロモーション映像の制作や大人や子ども向けのリーフレットのデザイン、建物や場所ガイドなどを行ったりします。 地域資源としての価値認識を高めるためのデザインアプローチというスタンスから、手段とアウトプットのかたちは多岐にわたります。 取り組み事例 ・香里園・八木邸プロジェクト(木造モダニズム作品の実測・図面集作成・模型・CG復元・公式案内リーフレットの作成など) ・地域資源見える化プロジェクト(寝屋川市のプロモーション:映像作品「水路と生きる」など) 建物実測と図面作成 地域資源に関する映像制作 地域に残る建物公式案内リーフレットの作成 産学連携・社会連携へのアピールポイント 地域資源の新たな価値付けにより、地域の魅力を再認識し、土地への愛着と誇りを醸成することを目指した具体的な活動を学生と地域住民の皆さんと共に進めます。 都市文化共生デザイン研究室 URL:URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001005_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 早期からのフレイル予防に向けた栄養学的アプローチの探索 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: フレイル 食生活 生活習慣病 壮年期 『 早期からのフレイル予防に向けた栄養学的アプローチの探索 』 農学部 食品栄養学科 助教 中田 恵理子 NAKATA Eriko 研究の内容 背景 ■フレイルや要介護を予防するためには、フレイルの前段階であるプレフレイルでの早期発見と適切な介入を行うことが重要です。 ■フレイルは、身体的要因、精神心理的要因、社会的要因等が複合的に関連し、負の連鎖的に進行します。 ■近年、オーラルフレイル(=口腔のわずかな衰え)が心身の機能低下の要因のひとつとして注目されています。 目的 ■プレフレイルの早期発見に有用な指標を検討することを目的に、歯科医院通院中の患者を対象に調査を行いました。 ■重錘負荷法により下肢筋力低下を再現し、筋力低下の早期発見における心理的負担感測定の有用性を検討しました。 主な成果 ■プレフレイルの発症や進展に関連する要因を多面的に検討し、栄養学的要因の位置づけを解析しています。 ■心理的負担感の測定は、筋力低下の早期発見に有用である可能性が示唆されました。 早期の下肢筋力低下に対する心理的負担感測定の有用性を検討しました。 若年健常者で下肢筋力低下を再現 TUG立ち上がり時間に対する下肢筋力のROC解析 オーラルフレイルに対する栄養学的アプローチを検討や啓発活動を行っています。 生活習慣病や心不全の患者様に対する栄養指導や食事支援を行っています 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【歯科保健領域との連携】 歯科診療所と栄養学的介入によりオーラルフレイルの進展予防が可能かどうかを検討しています。 栄養と歯科の連携により、将来の高齢者のフレイルや要介護予防に繋がるのではないかと考えています 【クリニックとの連携】 地域循環器内科クリニックにおいて、生活習慣病や、慢性心血管疾患をお持ちの方に対して栄養指導や食事支援を行っています。 URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 食品機能を探求する健康栄養学 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: ポリフェノール カロテノイド 食品機能 動脈硬化 生活習慣病 『 食品機能を探求する健康栄養学 』 農学部 食品栄養学科 准教授 岸本 良美 KISHIMOTO Yoshimi 研究の内容 「食のチカラで人を健康に」 基礎研究から臨床・疫学研究まで、多面的に食品の機能性を探求。 背景 食品には栄養素とともに多くの有益な生理機能をもつ成分が含まれています。 食品成分が人の健康にどのように役立つかを明らかにするためには、細胞内での分子メカニズムを調べたり、人での効果を検証したり、集団における摂取頻度と健康についての関連を調べたりする必要があります。 目的 ポリフェノールやカロテノイドをはじめとする食品成分の機能性を多面的に研究し、疾病の予防、健康の維持増進に貢献します。 主な成果 ポリフェノールやカロテノイドの動脈硬化予防作用について、特に抗酸化作用や、血管機能をターゲットに解明してきました(図1)。 健康機能が期待されるポリフェノールやカロテノイドについて、食品中の含有量データベースを作り、日本人が何からどのくらい摂取しているかを明らかにしてきました(図2)。 ポリフェノールの摂取量が多いと全死亡や冠動脈疾患死亡リスクが低いことを明らかにしました(図3)。 図1.食品成分による多面的な抗動脈硬化作用 ポリフェノール含有量 データベースを構築(約600食品) 日本人集団における摂取量調査を実施 図2.日本人のポリフェノール摂取量・摂取源 少 ← ポリフェノール → 多 図3.ポリフェノール摂取と冠動脈疾患死亡リスク 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【食品・ヘルスケア産業との連携】 食品やサプリメント素材などの健康機能性の評価培養細胞を用いた新規機能性の検討や、臨床試験計画の立案、解析などを行うことができます。 【疫学研究や臨床研究との連携】 含有量データベースの活用ポリフェノールなどの機能性成分に着目した臨床研究や疫学研究実施施設と共同研究を行いたいと考えています。 研究室名( 基礎栄養学研究室 ) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 食育における災害時の食 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: 災害食 防災教育 ローリングストック 3つの“T” 『 食育における災害時の食 』 農学部 食品栄養学科 客員講師 今城 安喜子 IMAJO Akiko 研究の内容 食育推進計画への位置づけ・非常食を活用した日常食への展開 背景 ■近年多発する様々な自然災害への対策が課題となっています。 特に生命や健康の維持に直結する食の問題は深刻です。 ■国は大災害に備え、1週間分以上の食品と水を備蓄することを提言していますが、実情としてはまだまだ十分ではありません。 江南市防災イベントにてα化米コロッケを提供 目的 ■非常食を活用した日常食への展開レシピを作成し、ローリングストック法の普及に貢献します。 ■自治体の食育推進計画に「災害時の食の備え」が位置づけられるように取り組みます。 主な成果 ■各家庭の災害食に関する意識調査と非常食の備蓄状況を調査しました。 ■一般家庭で広く備蓄されている非常食を活用した料理レシピ集を作成し地域に配布しました。 ■防災教育の一環として、災害時の食で大切な3つのT(Time:時間をかけない・Tasty:おいしく食べる・Tender:人に優しい)を取り入れた調理実習を高等学校で行いました。 20分でできるα化米を活用したポリ袋調理 さんまの五目巻き寿司 オムライス ポリ袋調理 焼き鳥丼 炊き込みご飯 甘酒スイーツ 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業生産・食品企業との連携】 地域の防災力を「食」を通じて高め、学校現場や様々な場面で貢献していきます 【地域・教育機関との連携】 食育推進計画に災害時の備えについての評価項目を提案し、学校における食に関する防災教育のプログラムの構築に取り組みたいと考えています 研究室名(栄養教育研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『新調理システムから多種多様な発信! 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: 自動調理 衛生管理 職場環境改善 コスト削減 『新調理システムから多種多様な発信! 』 農学部 食品栄養学科 教授 樽井 雅彦 TARUI Masahiko 研究の内容 給食現場からの新しい調理技術・配膳方法の提案、さらに在宅へ拡大 新調理システムのしくみとは? 背景 現在、給食施設は人手不足が問題になっています。 学校・病院・事業所・介護施設などです。 給食には徹底した衛生管理が求められ、特に病院・介護施設などでは色々な食種や食形態の関係から二次汚染が心配されます。 また、各種食事療法の対応から厳格な栄養管理と個別対応が求められています。 朝食準備の早朝勤務や多種多様な食事への対応、高温多湿な職場環境下での業務は精神的にも肉体的にも多大な負担を強いられます。 目的 給食事業を取り巻く数々の環境改善に役立てて対応していきます。 システムについて理解し多種多様な現場・施設の給食業務に対応できる学生を育成します。 主な成果 シンプルな作業工程なので、衛生管理が容易である。 食器ごとに食材を盛り付けて加熱するので食材・量・調味などは個別に調整でき栄養コントロールがし易い。 事前盛り付け・タイマー自動調理のため、勤務シフトが無駄なく効率的に組める。 人件費削減、食材ロスの低減、ランニングコストの削減が望まれコストメリットが期待できる。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【機器産業との連携】今後ともさまざまな給食施設に対応できるソフト等について検討し、機器技術の開発に繋げると共に人材育成に取り組みたい。 【機器導入施設との連携】機器導入後のメリット・デメリットを分析して、更なる技術開発の向上や業界貢献に活かしたい。 研究室名(給食経営管理研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 食品加工の新技術開発 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: 加工技術、食品保存、電界、熟成肉、浸漬水、発酵食品 『 食品加工の新技術開発 』 農学部 食品栄養学科 教授 水間 智哉 MIZUMA Tomochika 研究の内容 食品成分を変化させ私たちの生活に役立つ新技術の提案、さらに実践的利用へ ①熟成肉に関すること 背景・目的 熟成肉の商品価値が高まり、畜肉の保存や熟成技術が注目されています。 あらたに電磁界に着目し、食品加工技術としての利用を目指しています。 主な成果 電界印加保存により熟成肉の香味や色に変化がみられました。 その他、電界印加装置の利用価値を調べています。 ②おいしいご飯を炊くための浸漬水に関すること 背景・目的 持ち帰り弁当などの店頭販売が増えていることもあって、手軽でおいしいご飯が炊ける技術が望まれています。 主な成果 浸漬水のミネラル成分とご飯のおいしさについてわかってきました。 小売販売店舗で使える浸漬水が安定的に供給できる低価格の装置を試作しました。 電界印加装置(“旨味K”, ㈱フード・クック・ラボ)による食肉のエイジング(熟成)試験 おいしいご飯を炊くために、浸漬水のミネラルバランスを調製する装置の開発に取り組んでいます。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【食品企業との連携】 食品企業がかかえるさまざまなトラブルに実践的にかかわっています。 直面する問題を科学的・技術的アプローチにより解決していきます。 【発酵食品について】 アルコール飲料や味噌・醤油などの発酵食品に関する研究成果やノウハウを地域振興に活かしたいと思います。 研究室名(食品学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 市販肉用調味料の効果について 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード:食肉軟化 プロテアーゼ 酵素処理 『 市販肉用調味料の効果について 』 農学部 食品栄養学科 助手 野原 綾 NOHARA Aya 研究の内容 よりおいしく、高齢者にも食べやすい食肉品質改良・食品開発を 背景 ◼ 食肉は優れた栄養供給源として健康を維持するために必要な食品の一つです。 ◼ 安全に美味しく調理する方法については様々な検討がなされ、確立しています。 食肉の下処理(市販肉用調味料の添加) ◼ また、食欲を減退(キサミ食、ペースト食等)させる要因となる形状に関しても、形を損なわずに食材を軟化させる食品開発が盛んにおこなわれています。 ◼ 一般家庭向けにもお肉を柔らかくする調味料として酵素剤が販売されている等、食肉軟化に関するニーズは高まっていると考えられます。 目的 ◼ お弁当など喫食までに時間を要する場合でも食肉が硬くならず、おいしく提供できる調理法を検討します。 ◼ 高齢者の低栄養や嚥下障害の克服を目指した柔らかい食肉品質改良法を検討します。 クリープメーターによる破断応力の測定 主な成果 ◼ 酵素処理ありの食肉は酵素処理なしの食肉よりも柔らかくなることがわかりました。 ◼ しかし、「容易にかめる基準」を満たすことができず、更に食肉をやわらかくする為には強い酵素反応が必要であると考えられました。 ◼ 市販肉用調味料で処理した食肉が柔らかくなる原因にはプロテアーゼの寄与は小さく、加工デンプンによる離水抑制効果の寄与が大きいと考えられます。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【科学コミュニケーション】 事業所内で実施可能な手順や燃成後の酵素反応条件を工夫することで、食肉軟化を進めることができるのか考えたいと思います。 よりおいしく、より食べやすく、家庭でも手軽に調理ができる酵素剤や調理工程の開発に活かします。 URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 子どもの成長・発育の社会的影響 』
生活科学 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:成長、発育発達、学校保健 『 子どもの成長・発育の社会的影響 』 現代社会学部 現代社会学科 教授 後和 美朝 GOWA Yoshiaki 研究の内容 個々の子ども達の成長や発育発達のステージを正確に確認するためには、骨年齢などの生理的年齢の把握が必要になりますが、日々の身長や体重の変化を観察することでも確認することができますし、例えば身長発育からPHV(Peak Height Velocity)年齢などを算出すれば発育急進期を探ることもできます。 このような成長のステージを知ることは、運動指導の適時性や肥満指導などにも役立ちます。 また、集団で見た場合、子ども達の成長や発育発達は様々な社会的影響を受けています。 日本においても第二次世界大戦によって、子ども達の発育促進現象(時代により生理学的・生物学的に成熟が早まる現象)が一時停滞し、戦後の社会経済的発展とともに再び発育促進現象がみられましたが、現代ではほぼ終了しています。 成人身長のsecular trendについてもほぼ停止していますが、体重については日本の子ども達の各年齢別でみると減少傾向がみられています。 平均体重で1kg減少している年齢もありますので、明らかに社会的影響が考えられますが、一方で極端な肥満の子ども達がいることも事実ですので、このような子ども達の背景要因についての研究も進めています。 17歳時の平均身長の年次推移 産学連携・社会連携へのアピールポイント 成長や発育発達は小さい子どもを対象にした研究のように思われがちですが、研究対象は思春期から青年期に至るまでで、特に思春期のように精神的な影響を受けやすい年齢層については心理調査も行い、色々な側面から成長や発育発達についてアプローチしています。 研究者総覧(後和 美朝) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000671_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 行動変容に導く栄養教育 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: 行動変容 動機付け ナッジ 意思決定 継続性 社会貢献 『 行動変容に導く栄養教育 』 農学部 食品栄養学科 講師 森 美奈子 MORI Minako 研究の内容 人々がモチベーションをあげてヘルスプロモーションに取り組むための社会環境の仕組みづくりと心理学的アプローチの研究 背景 ◼ 少子高齢化社会において、生活習慣病の増加や平均寿命と健康寿命の乖離は、医療費の増大や生産年齢人口の減少の面から公衆衛生上の喫緊の課題です。 ◼ 現行のヘルスプロモーションは動機付けや継続性の面で課題を抱えています。 ■ 健康経営を推進する企業は、社会貢献活動に取り組みながら勤労者の健康増進を図り、生産性の向上を目指しています。 目的 ■ 社会貢献活動を活用したヘルスプロモーションの効果の実証をしています。 ■ 仮想健康教室に参加する人々のヘルスプロモーションの課題解決方法の手法について、意思決定と動機づけ、継続性の因子を検証しています。 主な成果 ■ 社会貢献活動を活用したヘルスプロモーションの参加者は、継続性や行動面でのプラスの変化の面で効果が有りました。 ■ 企業の社員食堂を活用したヘルスプロモーションは、ナッジ理論にあてはまることが推察されました。 出典:経済産業省 商務情報政策局 ヘルスケア産業課 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業生産者・家電産業との連携】 仮想健康教室で地域の農産物や家電を利用し、生産者・メーカーと消費者の新たな消費の場のマッチングにより、農産物・国産家電の地域振興と消費拡大を図ります。 【企業との連携】 CSRの一環としての社会貢献活動と従業員の健康増進の成果をあげるシーズを提供したいと考えています。 研究室名(栄養教育学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 強酸性電解水を用いた配膳車の車輪の殺菌 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: 衛生管理 食中毒の予防 配膳車の車輪の殺菌 給食施設 『 強酸性電解水を用いた配膳車の車輪の殺菌 』 農学部 食品栄養学科 助手 新名 洋美 NIINA Hiromi 研究の内容 強酸性電解水と次亜塩素酸ナトリウム溶液の比較検討 背景 ・国内で発生する食中毒の大部分は微生物を原因としています。 ・微生物の調理室への侵入経路として、人や物の搬入時が原因の一つとして挙げられます。 ・配膳車の車輪の殺菌研究は、給食施設の衛生管理の向上、食中毒予防に密接に関係します。 目的 ・本研究では、近年利用が多くなってきた強酸性電解水を用いた配膳車の下膳時の車輪の殺菌について次亜塩素酸ナトリウム溶液の殺菌効果との比較検討を行い、強酸性電解水の実用性を検討しました。 主な成果 ・生菌数において、強酸性電解水と次亜塩素酸ナトリウム溶液の散布直後と30分後では、どちらも除菌率は97%以上であり、対照の水約93%より有意に高く、除菌効果があることが認められました。 ・強酸性電解水と次亜塩素酸ナトリウム溶液には有意な差が認められなかったことから、人体への安全性が高く、食品添加物に指定されている強酸性電解水の利用が今後増加していくことが予想されます。 ・なお、水の散布だけで約93%の除菌率が得られましたが、水の場合、マット上に生菌として残存し再汚染の恐れがあるので避けねばならないと考えられます。 ↑車輪の菌を採取している様子 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【給食施設や飲食店との連携】 機能性殺菌剤の研究の成果を、給食施設、飲食店の衛生管理技術向上に活かしたいと思います。 URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 給食施設の大量調理機器・器具の衛生管理 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード:衛生 給食 食中毒予防 『 給食施設の大量調理機器・器具の衛生管理 』 農学部 食品栄養学科 助手 日比 裕美子 HIBI Yumiko 研究の内容 背景 ◼ 給食施設における衛生管理は、衛生的で安全な食事を提供することが目的です。 もし大量調理施設で食中毒が発生してしまうと、大きな被害が出てしまいます。 ◼ 食中毒の主な発生原因の一つに、不十分な洗浄による調理機器・器具からの2次汚染があげられます。 ◼ 食中毒防止のためには、使用後の調理器具・機器から食品残差を徹底的に除去し、衛生的な状態に保つことが重要です。 目的 ■給食施設でよく使用される大量調理機器・器具を衛生的に保つ方法を、簡便な衛生検査法であるATPふき取り検査法を用いて検討しました。 主な成果 ◼ 給食施設の衛生的に適した調理器具の形状、材料を明らかにしました ◼ 給食施設の衛生管理におけるATPふき取り検査の有効性を示すことができました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【給食委託会社、行政との連携】 ◼ 大量調理施設での衛生管理システム向上に寄与できると考えています ◼ より効率的で精度の高い調理機器・器具の洗浄方法標準化のためのデータ蓄積に貢献します 研究者総覧(日比 裕美子) URL: https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000774_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 グルテンフリー加工食品の開発 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: グルテンフリー加工食品 『 グルテンフリー加工食品の開発 』 農学部 食品栄養学科 教授 山田 徳広 YAMADA Norihiro 研究の内容 背景 現在、小麦製品に含まれるたんぱく質であるグルテンによって小腸に障害が引き起こされるセリアック病や、小麦アレルギーなどのグルテン関連障害が問題となっている。 そして、これらの障害の罹患者のためのグルテンフリー食品、特にグルテンフリーパンの研究開発が行われている。 米はグルテンを形成するたんぱく質を含まないことから、グルテン関連障害を引き起こすことはない。 その一方で、パンの膨らんだ構造を形成するのはグルテンであることから、原料粉として米粉のみを使用した場合にパンを膨らませることは困難である。 近年、製粉技術が進歩し、原料粉として米粉のみを使用した場合でも、小麦を使用した場合と同等の比容積が得られる食パンが製造できる様になってきた。 目的 ■米粉100%パンの製造方法の確立 ■米粉だけでなく、そば粉や、とうもろこし粉を用いたグルテンフリーパンの製造方法の確立 主な成果 ■2斤型を用いて市販の食パンと同等の大きさの米粉100%パンの製造方法を確立した。 ■米粉100%パンの製造には、生地を捏ねる条件が重要であることを発見した。 ■米粉100%パンの製造には、パン型の材質が重要であることを発見した。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 本研究の成果は、小麦グルテンを原因とする免疫系疾患患者に新たな食の選択肢を提供できるだけではなく、米の消費拡大に資するものと考える 研究室名(食品加工学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 Email:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 現代社会におけるストレスについての心身健康科学からの解明とストレス予防の研究 』
生活科学 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:心身健康、ストレスマネジメント、心理臨床活動実践 『 現代社会におけるストレスについての心身健康科学からの解明とストレス予防の研究 』 現代社会学部 現代社会学科 准教授 竹端 佑介 TAKEHATA Yusuke 研究の内容 私たちは生きている以上ストレスから逃れられません。 例えば、睡眠不足や疲労といった生物学的なもの、他者との関わりによる心理社会的なストレス、自然災害などストレスは様々であり、個々人の心身はそのストレスに反応しています(図1)。 図1.ストレッサーによる心身の反応例 現代社会はより多様化し、人々のストレスもさらに複雑化していると考えられます。 ではどのようなストレスから私たちの心身がどのように作用しているのでしょうか。 また、その作用を考えていくだけでなく、ストレスに対してどのように対処できるかを考えることも必要となります。 本研究では、現代社会における様々なストレッサーに対する心身反応について心身健康科学の視点から解明し、さらに、ストレスへの対処あるいは有効な予防法について検討しています。 これまで対人関係上における他者からの評価によるストレスが心と身体に関連することを明らかにしたり(図2)、短時間での意識的な深呼吸を用いることで(図3)、気分の変化が起こることが分かりました。 図2.他者評価ストレスによる身体反応 竹端他(2020):課題評価の予告が心理および自律神経反応に及ぼす影響.心身健康科学,16,1-14 「図3.R-R間隔」より一部改変 図3.意識的な深呼吸の導入 産学連携・社会連携へのアピールポイント これまで子どもから大人まで幅広く心理臨床活動を行ってきました。新たに心身健康科学を取り入れたストレスマネジメント教育を実践することにより、メンタルヘルスの問題に対する予防に取り組みたいと思います。 研究者総覧(竹端 佑介) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000682_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 嚥下機能低下におけるゼリー食の活用 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード:嚥下機能低下、性食品、市販ゲル化剤、嚥下調整食、介護食、機能 『 嚥下機能低下におけるゼリー食の活用 』 農学部 食品栄養学科 准教授 畦西 克己 AZENISHI Katsumi 研究の内容 高齢者の介護および介護予防における食品および調理の提案、さらに介護食への転換 背景 ・嚥下機能が低下すると食事摂取量が減少し、低栄養に陥り、誤嚥性肺炎を引き起こす。 ・嚥下機能に応じた食事を摂取することが必要です。 ・ミキサー食は見た目、食感、味などが悪く、食欲が減退する。 ・ゼリー食に用いられている市販ゲル化剤は成分が不明である ・ゼリー食は冷たい料理が多く、温かい料理として提供しにくい。 目的 ・ゼリー食に用いられている市販ゲル化剤を明確にした。 ・市販ゲル化剤の加温温度の影響について明確にした。 ・その知見を、新しい介護食の開発に応用する。 病院および老人介護施設での食形態 市販ゲル化剤を用いた各食品におけるテクスチャー特性(硬さおよび付着性)の比較 主な成果 ・市販ゲル化剤の成分は、キサンタンガムにローカストビーンガムを混合したものとネイティブ型ジェランガムに大別することができた。 ・市販ゲル化剤の主原料を明確にし、食材、調味料、温度の影響を考慮することにより、安定した物性と良好な嗜好性であるゼリー食を作製することができた。 各食品における温度によるテクスチャー特性(硬さおよび付着性)の比較 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【食品企業との連携】食品の機能性や調理技術に関する知見を、新しい介護食の開発につなげたい。 【地域高齢者への貢献】地域高齢者の栄養食事指導を通じて、栄養状態を把握し、低栄養の改善および介護予防を実践していきたい。 【地域との連携】地域の医療機関・施設などと連携し、フレールおよびサルコペニアの改善および予防に関する食の情報を提供していきたい。 研究室名(臨床栄養学第2研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 フレイル予防の取り組み 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: フレイル予防 高齢者 食事バランス 栄養素 『 フレイル予防の取り組み 』 農学部 食品栄養学科 教授 百木 和 MOMOKI Chika 背景 ◼ 高齢者の低栄養が問題になっています。 食事量や運動量が少ない状態が続くと、筋肉量が減少した身体的フレイル(サルコペニア)状態になり、転倒などによって要介護状態になってしまう危険性があります。 ◼ 市町村では、75歳以上の方を対象としたフレイル健診も始まり、健康寿命を延ばすためのフレイル予防が重要です。 目的 ◼ フレイルを予防するために栄養素の摂取量や食事バランス、筋肉量などを評価し、食事・栄養面から介入することで疾患改善、健康寿命延伸に役立てます。 主な成果 ◼ どのような生活習慣や食事バランスの方がフレイルに陥りやすいか、栄養講習等の介入によるフレイル・サルコペニアの改善効果について解析しています。 ◼ ビタミン、ミネラル類の摂取量が、筋肉量や身体機能にどう影響するか研究を進めています。 ◼ 各自治会、地域包括センターと連携した介護予防、栄養改善の取り組みを行っています。 ◼ 地域のクリニックにおいて、高齢者に対する栄養指導の効果を検証しています。 フレイルサイクル(健康長寿ネットより) 奈良県内における栄養講習の様子 介護予防教室における調理実習 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】 疾患によっては、ある種のビタミンやミネラルを制限しなければいけない方がいます。 食事制限だけでなく、含有量を調整した食品開発に取り組みたいと考えています。 【地域との連携】 栄養講習などを引き続き行うことで、高齢者の方の身体状況改善およびフレイルに関する啓蒙活動に取り組みたいと思います。 研究室名(臨床栄養学第1研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 調理がもたらす健康生活 』
生活科学 農・食品 キーワード: 健康調理、栄養、嗜好性、機能性、冷凍 『 調理がもたらす健康生活 』 農学部 食品栄養学科 教授 安藤 真美 ANDO Mami 研究の内容 新しい健康調理の開発 背景 現代の「食」に求められているのは基本である「栄養」や「おいしさ」の他に、「よりよい健康状態の維持」も含まれています。 私たち人間は多様な食材に多様な調理操作を施すことにより“料理”として摂取しています。 食品の機能として、栄養機能・嗜好機能・生体調節機能がありますが、各種の調理操作によりこれらの機能性は大きく変化します。 目的 調理の各種条件や調味成分などにより変化する食材の栄養素、嗜好性、生体調節機能を明らかにします。 人体に有効な物質を解明することで、サプリメントの開発などを通じてQOLの向上と食品産業への貢献を目指します。 主な成果 加熱により野菜類の抗酸化能が向上することを化学発光法やORAC法などにより明らかにしました。 製造過程において加熱処理を行っていない醤油に残存するプロテアーゼ活性が調味食材の物性を軟化せることを明らかにしました。 氷温貯蔵を施すことでエビ類の色持ちの向上、スイカの甘み増加を明らかにしました。 不凍タンパク質を野菜類に適用し、一部の野菜について耐凍性の付与に成功しました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】 少子高齢化社会においていかに人々の健康維持に貢献できるかを主眼に置き、高い付加価値を生み出す調理方法を開発に取り組み、新しい介護食やアレルギー対応食などの開発に活かしたいと考えています。 【健康調理の普及活動】 地域の人々の健康管理のための食育、グローバルな環境問題と食に関する情報発信などを通じて、調理学の立場から関わることができる課題に取り組みたいと思います。 研究室名(調理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 アトピー性皮膚炎の身体についての社会学的研究 』
生活科学 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:身体、病い、アトピー性皮膚炎 『 アトピー性皮膚炎の身体についての社会学的研究 』 現代社会学部 現代社会学科 特任助教 加戸 友佳子 KADO Yukako 研究の内容 現在中心的に取り組んでいるのは、自身も罹患するアトピー性皮膚炎を起点にして、 ①現代の身体観を批判的に検討すること、 ②この病をもつ人が、周囲との関係の中でどのように生きているのかを明らかにすることです。 ①については、近年蓄積されている身体論、スキン・スタディーズ(皮膚を対象とする学際的な研究)よりヒントを得ながら、新型コロナウイルス流行を経験してきた我々にとって、どのような身体認識が可能なのかを考察しています。 ②で現在焦点を当てているのは、アトピーにとって特徴的な、自分の体を「掻く」ことです。 「掻き」プライベートな場でなされるとよく言われますが、実際には他者とのやり取りの中でもなされています。 会話におけるその様相や無意識の技法を、ビデオ映像を利用し分析しています。 完治しない、付き合っていく病について、「治す」以外の視点からアプローチしています。 別カメラ (6秒間) 図 Zoomでの会話における加戸の「掻き」。 短時間で複数箇所を掻き、メモを取る体勢にシームレスに移行している。 これ以外にもさまざまな方法で「掻き」は行われる。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 自己の身体の制御不足(我慢ができない人)としての偏見が持たれがちな病について、そうではないオルタナティブな見方を提供します。 研究者総覧(加戸 友佳子) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000685_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生活科学 | 摂南大学 | 『 地域がかかえる課題の解決支援 』
生活科学 摂南大学 農・食品 キーワード: 政策疫学、地域診断、食生活改善、商品開発 『 地域がかかえる課題の解決支援 』 農学部 食品栄養学科 特任教授 黒川 通典 KUROKAWA Michinori 研究の内容 行政計画策定時の健康課題や解決に向けた提案、さらに商品開発で地域の活性化へ 地域診断と提案 健康という視点で地域をみると、高血圧者が多い地域、肝臓がんで亡くなる方が多い地域など、様々な特徴がわかります。 それらの健康課題と食生活との関連を明らかにするための調査や分析を行っています。 関連性が認められた食事内容や食行動については、行政計画策定時につくられる行動計画に組み込まれるよう提案を行っています。 また、食行動変容ツールとして、バランスの良い食材購入を促す食育教材などの開発を行っています。 商品開発(販売実績のあるもの) ・獣害で捕獲される鹿肉の特性を生かして、アレルギー対応 非常災害備蓄用缶詰を作りました。缶詰にするには120℃のレトルト殺菌が必要ですが、鹿肉は加熱ですぐに固くなるので、特別な加熱方法を開発しました。 ・地域の特産品であるイチジクを使ったお菓子を作りました。 農家の方のイチジクの皮をむくのが大変という話を聞き、皮ごと乳酸発酵させることで、手間を省いた環境にやさしいイチジクソースを作りました。 ・地域の特産品であるみかんのうち、出荷できない小さなみかんを使って、からだにやさしい低GIのみかん大福を作りました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【行政計画の策定支援と評価】 健康増進計画等の行政計画は策定だけではなく、モニタリングや評価が大切になってきます。 そのためにはしっかりとした定点調査等が必要で、そのお手伝いができればと考えます。 【鹿肉を使った加工食品の開発】 現在、特定原材料27品目を使用しない鹿肉缶詰(特願2015112157号)に続いて、鹿肉チップス、鹿肉レトルト総菜を開発中です。 研究室名(公衆栄養学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生産加工 | 摂南大学 | 『 工作機械等を用いたものづくり教育 』
生産加工 摂南大学 ものづくり・製造技術 キーワード:加工技術、アーク溶接 『 工作機械等を用いたものづくり教育 』 理工学部 テクノセンター 技術職員 釣本 聖司 TSURIMOTO Seiji 研究の内容 ものづくりにおける技術は日々変化しており、求められる人材も多様化している。 ものづくりにおける社会に対応した人材をものづくり教育によって育てる必要がある。 本研究は、参考文献と資料収集による検討、および試料の実加工を行い、より効果的にものづくり実習者の興味を引き、ものづくりに対する理解を深めるためにはどのようにすればよいかを思案、実行するものとする。 具体的には既存の工作機械を用い、切削加工が困難とされるアクリル材等を複雑形状に加工をおこなって適正切削加工条件データを収集し加工プロセスを考察、分析を行う。 産学連携・社会連携へのアピールポイント ものづくりでは切削理論や溶接知識といった総合的な経験知識が有用です。テクノセンターではものづくりにおける総合的な実習体験プログラムがありますのでご利用をご検討ください。 テクノセンター URL: http://www.setsunan.ac.jp/~factory/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生産加工 | 摂南大学 | 『 生産現場における省エネ・環境負荷低減技術の開発 』
生産加工 摂南大学 ものづくり・製造技術 キーワード:生産計画、加工法、省エネ 『 生産現場における省エネ・環境負荷低減技術の開発 』 理工学部 機械工学科 助教 寒川 哲夫 SAMUKAWA Tetsuo 研究の内容 ものづくりを主たる産業とする我が国においてSDGsを達成するためには、生産現場での省エネおよび環境負荷低減をより深化させる必要があります。 私は意思決定段階から実行段階まで、さまざまな視点から省エネ・環境負荷低減につながる技術を開発しています。 1.生産システム全体のエネルギーを調和する生産計画立案手法の開発 工場全体のエネルギー消費や環境負荷排出量を生産計画立案の段階でコントロールする方法論を提案し、使用する機械や加工方法の選択だけでなく、工作機械を動かす速さなども考えます。(図1) 2.表面処理工程を集約する加工法の開発 切削加工や放電加工による仕上げ加工において、所望の寸法への加工と同時に、加工面の機能性を付与・向上させる方法について研究しています。 微細な凹凸を加工面につけることで、審美性や撥水性を向上させることができました。(図2、3) 3.工具摩耗や加工面欠陥を抑制する加工条件の検討 CFRPや超硬合金を対象に、各種メカニズムを明らかにしたうえで、より良い結果が得られる加工条件を明らかにしています。 図1.生産計画の立案 図2.切削加工痕形状の制御 図3.加工面の凹凸による各機能性向上 産学連携・社会連携へのアピールポイント 省エネや環境負荷の低減には設備更新が非常に効果的ですが、金銭面での負担が重いため、誰もができる選択ではありません。 その一方で、地道なムダの削減にも限界がありますし、空調や照明のオフは作業者の負担に繋がり、SDGsに逆行します。 私が提案している方法であれば、現在の設備をそのままに、運用方法を変えるだけで、省エネや環境負荷低減を実現できる可能性があります。 研究者総覧(寒川 哲夫) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000106_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 タンパク質の機能解析と分子設計 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: タンパク質分解酵素、濁水浄化タンパク質、機能性食品 『 タンパク質の機能解析と分子設計 』 理工学部 生命科学科 教授 尾山 廣 OYAMA Hiroshi 研究の内容 タンパク質は、生命現象をつかさどる重要な生体分子であり、研究室では、タンパク質がもつ特有の機能と独特な立体構造との関係を分子レベルで解析しています。 例えば、阿蘇の温泉で発見したクマモリシンは70℃でも失活しない特徴があり、この酵素の耐熱化のしくみが分かると、その技術を利用してワクチンや検査試薬を常温で保存することが可能になります。 最近では、モリンガ種子に含まれる多機能性の塩基性タンパク質に注目し、研究を行っています。 モリンガはワサビノキともよばれ、熱帯・亜熱帯で生育するパパイヤの近縁種ですが、日本人には馴染みのない植物です。 海外では、奇跡の木とも言われており、成長が早い、乾燥に強い、二酸化炭素吸収量が高い、挿し木で栽培できる、葉、花、さや、種子が利用できる、種々の有用成分や薬用成分を利用できるなどの特徴があります。 新規なモリンガ食品の開発を目的に、脱皮した種子をテンペ菌で発酵させたところ、GABAなどの遊離アミノ酸やポリフェノールが豊富に含まれ、優れた抗酸化活性を有し、種子由来の抗真菌活性を保持した機能性食品であることをが分かりました。 種子に含まれる油は精密機械や化粧品に使用する高級ベンオイルであり、その搾りかすで濁水を浄化すると、水質浄化と有機肥料が生じ持続可能な開発が実現できます。 モリンガの二酸化炭素吸収量はスギの約20倍と高く、温室効果ガスの削減に向けたSDGsの観点からも注目されています。 その他、有用微生物の探索研究の実績もあり、キチンを分解する酵素、食肉を柔らかくする酵素、呈味性を改善する酵素などを見出し、それらの機能解析と食品への応用を進めています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 有用微生物の探索研究をスタートに、新規なタンパク質を対象に分子レベルでの機能解析と新機能の開発を進めてきました。 有用微生物の探索研究では、食品会社との共同研究を中心に、カニの甲羅成分、キチンを分解する酵素、食肉の繊維質を分解して柔らかくする酵素などの機能性タンパク質を見出し、それらの機能解析を進めてきました。最近では、育毛発毛サービス及び関連商品メーカーとのモリンガ種子タンパク質を添加した「濁水浄化シャンプー」を開発したり、広島の食品素材メーカーと大豆発酵食品のアトピー抑制効果の解析やモリンガ種子の機能性食品への開発などに取り組んでいます。 研究者総覧(尾山 廣) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001067_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 ウイルスと植物との分子応答機構 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 植物ウイルス、増殖メカニズム、抵抗性戦略 『 ウイルスと植物との分子応答機構 』 農学部 応用生物科学科 教授 海道 真典 KAIDO Masanori 研究の内容 ウイルスはゲノム核酸とタンパク質の殻から成る粒子構造をとり、様々な生物の細胞を乗っ取って爆発的に増殖し、全身に広がっていきます。 生物と非生物の間の存在、などと言われますが、近年の研究の進展によって生物の定義そのものが大きく揺らいでいるのが現状です。 植物ウイルスは細胞に侵入すると、細胞の内膜系を足場にして「複製工場」を形成します。ここで複製されたウイルスゲノム核酸は、ウイルスの移行タンパク質の働きによって細胞間を繋ぐ極細のトンネルである原形質連絡へと運ばれ、これを通過して感染域を拡大して行きます。 植物ウイルスと植物は、細胞の中で様々な戦術を駆使して戦っています。ある種の植物は、ウイルスの増殖を直接阻害したり、ウイルスのゲノム配列を認識して特異的にこれを分解したり、ウイルスタンパク質を認識した細胞が自殺することでウイルスを封じ込める、など、様々な防御機構を持っています。 私たちは主にRNAゲノムをもつ植物ウイルスを中心に、これらと植物との相互作用を分子レベルで解明し、植物ウイルスに対する新しい防除技術を開発することを目指しています。 ウイルス移行タンパク質(MP)の可視化 MPはウイルス複製工場(左図)と細胞間の連絡通路に局在する(右図)。 白点線:細胞壁 bars = 10 μm 植物RNAウイルスの複製と細胞間移行過程の模式図 産学連携・社会連携へのアピールポイント 本研究は、植物ウイルスの増殖に必要な植物遺伝子の発現制御による抗ウイルス植物の作出や、植物が持つ抗ウイルス抵抗性機構を利用した分子育種に取り組みます。 研究室名(植物環境微生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
生産加工 | 摂南大学 | 『 グリーン製造のシステム技術 』
生産加工 ものづくり・製造技術 キーワード:エネルギー効率 最適化 機械加工 『 グリーン製造のシステム技術 』 理工学部 機械工学科 教授 諏訪 晴彦 SUWA Haruhiko 研究の内容 グリーン製造の研究領域は、製品ライフサイクル、省エネルギー、エネルギー変換や可視化技術など多岐にわたる(右図)。 本研究室では、生産システムの実行系と計画管理系を研究対象領域として、「日々のエネルギー高効率な生産システムの操業」を実現するシステム技術の開発を目指している。 (1) エネルギー密度に基づく生産システムの最適化技術 CNC工作機械を軸とする生産システムを対象として、エネルギー密度の概念を導入し、生産設備のエネルギー消費量に対する普遍的で統一的な評価モデルを構築し、生産システムのエネルギー高効率な運用最適化技術の開発を目指している。 (2) 超硬合金の低環境負荷切削技術 難切削材の一つである超硬合金(金型)の切削加工は、放電加工などの従来加工法に比して、リードタイムの削減、仕上げ精度、ドライ加工可能な意味で環境負荷の低減などに優れる。ボールエンドミル切削に着目し、最適切削条件を同定すべく、工具の摩耗特性および工具寿命、切削メカニズム、被削材の仕上げ品質など多方面からの評価および特性分析を行っている。 (3) 機械学習を用いた切削工具の異常予知・検知技術 高度IoTデバイスを用いた機械加工の時系列データ(刃先温度,振動加速度や消費電力など)から,加工不良の検知や,工具異常を予知する技術開発を進めている。 確率機械学習や,回帰ニューラルネットワーク,これらを分析モデルと融合した手法を基盤技術とする。 産学連携・社会連携へのアピールポイント ・CNC工作機械を中核とするスマート製造システムのエネルギー高効率な運用最適化 ・工場内物流システム(マテリアルハンドリングシステム)におけるCO2排出量の削減と、省エネルギーかつ生産効率の高い搬送の最適化 ・機械学習による加工の変化検知・工具の異常検知技術 ・超硬合金製精密金型の環境に優しい切削加工技術 研究者総覧(諏訪 晴彦) URL: http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001148_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 植物抽出液配合スキンケア化粧品の開発 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:未利用植物資源、エイジングケア、スキンケア化粧品 『 植物抽出液配合スキンケア化粧品の開発 』 理工学部 生命科学科 教授 湯浅 恵造 YUASA Keizo 研究の内容 背景および目的 世界でも類をみない超高齢化社会を迎えた日本では、健康寿命の延伸が緊急の課題となっており、エイジングケアに注目が集まっている。 老化は様々なストレスに起因するが、皮膚老化では、主に紫外線(UV)によって引き起こされる光老化が原因とされている。 紫外線は活性酸素種(reactive oxygen species; ROS)の産生を誘導し、炎症やしみ、しわなどの皮膚疾患を引き起こす。 柑橘類を含めた植物には、多種多様なフラボノイド類が含まれ、それらは抗酸化作用やメラニン産生抑制効果などの皮膚に有効な生理活性を有することが知られている。 私たちの研究室では、未利用植物資源を利用して、スキンケア化粧品の新たな有効成分の開発を行っている。 研究成果 搾汁工程で発生し廃棄処理される柑橘類搾汁残渣(主に、果皮・種子)の有効利用を目指し、ヒト表皮角化細胞株およびヒト真皮線維芽細胞を用いていくつかの柑橘類果皮抽出液の効果を調べた。 その結果、角化細胞株において、ある柑橘類の果皮抽出液が加齢によって活性が減少する酸化ストレス応答転写因子Nrf2を活性化するとともに、紫外線によって誘導されたROS産生を抑制することを明らかにした。 また、皮膚保湿に関わる水チャネルであるアクアポリン3の発現を上昇させることを明らかにし、ある種の柑橘類果皮の抽出液が皮膚に有効であることを示した。 紫外線照射によって発生したROS(緑色)がある種の柑橘類果皮抽出液によって抑制されることが示された 産学連携・社会連携へのアピールポイント 未利用の植物資源はまだまだ多く、これらを有効利用して、化粧品をはじめとして、医薬品や食品(機能性食品)などの開発にも今後取り組んでいきたいと考えています。 また、植物に含まれるフラボノイド類などの成分に着目した研究も行っており、それらの新たな生理活性の探索およびその作用機序の解明に取り組んでいます。 未利用資源の高付加価値化を行い、地域産業、地域社会への貢献を目指しています。 研究者総覧(湯浅 恵造) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000555_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 植物一糸状菌間の分子相互作用 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 植物一微生物間相互作用 糸状菌 共生・寄生菌 『 植物一糸状菌間の分子相互作用 』 農学部 応用生物科学科 准教授 田中 茂幸 TANAKA Shigeyuki 研究の内容 植物の生理生長を促す共生・寄生性糸状菌を利用した、新しい植物生長の制御技術の開発へ 背景 ・植物の生長は厳密に制御されており、人工的に生長を操作することは容易ではありません。 ・植物に共生・寄生する糸状菌(カビ)には植物生長を巧みに操作するものがいます。 ・糸状菌が持つ植物生長を操作する能力を分子レベルで明らかにすれば、農業へ応用することが期待できます。 (左)カビにより肥大化したトウモロコシの組織 (右)植物組織内に蔓延するカビの顕微鏡写真 目的 ・糸状菌が分泌する物質に着目し、その機能を調べます。 ・得られた知見をもとに、新しい植物生長の制御技術の開発を行います。 主な成果 ・植物組織を肥大化させる糸状菌であるトウモロコシ黒穂病菌において、肥大化に関与する分泌タンパク質を同定しました。 ・一部の分泌タンパク質の分子機能を明らかにしました。 ・分泌タンパク質の分子機能進化について明らかにしました。 ・糸状菌が分泌する細胞外小胞(エクソソーム)が植物との相互作用に果たす役割について研究しています。 (上)分泌タンパク質群を持つ野生型 (下)分泌タンパク質群欠損型 250nm 糸状菌が分泌する細胞外小胞 (エクソソーム)の電子顕微鏡写真 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農薬・製薬業界との連携】研究により見つかった糸状菌が分泌する有効成分を農業現場で生かすため、製剤化を目指した技術開発に取り組みたいと思っています。 【農業現場との連携】農業現場で見られる植物にとって有用な糸状菌を採取して研究し、得られた成果を再び農業の現場へと還元したいと思っています。 研究室名(植物環境微生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 植物環境応答の分子生理学 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 光合成 植物のストレス対応 ポストハーベスト 伝統工芸 『 植物環境応答の分子生理学 』 農学部 応用生物科学科 教授 椎名 隆 SHIINA Takashi 研究の内容 植物生理学からの新しい農業技術・食品保存技術の提案、さらに伝統工芸の分子生物学へ 背景 ・植物は動くことができませんが、環境変動や病原体感染を敏感に感知し、環境にうまく適応しています。 ・光合成の場である葉緑体は、植物の環境応答において重要な役割を果たしますが、その分子機構は不明です。 ・植物の環境応答の研究は、農作物の生育や収穫物の保存特性の向上と密接に関係します。 目的 ・葉緑体との関係を中心に、植物の環境応答の新しい分子機構を解明します。 ・その知見を、新しい農業技術の開発に応用します。 主な成果 ・モデル植物の研究から、葉緑体の発達を制御するキー因子や、環境応答を制御する新しい葉緑体因子などをみつけてきました。 ・農産物の収穫後ストレスの低減を目指して、接触刺激に応答する分子機構を解析しています。 ・葉緑体の遺伝子を操作する技術を有しています。 ・漆の原料植物ウルシの分子生物学研究を進めています。 ・遺伝子組換え農業の科学コミュニケーション活動。 順⾏シグナルSIG6 シグマ因子・pTACs 葉緑体分化 SIG5 ps bD光応答転写 pTAC3葉緑体分化 防御応答転写因子 SA合成 光合成遺伝子 核 強光 環境ストレス CAS 逆⾏シグナル 葉緑体 細胞膜 H2O2 細胞壁 O2 O2 病害抵抗性 植物の環境応答における葉緑体と核のコミュニケーション 接触刺激に対する初期応答 接触刺激は成長抑制を引き起こす(野生型シロイヌナズナ) 接触刺激による成長抑制を起こさない変異体 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】植物の環境応答についての分子レベルの知見を、新しい栽培技術や青果物保存技術の開発につなげたい。 また、葉緑体を使った有用物質生産に取り組みたいと思っています。 【伝統工芸との連携】ウルシなどの伝統工芸材料植物のゲノム研究の成果を、伝統技術の持続的継承や地域振興に活かしたいと思います。 研究室名(植物分子生理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 植物および真菌由来の機能性糖質の代謝メカニズム解析と応用 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: ペクチン、フラボノイド、機能性食品 『 植物および真菌由来の機能性糖質の代謝メカニズム解析と応用 』 理工学部 生命科学科 准教授 大橋 貴生 OHASHI Takao 研究の内容 機能性糖質代謝の分子メカニズムを解明する基礎研究、また微生物を用いた機能性糖質の醗酵生産へと展開する応用研究を通じて、持続可能な社会の発展に貢献できることを目指しています。 具体的には、主に以下の2つの研究テーマについて取り組んでいます。 1. 植物細胞壁多糖ペクチン代謝の分子メカニズムの解明 ペクチン代謝に関与する酵素を同定・解析しながら、ペクチン代謝の分子レベルでの仕組みを明らかにしていきます。 このペクチン代謝の仕組みが分かることで、様々なストレス環境下でも生育できる植物を育種したり、バイオマスの安定生産技術に応用したり、生分解性プラスチック素材や機能性食品の開発に応用したりすることが期待されます。 2. 微生物を用いた機能性フラボノイド配糖体の醗酵生産 配糖体化に関わる酵素遺伝子を導入した組換え微生物(大腸菌・酵母)を用いて、様々な糖鎖構造を持った機能性フラボノイド配糖体の醗酵生産に取り組んでいます。 この微生物を用いた醗酵生産系を用いることで、様々な種類の糖鎖を持ち、新しい機能性を持ったフラボノイド配糖体を安価にかつ大量に生産することができるようになります。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 1.植物由来オリゴ糖・多糖成分の抽出・精製・解析技術があります。 2.糖タンパク質糖鎖の構造解析技術があります。 3.糖質関連酵素の酵素学的解析、組換え酵素の生産の実績があります。 4.組換え微生物を利用した機能性糖質(細胞壁多糖、フラボノイド配糖体など)の発酵生産技術があります。 糖質生化学研究室 http://www.setsunan.ac.jp/~bio/characteristics/labo/ohashi.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 水圏生物由来有用酵素の利用 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:海洋生物 酵素 反応機構 立体構造 ミネラル 水産食品 『 水圏生物由来有用酵素の利用 』 農学部 応用生物科学科 教授 増田 太郎 MASUDA Taro 研究の内容 海洋生物化学からの新しい農業技術・食品保存技術を提案し、酵素がもたらす生命現象を分子レベルで明らかにする。 背景 ◼ 水圏に棲む生物は、陸上に住む私たちの想像を超える多様且つ意外な戦略をもって生命を維持しています。 ◼ タンパク質、酵素はそのような生存戦略に不可欠な道具です。 ◼ このようなタンパク質は、生命の外に出ても、環境、或いは水産物の食品としての性質に影響を与えます。 目的 ◼ 水圏に棲む生き物が持つ有用なタンパク質の性質を調べ、その知見を、食品の保蔵や環境浄化に応用します。 主な成果 ◼ 金属集積タンパク質、食品の劣化に関わる酵素の立体構造を詳細に調べ、その反応機構を明らかにしました。 ◼ 「魚肉」を形成するタンパク質の物性変化と加工特性についても、分子レベルでの研究を行っています。 ◼ 藻類、甲殻類など水産食品の品質とミネラル、タンパク質の関連について研究を続けています。 ◼ 水産物・食品における「変色」の功罪とそのメカニズムを酵素反応レベルで明らかにし、食品・医療分野への応用を目指します。 フェリチンの全体構造(左)と「輪切り」構造(右)。 分子内に多量の鉄を貯め込むことができる。 金属集積・回収容器になるか?? 甲殻類フェノールオキシダーゼ(左)とヘモシアニン(右)の活性中心構造。 ほとんど同じ、でも活性は? メラニン形成は左のみ。 メラニン形成阻害技術の食品保蔵と美容への応用 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【食品分野との連携】食品の「変色」反応は、「劣化」と捉えられますが、場合によっては「熟成」でもあります。 酵素による変色反応を自由に調節し、食品分野への応用を探ります。 【医薬・美容分野との連携】同様の反応(メラニン形成など)は人体でも起こっており、 その制御技術を健康と美容の維持に役立てます。 【科学コミュニケーション】摂南大学が位置する淀川水系の生物について、その今昔を淀川の生き物と水圏の伝統食品の視点から紹介します。 研究室名(海洋生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 応用ゲノム生物学 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: ゲノム情報学 細胞内共生進化 巨大ウイルス ゲノム編集 『 応用ゲノム生物学 』 農学部 応用生物科学科 准教授 松尾 充啓 MATSUO Mitsuhiro 研究の内容 ゲノム進化の原理の探求、ゲノム育種・ゲノム視点からの環境アセスメント 背景 ・生命の設計図であるゲノムを解析することで、生物の機能を遺伝子レベルで詳細に解析することができます。 ・生物、ウイルスゲノムを比較解析することで、生物がどのように進化してきたのかを知ることができます。 ・環境中には多種多様な未知のウイルスが多く 存在しています。 ・環境DNAサンプルを解析することで、環境中にどのような微生物・ウイルスがいるのかを調べることができます。 目的 ・ゲノム情報を鍵に、生物の進化の原理や植物誕生の謎を解き明かします。 ・ゲノム解析技術を用いて、市場価値のある有用植物の創出や、土壌・水質のアセスメント手法の開発に取り組みます。 主な成果 ・若い光合成オルガネラを持つ有殻アメーバの核ゲノムを解読しました。 ・有殻アメーバのゲノム解析から、細胞内共生進化について巨大ウイルスが関わる新仮説を提示しました。 ・分子遺伝学の手法により、植物の酸化ストレス応答を制御する転写因子の機能を明らかにしました。 細胞内共生進化の3者 (宿主・共生者・ウイルス)モデル細胞内共生進化初期においては、巨大ウイルスが共生者と共に宿主に入り込み、共生者から宿主への遺伝子転移が加速した。 植物の酸化ストレス応答の解析 酸化ストレス応答のキー因子RRTF1を発現させると、植物は環境ストレスに過剰に反応して葉を黄化させる。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業との連携】ゲノム情報とゲノム編集技術を用いて、強い環境ストレス耐性を持つ農作物や市場価値の高い有用植物の創出に取り組みたいと考えています。 【環境ビジネスとの連携】未同定の環境ウイルスを検出する新しい環境ゲノム学手法の開発と、それらを用いた環境アセスメント手法の開発に取り組みます。 研究室名(ゲノム生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 細胞内イオン(電解質)の新たな機能の探索 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: クロライドイオン、イオンチャンネル、イオン輸送体 『 細胞内イオン(電解質)の新たな機能の探索 』 理工学部 生命科学科 教授 宮崎 裕明 MIYAZAKI Hiroaki 研究の内容 様々な動物において、種や生息環境に関わらず体液の塩分(NaCl)濃度は驚くほど一定の範囲内に保たれています。 このことは、体液のイオン濃度が一定に保たれることにより細胞が正常に機能出来ることを意味しています。 Na+は、膜電位の形成や維持、活動電位の発生や筋収縮など様々な生理的役割があることが知られています。 一方、Cl-の生体内における役割については、ほとんど重要視されていませんでした。 そこで当研究室は、Cl-の生理機能について細胞レベルで検証し、細胞内Cl-が変化すると癌の増殖・転移や神経突起の伸長など様々な細胞機能に影響を与える事を明らかにしています。 すなわち、細胞内のCl-濃度が正常な値を逸脱することが、様々な疾病の原因になり得ることが予想されます。 細胞内のCl-濃度は、細胞内と細胞外の間でCl- を輸送するCl-輸送体タンパクやClチャネルタンパクの発現や活性バランスによって、一定のレベルに保たれています(Cl-ホメオスタシス)。 図1 癌細胞は低Cl-環境下で増殖が抑制される 図2 細胞内Cl-濃度の減少は細胞の遊走・浸潤能を亢進する Genistein Daizein Na+, K+, 2Cl共輸送体 (NKCC) Apigenin Quercetin 2ClNa+ K+ 癌細胞 従って、これらの輸送体タンパクやチャネルタンパクの発現や活性レベルの異常はCl-ホメオスタシスを撹乱させることに繋がり、そのことが疾病の原因になり得ると考えられます。 ClGenistein と Daizein は細胞外にCl-を排出するCl-チャネルを活性化し細胞内Cl-濃度を低下させる ApigeninとQ u ercetin は細胞内にC l-を取りこむNKCCを活性化し細胞内Cl-濃度を増加させる Cl- Cl- チャ ネル 図3 フラボノイドによるCl-輸送体・チャネル活性制御 産学連携・社会連携へのアピールポイント 先行研究により、天然由来成分であるフラボノイドは、さまざまなCl-輸送体タンパクの活性に影響を与えることが明らかにされています。 そこで、Cl-輸送体の異常と疾病の関連をさらに詳しく解明し、フラボノイドなどのCl-輸送体タンパク質活性制御因子を活用することにより細胞内Cl-ホメオスタシスを正常化させるという、全く新しい視点からの疾病予防・健康増進法の確立を目指します。 細胞生命生理学研究室 URL https://www.setsunan.ac.jp/~bio/characteristics/labo/miyazaki.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 構造生物学に基づく検査用酵素および測定技術の開発 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 検査用酵素、測定技術、構造生物学 『 構造生物学に基づく検査用酵素および測定技術の開発 』 理工学部 生命科学科 教授 西矢 芳昭 NISHIYA Yoshiaki 研究の内容 微生物が生産する酵素の能力を理解し、実用性を高める研究を行っています。 研究対象の酵素は分析分野での応用が期待され、臨床検査薬や世界初の特殊健康診断薬、バイオセンサなどで既に実用化や商品化がなされています。 改良酵素の合理的デザインのため、X線結晶構造解析による立体構造の決定(図1)、計算科学による変異効果の解析、酵素反応機構の動的シミュレーション(図2)などを行い、研究の効率化を図っています。 また、シンプルにリアルタイム測定可能な半導体バイオセンサ(図3)を開発中です。 遺伝子研究用試薬、画像解析装置、蛍光分析装置などの開発実績もあり、ユニークな技術融合が可能です。 医療や研究分野では種々のバイオ計測システムが活躍していますが、主なものは海外製です。 日本の高い基礎技術が、応用技術の不足で後塵を拝する状況を打破する一助となれば幸いです。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 24年間、製造業にて商品開発、製造、販売の場で働き、種々の産学連携にも産の立場から関与しました。 共同研究では、これらの経験を活かして適切な対応が可能です。 また、発明者として200件以上の出願、100件以上の特許登録の実績があり、開発技術の共同特許出願に際し潤滑に対応できます。 研究室名(特殊環境微生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/~bio/characteristics/labo/nishiya.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 ミネラルおよび栄養成分高付加食品の開発 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 植物、ミネラル、栄養 『 ミネラルおよび栄養成分高付加食品の開発 』 理工学部 生命科学科 講師 長田 武 NAGATA Takeshi 研究の内容 当研究室では、トマトなど野菜のミネラル吸収、分布や転流などに焦点を当て、ミネラルや栄養成分高付加食品の開発を基礎研究レベルで行っています。 研究では下記に示します植物生理機能の解明に取り組んでいます。 ①ビスマスによるトマト根における細胞死機構の解析 植物の細胞死機構は完全には解明されておらず、植物の効率的な栽培のためにその解明が待たれています。 元素分析や顕微鏡を用いた解析を行っています。本研究テーマは研究室のメインテーマとして注力しています。 ②シロイヌナズナの金属イオントランスポーターの機能解析 植物個体におけるカルシウム、ストロンチウム、鉄などの組織分布に関与すると予測されるトランスポーターについて、生化学解析を行っています。 今後、大腸菌や酵母などへの遺伝子組換えを予定しています。 ③トマトのペプチドホルモンの環境ストレスへの関与 トマトに含まれるシステミンは病害虫に対する防御機構と関連していると考えられています。 しかし、その応答機構にどのように関わっているか、詳細がわかっていません。機器分析やバイオインフォマティクスなどを通して研究しています。 以上の 3 研究テーマについて、植物培養技術、微生物培養技術、元素分析、ペプチド分析、生化学解析、遺伝子組換え技術などを駆使して研究を行っています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 現在、遺伝子組換え食品はパブリックアクセプタンスを得られているとは言い難いのが現状です。 当研究室の最終目標は他の生物の遺伝子を組換えずに、植物の能力を最大限引き出すこととしています。 この点が最大の特徴です。また、シロイヌナズナ、トマト、オオムギなどの植物を用いて植物有用成分の亢進やミネラル高付加野菜の開発を目指すところに独創性があります。 現在、錠剤型のサプリメントなどが流通しているが、本研究が達成されると食事からの栄養供給が促進されると考えられます。 また、植物の生産力が向上すれば、食料自給率の上昇も期待されます。 研究者総覧(長田 武) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001008_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 マウスを用いた新規薬効評価系の構築とその応用 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 運動パフォーマンス、睡眠、シミ 『 マウスを用いた新規薬効評価系の構築とその応用 』 理工学部 生命科学科 講師 居場 嘉教 IBA Yoshinori 研究の内容 私たちの研究室では、マウスを用いた新規薬効評価系を構築することにより、病態の解明や薬効評価に取り組んでいます。 現在行っている研究テーマは以下の4つです。 1.運動パフォーマンス評価系の構築とその応用 強制遊泳装置を用いた新規運動パフォーマンス評価系を構築し、各種ドーピング禁止薬物の効果や作用メカニズムについて調べます。 2.睡眠薬の薬効評価系の構築とその応用 睡眠薬の薬効をイソフルラン麻酔の延長作用で評価する簡易な実験系を構築し、この薬効評価系を用いて、明暗サイクルが睡眠薬の効果に影響を及ぼすことを明らかにしました。 3.シミ形成モデルの構築とその応用 メラニンを含有するヘアレスマウスに紫外線(UVB)を繰り返し照射することで、シミが形成されるモデルを構築し、病態の解明や薬効評価に取り組んでいます。 4.糖尿病による炎症増悪モデルの構築とその応用 炎症期における障害について検討する目的で、糖尿病による炎症増悪モデルを構築しました。 現在、このモデルを用いて、糖尿病による炎症増悪を抑制する薬物の探索を行っています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 病気の仕組みの解明や薬効評価のために、様々な疾患モデル動物が開発され利用されてきました。 しかし、適当な動物モデルがないために、病態の解明や薬効評価が進んでいない分野も多く存在しています。 医薬・医療分野との連携を通じ、マウスを用いた新規薬効評価系の構築により様々な病態の早期解明や薬効評価に貢献します。 研究者総覧(居場 嘉教) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100000975_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 酵素タンパク質の分子構造から、そのはたらきを解明する 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 酵素、触媒メカニズム、X線結晶構造解析 『 酵素タンパク質の分子構造から、そのはたらきを解明する 』 理工学部 生命科学科 教授 中嶋 義隆 NAKAJIMA Yoshitaka 研究の内容 タンパク質は,我々ヒトも含む多様な生物を形作る重要な構成成分のひとつです. 様々なタンパク質が知られていますが,生命活動においてこれらは,それぞれにひとつ(あるいは複数)の重要な役割を担っています. 一方,どのタンパク質分子も基本的には,直鎖状に連結したアミノ酸の重合体が折畳まれるという共通の構造を持っています. しかしながら,構成するア ミノ酸の種類や順序,折り畳み方が異なることで,タンパク質分子はそれぞれ特有の「形(構造)」を採ります. この「形(構造)」こそが,タンパク質の持つ機能に重要な関わりを持っています. 当研究室では,目で視えない小さいタンパク質の分子構造をX線結晶構造解析で視ることによって,タンパク質の機能がどのようなメカニズムで発揮されるのかを研究しています 図 グルコース脱水素酵素の分子構造 (a) タンパク質分子の全体構造 (b) 活性部位の構造 産学連携・社会連携へのアピールポイント このような研究は,薬や臨床診断酵素の開発へとつながります. 最近,ビタミンB2誘導体であるFADを補酵素に持つグルコース脱水素酵素の構造を明らかにしました. 本酵素は,糖尿病などの臨床検査やバイオセンサへの応用が期待されています. 研究者総覧(中嶋 義隆) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001129_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 昆虫の代謝から学ぶ 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:昆虫機能利用 脂質の代謝経路 昆虫の生体組織 『 昆虫の代謝から学ぶ 』 農学部 農業生産学科 准教授 藤井 毅 FUJII Takeshi 研究の内容 ヒトとはあまりにも異なる体の構造を持ったムシたちの内分泌、特に脂質代謝経路に注目した研究を行う 背景 ◼ 昆虫の体のつくりは骨格構造(外骨格と内骨格)、呼吸(気管呼吸と肺呼吸)、循環器と代謝(開放血管系と閉鎖血管系)など、ヒトと異なります。 図1. 性フェロモン生合成機構は生物共通の脂質生合成をベースに専用の酵素が協奏的に働くため、最終化合物のレパートリーが豊富である。 (藤井編著、昆虫科学読本第3章を説明のため改編) ◼ 一方で、分子レベルで俯瞰すると、ムシとヒトは「見た目」ほど違わない酵素や生体物質を使っていることが分かってきました。 ◼ ヒトとムシの体のつくりや器官の構造を比較して生命の仕組みを理解し、得られた知識や生体物質を応用してヒトに役立てようとしています。 主な成果 ◼ ガ類の種の多様性に関わる性フェロモンという生理活性物質が作られる過程は、多くの生物種が持つ共通の脂質代謝のメカニズムと関連しており、そこに働く酵素遺伝子がガ類の中で複製と重複を繰り返し多様化したことを示しました(Fujii et al., 2011, 2015)。 図2. 養蚕秘録(上). 日本の養蚕の始まりが記されており、神話の描写も確認できる(出典:人文学オープンデータ―共同利用センターより) ◼ ガ類の性フェロモンを作る複数の生合成経路の新旧とガ類性フェロモン交信系の変遷を進化と種分化を踏まえて考察しました(Naka and Fujii. 2020)。 ◼ カイコガの性フェロモン腺に見られる脂質を貯蔵する油滴器官が、家畜化の過程によらないことを証明しました(Fujii et al., 2018)。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【生活習慣病のモデルとしての昆虫利用の提案】 ガ類でよく研究されている性フェロモンの生産システムは、生物共通の脂質代謝機構を巧みに応用しています。 昆虫が進化の過程で獲得したユニークな脂質代謝酵素を、メタボリック症候群などヒトの現代病の治癒に役立てないか検討しています。 【科学コミュニケーション~教材としてのカイコ~】良質な生糸を生産するカイコは、分子基盤が豊富で実験材料としての顔も持ちます。 更に蚕は日本神話など古文書にも登場したり(図2)、養蚕農家を通じて里山と人の暮らしを結び付けたりと多くの階層で私たちとつながってきました。 子供たちにとって身近な生き物である「虫」の代表として、蚕の色々な顔を紹介していければと思います。 研究室名(応用昆虫学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 光学活性化合物の酵素による生産 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:発酵法・酵素法による有用物質合成 環境にやさしい物質生産法 『 光学活性化合物の酵素による生産 』 農学部 応用生物科学科 教授 和田 大 WADA Masaru 研究の内容 微生物・酵素を用いた環境調和型物質生産方法の提案、有機合成化学が苦手とする光学活性化合物の酵素法による生産 背景 ・化学工業において従来の合成手法から、環境負荷の少ない生物科学的方法への転換が大きな流れとなっています。 ・有機合成化学的な方法では、いわゆる右手型化合物と左手型化合物の作り分けは非常に手間がかかります。 ・酵素法による合成は、その欠点を補う立体選択的合成を得意としています。 目的 ・有機合成化学的な方法では困難な光学活性化合物を酵素法により生産する方法を提供します。 ・生物科学的方法の導入によるエネルギー消費量、廃液発生量の削減をめざします。 主な成果 ・医薬品の合成原料となる光学活性アルコールの生産に有用な酵素を見出しました。 ・化学業界の大手企業と共同研究を行い、実用レベルに近い研究を行いました。 ・自然界から有用な微生物を単離する技術を有しています。 ・ビフィズス菌の硫黄化合物代謝に関しても研究を進めています。 酵素による2つの不斉炭素を持つ光学活性特殊アミノ酸の生産 人の健康に役立つビフィズス菌 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【化学・医薬品産業との連携】 医薬・農薬中間体の環境負荷の少ない合成方法の提供。 非天然アミノ酸の安価な合成方法の提供。化学合成法の代替によるコスト・環境負荷の削減 【食品産業との連携】 微生物の探索研究の経験を生かして、自然界からパン酵母や清酒酵母の分離などにも取り組みたいと思っています。 研究室名(応用微生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 生きざまを調べて資源を守る 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 海洋生物 魚類 生活史 群集構造 野外調査 多様性 『 生きざまを調べて資源を守る 』 農学部 応用生物科学科 講師 國島 大河 KUNISHIMA Taiga 研究の内容 野外での調査から魚類の生活史や多様性を明らかにする 背景 ◼ 生き物が生まれて死ぬまでを「生活史」といい、一生の中でさまざまなイベントを経験します。 ◼ 寿命や成長様式、繁殖期といった生活史の情報を調べることは、水産資源の適切な管理を行う上で重要です。 ◼ また、資源を増やすには、稚魚が育つ「成育場」を明らかにし、守っていくことが不可欠です。 目的 ■野外調査を主な手法として、「種」を対象とした生活史研究や、「場」を対象とした群集研究を進め、その知見を水産資源の管理や生息地の保全に活用します。 主な成果 ◼ 水産有用種や絶滅危惧種の生活史を詳細に調べ、各種の保全策や資源管理策を提言してきました。 ◼ 干潟を中心として、沿岸域および汽水域の生息地が魚類に対して担う役割を調査しています。 ◼ 野外調査で得られた標本に基づいて生物地理に関する情報を報告し、各地域の魚類相をまとめています。 ◼ 多数の大学や博物館、研究所とともに、生態、生理、系統など、幅広い分野での共同研究を実施しています 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【生物多様性分野との連携】 COP15の採択により、生物多様性をはじめとする自然資本への投資が進んでいます。 大阪湾や紀伊半島における魚類の多様性調査を継続的に実施し、TNFDやOECM策定に対する貢献を目指します。 【水産増殖分野との連携】 生活史情報は、漁獲だけでなく種苗生産や養殖の現場でも活用されます。 初期生活史の研究を通して、新たな養殖対象種の探索に貢献します。 【社会教育や学校現場との連携】 博物館で勤務していた経験を活かし、児童生徒を対象に、標本などを用いた体験型環境教育プログラムの開発を目指します。 研究室名(海洋生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 化学物質の脂肪細分化作用に対する防御因子に関する研究 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 難燃剤TBBPA、脂肪細胞、エイコサペンタエン酸 『 化学物質の脂肪細分化作用に対する防御因子に関する研究 』 理工学部 生命科学科 教授 青笹 治 AOZASA Osamu 研究の内容 難燃剤テトラブロモビスフェノールA(TBBPA)は安価で難燃性が高く、日本でもさまざまな家電製品などに使用され火災の拡大を防ぐことに役立っています。 近年、注目されている生体影響として、脂肪細胞を増やし、肥満の因子になることが心配されています。 化学物質が肥満の因子になるということは、これまでの化学物質の毒性からすると予期せぬ興味深い影響です。 肥満は生活習慣病の原因になり、健康を維持するために解決しなければならない重要な課題です。 そこで、化学物質の脂肪細胞の増加を防ぐ因子を探すことに取り組んでいます。 これまでの研究成果で、エイコサペンタエン酸が化学物質の脂肪細胞を増やす作用を防ぐ因子、すなわち防御因子として働くことを見出しています。 魚油の成分エイコサペンタエン酸が防御因子として働くメカニズムを明らかにすることに取り組み、化学物質の脂肪細胞を増やすような作用から我々の身を守る食品の機能性を見出すことを目指しています。 脂質関連 脂肪細胞分化 TBBPA 遺伝子 誘導物質 インスリン 糖質コルチ コイド cAMP アクチベーター 脂肪細胞 EPA PPARγ C/EBPβ cAMP C/EBPδ C/EBPα Akt 転写因子 FAS UCP2 SCD-1 LPL GLUT4 Cidea TBBPAおよびEPAによる脂肪細胞への影響 産学連携・社会連携へのアピールポイント 難燃剤TBBPA、可塑剤BPAや消火剤PFOSなど脂肪細胞を増やす作用のある、すなわち、肥満因子となる化学物質が我々の身近に存在します。 脂肪細胞を増やす化学物質は、自動車の排ガス成分にも含まれていることが知られており、これからも見つかる可能があります。 このような肥満因子となる化学物質を検索・評価する技術・知識を提供できます。 一方で、食生活において「脂質の量には関心が高いが、脂質の質(脂肪酸の種類)には関心が低い」と言われています。 脂質を構成する多種類の脂肪酸は多様な生理活性を持ち、脂肪細胞を増やす作用を防ぐ効果がある脂肪酸が存在します。 脂肪細胞を増やす作用を防ぐ効果をもつ脂肪酸などの食品成分を検索・評価する技術・知識を提供できます。 環境分析学研究室 https://www.setsunan.ac.jp/~bio/characteristics/labo/aozasa.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 遺伝子操作した細胞を利用してヒト疾患と遺伝子の関わりを探る 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: ダウン症、ヒト疾患、シグナル伝達 『 遺伝子操作した細胞を利用してヒト疾患と遺伝子の関わりを探る 』 理工学部 生命科学科 准教授 船越 英資 FUNAKOSHI Eishi 研究の内容 私達の研究室では「ヒトの病気と遺伝子の働き」について分子のレベルで研究しています。 ヒトには約2万2千個の遺伝子があることが判明しました。 この遺伝子情報に基づいて、私達はとくに、ヒトの病気の原因となる遺伝子に興味を持ち、それら遺伝子が生体内でどのような働きをしているのかを解析しています。 本来の機能が失われる原因はさまざまですが、遺伝子の変異や欠損、作られるタンパク質がとても少なかったり、あるいは不安定であったり、などが挙げられます。 このような原因が明らかになると、原因のもととなる遺伝子やタンパク質にのみ作用する治療薬の開発ができるようになります。 私達の研究室では、主に培養細胞を研究材料として細胞生物学・分子生物学的方面から研究を進めており、とくに興味ある遺伝子・タンパク質の生物内における働きを分子のレベルで知ることが目的となります。 これまでにヒトの病気の原因となることが分かっている遺伝子はごくわずかです。 オーダーメイド医療や再生医療への応用も見据えて、ポストゲノム研究(遺伝子機能の研究)を通じて、人々の生活を豊かにすることを目指しています。 上皮系細胞 【ミトコンドリア(赤)の可視化】 ヒト培養細胞株のミトコンドリアを蛍光色素で染色して顕微鏡にて観察した。 赤い点状のシグナルがミトコンドリアで、長細い構造体ではなく、繊維状で細胞質全体に広がって存在している。 常に形を変える、動的な細胞小器官である。 脈絡叢 胃粘膜 【syntabulinの局在】 脳室の脈絡叢と胃の粘膜組織を免疫染色して、syntabulinの局在を可視化し、顕微鏡にて観察した。 茶色に染まっている部分は、脈絡叢上衣細胞と胃の主細胞で、syntabulinが局在する。 いずれの細胞も分泌が盛んな細胞である。 産学連携・社会連携へのアピールポイント ・株化細胞(ヒトおよびマウスなど)の培養に関する知識や技術を提供できます。 ・大腸菌をベースとした遺伝子組換えの知識・技術を提供できます。 ・培養細胞を用いたタンパク質の発現に関して知識・技術を提供できます。 ・共焦点レーザー顕微鏡を利用した遺伝子やタンパク質の細胞内機能の解析に必要な知識・技術を提供できます。 細胞機能学研究室 https://www.setsunan.ac.jp/~bio/characteristics/labo/funakoshi.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 遺伝子解析による薬用植物の起源と進化の解明 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:遺伝子解析、バイオインフォマティクス、薬用資源 『 遺伝子解析による薬用植物の起源と進化の解明 』 薬学部 薬学科 准教授 伊藤 優 ITO Yu 研究の内容 有史以降、人類は外見の特徴をもとに数多の野生生物を識別し、その中から我々の生活を豊かにする有用、薬用資源を見い出し利用してきた。 近年、遺伝子解析技術の進歩により、外見の特徴では困難であった種や系統を識別することが可能となり、野生生物の多様性が次々と解明されている。 本研究室においても、世界各地の様々な植物のDNA塩基配列を決定し、その起源と進化を明らかにしてきた。 具体的には、遺伝子バンクとのデータ比較による新種の発見・記載や、分子進化の中立説に基づいて計算した遺伝子の進化速度を用いた薬用植物の起源の推定、またDNAクローニング法により単離した遺伝子データの解析による種間交雑の進化過程の解明などがあげられる。 現在は、従来のDNA塩基配列データをはるかに凌駕する大量の次世代シーケンスデータをバイオインフォマティクスによって解析することで、高精度な個体識別法の確立を進めている。 製薬原料植物クサミズキ ゲノムデータを用いた高解像度系統樹 地理情報を紐づけた系統樹 産学連携・社会連携へのアピールポイント 現在、世界全体で取り組みが求められている持続可能な開発目標(SDGs)において、天然薬用資源を含む陸域生態系の保護と利用が一つの目標となっている。 本研究室が持つ遺伝子データ解析技術は、野生植物及び栽培植物の基礎生物学的知見を可能とするため、保護対象種や要保全区域の選定や見直しなどの具体的な政策決定に貢献することが出来る。 統合薬学生物研究室 URL:https://www.setsunan.ac.jp/~p-togo/ito.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 不妊治療のための卵細胞や精子の機能回復につながる分子の探索 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 精子、卵細胞、エネルギー代謝 『 不妊治療のための卵細胞や精子の機能回復につながる分子の探索 』 理工学部 生命科学科 講師 井尻 貴之 IJIRI Takashi 研究の内容 先進国では、晩婚化や環境の変化などが原因で6組に1組のカップルが不妊といわれています。 出生率を上げるためには、老化により質が低下した卵や精子の機能回復を図ることが効果的ですが、卵や精子の質を判定するための指標すら示されていないのが現状です。 生物が活動を続けていくためには常にエネルギーが必要ですが、そのエネルギーは細胞ではアデノシン三リン酸(ATP)という分子に蓄えられて、様々な化学反応に利用されています。 細胞内でのATP産生は、細胞質での解糖系とミトコンドリアでの酸化的リン酸化によって行われていますが、その効率は酸化的リン酸化の方が圧倒しています。 「卵形成時にミトコンドリアが爆発的に増加するツメガエルの卵細胞内や、母体に射出された後により激しい運動能を示すマウス精子でも、その状態によってエネルギー源であるATPの合成の切替えが起こるのか?」という問いに答えることで、生殖細胞である卵細胞や精子の機能とATPの関わりを理解し、ミトコンドリアの機能回復に応用することを目指しています。 本研究では、ツメガエルの卵細胞とマウスの精子を対象にして、老化によって弱まったミトコンドリアを蘇らせる効果が期待できるATP量を増加させる物質(AMPK活性化剤のような分子)の探索を行うことができます(図1.)。 図1.生殖細胞へのエネルギー供給が重要 産学連携・社会連携へのアピールポイント 本研究で探索を目指している分子は、卵や精子のミトコンドリアを若返らせるためのサプリメントや、不妊治療の効果を高めるための薬剤の開発につながることが期待されます。 生殖生物学研究室 URL: https://www.setsunan.ac.jp/~bio/characteristics/labo/ijiri.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 伝統文化を支える植物 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 伝統文化、漆、人形菊、科学コミュニケーション 『 伝統文化を支える植物 』 農学部 応用生物科学科 助手 石崎 陽子 ISHIZAKI Yoko 研究の内容 【伝統工芸材料】 農業には食物生産のほかに、各地域固有の文化を下支えする材料を供給する役割もある。 日本の伝統文化である漆芸は、落葉広葉樹ウルシの樹液(原料生漆)を精製したもの(精製生漆)を用いる。 固化すると漆黒と言われる独特の光沢をもった塗膜となる。 【ウルシオール】 原料生漆の90%をしめる脂質成分ウルシオールはポリケチド経路で生合成されると推測されるが詳細な経路は未解明である。 生漆中にはラッカーゼを含む複数種類のタンパク質が共存しており、ウルシオールの酸化重合を制御していると考えられる。 【日本式漆掻き】 ウルシの幹に4日ごとに傷をつけ、滲出する樹液を採取する。 傷を次第に長くすることで、傷害樹脂道という細胞間隙の形成を促すとされる。 しかし最近の報告で、6月〜8月の樹液採取量の増加に傷害樹脂道形成の寄与はむしろ小さく、傷害の繰り返しにより幹の樹脂道中の分泌細胞が活性化している可能性が示唆された。 【ウルシのゲノム解読】 2023年に京都府福知山市のウルシ優良クローン「丹波1号」のゲノム解読が完了した。 ウルシオール生合成経路が明らかになる日も近いだろう 【人形菊】 菊人形も伝統工芸である。 材料の人形菊は茎の柔らかい特殊な性質をもつ。 茎の固さや太さ、リグニン量を調べたところ、人形菊は茎が細く、リグニンはむしろ多いことがわかった。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【伝統工芸との連携】 伝統工芸材料は輸入できません。 漆や人形菊といったユニークな素材を研究することが伝統文化の継承に役立つと考えます 【科学コミュニケーション】 遺伝子組換え作物やゲノム編集技術を身近に感じられる体験実習を企画して実施しています。 葉緑体ゲノムから野菜の由来を探ります 研究者総覧(石崎 陽子) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000354_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 Email:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 微生物のストレス応答の研究 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:応用微生物 ストレス応答 発酵 代謝 遺伝学 分子生物学 『 微生物のストレス応答の研究 』 農学部 応用生物科学科 助教 沼本 穂 NUMAMOTO Minori 研究の内容 ストレス応答メカニズムを解明し、分子育種と産業へ応用する新規有用微生物の探索と開発を行う 背景 微生物は様々な環境に晒されており、環境の変化に適応するための能力をもっています。 この過程には、環境変化の感知やそのシグナル伝達、遺伝子発現制御など重要な機構が含まれています。 微生物の環境応答の仕組みを分子レベルで解明することは、微生物を活用した物質生産系の構築・改良に重要です。 改良CRISPR/CasによりO. polymorphaにおけるPHO84の変異効率の向上に成功 目的 酵母やカビを使って環境の変化に対する応答と適応機構を分子レベルで解明し、産業微生物の生産能力向上を目指します。 主な成果 ■産業的に有用なメタノール資化酵母OgataeapolymorphaのCRISPR/Casシステムを確立し、実用化レベルまで変異効率を向上させました。 ■Aspergillus属の糖応答シグナル伝達機構の解明を行っています。 ■酒米のタンパク質について解析し、クラウドファンディングでオリジナル日本酒を造りました。 Aspergillus nidulansのイソマルトース応答機構 プロテインボディの電子顕微鏡写真 オリジナル日本酒 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【産業との連携】 様々なストレス適応メカニズムを分子レベルで解明し、産業微生物の開発に取り組みたいと思っています。 新たな有用微生物の探索および開発の研究に取り組みます。 また、原料中や食品中のタンパク質の分析も行います。 【地域への取り組み】 地域や大学で栽培された原料や単離した微生物を使って、大学オリジナルブランドのお酒や発酵食品の開発に取り組みたいと思っています。 研究室名(応用微生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
バイオ | 摂南大学 | 『 微生物二次代謝物の探索と自在改変 』
バイオ 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 糸状菌 二次代謝物、天然物生合成 『 微生物二次代謝物の探索と自在改変 』 農学部 応用生物科学科 教授 加藤 直樹 KATO Naoki 研究の内容 糸状菌の生産する生物活性物質の生合成機構解析と新規機能分子の探索。 背景 ・微生物の生産する二次代謝物は医薬・農薬の探索源として重要な役割を果たしています。 ・私たちが活用できていない微生物とその二次代謝物が環境中にはまだ多く眠っています。 ・生合成や生産制御メカニズムの理解は、二次代謝物のさらなる活用や自在な改変に不可欠です。 目的 ・糸状菌の生産する生物活性物質の生合成メカニズムを解明します。 ・得られた知見を基に、新規機能分子の探索・創出に挑戦します。 主な成果 ・有用な生物活性を有する糸状菌二次代謝物の生合成経路を解明してきました。 ・鏡像異性体を作り分ける環化酵素を発見し、生産菌の遺伝子改変により非天然型骨格を有する誘導体の創出に成功しました。 ・土壌からの糸状菌の分離、解析、スクリーニングを行っています。 ・土壌分離糸状菌の遺伝子改変技術を有しています。 鏡像異性体を作り分ける酵素の発見~ 天然物の複雑な立体構造を組み立てる仕組みの一端を解明 化合物処理による糸状菌の形態・色素生産の変化 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【医薬・農薬のシーズ】 生合成や生産制御の知見に基づき、新規機能分子の探索手法を構築し、医薬・農薬シーズの発見につなげたい。 また、遺伝子改変することで、高活性誘導体の選択的高生産にも取り組みたい。 【異分野連携】 微生物の生産する生物活性物質をキーワードに、情報科学や有機化学、構造生物学分野などとの異分野連携を積極的に推進したい。 研究室名(応用微生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 天敵の農業利用に関する生態学的研究 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 昆虫生態学 群集生態学 天敵昆虫 『 天敵の農業利用に関する生態学的研究 』 農学部 農業生産学科 教授 大澤 直哉 OSAWA Naoya 研究の内容 農生態系の生物多様性保全・維持、天敵昆虫の生態に関する研究 背景 ◼ 世界中の農産物のおよそ40%が、昆虫により食べられていると推測されています。今後人口増加や気候変動などにより、世界規模での食糧不足が懸念されています。 害虫を根絶やしにするのではなく、低密度に維持して、環境負荷の少なく省力化をはかる農業生産に、天敵を役立てるのが、最終的な研究目標です。 ◼ 天敵の中でも、主要な農業害虫であるアブラムシ類を捕食するテントウムシ類に着目しています。 ◼ テントウムシ類の生態学的な「秘密」を明らかにする中で、どのような天敵が、在来天敵として農業に利用できるかを、明らかにしていきます。 目的 ■昆虫の様々な「秘密」を明らかにする中で、日本の農業に適した、環境負荷の少ない昆虫の利用方法を考えます。 主な成果 ◼ 捕食性テントウムシの個体群の制御機構を明らかにしました。 ◼ アブラムシ食の捕食性昆虫の群集構造を明らかにしました。 ◼ 捕食性テントウムシにおける共食いの役割を明らかにしました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業関連会社との連携】 農業関連会社との、連携を模索してゆきます。 【海外研究者との連携】 フランス、イラン、エジプト、台湾の研究者との、共同研究を推進しています。 研究室名(応用昆虫学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 ソーラーシェアリングの経済学 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:ソーラーシェアーリング 営農型太陽光発電 第4次産業革命 『 ソーラーシェアリングの経済学 』 農学部 食農ビジネス学科 教授 成 耆政 (すん ぎずん) SUNG Kijung 研究の内容 PPAモデルによる営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の新たなビジネスモデルの構築、さらに可能性と展望へソーラーシェアリング設備の基本構造 背景 温室効果ガス発生の抑制やいずれ訪れる資源の枯渇問題に備える必要性の一層の高まり、食と農がおかれている極めて厳しい経営環境による国民への食料供給機能の脆弱化のリスクの高まり、そして第4次産業革命の波が食と農の分野に及んでおり、食と農におけるスマート化が一層高まっています。 目的 太陽光発電と営農活動の両立の最善策を探ります。 その上、新たなビジネスモデルの開発と構築を試みます。 そして、損益分岐点の試算などの採算性を中心とした経済性分析を行います。 主な成果 ソーラーシェアリングは、将来、固定価格買取制度が小規模(出力10kW)以上の太陽光発電所で縮小または廃止された場合、主に材料費の試算では、従来の売電方式によると建設費用の回収が長期化し、利益を出すのは14年目以降となってしまいます。 一方、システム・インテグレーター(SI)が中心となりPPAモデル(第三者所有モデル)を実施した場合、事業の初期の段階から営農者・発電事業者・太陽光発電設備メーカーなど に大きな利益をもたらすことが分かりました。 合原有機農園のビジネスモデル SUNファーム市原のソーラーシェアリング施設 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業団体・太陽光電池メーカー・設備施工企業・発電事業者との連携】 推進のカギとなるSI は、地域のJAが主導して設立することを想定し、太陽光電池メーカー、住宅や自治体の施設、その他で太陽光発電事業を行っているSI と共同で設立・連携することが考えられます。 ソーラーシェアリングは食と農の分野における未来への新たな可能性として、 普及・拡張のためのビジネスモデルの開発・構築と経済性分析が不可欠です。 研究室名(農業経済学研究室) URL:https://researchmap.jp/read0112357 お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 植物ゲノム多様性の育種への利用 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:植物育種学 植物遺伝資源学 植物ゲノム科学 『 植物ゲノム多様性の育種への利用 』 農学部 農業生産学科 教授 佐藤 和広 SATO Kazuhiro 研究の内容 ゲノムと遺伝子の多様性を活用した効率的品種開発 背景 ◼ 植物には多様性があり、たとえばオオムギの穂では色や形が様々に違います。 ◼ 生物の遺伝情報はゲノムといわれるすべての塩基配列と、その中にある遺伝子配列を解読することで得られます。 ◼ 遺伝資源の違いはゲノムの多様性に由来しており、この配列を遺伝的に改良するのが育種です 目的 ◼ 植物の多様性を知り、ゲノムや遺伝子の配列に基づいて、効率的な品種の育成技術を開発し、人類が必要とする品種の育成に貢献します。 主な成果 ◼ オオムギやコムギ等の巨大な植物ゲノムの解読法を開発し、遺伝資源に含まれる主な系統のゲノムの塩基配列を高精度に解読しました。 ◼ 育種で改良する性質に差のある遺伝資源を使って、その性質に係わる遺伝子を特定し、育種に利用しました。 ◼ 遺伝子組換えやゲノム編集を活用して、発芽に関連する遺伝子などを、目的とする性質に改変しました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【製造業との連携】 ビール醸造業、小麦製粉業などの製品開発に、高品質な原料を提供することができます。 【育種事業との連携】 国公立および民間の育種事業に利用可能な、高能率の育種技術を提供し、事業の高度化に貢献します。 研究室名(植物遺伝育種学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 植物の環境応答機構を利用した育種 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 転写開始点制御、環境応答、細胞質局在型アイソフォーム 『 植物の環境応答機構を利用した育種 』 農学部 農業生産学科 准教授 牛島 智一 USHIJIMA Tomokazu 研究の内容 遺伝子の未知の力を利用して植物を強くする 背景 ・植物は周辺の環境の変化を知るための「目」を持っています。 ・植物は周辺の環境に適応するため、様々な遺伝子の働きを利用する仕組みを持っています。 しかし、その仕組みには分からないことが多く残されています。 ・植物が環境に適応するための仕組みや遺伝子の機能を知り、利用することによって、植物を環境の変化に強くすることができます。 目的 ・環境刺激に応答した転写開始点の変化によって生じる未知のアイソフォームの機能を明らかにし、その知見を利用して、新奇育種技術の開発を目指します。 主な成果 ・モデル植物の研究から、光刺激によって転写開始点の位置が変化することで、多くの遺伝子でこれまで知られていなかった細胞質局在型のアイソフォームが生じることを明らかにしました。 ・転写開始点の変化によって生じる細胞質局在型のアイソフォームが植物の光ストレスの軽減に働くことを明らかにしました。 植物は「目」で光をとらえて周辺の環境変化を感じている 環境に応答した転写開始点の変化で生じるアイソフォームが植物の環境への適応に働く 細胞質型アイソフォームの存在が光阻害を軽減する 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】 植物の環境に適応するための仕組みを利用して、ストレスに強い品種を作りたいと思います。 【工業との連携】 植物の素材としての可能性も広げたいと考えます。 環境からの刺激に応答した転写開始点の制御は、植物の光への応答のみでなく、真核生物に普遍の仕組みであると考えられ、知見を幅広く活用していきます。 研究室名(植物遺伝育種科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 食品の安全を守る衛生学 』
農業 摂南大学 農・食品 キーワード: 食品安全 食品衛生 分析法開発 リスクバランス 『 食品の安全を守る衛生学 』 農学部 食品栄養学科 教授 平原 嘉親 HIRAHARA Yoshichika 研究の内容 各種食品分析手法・技術の提供、医薬品・食品輸入手続き相談、食品安全(リスク)講習、人材育成モチベーション維持・向上 背景 ◼ 食品中に含まれる有害物質は健康へ悪影響を及ぼし、貴重な栄養源である食品の価値を低下させます。 ◼ 食品中の有害物質を見える化するための分析技術は、食品の安全性を正しく守るために重要です。 ◼ 食品のリスクを科学的根拠に基づきわかりやすく伝え食品のリスクを正しく恐れることが大切です。 目的 ◼ 食品中の添加物、農薬や有害物質の定量化を開発し、食品の安全性を守るための見える化技術を開発します。 ◼ 食の安全(リスク)を科学的に理解し、正しく食品のリスクを恐れることができる人材の育成をします。 主な成果 ■GC/MS/MS、LC/MS/MSを用いた250種類を超える残留農薬の一斉分析法の開発、GLP、精度管理など食品検査の信頼性確保システムを構築し、輸入食品の安全性確保及び職員教育に反映しました。 ■ミスが許されない検疫所での輸入食品の膨大なルーチン検査業務を通じて正確かつ迅速な検査結果を継続してだしていくための職員のモチベーション維持に関する教育、研修を行ってきました。 ■国立医薬品食品衛生研究所において、器具・容器包装中に含まれる可塑剤、低沸点有機化合物などの公定試験法を開発に携わってきました。 ■国の薬事監視専門官として税関止めとなった医薬品、医療機器、化粧品、健康食品等の有効成分、表示等に基づく該当性判断、未承認医薬品等の輸入手続きの相談、指導を行ってきました。 ■内閣府食品安全委員会において汚染物質・化学物質のリスク評価を行い、自治体、産業界、消費者等への正しい食品のリスクの恐れ方に関するリスクコミュニケーションを開催してきました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【食品産業、研究所、検査機関との連携】 食品中に含有する各種化学物質の分析技術の共同開発、GLP、精度管理、HACCPシステムに基づく衛生管理システムを構築、連携をはかっていきます。 国での行政経験を生かして未承認医薬品等や食品の安全性に関わるリスクコミュニケーション、地域貢献、啓蒙活動、衛生行政の施策の提案などを行います。 研究室名(食品衛生学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 植物栄養の光合成生理学 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 光合成生理学 植物栄養・肥料学 環境ストレス 作物収量 『 植物栄養の光合成生理学 』 農学部 農業生産学科 講師 高木 大輔 TAKAGI Daisuke 研究の内容 光合成生物における光合成制御メカニズムの解明を介した有用遺伝子の提示と作物への応用 背景 ○世界の人口は、化学肥料の大量使用による作物生産性の向上に伴って増加してきました。 ○しかしながら、化学肥料の大量使用の結果として海洋の富栄養化や農地の肥料残留による施肥効果の低下、リン資源の枯渇を始めとする環境問題の深刻化が起こり、肥料依存的な作物生産による食糧供給を維持することには限界が見え始めました。 ○これらの背景から、肥料の大量使用に依存しないこれまでとは全く異なった作物生産性向上と食糧供給の維持を達成する戦略の創出が求められています。 通常リン酸施肥時のイネの生育(左)とリン酸毒性発症時のイネの生育(右)の比較 目的 エネルギー生産の場である陸上植物葉緑体の光合成に着目して生育環境、及び栄養獲得状況に対する光合成の適応過程を解明することで有用遺伝子を見出し、光合成機能の改良を介して作物生産性の向上を目指します。 イネを用いたリン酸毒性の分子メカニズム Takagi et al., 2020 Plant Cell Environ., DOI: 10.1111/pce.13772 主な成果 ●葉緑体チラコイド膜上における活性酸素種(Reactive oxygen species)の生成メカニズムと光合成電子伝達制御メカニズムを明らかとしました。 ●無機リン酸(Pi)を過剰吸収した時に発症する「リン酸毒性」の分子メカニズムを解明しました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業との連携】 新品種の作出過程における光合成機能の変遷や作物栽培方法が光合成制御に与える影響を解明することで、経験的に培われた農学における事象を分子メカニズムとして説明することに貢献したい。 【工学との連携】 葉緑体チラコイド膜上における電子伝達反応制御メカニズムの知見を基盤とし、人工光合成によるエネルギー変換や物質生産に活かしたい。 光合成生理学を軸とし、遺伝子発現制御から代謝物解析・植物成長解析にかけてミクロとマクロの視点から作物生産性の向上戦略の創出に貢献します。 研究室名 (作物科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 植物病原菌の感染メカニズム研究 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 植物病理学 植物病害防除 菌類分子遺伝学 『 植物病原菌の感染メカニズム研究 』 農学部 農業生産学科 教授 久保 康之 KUBO Yasuyuki 研究の内容 植物は人と同じように、感染症で病気になります。 ウイルス、細菌、糸状菌が主な病原体です。 なかでも、糸状菌(カビ)は植物の病気の約80%を占め、農業生産に大きな被害を与えています。 糸状菌の感染メカニズムの解明することは、植物環境負荷の小さい、防除薬剤の開発や耐病性植物の開発につながります。 病原体の感染メカニズムを分子的に解明することにより、その知見を、新しい植物保護技術の開発に応用します。 主な成果として、 1)病原菌のメラニン色素合成を抑えることで、イネの最重要病害のいもち病を防除できることを明らかにしました。 2) 炭疽病菌が植物表面を認識し、感染する仕組みを明らかにしました。 3)炭疽病菌のゲノム構造を明らかにし、病原性の分子解析の基盤を構築しました。 炭疽病菌の感染機構研究: 炭疽病菌の感染器官(付着器)が侵入菌糸を伸ばして、植物体へ侵入している様子を示す電子顕微鏡写真 炭疽病菌のゲノム研究: 炭疽病菌の10本の染色体の顕微鏡写真 染色体が青色と赤色で染め分けることができる特殊な構造をもっています。 炭疽病菌の分子生物学研究: 炭疽病菌が植物に感染する際に細胞が核分裂をして、感染する能力を獲得します。写真は核分裂時の様子を示す顕微鏡写真 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【化学メーカーとの連携】 植物病原糸状菌の感染機構の解明により、防除薬剤の作用機構解明について連携研究ができます。 【種苗会社との連携】 植物病原糸状菌の感染機構の解明により、 植物品種の耐病性評価をすることができます。 植物病原菌の感染機構を分子レベルで明らかにすることで、新しい植物保護技術の開発に活かします。 研究室名(植物病理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 植物病原菌の環境応答 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:植物の病原糸状菌、病害の防除、菌類の環境認識 『 植物病原菌の環境応答 』 農学部 農業生産学科 助教 小玉 紗代 KODAMA Sayo 研究の内容 病原菌が植物を感知する機構を明らかにし、新しい植物保護技術の開発に貢献する 背景 ◼ 動物や植物が温度や光を感知するのと同様に、菌類も環境要素を認識しています。 ◼ 植物に病気を起こす糸状菌は植物表面の成分を感知したことをきっかけに、侵入を開始します。 ◼ 病原菌が植物を感知する仕組みを解明することは、植物を病害から保護する新技術の開発に繋がります。 目的 ◼ ウリ科植物に感染する炭疽病菌を用いて、病原菌がどのようにして植物を認識し、侵入を開始するのか解明します。 ウリ類炭疽病菌は植物表面に形成した侵入器官(左)を介して感染し、壊死病斑(右)を形成する 主な成果 ◼ 炭疽病菌は植物に接着した際に、胞子から分泌される酵素が葉表面を分解し、葉表面由来の成分を生成します。 それを感知することで菌細胞内のシグナル伝達機構を活性化させ、侵入器官を誘導することを明らかにしました。 ◼ 糸状菌の細胞壁成分は植物とは異なることから、より効果的な抗真菌薬剤の標的探索に貢献するため、植物 植物表面の成分に応答して胞子の核に局在するへの感染時に病原菌が受ける細胞壁ストレスに対する 転写因子Mtf4の可視化応答機構の解析を行っています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業との連携】 炭素病菌に限らず、多くの病原菌が同様の感染機構を持つため、胞子が分泌する分解酵素やシグナル伝達機構をターゲットとした新規農薬の開発や、病原菌に認識されない作物の開発につなげたいと考えています。 植物病原糸状菌の宿主認識やストレス応答と病原性との関係を解析することで、新たな病害防除技術の開発への貢献を目指します。 研究室名(植物病理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 生体内ソーシャルネットワーク地図によるインフルエンサー分子探索 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 細胞内ネットワーク 相互作用 インフルエンサー・有用分子発見 『 生体内ソーシャルネットワーク地図によるインフルエンサー分子探索 』 農学部 応用生物科学科 教授 矢崎 潤史 YAZAKI Junshi 研究の内容 新しいタンパク質機能解析技術を開発し、それにより新規農業形質や人類の研究に資する因子の探索・発見を行います。 タンパク分子の相互作用制御が生体システム制御(例:病害抵抗性の高い植物作出、生活習慣病の根治)につながることから、その因子の機能解明は、農業・疾患治療分野でも注目されています。 背景 ◼ 新しい農業形質・育種標的、創薬標的が枯渇しつつあります。 ◼ 新規スクリーニング技術の開発は未知の標的探索を可能にし、その枯渇状況を救います。 目的 ■新しいゲノム解析技術を開発し、これまでにない新しい農業形質・創薬標的を発見可能にします。 主な成果 ◼ タンパク質バーコード法を開発し皮膚病の一種である天疱瘡の超早期発見に貢献しました。 ◼ 合成型タンパク質アレイ法を開発し、ホルモン受容体と病気抵抗性に関わるハブ蛋白質を見つけその機能を解明しました。 ◼ 高速免疫沈降-質量分析法を開発し、脂肪代謝におけるインフルエンサータンパク質を発見しました。現在そのインフルエンサーの機能を解析しています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【医療検査・種苗育種との連携】 ・タンパク質バーコード法による様々な症例の早期診断方法の提供 ・合成型タンパク質アレイ法による抗体(インフルエンザ、コロナ)のクロス反応検査 ・高速免疫沈降-質量分析法による植物分子ネットワークにおける農業形質に関わる新規インフルエンサー探索 【農業との連携】 タンパク質ネットワーク地図を用いて、環境ストレス耐性を持つ農作物や市場 価値の高い有用植物の創出、創薬標的の同定を行いたい。 研究室名(ゲノム生物学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 生産性が高く環境に優しい作物栽培 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 作物 栽培環境 マイクロナノバブル 資源循環 『 生産性が高く環境に優しい作物栽培 』 農学部 農業生産学科 教授 玉置 雅彦 TAMAKI Masahiko 研究の内容 マイクロナノバブルを用いた作物生産、資源循環型農業 背景 ■我が国で開発された微細気泡(マイクロナノバブル)発生技術を、農業分野で有効利用したい。 ■環境に優しい資源循環型の作物生産を目指したい。 マイクロナノバブル発生装置 (左)気液二相流旋回方式、(右)加圧溶解方式) 目的 ■農業分野にマイクロナノバブル技術を取り入れ、慣行農法よりも生産性の高い作物栽培を目指します。 ■土壌微生物に着眼した生物的解析から、環境に優しい資源循環型の農業を提案します。 主な成果 ■水稲栽培で、空気をマイクロナノバブル化して稲栽培に利用することで、生育促進効果が高まることを明らかにしました。 特に、マイクロナノバブル水を潅水で施用するよりも、暗渠を利用して施用することで根圏環境が良好となり、生育促進効果が高まることを明らかにしました。 ■有機栽培は、慣行栽培と比較して土壌中の微生物数が多く、窒素循環・リン循環が活発となることを明らかにしました。 マイクロナノバブルを用いた温室内での稲の栽培実験 稲の慣行農法と有機農法による比較栽培実験 (左)慣行農法、(右)有機農法 産学連携・社会連携へのアピールポイント 農業分野に工業的要素も取り入れ、若者にも興味が抱ける農業展開を目指しています。 地球環境に優しい資源循環型農業の特徴の解明を目指しています。 研究室名(作物科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 作物の生産性向上とスマート農業に関する研究 』
農業 摂南大学 農・食品 キーワード: 成長解析 スマート農業 光合成 『 作物の生産性向上とスマート農業に関する研究 』 農学部 農業生産学科 助教 渡邉 健太 WATANABE Kenta 研究の内容 光合成に基づく作物栽培学的研究と先端技術を活用した新しい農業の融合 背景 ◼ 限られた土地や資源によって増加し続ける人口に見合うだけの量の食料を生産するためにはこれまで以上に効率的な農業が求められています。 ◼ その達成のためには光合成や蒸散など植物の生理メカニズムをきちんと理解したうえで作物生産を行う必要があります。 ◼ また、近年ではロボットやドローンといった先端技術の利用やデータの高度活用を行うスマート農業が注目されています。 目的 ■植物生理学および基本的な作物栽培法の修得に加え、スマート農業について学習することで生産性の高い持続可能な農業の達成を目指します。 主な成果 ◼ 沖縄県の基幹作物であるサトウキビの収量や品質を高める肥料や灌水の管理方法に関する研究を行いました。 ◼ 過去の気象データとサトウキビの成長や収量との関係性について明らかにしました。 ◼ 農機の自動操舵や微気象観測ポスト、ドローンや遠隔灌水装置といった技術を利用し、サトウキビ生産におけるスマート農業化を進めました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【海外研究機関との連携】 これまで私が築いた海外研究機関との関係を利用し、留学や海外でのインターンシップ・共同研究などが行えます。 研究者総覧(渡邊 健太) URL: https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000772_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 農産物の成立する仕組みを作物の機能形態、環境応答、成長、栽培に関する視点から科学する 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 食用作物 イモ類 形態 機能形態 成長 栽培 『 農産物の成立する仕組みを作物の機能形態、環境応答、成長、栽培に関する視点から科学する 』 農学部 農業生産学科 教授 川崎 通夫 KAWASAKI Michio 背景 ■ イモ類・マメ類・穀類は、人類が生存していく上で最も基幹的な作物で、地域から世界に至るまで広く栽培されています。 ◼ 人類がこれらの作物を利用するには、農産物として収量や品質をしっかりと成立させることが必要です。 しかし、作物の生産は、地域に限定した問題のみならず地球温暖化などのグローバルな問題によっても影響を受け、容易ではありません。 目的 ■ これらの作物における形態とその機能、外環境に対する応答、成長、栽培方法などについて研究し、作物が農産物として成立する複雑な仕組みを紐解くことで、農業や社会の発展に貢献するための取り組みを進めています。 主な成果 ◼ ナガイモとサトイモを中心に、新しい形態・構造を見出し、その機能などについても報告してきました。 ■ 外環境(高CO2、高温・低温、塩ストレス等)と作物との関係に関する情報も報告し、現在や中長期的な将来の農業に寄与するための取り組みも続けています。 ■ 青森県特産のナガイモ等の農業課題に関する研究も地域貢献活動の一環として取組んできました。 現在は大阪府の企業とキクイモ等の生産性・品質の向上、並びにブランド化に関する研究も実施中です。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】作物における形質、外環境応答、成長、および、栽培に関する知見を学界に発信するとともに、依頼等に応じて農業・食品産業などの皆さまと協力し、社会に貢献していきます。 【地域農業との連携】地域の特産・在来・伝統作物を研究対象として取り入れ、ブランド化や地域振興などに貢献できる取り組みも進めていきたいと思っています。 研究室名(作物科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 熱帯起源の作物の栽培と利用 』
農業 摂南大学 農・食品 キーワード: 栽培 熱帯作物 環境ストレス耐性 キャッサバ バイオマス資源 『 熱帯起源の作物の栽培と利用 』 農学部 農業生産学科 特任助教 藪田 伸 YABUTA Shin 研究の内容 食料の安定供給と食の多様化をめざす 背景 ◼ 気候変動や不安定な国際情勢は世界の食糧生産に影響を及ぼす一因となっています。 ◼ 食料資源の多くを海外に依存する我が国にとって、依存率の高い作目の国内生産強化や、海外の生産地での技術移転や共同研究を通じた生産振興は食料供給の安定化と食の多様化に貢献します。 葉かび病菌 目的 ◼ 日本国内でのキャッサバ栽培を目指し、生産量・品質向上と産地拡大に必要な栽培技術体系の確立を行います。 ◼ 収穫残差を含むバイオマスのトータル利用のために炭化技術を利用した土壌改善方法を模索します。 菌寄生菌 主な成果 ◼ 冬季の低温によって通年栽培できない我が国の状況に適応するキャッサバ栽培技術(苗保存、生育向上、適期収穫)を確立しました。 ■ キャッサバの塊根肥大に伴うアミロース/アミロペクチン比の季節変化を明らかにしました。 ■ 収穫残差の炭水化物を利用することでヒマワリやヤトロファ栽培で使用する化学肥料の代替が可能であることを明らかとしました。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【地域農業との連携】 これまでに培ったキャッサバ栽培方法のより広範囲での活用を目指し、栽培と利用の可能性を広げます。 【科学コミュニケーション】 海外の生産現場で生じている問題に対し、現地と日本の双方で取り組み、課題解決と人的交流に貢献します。 研究者総覧(藪田 伸) URL: https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000668_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 カリウム制御野菜と自家中毒回避 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:養液栽培 低カリウムメロン 低・高カリウムサツマイモ 『 カリウム制御野菜と自家中毒回避 』 農学部 農業生産学科 教授 浅尾 俊樹 ASAO Toshiki 研究の内容 人工透析患者向け低カリウムメロン、培養液リサイクル技術 背景 ◼ 慢性腎臓病患者は人工透析を受けながら、厳しいカリウム摂取制限を受け、高カリウム食品であるメロンやサツマイモは口にできない。 ◼ アスリートや高血圧症患者はカリウムの積極的摂取が望まれている。 ◼ イチゴの養液栽培は培養液を垂れ流している。 ◼ 植物工場でのレタス栽培では連作を続けると生育不良となり、時々培養液を廃棄し、交換をしている。 目的 ◼ 養液栽培技術を利用して低カリウムメロンや高および低カリウムサツマイモの研究開発を行っている。 ◼ 植物の根から滲出する抑制物質(自家中毒物質)を分解除去し、真の培養液リサイクルを実現する。 主な成果 ◼ 養液栽培の培養液管理による透析患者向け低カリウムメロンおよびサツマイモの開発。 ◼ 露地養液栽培の培養液管理によるアスリートや高血圧症患者向け高カリウムサツマイモの開発。 ◼ 交流式電気分解装置による自家中毒物質(安息香酸などの生育抑制物質)の分解除去。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【社会との連携】 養液栽培で低カリウムメロンや高および低カリウムサツマイモの生産に取り組んでいただける方との連携。 生産した低カリウムメロンや高および低カリウムサツマイモの加工、そして医療施設やアスリートの利用を図っていただける方との連携。 人工光型植物工場におけるレタス、ワサビ、イチゴ生産にも取り組んでいる。 研究室名(園芸科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 果樹の環境応答性・新品種育成 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:サクラ属 核果類 開花生理 芽の休眠 開花期予測 種間交雑 『 果樹の環境応答性・新品種育成 』 農学部 農業生産学科 講師 北村 祐人 KITAMURA Yuto 研究の内容 果樹の開花と気温との関係性や、その分子メカニズムの解明。 また、新たな地域資源となる新規果樹育成 背景 ◼ 温帯落葉果樹は冬季に低温にあたらなければ開花できません。 その低温要求量の推定は果実生産上極めて重要です。 ◼ その開花特性も含めて、多様な形質の果樹品種育成には種間交雑が有効ですが、樹種によっては交雑を妨げる生殖隔離機構が存在します。 目的 ◼ 果樹の開花に必要な温度要求量を数値化し、地球温暖化による生育への影響を評価します。 ◼ サクラ属果樹(ウメ、スモモなど)の種間交雑を効率化し、新たな果樹品種作出を目指します。 主な成果 ◼ 果樹の中では最も早い季節に花が咲くウメの温度要求量を解明し、開花期予測モデルを構築しました。 ◼ ウメの芽の温度要求性を制御している遺伝領域を特定しています。 ◼ サクラ属果樹の種間交雑親和性を評価し、ウメとモモの亜属間交雑胚の獲得に成功しています。 ウメの開花・発芽期に関わる温度要求性を制御する遺伝領域候補の探索 サクラ属果樹(核果類)における種間(亜属間)交雑親和性 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】 将来的に気候変動の影響を受ける地域や、産地振興のため新規品目の導入を検討している地域において、その課題解決のため生産者、公設試験場および流通加工業者との連携を積極的に推進していきます。 【科学コミュニケーション】 分子生物学などの基礎研究分野の成果が農業生産現場に貢献できることを、目に見える形で示していきたいと考えています。 研究室名(園芸科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 光ストレスと葉緑体の分子生理学 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 葉緑体機能強化 光合成 植物のストレス応答 斑入り植物 『 光ストレスと葉緑体の分子生理学 』 農学部 応用生物科学科 准教授 加藤 裕介 KATO Yusuke 研究の内容 植物にとって必要な光が時には生育を阻害するストレスに、植物の光ストレス克服方法を知ることは植物の生産性向上につながる。 背景 ◼ 植物は光エネルギーを光合成により、変換し、私達の生活を支える大切な生産者です。 ◼ 一方で、過剰な光は葉緑体機能に障害を引き起こし、植物の生育自体にも悪影響を与えます。 ◼ 限られた耕作地で農作物の生産性を上げるために、光合成能力の強化は重要です。 目的 ◼ ストレスによるタンパク質損傷と光合成能力の維持の間にある分子メカニズムを解明します。 ◼ その知見を、持続的農業へ活かすことを目指します。 主な成果 ◼ 光合成のメカニズムは多くの光合成生物で共通することから、モデル植物を研究し、光合成機能維持に重要な因子を見つけ、その働きを詳しく解析してきました。 ◼ 葉緑体の発達、分解に興味を持ち、斑入り植物の研究を行ってきました。 ひとつの遺伝子を破壊することで斑入りが生じます。 ◼ LEDの青色、赤色が光合成装置与える損傷をタンパク質分解の面から明らかにしました。 光ストレスとその防御 ~光合成装置を「直す」~ 葉緑体発達に重要な遺伝子を破壊することでタバコに斑入りを生じさせる 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】 植物が多様に変化する光環境のなかで健全に育っているかを光合成を指標に測定し、農作物の安定した生育に貢献する栽培技術開発につなげたいと思っています。 【人工栽培技術との連携】 植物工場などで行われるLEDによる農産物の栽培に、光ストレスという知見で貢献し、栽培技術の改善へと貢献したいと考えています。 研究室名(植物分子生理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 土壌分析技術による多様な評価 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 土壌 評価法 都市近郊 有機物 環境 『 土壌分析技術による多様な評価 』 農学部 農業生産学科 教授 佐野 修司 SANO Shuji 研究の内容 土壌の生産力や環境の評価法をより洗練して、土壌が持つ能力を最大限に引き出す 背景 ◼ 土壌分析は古くからおこなわれてきていますが、肥料成分の過不足の判定を目的とする場合が多いです。 ◼ 土の持つ多様な機能をより適切に評価するためには、分析法をさらに開発することが必要で、またより簡略な手順とすることが必要です。 ◼ 養分含量の観点からの化学性だけではなく、生物性、物理性も作物の生産性にかかわっています。 目的 ◼ 土壌分析の方法について研究を進め、従来の土壌診断では評価しえなかった土の機能を明らかにします。 ◼ その知見を用いて、新しい農業技術の開発や環境評価に応用します。 主な成果 ◼ 複雑な存在形態を示す土壌有機物のなかでも、微生物に利用され物質循環の上で重要な「易分解性有機物」や、物理性と関連のある粗大有機物をはじめとして、機能により分画する手法について研究しています。 ◼ 都市近郊ならではの調査対象(小規模圃場、家庭菜園、園芸用土等)についても、研究を進めます。 ◼ 物理性や生物性についても総合的な評価ができます。 土壌断面の形態 火山灰土の土壌断面です。 実験室の分析だけでなく、穴を掘って観察することも、その地点のおかれた環境を探る上で重要です。 土壌物理性の調査道具 硬度計2種と、100ml円筒です。 「物理」と聞くと難しいイメージがありますが、硬いか柔らかいか、すき間が多いか少ないか、作物の生育に関連が高い項目を、わかりやすく数値化できます。 全国各地から採取された土壌 見た目もカラフルで多様な土壌ですが、養分や水分の保持力や環境変化への緩衝力も様々です。 適切な分析により、持つ機能について詳しく明らかにできます。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業および環境産業との連携】 土壌改良資材の効果の評価など、土壌環境の改善を目的とする場合の適切な評価法を提示します。 養液栽培や植物工場などいわゆる「土を使わない農業」も原理・原則は同じですので、お気軽にご相談ください。 【研究調査事例の蓄積】 これまで土壌データが乏しいような研究対象について、土壌調査も行います。 【科学コミュニケーション】 「土は大事」と思われていますが、より具体にどのような観点で大事なのか、啓蒙活動に取り組みたいと思います。 研究室名(生産生態基盤学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 地域資源と在来地を活かす地域開発 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 脆弱環境 暮らしの向上 生態系保全 地球開発 『 地域資源と在来地を活かす地域開発 』 農学部 食農ビジネス学科 教授 田中 樹 TANAKA Ueru 研究の内容 アジアやアフリカの小規模農民(社会的弱者層)の支援および日本国内の地域活性化に向けた実践技術や開発アプローチの提案と案件形成 背景 世界各地で人間活動の拡大と「貧困と資源・生態環境の荒廃の連鎖」が進んでいます。 また、地域社会では、高齢・過疎化により十分な対処ができない状況です。 その影響は、脆弱環境(人間活動により容易に劣化する社会や資源・生態系の状況や場)や社会的弱者層(小規模農民や老齢者、少数民族など)に向かいます。 これらに向けた実効ある地域開発の技術群やアプローチの創発と実践展開が求められています。 目的 アフリカやアジアの脆弱環境において、暮らしの向上(貧困削減)と生態系保全の両方を実現する実践技術をつくり社会実装を目指します。 その技術やアプローチは、社会的弱者層の参加余地を持ち、かつ、従来の「ヒトvs自然」ではなく「ヒトも自然も」の認識に立ちます。 貧困削減と生態系保全の両立:香辛料作物を軸とする在来の屋敷林・樹園地システムと家畜飼養システムの生業複合 主な成果 砂漠化対処技術:収量増加と風食抑制を両立する省力技術「耕地内休閑システム」、在来技術ザイを活用する「半乾燥地植林での植栽樹の生存率向上技術」、インド在来犁とマメ科作物栽培を組み合わせる「農牧混交地域の植生回復と生業安定化」など。 暮らしの向上と生態系保全:東アフリカ在来の屋敷林・樹園地システムでのスパイス生産や家畜飼養システムの複合を通じての貧困削減と森林生態系の保全。 ベトナムの自然災害常襲地での地域レジリアンスの向上:小農民を豊かにする地域産品(在来ミニブタ、野生鶏交配種など)の形成 産学連携・社会連携へのアピールポイント アフリカやアジアでの貧困削減と生態系保全などを課題とする地域開発の案件形成や技術アドバイザリーを支援します。 また、海外での経験を日本国内の地域活性化へと還流します。 アフリカやアジアの風土や人びとに学び、地域資源や在来知を活用しつつ従来とは異なる位相の実践技術群や地域開発アプローチを創発し、社会実装する取り組みを行ってきました。 その知見や経験を社会に戻したいと思います。 研究室名(環境農学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
農業 | 摂南大学 | 『 微生物のチカラで植物保護 』
農業 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 微生物農薬 農薬耐性菌 菌寄生菌 昆虫寄生菌 『 微生物のチカラで植物保護 』 農学部 農業生産学科 准教授 飯田 祐一郎 IIDA Yuichiro 研究の内容 有用微生物の隠された能力を解明し、植物の病気を防ぐ新たな微生物農薬を提案する 背景 ◼ 近年、化学農薬が効かない病原菌(耐性菌)や害虫の発生が大きな問題となっています。 ◼ 微生物農薬による生物防除は、耐性菌にも効果を発揮し、環境への負荷が少ない持続可能な防除法です。 ◼ 有用微生物による生物防除メカニズムを解明することで、新たな微生物農薬の開発が可能となります。 目的 ◼ 自然界に残された未利用の有用微生物の機能を解明し、新たな微生物農薬の開発を目指します。 ◼ 植物病原菌の感染機構を明らかにすることで、農薬の新たな作用点を提案します。 主な成果 ◼ トマトの重要病害である葉かび病菌は、病原力遺伝子の変異によって遺伝的に多様化し、市販の抵抗性品種をすべて打破したことを解明しました。 ◼ 葉かび病菌に寄生する菌寄生菌を発見し、微生物農薬の開発に向け寄生性の分子機構を解析しています。 ◼ 昆虫寄生菌が害虫だけでなく病原菌の発生も抑制することを解明し、微生物殺虫・殺菌剤を開発しました。 葉かび病菌は本来、抵抗性品種に感染できないが(左)、感染できる系統(右)が多数発生し深刻化 葉かび病菌 菌寄生菌 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農薬メーカー・公的機関との連携】 病害に対する防除効果や植物成長促進効果を示す糸状菌について作用機作の解析を支援します。 【産業界との連携】 病原菌による土壌汚染が問題となっていることから、病原菌が分泌する代謝産物を検出する診断デバイスや土壌消毒法の開発を目指し、アイディアを提供します。 【農業団体との連携】 野菜類の疾病診断や、防除法の提案など地域振興にも取り組んでいます。 研究室名(植物病理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/~pp/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
ナノ・マイクロ | 摂南大学 | 『 細胞操作・解析のためのナノマイクロシステム創成 』
ナノ・マイクロ 摂南大学 ものづくり・製造技術 キーワード:細胞操作,ナノマイクロシステム,マイクロ流体デバイス 『 細胞操作・解析のためのナノマイクロシステム創成 』 理工学部 機械工学科 准教授 洞出 光洋 HORADE Mitsuhiro 研究の内容 センサ,アクチュエータ,微小流路を集積した名前の通り小さな機械システムの開発を行っています. さらに小型で高機能という特徴を活かして,微量サンプルの解析,あるいは細胞を操作・評価して,医療やライフサイエンスへの貢献を目指した特色のある研究を行います(図1). Micro Electro Mechanical Systems(MEMS)と呼ばれる微小電気機械システム開発を行う研究室にて,半導体プロセスを用いた微細加工研究に携わりました. 微細加工技術を基盤として,生体内の毛細血管を凌駕した人工毛細血管(断面3μm×3μm)を製作し,実際に赤血球を流して血液疾患や循環器系疾患への診断応用貢献のための基礎研究を進めています(図2) . また細胞を直接掴んで,その際の反力計測ができる,細胞用クレーンゲーム機のようなロボットハンドの製作も実施しています(図3) . 細胞個々を高スループットで操作・解析するための装置開発から,実際の解析まで幅広く実施しています. 図1 コンセプト図 図2 人工毛細血管開発&赤血球硬さ計測 図3 細胞操作用ロボットハンド 産学連携・社会連携へのアピールポイント ナノマイクロシステム,あるいはマイクロ流体デバイスを用いた細胞操作・解析研究が近年盛んに行われています. 生化学ベースの研究機関・研究室では困難な寸法実現のような,特にデバイスの設計・開発を工夫して効果を高めるアプローチを目指しています(図2,図3参照). これまでの実施経験から,工学のみならず,農学や医学との異分野融合研究実績も有しています. マイクロマシン研究室 URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000745_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
電子デバイス | 摂南大学 | 『 水平自由度の高い非接触給電システムの研究 』
電子デバイス 摂南大学 エネルギー・環境 キーワード:非接触給電,局在モード,パワーエレクトロニクス 『 水平自由度の高い非接触給電システムの研究 』 理工学部 電気電子工学科 准教授 木村 真之 KIMURA Masayuki 研究の内容 電子機器の増加に伴い,導線を使わない無線による給電方式がその利便性から注目を集めています。 しかしながら,送電側と受電側の位置関係に対して送受電電力や効率が大きく変動するという問題があります。 本研究室では,このような位置変動に対する送受電電力や効率の変動を抑制する手法を理論的,実験的に研究しています。 図1は円形平面コイルを重なりを持たせて配列した送電回路に受電コイル(青)を配置したものです。 この受電コイルの影響で,図2に示すように,電流が自発的に局在して流れます。 これを局在モードといいます。図3は給電に関係する磁界の強さを可視化したものです。 電流分布と同様に局在していることが分かります。この局在モードは送電回路を工夫することでセンサ無しで発生させています。 理論的な研究では,その発生条件などを検討しています。 このほか,パワーエレクトロニクスや磁気浮上関連技術などを研究しています。 図1 円形平面コイルアレイと受電コイル 図2 局在した電流分布 図3 面に垂直な磁界成分の分布(⨀: 赤, ⨂: 青) 産学連携・社会連携へのアピールポイント 本研究室では,目に見えない電気や磁気の性質を実験やシミュレーションで理解し,産業や社会に役立つ応用を考えるような教育・研究を行っています。 「こんなことができたらいいな」,「どうしてこうなるのだろう」など,電気磁気,電気回路,パワーエレクトロニクスに関連した要望や疑問がありましたらお気軽にご相談ください。 応用電磁ダイナミクス研究室 URL: https://www.setsunan.ac.jp/~kimura/indexJ.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
電子デバイス | 摂南大学 | 『 微細加工技術を利用した光デバイスの開発 』
電子デバイス 摂南大学 ものづくり・製造技術 キーワード:微細周期構造、光デバイス、偏光 『 微細加工技術を利用した光デバイスの開発 』 理工学部 電気電子工学科 教授 山田 逸成 YAMADA Itsunari 研究の内容 機器の高機能化に伴い、様々なデバイスの製造における省エネ化・省プロセス化技術、低コスト化が望まれています。 当研究室では、光デバイスの高機能化に必要とする微細(サブ波長周期の)構造をドライエッチング装置を使用することなく、容易に形成する技術(干渉露光法、インプリント法、ゾル-ゲル法、電気めっき、陽極酸化処理など)を確立するとともに、その技術を活用して光デバイス(偏光素子、反射防止、波長フィルタなど)の設計・作製・評価を行っています。 その一例として、干渉露光法で得られるフォトレジストパターンをシリコーンに構造を転写し、それをモールドとしてインプリント法とゾル-ゲル法などを併用して(図1)、狭周期構造(周期400nm以下)を要するワイヤグリッド偏光子(図2)や、波長板、回折効率の高い回折格子などの作製を電子線リソグラフィや、ドライエッチング装置を用いずに行うことができており、現在は実用化に向けて大面積化を目指すとともに、応用可能なデバイスの探索も行っています。 図1 ゾル₋ゲル法、インプリント法、真空蒸着法による赤外用ワイヤグリッド偏光子の作製プロセス。 図2 作製したワイヤグリッド偏光子。 産学連携・社会連携へのアピールポイント サブミクロンの微細構造を形成する際、主として半導体プロセスが用いられますが、形成に要する機器・装置を備えることはそう容易ではありません。 当研究室では、ドライエッチング装置のような高価な装置を用いることなく、サブ波長周期の構造を形成し、様々な光デバイスの開発を行っています。 興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。 研究者総覧(山田 逸成) URL: http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000207_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
デザイン | 摂南大学 | 『 災害大国である日本で安全な建築物をたてるには 』
デザイン 摂南大学 建築・都市 キーワード:建築物構造安全性、荷重・外力 『 災害大国である日本で安全な建築物をたてるには 』 理工学部 建築学科 特任教授 奥田 泰雄 OKUDA Yasuo 研究の内容 建築基準法第20条に「建築物は、自重、積載荷重、積雪荷重、風圧、土圧及び水圧並びに地震その他の震動及び衝撃に対して安全な構造のものとして(略)基準に適合するものでなければならない」とあります。 さらに、建築地域によっては、建築基準法のほか、特定都市河川浸水被害対策法、土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律、津波防災地域づくりに関する法律などで規制され、氾濫流、急傾斜地の崩壊・土石流・地滑り、津波といった荷重・外力に対して安全 な構造の建築物とすることを要求しています。 本研究室では、このような様々な荷重・外力(積雪荷重、風圧力、土圧、水圧、地震力、津波力など)による建築物や工作物の被害について調査し、建築物の構造安全性について研究しています。 令和6年 能登半島地震 平成23年 東北地方太平洋沖地震による津波被害 令和元年 房総半島台風 産学連携・社会連携へのアピールポイント 近年の様々な荷重・外力(積雪荷重、風圧力、土圧、水圧、地震力、津波力など)による建築物や工作物の被害の概要や被害に基づく基規準の改正状況について情報提供することができます。 研究者総覧(奥田泰雄) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000742_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
デザイン | 摂南大学 | 『 教育・研究活動と設計活動を結びつけ、実践的活動を行なっています 』
デザイン 摂南大学 建築・都市 キーワード:上演としての建築、歴史的記憶、価値の発見 『 教育・研究活動と設計活動を結びつけ、実践的活動を行なっています 』 理工学部 建築学科 特任教授 伊熊 昌治 IKUMA Shoji 1)保存・改修から活用できる建築に向けて 建物の歴史的経緯や時代背景を調査し、価値付けや新たな発掘、コンバージョン等により、地域に貢献できる可能性を探ります。 空き家問題や既成のビルディングタイプ等と建築設計の関わり方を再考し、新しい対応策の提案、建築によるまちへの介入の仕方を研究し、実践しています。 居住空間を広げる京町家 2)総合的な演出空間に向けて 木造建築の改修等においては構造補強等検討が不可欠であり、併せて木材の品質や性能についての知識も必要です。 また省エネルギー対応義務化等、熱環境負荷や換気等の知識が求められる中で省エネ改修も求められます。 このように細分化、複雑化された専門性を総合的に演出・実践できる視点や手法を育み、総合的な建築設計計画につなげています。 3)多様化する建築のあり方に向けて例えば高齢者施設では「家庭的な雰囲気」「昔懐かしい感じ」に重点がおかれますが、「家庭的」や「懐かしい」という言葉は時代によって 変化します。 入居者によっても多様であり、その集約・設計への反映が課題だと考えます。 実際の状況に即して多様化する今後のあり方を模索しています。 歴史的風致形成建造物指定 音響・照明・環境がつくる劇場空間 外部と内部をつなぐ環境の演出 家族とまちの時間をつなぐ演出 産学連携・社会連携へのアピールポイント ・建築物の歴史や履歴から価値を見出し、地域にその存在保存意義を提示します ・建築・都市を環境がつくる演出空間とみなして専門性が統合された建築を提示します ・住宅、福祉施設、ギャラリー等新築・改修を含めて、長く使い続ける建築を提案します 研究室名(建築設計計画研究室) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000700_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
デザイン | 摂南大学 | 『 こどもの成育環境からみた集合住宅における現代の子育ち・子育て ー 健康的に住まうために 』
デザイン 摂南大学 建築・都市 キーワード:集合住宅、共用空間、こども 『 こどもの成育環境からみた集合住宅における現代の子育ち・子育て ー 健康的に住まうために 』 理工学部 建築学科 教授 大谷 由紀子 OTANI Yukiko 研究の内容 民間分譲マンションが普及して半世紀余り、これまでに幾度かのブームを経て、マンションは都市部の典型的なすまいになっています。 かつてはマンションは、若いファミリー層が、郊外の庭付き一戸建てを取得するまでの一時的なすまいであったが、利便性、永住志向の高まり、都心居住の推進等を背景に、恒久的なすまいとなりつつあります。 今ではマンションで生まれ、マンションで育ち、成人するこどもも少なくありません。 一方で、未だ、バルコニーや窓等からこどもが転落する痛ましい事故が後を絶ちません。 マンションの共用空間に設けられた屋内や屋外のあそび場は、いつの間にか多くの使用ルールが付加され、使いにくい・使えない空間になっている事例が散見されます。 逆に、共用空間でのイベントや活動を通じて、子育て中の人々だけでなく多様な居住者と知り合う事例もあります。 本研究室では、集合住宅をこどもが育つ環境という視点から、安全で健康的にすまうための住環境を研究しています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 都市部では集合住宅に居住する子育て世帯が非常に増加しています。本テーマにかかわる研究成果は、集合住宅の需要サイド(子育て世帯、若年世帯)を中心に、供給サイド、公衆衛生関係機関等に情報共有します。 ・集合住宅の形態と特徴 ・住宅選択における留意点 ・子育ち、子育てからみた形態別のメリットとリスク ・中高層居住における緊急時の備え、その後の生活の課題 など 研究者総覧(大谷 由紀子) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001045_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
デザイン | 摂南大学 | 『 住宅研究から広がる知見を建築や街に対する設計活動で実践 』
デザイン 摂南大学 建築・都市 キーワード:住宅、都市、建築、 『 住宅研究から広がる知見を建築や街に対する設計活動で実践 』 理工学部 建築学科 講師 白須 寛規 SHIRASU Hironori 研究の内容 本研究室では、住宅の部分の研究(補足的空間、キッチンなど)を進めると同時に、それらの実践として自身が代表を務める設計事務所(design SU)にて建築の設計を行っています。 研究01:補足的商空間 現代住宅における縁側やアルコーブなど、室未満の小さな空間がもたらす連続性について研究をしています。 研究02:キッチン 現代の建築家の設計する住宅のキッチンを研究しています。 商品としての分類にとらわれない、生活に密着したキッチンのあり方を明らかにしています(図1)。 実践01:『並びの住宅』(2019) 私が設計した『並びの住宅』では、小さな空間(ベランダ、物干しスペース)などがあることで、その奥の空間(居室や外部空間)との連続性が示しています。 また、この2つの住宅における2つのキッチンは「アイランド+I型キッチン」という共通した形式でありながら、それぞれの住まい方に対応した構成にしています。 T邸では実質的なエントランスを入ってすぐの場所で出迎えるような配置になっているのに対し、O邸(図2)ではプライベート性の高い奥に位置し、ダイニングテーブルと一体となっていてキッチンの類型に縛られない多様なあり方を展開しています。 実践02:『3×12』(2022) 同じく私が設計した『3×12』では、補足的な土間空間と板間空間を並べて1:2となるように構成しました。 明確な室名をつけず、竣工後の使い方を施主に委ねるような作り方をしています。 土間空間は生活の変化に対応していく余白の空間として設けられており、施主の考えを反映して竣工後に個室や低い板間、畳の空間へと変化していきました。(図3) 図1 「ミニハウス」(設計:アトリエ・ワン)のキッチンの研究 写真撮影:繁田聡 図2 「並びの住宅 O邸」(設計:design SU)のキッチン 写真撮影:大竹 央祐 図3 「3×12」(設計:design SU)の土間玄関 産学連携・社会連携へのアピールポイント 空間設計 • 住宅、商業空間、など提案、設計 • 建物のネットワークからまちづくりの提案 • 小スペースのデザイン、活用方法の提案 記述/分析 • イラストで空間を記述し分析 • 室内のレイアウトを行うキッドの開発/提案 • 図面を3Dに起こして空間を把握できるようにする 研究室名(建築設計研究室) URL: http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000242_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
デザイン | 摂南大学 | 『 人の居方・居場所からの環境デザイン 』
デザイン 摂南大学 建築・都市 キーワード:まちの居場所、余白のデザイン 『 人の居方・居場所からの環境デザイン 』 理工学部 建築学科 准教授 小林 健治 KOBAYASHI Kenji 研究の内容 人間が生き生きと楽しそうに過ごしている場所における「心地よさ」や「過ごしやすさ」といった視点から、その場所に居る人間と周囲にひろがる環境との関係性について研究しています。 例えば、地域住民の「居場所」として近年注目される図書館にはさまざまな居方*がみられます。 図書館という場所でのさまざまな居方をささえているのは、ゆったりと過ごすことができる家具、他者と居合わせることができる書架、いらっしゃいませと言われない入りやすさ、などが考えられます。 このように建物のハードな部分だけではなく、ソフトな部分も含めてその場所が生み出す質が深く関わっています。 さまざまな場所に対して研究を続ける中でわかってきたことのひとつに、「余白」の重要性があります。 例えば、公園でピクニックをしているひとたちに関する研究では、その場で過ごす当事者自らがたくさんのものを持ち込み、その場所を使いこなすための指標を示しました。 また被災地域の公衆衛生活動の拠点となる保健所の研究では、決まった用途がないロビーなどが、日常の活動と災害時の活動をシームレスにつなげる上で必要な場所であることを示しました。ものを持ち込むことができる、決まった用途がない、はいずれも、場をつくり込みすぎず、余白を残して場所をデザインしていると言えます。 多くの人がともに暮らす都市空間は、新しく、綺麗な場所がつくりつづけられ、その場所を利用する個人の居心地の良さは向上しつつあると感じる一方、余白が残された場所は多くありません。 これからの未来が不透明な現代において、余白がある場所は必要と考えます。 公的/私的を問わず、余白を有する場づくりの実現をサポートします。 *居方とは、ある場所に人が居ること、またそこで生まれる風景の総称として鈴木毅が提唱した概念で「思い思い」「居合わせる」「たたずむ」などのタイプがある。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 思い思いに過ごすことができる場所[ガブリエル・ガルシア・マルケス図書館] 公園でのひとときを楽しむために自分たちでものを持ち込み居場所を設えている様子[服部緑地] ・地域の中で顕在化していない有形無形の資源を発掘し、各種メディア、グッズを提案すること。 ・公共性のある地域のコミュニティ活動の場づくりをサポートすること。 ・建築意匠設計実務の経験を活かしたさまざまな居場所の設計、デザインすること。 ・日常と災害時をシームレスに考える上での仕組みや場所を提案すること。 研究者総覧(小林 健治) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001215_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
情報・通信 | 摂南大学 | 『 信号処理技術を活用した社会課題の解決 』
情報・通信 摂南大学 電子情報通信 キーワード:信号処理、センシング技術、マーケティング手法 『 信号処理技術を活用した社会課題の解決 』 理工学部 電気電子工学科 准教授 畠中 惠司 HATANAKA Keiji 研究の内容 社会課題にまつわる現象を信号としてとらえ,計測,処理,分析することでその本質を探ります. また,マーケティング手法を導入することで潜在ニーズを把握し,人々の生活に役立つモノ・コトを創造します. ①室内換気の可視化:コロナ禍,室内換気の重要性が高まっています.隅々まで十分な換気がなされているのかリアルタイムで知ることは困難でしたが,熱源とその周辺に温度センサを配置した新しい気流センサを導入し,室内にメッシュ状に配置することで課題解決を目指しています. ②市販の安価なカメラを使い非接触で脈拍数を計測し,血圧やストレス度を推定する方式の検討: 日本人のおよそ3人に1人が高血圧患者と言われていますが自覚症状がほとんどないため日々の血圧測定が健康維持のために重要です. カメラで撮影するだけで血圧が分かれば多くの人々の役に立つと考えています. 図1 気流センサを室内にメッシュ状に配置し,室内の換気状態を可視化 図2 血管の収縮・拡張に伴う反射光の変化をカメラで検知し,脈拍から血圧やストレス度を推定 産学連携・社会連携へのアピールポイント そもそも課題であると認識されなければ解決されません.マーケティング手法を用いて顕在化する前の潜在ニーズを探ります. 信号処理技術をベースに課題解決に至るさまざまなアプローチを検討し,ミッシングリンクをつなぐ存在でありたいと考えています. 興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。 研究者総覧(畠中 惠司) URL: https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000558_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
情報・通信 | 摂南大学 | 『 マルチエージェントシステムのモデル化と制御・設計 』
情報・通信 摂南大学 電子情報通信 キーワード:マルチエージェントシステム,システム科学,ゲーム理論 『 マルチエージェントシステムのモデル化と制御・設計 』 理工学部 電気電子工学科 准教授 金澤 尚史 KANAZAWA Takafumi 研究の内容 人やロボット,人工知能など,自分で考えて行動する複数の「エージェント」が協力・競争することで問題を解決するマルチエージェントシステムのモデル化・制御・設計理論とその情報・通信システムへの応用に関して研究しています. ① 各エージェントの利己的な行動で生じる不利益を避け,システム全体を効率よく運用するための,税や補助金(罰金)による利益調整に基づいた制御法の開発とその工学的応用(図1). 例: 通信ネットワークの輻輳制御や交通渋滞の緩和,共有資源の公平な配分など. ② 多数の無人機による災害現場の探索・監視など,大規模問題を多数のエージェントに分担して解かせる際の,近傍情報のみを用いた自律分散的役割分担・タスク割当(選択)法の開発. 例: 動的領域監視・目標追跡タスクの自律的選択(図2), 計算機資源の自律分散配分など. 政府 税 補助金 図1 税と補助金を用いたマルチエージェントシステムの制御 図2 領域の監視と目標追跡を両立する自律分散システム 産学連携・社会連携へのアピールポイント ・通信や交通システムなど,多数のエージェントの利己的な振る舞いが全体に悪影響を与えるシステムにおいて,個々の利益を調整することで全体を効率化する制御法を提案しています. ・高性能・高コストのエージェント(人工知能やロボット)を開発する代わりに,比較的単純な規則で自律的に協調するエージェントの制御理論を開発することで,大規模な問題を多数のエージェントが分散的に解決する,安価で長寿命なシステムの設計理論を開発しています. 研究者名 金澤 尚史(マルチエージェントシステム研究室) URL:https://www.setsunan.ac.jp/~kanazawa/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
情報・通信 | 摂南大学 | 『 群知能を用いた群れロボットの行動計画 』
情報・通信 摂南大学 電子情報通信 キーワード:群れロボット、ドローン、システム最適化、計算知能 『 群知能を用いた群れロボットの行動計画 』 理工学部 電気電子工学科 教授 片田 喜章 KATADA Yoshiaki 研究の内容 群れロボットやIoTなど複雑なシステムを人が事前にすべてを設計することは現実的に困難なケースが多く存在する. これに対し群知能(進化・学習・スワームシステム)とよばれる生物システムを模倣したアプローチの有効性が認知されつつある. 本研究室では、群れロボットのシステム構築に関して、AIと生物学の知見をもとにロボットの群れ行動の生成アルゴリズムやハードウェアのプラットフォーム製作を行い,計算機実験と実機実験による研究を行っている。 例として下記テーマが挙げられる。 ・ドローンの自動飛行経路計画 ・複数ドローンの自動飛行経路計画 ・最適化問題への進化計算の適用 ・群れロボットを用いたターゲット探索 ・移動型群れロボットの開発、応用 ・マイコンを用いたシステム実装 これらの研究過程で得られる要素技術の実用化も視野に入れている. 【課題、今後の方向性】 ・ドローンのレスキュー・配送分野への応用 ・群れロボットを用いたターゲット探索の応用化 産学連携・社会連携へのアピールポイント 今後、ドローン単価が下がれば作業の効率化のために複数台ドローンによる自動飛行が望まれるようになる.衝突回避を考慮して自動的に最短経路を計画するアルゴリズムの研究をしている. ドローン配送にも応用が可能である. 研究室名(ロボットシステム研究室) URL:http://www.setsunan.ac.jp/~katada/jindex.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
情報・通信 | 摂南大学 | 『 画像処理技術・深層学習の社会基盤整備への活用 』
情報・通信 摂南大学 電子情報通信 キーワード:AI(人工知能)、3D都市モデル、ICT 『 画像処理技術・深層学習の社会基盤整備への活用 』 理工学部 都市環境工学科 講師 久保田 誠也 KUBOTA Seiya 研究の内容 少子高齢化が進む現在、効率的に社会基盤を整備する手法の確立が求められています。 そこで、画像処理技術やAIの一つとして近年注目されている深層学習を社会基盤整備に活用するための手法の確立を目指して、研究活動に取り組んでいます。 現在はドライブレコーダーで撮影された動画像から道路のひび割れを自動検出する技術の開発を行っています(図1)。 また、都市環境の詳細なシミュレーションにも活用できる3D都市モデルの整備が国土交通省主導のPLATEAUプロジェクトとして進められています。 私の研究室では、ドライブレコーダーやGoProで撮影された動画像から3D都市モデルを作成する手法に関する研究をしており、誰もが3D都市モデルの整備・更新に参画できる市民参加型広域3D都市モデル整備手法の確立を目指しています(図2)。 その他、UnityやROSを使ったシミュレーションにも取り組んでおり、作成した3D都市モデルを活用した都市景観評価や交通安全シミュレーションなどの都市環境シミュレーションへの展開を視野に入れております(図3)。 産学連携・社会連携へのアピールポイント • 前職では民間企業でロボットエンジニアとして働いておりましたので、AI分野などの最新技術をいかに早く社会に実装できるかという開発スピードに対する意識を強く持っており、オープンソース活用のノウハウやプログラミングを使った開発スキルがある点がアピールポイントとなります。 • 社会基盤整備に限らず、情報技術を活用したいとお考えでしたら、お力になれることがあるかもしれませんので、お気軽にご相談いただければと思います。 研究者総覧(久保田 誠也) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000559_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
情報・通信 | 摂南大学 | 『 サイバーインテリジェンス・情報セキュリティ 』
情報・通信 摂南大学 電子情報通信 キーワード:サイバー犯罪、プロファイル分析、脅威分析、情報セキュリティ対策 『 サイバーインテリジェンス・情報セキュリティ 』 経営学部 経営学科 教授 針尾 大嗣 HARIO Daiji 研究の内容 当研究室では、情報通信ネットワークを基盤として活動を営む現代企業・消費者の脅威となっているサイバー攻撃やサイバー犯罪による各種セキュリティインシデント対応のためのサイバーインテリジェンスについて、国内外の専門家との連携をもとに研究を進めております。 サイバーインテリジェンスとは、サイバー攻撃者の手口、能力、関連組織の動向についての情報を、収集、評価、分析を行うための一連のプロセスや体制のことであり、これにより将来の脅威へ備えます。 このサイバーインテリジェンス研究のなかでも特に、サイバー攻撃者のアトリビューション(意図/動機、能力の分析による攻撃者の特定)に用いる分析モデルの開発に注力しています。 また近年注目を集めているAI、暗号資産、メタバース(3次元仮想空間)、NFT(非代替性トークン)、ダークウェブといった新たな情報通信技術が利用されている最新のサイバー犯罪動向についても注目し、これらの情報を警察機関、自治体、民間企業などへ提供しています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 自社のセキュリティ強化のための従業員や関係会社社員を対象とした情報セキュリティ教育、サイバーレジリエンス(サイバー攻撃を受けた後の活動復旧に必要な仕組みや能力)強化のためのアドバイス、SNS炎上など自社のレピュテーションリスクへの対応策の検討ならびに関連調査が可能です。 またゼミ生らと共に地元小学校や保護者向けのサイバー犯罪防犯教室を開いています。 研究室ホームページ(針尾 大嗣) URL: https://www.hariolab.net/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
資源・材料 | 摂南大学 | 『 ポリマーの添加によるコンクリートの性能改善 』
資源・材料 摂南大学 ナノテクノロジー・材料 キーワード:コンクリート、性能改善、長寿命化 『 ポリマーの添加によるコンクリートの性能改善 』 理工学部 都市環境工学科 教授 熊野 知司 KUMANO Tomoji 研究の内容 急速な高齢化が進むわが国では、社会インフラへの投資は抑制傾向にある。 そのため、新規に建造する構造物は耐久性が高く長寿命であることが求められる。 一方で、循環型社会の形成を目指してコンクリートの再資源化が検討され、再生骨材を用いた再生コンクリートの研究が進められている。 しかし、再生骨材を用いたコンクリートは、耐久性が低下する、乾燥収縮ひび割れが早期に発生する等コンクリートの品質が低下する。 このことが長寿命化が要求されるインフラ構造物への再生骨材の利用を阻む要因となっている。 セメントをバインダーとする補修用モルタルにポリマーを添加することは、既存の技術となっている。 本研究では、コンクリートへのポリマーの添加を耐久性を向上させる長寿命化技術として位置付け、天然骨材や再生骨材を用いたコンクリートの耐久性や乾燥収縮特性に関する実験的検討を行っている(図-1)。 なお、ポリマーにはSBR(スチレンブタジエンゴムラテックス)を使用した。その結果、SBRをセメントに対する質量比で10%添加したものは無添加のものに比べて乾燥収縮が50%程度になること(図-2)、CO2の侵入による鉄筋コンクリートの劣化である中性化の速度がSBRを10%とすることで著しく抑制できること等を明らかにしている(図-3) 図-1 長期屋外暴露試験 図-2 乾燥収縮ひずみ 図-3 中性化速度係数 産学連携・社会連携へのアピールポイント これまでの検討ではポリマー(SBR)を添加することによる耐久性能の改善効果が大きいことは明らかになっている。 ただし、コストの増大については否めない。そこで、全てのコンクリート構造物に適用する技術ではなく、 ①特に過酷な環境下で建造される構造物の耐久性の確保、 ②完成後のメンテナンスが困難で長期間のメンテナンスフリーが要求される部位、 ③再生骨材を初めとする低品質材料の使用が避けられない場合の品質の確保等が用途になると考えられる。 研究者総覧(熊野 知司) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100000970_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
計測・制御 | 摂南大学 | 『 UVレーザーと紫外線励起蛍光樹脂粒子を用いた流れの可視化技術 』
計測・制御 摂南大学 ものづくり・製造技術 キーワード:流れの可視化,紫外線,蛍光粒子 『 UVレーザーと紫外線励起蛍光樹脂粒子を用いた流れの可視化技術 』 理工学部 機械工学科 教授 堀江 昌朗 HORIE Masaaki 研究の内容 本研究室では290~405nmの主に紫外波長によって励起され,成分の違いによって赤,青,緑に強く蛍光する紫外線励起蛍光樹脂粒子を企業と共同開発した. 紫外線励起蛍光樹脂粒子と紫外線光源を用いた流れの可視化技術の最大の特徴は,一つの光源で異なる色に蛍光する粒子を同時刻に撮影することができ,さらにハレーションがほとんど生じない可視化実験が可能であることである. 例えば次のような流れの可視化実験に応用できる. ・異なる液体が混ざり合うような流れ場において,それぞれの液体の混合過程の同時刻撮影ができる. ・撮影範囲が極めて狭い領域や鏡面状の壁面で囲まれた領域,壁面近傍などの領域において,流れの状態をハレーションがほとんど無い状態で撮影することができる. ・土砂やゴミ,気泡などの粒子以外の物質と混合させた場合であっても,蛍光粒子だけを追跡できる. ・波長が405nm(バイオレット)の光源を用いることにより,蛍光粒子と他の物質(移動壁面や気泡など)を同時刻に撮影することができる. 円柱周りの流れの可視化:不可視光のUVレーザー光源を用いることによりハレーションは生じない. そのため流体中の蛍光粒子の挙動から壁面近傍の流れの状態を正確に観察することができる. 三液混合流れの可視化:緑の蛍光粒子が浮遊する液体中に赤と青の蛍光粒子を含む液体を噴出した状態. UV光源1つで3つの異なる流体の混合過程を同時刻に撮影することができ,映像のRGB値から各流体の流動状態を測定することができる. マイクロバブルの可視化:波長が405nmの光源を用いると、マイクロバブル(青)と流体中の蛍光粒子(緑)の同時刻撮影が可能となり,バブルの上昇による流体の挙動を測定できる. 産学連携・社会連携へのアピールポイント 見えているものが見えなくなり,見えないものが見えるようになるユニークな流れの可視化技術です. CFD解析では解らなかった流動状態を明らかにし,生産技術の向上と製品開発に貢献します. 特許第6713598号(2020.6),可視化情報学会 学会賞 受賞(2020.8) 研究者総覧(堀江 昌朗) URL: http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100000994_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
計測・制御 | 摂南大学 | 『 テラヘルツ・エリプソメトリーによる非接触物性評価 』
計測・制御 摂南大学 ナノテクノロジー・材料 キーワード:テラヘルツ・エリプソメトリー、ワイドギャップ半導体 『 テラヘルツ・エリプソメトリーによる非接触物性評価 』 理工学部 基礎理工学機構 教授 長島 健 NAGASHIMA Takeshi 研究の内容 テラヘルツ波は周波数が0.1〜10 テラヘルツ程度(テラは10の12乗)の電磁波である。 自由キャリア、フォノンそして電子スピン等は、この周波数領域で特徴的な応答を示すため、テラヘルツ分光は非破壊・非接触材料評価の強力なツールになっている。 通常のテラヘルツ分光では透過測定が用いられるが、テラヘルツ帯で不透明な材料の評価のために反射型テラヘルツ・エリプソメトリー(図1)を原理提案・実証し、開発を進めてきた。 各種測定からバルク及び薄膜のテラヘルツ帯複素誘電率スペクトルが得られる。半導体の場合には、自由キャリアの密度、移動度を導出できる。 さらに磁場印加による偏光状態変化を検出することでキャリア有効質量を導出できる。 産学連携・社会連携へのアピールポイント テラヘルツ波パルスの発生と検出は、従来の熱的光源あるいは熱検出器ではなく、フェムト秒パルスレーザー励起時間領域分光法を用いる。 高いSN比が得られるだけでなく、装置をコンパクトにできる。 テラヘルツ分光は通常は透過測定がなされているが、テラヘルツ・エリプソメトリーは反射配置なのでテラヘルツ波を透過しない材料の評価や裏面に金属電極が作製されているデバイス等の検査に利用できる。 (上記のエリプソメトリー以外のテラヘルツ分光法についても技術的問合せに対応可能) 研究者総覧(長島 健) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001218_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
計測・制御 | 摂南大学 | 『 離散事象システムの制御に関する研究 』
計測・制御 摂南大学 電子情報通信 キーワード:離散事象システム、最適制御、機械学習 『 離散事象システムの制御に関する研究 』 理工学部 機械工学科 准教授 山﨑 達志 YAMASAKI Tatsushi 研究の内容 ●離散事象システム(Discrete Event Systems,DES)は,事象(イベント)が発生することにより,システムの離散的な状態が変化するシステムの総称です。 このようなシステムは,状態遷移図やオートマトン,ペトリネットなどで表され,生産システム,通信システム,交通システムなど人工的なシステムを扱うためのモデルとして有用です。 ●スーパバイザ制御では,制御器(スーパバイザ)により,論理的に与えられる制御仕様(例えば,デッドロックの回避や処理の公平化など)を満たすように適切に事象の禁止を指定することで,システムの挙動を制御します。 ●最適スーパバイザ制御では,さらに,事象が発生したり,禁止したりすることによるコストや,システムの抱えるリスクなどを定量的に評価したうえで,最適な制御の方策を決定します。 ●近年,注目を集めている強化学習などの機械学習と組み合わせることで,安全性を理論的に保証する中で,複雑な環境でも最適な行動を学習させる手法について研究しています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント ●離散事象システムは,生産システムや通信システムなど現実世界の様々なところに見られます。 スーパバイザ制御は,そのようなシステムに対しての有効な制御の枠組みを提供します。 ●近年発展の著しい機械学習ですが,それのみでは安全性を保証することが難しい場合があります。 スーパバイザ制御などの形式手法を用いることで,理論的に安全となる制御器が得られます。 ●実システムでの利用の助けとなる,離散事象システムに対する,制御系設計支援ソフトウェアを開発します。 研究室名(システム制御研究室) URL:http://www.setsunan.ac.jp/~yamasaki/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
計測・制御 | 摂南大学 | 『 乳児の哺乳時における舌運動の計測 調理時における食材自動秤量システムの構築 』
計測・制御 摂南大学 ものづくり・製造技術 キーワード:生体計測,計測工学,生活工学 『 乳児の哺乳時における舌運動の計測 調理時における食材自動秤量システムの構築 』 理工学部 電気電子工学科 准教授 西 恵理 NISHI Eri 研究の内容 【乳児の哺乳時における舌運動の計測】 乳児は舌を複雑に動かして,母乳を搾出します。 生活習慣病対策や健康意識の高まりを受けて,市この舌の動きは乳児特有の動きであり,生後三ヶ 販の調理済み食品には栄養成分が表記される傾向月で消失する「吸啜反射(きゅうてつはんしゃ)」によるものです。 本研究では,力センサを内蔵した人工乳首を用いて,乳児の舌がどのくらいの力をどのようなタイミングで乳首に与えているかを計測します。 計測は医療機関と連携しており,解析結果をもとに吸啜が未熟な乳児に対して診断支援も可能です。 また,計測で得られたデータを基盤とし,舌運動モデルを搭載した搾乳器の開発もすすめています。 【調理時における食材自動秤量システムの構築】 生活習慣病対策や健康意識の高まりを受けて,市販の調理済み食品には栄養成分が表記される傾向にあります。 しかし,家庭料理においては,食材や調味料の正確な計量がされていないことが多いです。 これは,調理者の行動を妨げ,ストレスとなるためと考えられます。 本システムは,調理者の行動を妨げることなく,調理するだけで栄養成分が把握でき,さらに料理レシピの作成が可能です。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 舌運動モデルを搭載した搾乳器が実現できれば,従来のような陰圧のみを利用した搾乳器に代わり,痛みを伴わない自然な乳汁分泌を促すことができる搾乳器が完成します。また、食材秤量システムを家庭用キッチンに設置し,母親の調理工程を記録することで他の人が調理しても同じ料理が再現できるようになります(おふくろの味の再現)。 使用した食材や調味料の量は計測されますので,栄養バランスについても管理ができます。 西研究室 URL:https://www.setsunan.ac.jp/~nishilab/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
計測・制御 | 摂南大学 | 『 レーザー周期加熱法を用いた微小領域の熱物性評価技術 』
計測・制御 摂南大学 キーワード:熱伝導率、レーザー周期加熱法、マイクロスケール材料評価 『 レーザー周期加熱法を用いた微小領域の熱物性評価技術 』 理工学部 機械工学科 教授 三宅 修吾 MIYAKE Shugo 研究の内容 パワー半導体や電池・モーターなど電装品関連の発熱問題の改善に向けて、はんだ接合部や放熱材料などの熱物性値の評価がますます重要になっています。 本研究室ではレーザー光を利⽤した熱物性測定技術に関する研究を行っています。 レーザー強度を変調・集光することで個体材料はもちろん、薄膜材料や試料断面から微小部の点測定やマッピング測定、試料厚さ方向や面内方向の伝熱特性評価などに利用できます。(試料調製・解析方法については要相談) 【応用例】 ・複合材料系放熱シートの熱伝導率(レーザー周期加熱放射測温法+⽰差熱分析) ・炭素繊維複合材料の熱的異方性(レーザー周期化熱放射測温法) ・接合部の熱伝導特性マッピング(レーザー周期加熱サーモリフレクタンス法) ・鉛フリーはんだ接合部界面の金属間化合物の熱伝導率(レーザー周期加熱サーモリフレクタンス法)など レーザー光による裏面周期加熱 周期加熱放射測温法による平板試料測定 サーモリフレクタンス法による微小測定 上図左:周期加熱放射測温法による熱拡散率測定の概要.検出器位置を走査することで厚さ方向と面内方向の測定が可能.炭素繊維材料など熱異方性の評価にも有効. 上図右:周期加熱サーモリフレクタンス法による最表面の熱物性測定の概要.数μmの空間分解能で狙った測定や,薄膜などの評価が可能. 右図:チップ抵抗接合部断面の熱伝導性分布.チップ抵抗下のA g からガラスエポキシ基板までの各層の位相遅れ分布を計測している. この後,注目層について詳細に測定・解析することで熱伝導率・熱浸透率などを得ることができる. 産学連携・社会連携へのアピールポイント 熱物性を測定・評価する技術は日進月歩で多様化しており、新しい材料や製品に最適な方法を選択する必要があります。 また熱物性は測るだけでなく、材料の生い立ちや構造などを鑑みた多角的な考察が重要です。 当研究室では企業での実務経験に基づく幅広い材料物性評価技術のご提案により、多くの企業との共同研究も推進しています。ぜひお気軽にお声がけください。 【主な保有装置】熱物性測定装置、示差熱分析装置、X線回折装置、走査型電子顕微鏡など 熱物性研究室 URL:https://www.setsunan.ac.jp/~miyake/
環境 | 摂南大学 | 『 高分解能質量分析計を基礎とした環境、食品及び生態中の有害化学物質の探索とそれらの毒性影響評価 』
環境 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:有害化学物質、高分解能質量分析計、毒性影響評価 『 高分解能質量分析計を基礎とした環境、食品及び生態中の有害化学物質の探索とそれらの毒性影響評価 』 薬学部 薬学科 教授 中尾 晃幸 NAKAO Teruyuki 研究の内容 環境、食品、生体中に存在する有害化学物質の測定を行っている。 有害化学物質には、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)により使用、輸入及び製造が規制されている物質や世界的に製造、使用、削減、適正処理が規定されている残留性有機汚染物質の他、日常的に使用されている食品添加物や樹脂添加剤等が挙げられる。 これら化学物質はヒトが生活する上で有用な化学物質として用いられる一方で、許容摂取量を超えた場合やそれらの代謝物が毒性を示すことが十分に考えられる。 これら化学物質による大気、水、土壌などの環境汚染、様々な食材を対象とした食品汚染、ならびにヒトや魚介類を対象とした生態汚染実態の把握を目的として、高分解能質量分析計を用いて、実態解明を行っている。実験動物を使用した有害性評価や微生物や細胞から抽出したレセプターを利用した毒性評価も行っている。 高分解能質量分析計 産学連携・社会連携へのアピールポイント ・高分解能質量分析計による有害化学物質の測定ならびに未知化合物の定性分析が可能 ・上記有害化学物質の生活環境汚染実態調査と健康リスク評価に関する 研究室名(疾病予防学研究室) URL:http://www.setsunan.ac.jp/~p-shokuh/saito/homu.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
環境 | 摂南大学 | 『 心地よい温熱環境の構築 』
環境 摂南大学 エネルギー・環境 キーワード:温熱環境、生理心理評価 『 心地よい温熱環境の構築 』 理工学部 建築学科 教授 宮本 征一 MIYAMOTO Seiichi 研究の内容 心地よい温熱環境を構築するためには、その環境下における生理反応および心理反応を把握する必要がある。 恒温恒湿室内での被験者実験やサーマルマネキンを用いた実験により、人体と空間との熱授受を明らかにすることによって、どのような温熱環境が好ましいのかを明らかにする。 例えば、着衣による調節を含めての最適な冷暖房のあり方、局所の温冷刺激が全身温冷感に与える影響、部位毎の温覚冷覚の閾値の把握などを明らかにし、空間や冷暖房機器 について感性的な評価を行うことができます。 また、屋外の温熱環境を把握することもでき、緑のカーテンによる日射遮蔽をサーモカメラを用いて測定することができ、消費エネルギーを増やすことなく快適性を向上させ る手法について提案ができます。 サーマルマネキンを用いた実験 恒温恒湿実験室 被験者実験風景 産学連携・社会連携へのアピールポイント 心地よい(健康を害さない)温熱環境の測定、評価、提案が可能。単なる断熱性能、気密性能というような建築的視点からではなく、生活者からの視点からの提案が可能。 研究者総覧(宮本 征一) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100000971_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
環境 | 摂南大学 | 『 環境化学物質に対する生体応答の分子メカニズム解明 』
環境 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 環境汚染物質、生体防御、エピジェネティク 『 環境化学物質に対する生体応答の分子メカニズム解明 』 薬学部 薬学科 教授 木村 朋紀 KIMURA Tomoki 研究の内容 個々の化学物質に固有の識別番号CAS RN®は2019年に1億5千万に達し、現在も増え続けている。 このように、日々、新規化学物質が合成されていることから、環境中に流出する化学物質による健康被害が懸念されている。 また、環境中にはカドミウムや水銀、ヒ素などの毒性が高い元素が存在している。 環境中の有害物質に対する生体の防御システムと、これが破綻する仕組みを解き明かし、多種多様な環境化学物質の安全性・危険性を明らかにすることで、健康被害のリスク低減を目指している。 これまでは、特に、カドミウムの毒性発現機序、カドミウムに対する生体防御システムの解明に取り組んできた。 その結果、胎盤形成に関わる細胞性栄養膜細胞(CT)の絨毛外性栄養膜細胞(EVT)と合胞体性栄養膜細胞(ST)への分化のうち、EVTへの分化をカドミウムは特に阻害することを明ら かにしてきた。 また、細胞内カドミウム濃度(あるいは亜鉛濃度)が上昇することで発現が上昇する金属結合性生体防御タンパク質メタロチオネインの発現調節機序の解明に取り組んできた。 後者の研究の過程では、細胞内カドミウム濃度(あるいは亜鉛濃度)に応答してレポーター遺伝子発現を上昇するメタロチオネイン遺伝子プロモーターレポーターベクターを数多く構築しており、本ベクターは細胞内亜鉛センサー(あるいは、カドミウムセンサー)などとして様々な分野への応用可能なシーズである。 レポーター ベクター 遺伝子導入 亜鉛量に応じて レポーター遺伝子が発現 レポーター遺伝子発現を 発光として検出可能 培養細胞 産学連携・社会連携へのアピールポイント .上述の通り、細胞内亜鉛センサー(あるいは、カドミウムセンサー)などとして様々な分野への応用可能なプロモーターレポーターベクターを数多く所有しています。 例えば、必須微量元素である亜鉛について、細胞に取り込まれやすい亜鉛化合物の探索などに利用可能だと思われます。 .胎盤形成に関わる細胞性栄養膜細胞の分化への化学物質影響評価など、様々な培養細胞への化学物質毒性の評価のための実験系を有しています。 公衆衛生学研究室 URL:http://www.setsunan.ac.jp/~p-kankyo/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
エネルギー | 摂南大学 | 『 廃棄植物による光合成で酸素・水素を生成する建築「光合成建築」のデザインを提案 』
エネルギー 摂南大学 エネルギー・環境 キーワード:光合成、建築、水素エネルギー 『 廃棄植物による光合成で酸素・水素を生成する建築「光合成建築」のデザインを提案 』 理工学部 住環境デザイン学科 教授 川上 比奈子 KAWAKAMI Hinako 研究の内容 本研究における「光合成建築」とは、廃棄される野菜や伐採樹木の葉による光合成を活用した光バイオ燃料電池を建築エレメントに一体化するものであり、「循環型社会」に求められる建築、および、「次世代クリーンエネルギー」の創出、その両方の実現を生命科学科の松尾教授と共に目指す共同研究である。 具体的には、透明な2重パネルにクロロフィル溶液を注入した発電パネルを、衝立・間仕切り・壁などのインテリアエレメントや屋根・壁・床・窓・ベランダ手すりなどの建築エレメントそのものとして機能させ、斬新な建築デザインを提案する。 昼間は発電した電力で様々な低電力消費家電を稼働するとともに蓄電池に電力を備蓄し、夜間にこれを照明等に利用する。 付加的な太陽光発電パネルと異なり建築や装置自体が光合成できる。光合成により酸素が発生する機構を建築や装置に組み込むことで環境に資することもできる。 光合成によってエネルギーを生み出す建築が複数、連なれば環境に良いまちとして新しく生まれ変わることもできる。 例えば、街並みを壊さないよう 空き家を生かしつつ、屋根や壁をリノベーションし光合成させることがでえきれば、過去と未来、人工物と自然が融合された今までにない斬新なデザインでまちを再生させることができる(図1) 図1 「光合成建築」のロードマップ 産学連携・社会連携へのアピールポイント 「光合成」を題材にして酸素を発生させる建築提案はあるが、水素エネルギーへの応用を提案した研究は見当たらない。 本提案はクロロフィル溶液を2重ガラス板などに充填することによって、光合成で酸素と水素を生成させる。 酸素は自然へ還元し、水素は人間のためのエネルギーに利用可能となる。 従来の太陽光パネルとは異なり、共生可能な植物のリサイクルによる水素発生を利用し、エネルギー創製可能かつデザイン性を伴った一般的に望まれる建築空間を容易に達成できる点が革新的であり、新規性、優位性を備る。 研究者総覧(川上 比奈子) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001042_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
環境 | 摂南大学 | 『 ABWオフィス環境設計に関する研究 』
環境 摂南大学 キーワード:多様な環境、自己選択、ABW(Activity Based Working) 『 ABWオフィス環境設計に関する研究 』 理工学部 住環境デザイン学科 教授 樋口 祥明 HIGUCHI Masaaki 研究の内容 近年、新価値創造に向けて創造性の発揮や共創活動などが重要視されている。 そのような社会背景を受け、仕事の内容に応じて多様性をもって設計された空間の中から、働く空間を自己選択する ABW(Activity Based Working) の導入が注目されている。ABWはこれからの働き方として期待されるが、多様な各空間の必要面積設定や配置計画が難しいなど、空間設計に対する課題がある。 行為【①業務内容(定型作業・収束思考・拡散思考)、②フォーマル・インフォーマルコミュニケーション、③休憩、④在宅時等】に加え、個人の性格等によって、好まれる環境が異なってくるという基礎データを得た。 定型:タイピング 収束:点字読み取り 拡散:生産力テスト オフィス勤務経験者 オープン カジュアル フォーマル 学生 空間選択実験室 タスク毎の空間選択状況 収束タスクの性格別成績 実験結果の一例 産学連携・社会連携へのアピールポイント 知的生産性・創造性向上のためのワークプレイス計画は、経営資源の有効活用において重要である。 ABWは均質な空間・環境から多様で変化ある空間・環境への転換を図り、フリーアドレスを進化させ仕事をより効率的に行うことを可能とする。 その設計に資するデータを得ることは企業価値向上に有用である。 コスト削減・従業員満足度向上・省エネルギーにも貢献できる可能性がある。 居住環境計画研究室 URL:https://www.led.setsunan.ac.jp/laboratory/post-18.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
エネルギー | 摂南大学 | 『 バイオ燃料電池 』
エネルギー 摂南大学 エネルギー・環境 キーワード:燃料電池、生体高分子、水素エネルギー 『 バイオ燃料電池 』 理工学部 生命科学科 教授 松尾 康光 MATSUO Yasumitsu 研究の内容 近年、 化石燃料を用いたエネルギー生成法から、環境問題をクリアできる新しいエネルギー生成法への転換が必要とされている。 水素エネルギーを利用する方法もその一つであり、CO2を排出しない次世代エネルギー源として期待されている。 水素からエネルギーを安全に取り出す一般的な方法は、燃料電池を利用する方法であり、燃料電池は水素と空気中の酸素を燃料として、水のみを排出し、エネルギーを生成できるクリーンなエネルギー源である。 しかしながら、この燃料電池にも、 ① 燃料電池電解質が有機合成高分子のため製造廃棄時に環境負荷がかかり高価であること、 ② 燃料となる水素の主たる生成は化石燃料の改質であり、化石燃料への依存は解消できていないこと などの課題がある。 そこで、我々はこれら燃料電池の課題をもクリアできる「生体高分子を用いた次世代燃料電池」の研究開発を行っている。 最近では、光合成反応を利用して、水素をその場で生成し、発電できる光バイオ燃料電池の開発も行っている。 光バイオ燃料電池は廃棄植物の葉などから、光合成タンパク質溶液を抽出し、この溶液への光照射により得た水素を直接燃料電池へ供給することにより、LEDなどを簡単に駆動できる。 室内の蛍光灯といった弱い光でも発電できることも優れた特長である。 右図は 光バイオ燃料電池によりLEDを点灯している様子を示している。 図のように、廃棄植物から抽出した緑色のPSIIタンパク質溶液を、魚のうろこ(コラーゲン)を電解質として作成したバイオ燃料電池と接触させることにより、緑の空間とエネルギーを得ることができる。 現在では、これをさらに大型化し、建築材料へ応用することにより、エネルギーを生成する建築の実現をめざしている。 水素を自ら生成し、発電できるこの光バイオ燃料電池は、インテリア・建築材料だけでなく、さまざまな用途への利用が期待できる。 光バイオ燃料電池 LED 光合成ホタルライト 産学連携・社会連携へのアピールポイント 従来の高分子電解質燃料電池では、電極腐食や廃棄処理問題、電解質製造時の複雑さ、コスト高、環境負荷などの問題を抱えている。 本技術では、環境負荷を極めて低減できる簡易燃料電池を、自然界に豊富で廃棄される生体由来物質を用いて作成している点において新規・優位性を備えている。 建築材料への利用により、緑の空間とともに、電力が得られるのも特長の一つである。 【用途・効果】 用途:環境低負荷電源、インテリア、エクステリアなど建築材料など。 効果:SDGs7,9,11 への貢献・アップサイクルとカーボンニュートラルの実現 研究者総覧(松尾 康光) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001021_ja.html お問い合わせは摂南大学研究支援・社会連携センターまで
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 低膜透過性物質の非侵襲的投与を可能にする膜透過ペプチド固定化高分子の開発 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:膜透過ペプチド固定化高分子、低膜透過性分子、吸収促進 『 低膜透過性物質の非侵襲的投与を可能にする膜透過ペプチド固定化高分子の開発 』 薬学部 薬学科 教授 佐久間 信至 SAKUMA Shinji 研究の内容 ペプチドやたんぱく質、抗体、核酸などに代表されるバイオ医薬は、高い水溶性と巨大な分子量により生体膜透過性が低い。 そのため、バイオ医薬は一般的に注射剤として開発され、医師による投与管理、投与時の侵襲性の高さ、無菌的な製剤調製による高い製造コストなど種々の問題を抱えている。 本研究シーズの膜透過ペプチド固定化高分子は、各種エンドサイトーシスを誘導する作用を持つ膜透過ペプチドを、種々の高分子プラットフォーム(ヒアルロン酸やpoly(N-vinylacetamide-co-acrylic acid) : PNVA-co-AA)に化学結合させた新規の吸収促進剤である。 これまでに異なる物性値を持つペプチド医薬(分子量:約1000~20000、等電点:4.7~9.5)を本シーズと共に経鼻投与することでペプチド医薬単独投与に比較し、いずれの薬物においても経鼻吸収を10倍以上改善し、強力かつ普遍的な吸収促進作用を持つことを明らかにしている。 また、本シーズをインフルエンザワクチンのマウス経鼻投与に併用することにより、鼻粘膜上にイムノグロブリンA(IgA)を効率的に誘導し、投与抗原を有するインフルエンザウイルスだけでなく、同一亜型内の異なるインフルエンザウイルスに対しても感染防御/重症化予防を示すことを明らかにしている。 これらの結果から、本シーズは優れた吸収促進剤であり、バイオ医薬の吸収促進や粘膜ワクチンのアジュバントなど、様々な分野への応用が可能なシーズである。 膜透過ペプチド固定化高分子のイメージ図 産学連携・社会連携へのアピールポイント 本シーズは上述の通り、低膜透過性分子の吸収を飛躍的に促進させる。従って、低膜透過性がゆえに注射等の侵襲的な投与法に限定されているバイオ医薬やワクチンを粘膜を介した非侵襲的な投与法により使用可能にすることが期待される。 それらの結果を通じて本技術は、バイオ医薬の投与時の侵襲性改善や患者の自己管理下での服用を可能にすることにより、患者のQuality of Lifeの向上や医療従事者の負担軽減、ひいては医療費の低減に貢献できるものと考えられる。 研究室名(薬物送達学研究室) URL:http://www.setsunan.ac.jp/~p-dds/index.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 Webサイトへの投稿内容を分析して女性の情報ニーズを探る 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:妊産婦・母親・情報ニーズ・意思決定支援 『 Webサイトへの投稿内容を分析して女性の情報ニーズを探る 』 看護学部 看護学科 教授 井田 歩美 IDA Ayumi 研究の内容 妊娠を望んでから育児期に至るまで女性が意思決定を必要とする場面は多くなっています. よりよい意思決定には適切な情報を入手することが必要です.看護職者の支援のひとつとして情報提供は大変重要となっており,適切な情報提供のためには,対象者の情報ニーズの把握が必須となります. 現在までの研究において,ソーシャルメディアのひとつであるわが国最大級の女性限定口コミサイト(ウィメンズ-パーク)への投稿内容(株式会社ベネッセコーポレーションからデータ提供を受け実施,2022年1月末サービス終了)を分析し,不変的かつ普遍的な情報ニーズと社会情勢を反映したトピック(話題)に関連した情報ニーズの体系化を図ってきました. 最近のトピックとしては,2020年の新型コロナウイルス感染症流行下において,妊婦はどのような不安や困惑を抱えて過ごしていたのかを明らかにしました. 図 COVID-19流行下の妊婦の不安,困惑のネットワーク図 表 COVID-19流行下の妊婦の不安,困惑 産学連携・社会連携へのアピールポイント Web上で行われている情報収集,意見交換を通して,妊活中のカップルや妊産婦さん,子育て中のママが求める情報の詳細や思いなどを知りたい方,どのような情報ニーズがあるのか分析してみたい方,お気軽にお問い合わせください. 研究者総覧(井田 歩美) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/200000415_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 神経難病患者のQOL向上と看護の質向上を目指す研究 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:神経難病、臨床看護、質的研究 『 神経難病患者のQOL向上と看護の質向上を目指す研究 』 看護学部 看護学科 教授 森谷 利香 MORIYA Rika 研究の内容 主に神経難病患者に関する研究、および神経難病患者の看護実践に携わる看護師を対象とした研究を行っています。 神経難病患者、特に脱髄疾患である多発性硬化症・視神経脊髄炎患者を対象に、その症状に伴う体験を明らかにするために、質的研究を用いてきました。 患者の体験を語られたことに基づいて抽象化し、さらに看護実践への示唆に繋げています。 また、症状緩和に焦点を当てた補完代替療法として漸進的筋弛緩法を用いた準実験的研究も行ってきました。 漸進的筋弛緩法は、筋肉の意図的な弛緩を訓練することに着目したリラクゼーション法の一つです。 これによって、患者の主観的疲労感の低下、精神的QOLの上昇の傾向がありました(図1)。 一方で身体的QOLは、3か月実施しても変化はありませんでしたが、気分尺度では、緊張、不安を示す値は低下し、活力が上昇する傾向にありました。 神経難病患者の看護実践に携わる看護師を対象とした研究では、質的研究を用いて看護師の実践知の蓄積不足や、感情管理が課題であると仮定しています。 そして、リフレクションを取り入れた準実験的手法を用いて、実践知、感情体験をテーマに、神経難病看護の質の向上を目指しています。 加えて、直近では看護師の実践知を明らかにする試みを行っています(図2)。 《神経難病看護師の課題》 知識基盤の不足 負の感情体験 患者の理解が困難 主体的な 教育支援プログラム リフレクション ・患者を理解し、肯定的に捉える リフレクション:「経験の継続性」+「相互作用」 ・看護実践を意味づけ感情を見直す(感情管理) ・暗黙知の共有 看護実践の促進と患者のQOL向上 図1:NMO患者のPMR実施の結果 図2 研究の概念図 図2:神経難病看護師へのRF研究概念図 産学連携・社会連携へのアピールポイント 神経難病患者は根治治療がないために、苦悩を抱えながら長期間の療養を送ることになります。 他方で、新たな治療やテクノロジーでその生活の質改善が見込むことができます。 そのような患者理解や実践の視点について検討することができます。 また神経難病患者の看護に携わる看護師へのリフレクションの取り組みは、その実践の意味付けに有用であり、経験学習の視点から人材育成に寄与することができると考えています。 研究者総覧(森谷 利香) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001180_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 生体内リン代謝と多臓器連関 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 腸内環境 骨格筋 ミネラル代謝 食事 臨床栄養 『 生体内リン代謝と多臓器連関 』 農学部 食品栄養学科 特任助教 織田 奈央子 ODA Naoko 研究の内容 リン管理に着目した新規栄養療法の開発、疾病予防の提案 背景 リンは生体にとって必要不可欠なミネラルの一つです。 リンを含む化合物が食品添加物として加工食品に広く用いられていることや、加工食品の需要が年々高まっていることから、現代の日本においてはリンの過剰摂取が問題視されています。 リンの過剰摂取は、腎機能や骨代謝、心血管に影響を及ぼすことが明らかにされていますが、消化管や骨格筋などへの影響は不明な点が多いです。 本研究では、リン過剰摂取時における腸内環境や骨格筋への影響を検討し、リン管理に着目した新たな栄養療法および疾病の予防法の開発を目指します。 目的 ■リンがもたらす腸内環境への影響およびリン代謝を制御する腸内細菌を検討します。 ■リン過剰摂取時における骨格筋への影響を検討します。 主な成果 ■リン過剰状態で変動する腸内細菌を同定し、それらは腸内の短鎖脂肪酸濃度と相関することを明らかにしました。 ■長期的に過剰なリンが大腸内に流入すると、腸内細菌叢の多様性および腸管バリア機能の低下を招くことを明らかにしました。 ■長期的にリンを過剰摂取すると、骨格筋量が減少することを明らかにしました。 ※これらはすべてマウスを用いた動物実験の結果です。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【予防医学との連携】 リンの過剰摂取は腸内環境や骨格筋へ影響を及ぼすことから、消化管疾患やサルコペニアなどの予防に役立つことが期待されます。 また、リン摂取の制限が設けられている慢性腎臓病などに対しても新たな栄養療法のエビデンスの確立に寄与することができると考えています。 URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 精神障害者に対する地域生活支援に関する研究 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:精神障害者、地域生活、看護 『 精神障害者に対する地域生活支援に関する研究 』 看護学部 看護学科 准教授 山本 智津子 YAMAMOTO Chizuko 研究の内容 我が国の精神保健医療福祉施策により、地域で生活する精神障害者は増加しています。 しかし精神障害者は薬物療法や精神療法などにより症状が改善した後も、疾患の特性から日常生活を送るうえでの困難(生活のしづらさ)があり、地域生活を継続することは 必ずしも容易ではありません。 地域で自立した生活を継続していくためには、精神障害者の生活のしづらさの実態を把握する必要があり、精神科デイケアや就労継続支援事業所等に通所している精神障害者の生活のしづらさについてインタビュー調査を行いました。 その結果、精神疾患の特性による日常生活行動、対人関係、就労、偏見等による生活のしづらさが明らかになりました。 これらの生活のしづらさに対し、行政機関や専門職の支援に加え、精神障害者自らの経験知を活かし発揮するピアサポーターによる支援の重要性が示唆されました。 現在、地域で生活している精神障害者に対して精神障害者と同じ視点を持つ精神障害者ピアサポーターが実践している支援について研究を進めています。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 地域で生活する精神障害者に対して精神障害者ピアサポーターが実践している支援を踏まえ、今後、精神障害者ピアサポーターと支援機関や専門職との協働により、支援の見直しや新たな支援開発について検討していきたいと思っております。 研究者総覧(山本 智津子) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001181_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 細胞膜トランスポーターの機能解析 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:トランスポーター 物質輸送 細胞間情報伝達 サプリメント 『 細胞膜トランスポーターの機能解析 』 農学部 食品栄養学科 講師 小林 直木 KOBAYASHI Naoki 研究の内容 細胞膜を介した物質輸送・情報伝達の分子メカニズム解明から食品による健康サポートへ 背景 ◼ 生体に必須の栄養素や多くの細胞間情報伝達物質は細胞膜トランスポーターにより輸送されます。 ◼ ヒトは細胞間で情報伝達することにより体の生理機能を維持しています。 ◼ 脂溶性の情報伝達物質(脂質メディエーター)も細胞膜トランスポーターにより輸送されることが分かってきました。 目的 ◼ 細胞膜トランスポーターを介した物質輸送・情報伝達の分子メカニズム解明。 ◼ その知見を、食品栄養学の分野に応用します。 主な成果とスキル ◼ ヒトでの免疫システムに必須の脂質メディエーター「S1P」の新規トランスポーターを発見しました。 ◼ 培養細胞で任意の遺伝子を欠損させたり、安定的に発現させる技術を持っています。 ◼ 哺乳動物やバクテリアのトランスポーター活性を測定した経験があります。 ◼ 各種細胞膜トランスポーターの活性測定系を確立することができます。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【製薬・健康食品・食品業界との連携】 栄養素の輸送を担う細胞膜トランスポーターの活性を制御するサプリメントの探索、バクテリア細胞膜トランスポーターのコントロールによる有用物質の効率的な生産など。 ヒトやバクテリアの細胞膜トランスポーターについて分子レベルの研究を進め、その知見をサプリメントの開発や有用物質の生産に活かします。 URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 臨床医学 内分泌代謝領域 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 甲状腺腫大、健康診断、超音波検査、甲状腺腫瘍 『 臨床医学 内分泌代謝領域 』 農学部 食品栄養学科 教授 坂根 貞樹 SAKANE Sadaki 研究の内容 甲状腺体積測定の臨床応用。健診で甲状腺腫大を指摘された若年者における検討 背景 1980年代、甲状腺に超音波検査が導入された時期から簡便な体積測定法を開発し臨床研究を行ってきました。 甲状腺は画像診断の有所見率30%、女性の15%に自己抗体陽性と異常所見が多い器官で、近年過剰診療についても議論されています。 健診で甲状腺精査を指示された若年者についての検討をお示しします。 目的 健診の甲状腺異常所見の信頼性について検討する 対象 学校健診等で甲状腺の異常を指摘され市立ひらかた病院を受診した35名 (女性34名) 17~25歳 (平均20.4歳) このうち甲状腺腫大で要精査は29名 結果 ◼ 二次検査の受診は女性97% 著しい性差あり ◼ 専門医の診察でも異常所見あり 8/35 22.8% ◼ 甲状腺体積測定値が基準値以上 5/29 17.2% ◼ 抗甲状腺抗体陽性例 9/34 26.5% ◼ 超音波で結節性病変など有所見 17/35 48.6% ◼ 細胞診で甲状腺癌合併 4例 (全例手術) 考案 健診での甲状腺腫大指摘は信頼性に乏しいが、二次検査の有所見率は高く、自己抗体陽性例とともに手術を要する腫瘍合併例も高頻度に見いだされ、若年女性における甲状腺精査の有用性が確認された。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 食品栄養学の領域で甲状腺と関連が深いのはヨウ素です。ヨウ素摂取量が例外的に多い本邦では、諸外国と比べて甲状腺腫瘍の種類や予後に特徴があり、甲状腺腫大度もヨウ素摂取と関連することが知られています。甲状腺癌は若年者にも多い悪性腫瘍として注目されており、最近の食生活の変化にともなう食事中のヨウ素含量についての調査が必要であると感じています。 研究室名(臨床医学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 環状RNA(circRNA)の分子生物学 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: スプライシング ノンコーディングRNA 科学コミュニケーション 『 環状RNA(circRNA)の分子生物学 』 農学部 応用生物科学科 准教授 芳本 玲 YOSHIMOTO Rei 研究の内容 コーディングRNAから捨てられたノンコーディングRNAが生かされるしくみ 背景 ・次世代高速シーケンサーによるトランスクリプトーム解析によって、ヒトで数千種の環状RNA(circRNA)が組織・発生段階特異的に発現しています。 ・興味深いことに、アルツハイマー病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)といった神経変性疾患、癌、アテローム性動脈硬化症などの疾患、そして加齢とcircRNAとの関係が次第に分 かり始めています。 ・circRNAとmRNAの構造を比べると、幾何学的に多くの違いがあります(図)。 それにも関わらず、核で生成されたcircRNAは細胞質へと核外輸送され、その一部は細胞質に局在します。 目的 ・circRNAの核外輸送機構の解明 ・脳内に過剰発現するcircRNA存在意義の探求 主な成果 ・哺乳類全般に保存されているcircRNAの生合成機構の一端を解明しました。 ・circRNAの未知の核外輸送機構・細胞内局在機構について解析しています。 ・スプライシング阻害剤の作用機序について研究した経験があります。 ・培養細胞で任意の遺伝子を欠損させたり、安定的に発現する技術を持っています。 mRNAとcircRNAの相違 機能性circRNAであるciRS-7の生合成機構 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】 circRNAの代謝を制御する低分子化合物の探索。 【科学コミュニケーション】 身近な話題から先端科学への興味を持ってもらうようわかりやすい説明を心がけます。 研究室名(動物機能科学研究室) URL:https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ https://www.researchgate.net/profile/Rei_Yoshimoto お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 プレコンセプションケア啓発のための健康教育プログラムの開発 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:プレコンセプションケア,健康教育プログラム 『 プレコンセプションケア啓発のための健康教育プログラムの開発 』 看護学部 看護学科 准教授 名草 みどり NAGUSA Midori 研究の内容 日本では,女性の晩婚化や晩産化に伴い、不妊や初産年齢の高齢化による慢性疾患をもった女性の妊娠の増加や、女性のやせに起因する低出生体重児の増加といった問題があ ります。これらの問題を解決するためには、妊娠前から将来の妊娠のために健康状態を改善させるプレコンセプションケア(Preconception Care:PCC)以下PCCの啓発が必要ですが、現在、日本においてPCCの啓発は行き届いてません。そこで2019年、合併症のない成熟期女性労働者にPCC啓発のための健康教育プログラムを行いました。その結果、PCCの知識の向上は認められましたが、行動変容は一部に留まっています。その評価をふまえ、実施時期を成熟期女性が希望していた青年期とし、さらに行動変容を促すために,修正したリーフレットと動画を用いて健康教育プログラムを行い、現在、効果と課題を検討しています。 少人数での健康教育の様子 使用リーフレットの一部 青年期・成熟期を対象とするプレコンセプションケア健康教育プログラムを、動画とリーフレットを用いて対面と遠隔でも提供できます。 中学生・高校生に行われている「性に関する指導」や「生涯に通じる健康の知識」の指導に加え、妊娠前に適切な妊娠・出産に関する「プレコンセプションケア」の健康教育を提供することを目指しています。 研究者総覧(名草 みどり) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001238_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)患者のセルフケア支援プログラムの開発 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:セルフケア、ヘルスリテラシー、冠動脈疾患 『 冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)患者のセルフケア支援プログラムの開発 』 看護学部 看護学科 教授 稲垣 美紀 INAGAKI Miki 研究の内容 わが国の冠動脈疾患の有病率は増加しており、狭心症や心筋梗塞等の心疾患での死因は年間約17万人を超え、死亡原因の第2位となっています。患者は、急性期では経皮的冠動脈形成術(PCI)や冠動脈バイパス術(CABG)といった治療を受けます。これまでの調査において、治療後に再発予防のセルフケア(心臓を守るための日常生活や習慣的な運動)を実施することが生活の質を維持・向上することがわかりました。しかし、セルフケアへの負担感や疾患に関する情報を上手く入手し活用する意欲や能力(ヘルスリテラシ―)の低さから、セルフケア不足や生活の質の低下につながることが危惧されます。そこで、冠動脈疾患患者を対象としたセルフケア支援のプログラムを開発・評価することを目的とし研究をすすめています。急性期病院を退院した患者が、在宅でセルフケアを継続できるには、通院時のサポートだけでなく、遠隔支援・ICT(情報通信技術)の活用も含めて、個々の患者のニーズやリテラシーに沿ったプログラムの開発を目指しています。 【実施した調査】 1.血行再建術後患者の遠隔支援ニーズに関する面接調査 調査項目:現在受けているセルフケア支援内容 セルフケアに必要な情報を獲得及び理解する上での課題と期待するセルフケア支援 2.ヘルスリテラシーとセルフケア実践に関するアンケート調査 調査項目:ヘルスリテラシー、セルフケア実践度、ICTリテラシー 健康関連QOL、ソーシャルサポート等 【開発予定プログラム】 ・対象に沿った目標設定 ・ICTリテラシーに沿った健康機器の選択 ・定期的な遠隔支援、対象にニーズに沿った個別支援 ・アプリを活用したサポート 心臓を守るための日常生活や習慣的に運動することが重要です 産学連携・社会連携へのアピールポイント 現在は妊娠した看護師への遠隔支援プログラムを実施しており、 介入期間が終了次第、その効果と課題について検討する予定です。 冠動脈疾患患者だけではなく、セルフケア支援において遠隔支援での有効性が示されている一方で、プログラム開始時の対象者のICTリテラシーに沿った機器の導入、通信も含めた使用環境において継続的なフォローが課題となっています。産学連携によって、このような課題がクリアできれば、冠動脈疾患患者の支援だけでなく、地域で生活をする中高齢者を対象とした疾患の再発・悪化予防、健康増進の支援にも応用できると思われます。 研究者総覧(稲垣 美紀) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001271_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 カミツレの血中尿酸値低下作用成分の利用 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:カミツレ(カモミール)、痛風予防、桂皮酸誘導体 『 カミツレの血中尿酸値低下作用成分の利用 』 薬学部 薬学科 講師 田中 龍一郎 TANAKA Ryuichiro 研究の内容 キサンチンオキシダーゼ(XO)阻害活性を指標とした多彩なハーブ類の水溶性成分スクリーニングで,新鮮カミツレ地上部の水溶性画分に強い XO阻害活性が認められた.そこで新鮮なカミツレ地上部の水溶性画分を分離精製し,その活性成分の一つを結晶(1)として単離した.そのものの XO阻害活性試験で アロプリノール(ALO) の 1/3 程度の活性が示され,比較的強い活性を有することが確認された.種々の構造解析から 1 は trans-2-β-D-glucopyranosyloxy-4-methoxycinnamic acidと判明した. 本研究の新知見は,高収量での 1 の精製と単離方法,その強い XO 阻害活性,良好な血中移行性と穏やかな血中尿酸値低下作用である.また 1 は熱・光への安定性も良好で,ヘルニアリンの様にその構造が変化せず,カミツレをお茶として用いる場合でも収量が低下しないことが示されている.さらに1を主成分として含有する画分を用いた通常マウス,病態マウスへの強制経口投与試験では,35-38 µM の良好な血中移行性と、その穏やかな血中尿酸値低下作用が示された.経口投与 180min 後にはその試料の多くが代謝・排泄されていると考えられ,血中濃度の維持のためには継続的な摂取が必要と考えられる.→ J. JSMUFF, No.2, vol.13, 77-90, 2019. 産学連携・社会連携へのアピールポイント カミツレ(Matricaria chamomilla L.)は古来、花部を薬用とする重要な生薬原料として、ハーブ茶としての利用が専らですが、今回その新鮮地上部から高尿酸血症改善作用を有する新規な桂皮酸誘導体が見つかりました。カミツレはすでに様々な用途で利用されており,経験的にその安全性が示されている資源植物でもあることから健康食品材料としてエビデンスの伴った新たな付加価値を提供できると思われます。 研究室(生命融合化学分野) URL: http://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/yakugaku/seminar.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 重症患者・家族と医療チームの共同意思決定 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:共同意思決定(SDM)、集中治療室、看護師参画 『 重症患者・家族と医療チームの共同意思決定 』 看護学部 看護学科 准教授 稲垣 範子 INAGAKI Noriko 研究の内容 概要 治療の意思決定といえば、外来の診察室で医師から診断を告げられて治療の選択肢を提示され、患者本人が十分に検討したうえで意思決定する、という流れを想像される場合が多いと思います。しかし、予測していない急激な病状悪化などですぐに初期治療が行われ、集中治療室での治療が開始されている重症患者の場合、ベッドの上で機械に囲まれた状態で目を覚ますことになります。そのような状態の患者本人に、医療チームはどのように関わり、どのように治療を決めていくべきなのかをテーマに研究を続けています。 主な成果 下記の研究で特に看護師に焦点をあてて探求しています。 2018年度基盤研究C 「生命を脅かす疾患に直面した患者のSDMを支える多職種協働意思決定支援モデルの構築」 2023年度基盤研究C(継続中) 「SDMでの重症心不全患者と看護師の相互作用を基盤とした状況特定理論の構築」 重症患者とどのように決めていくのか 産学連携・社会連携へのアピールポイント 集中治療・クリティカルケアにおける看護実践、重症心不全患者の意思決定支援における看護師の役割について継続的に研究を続けています。重症患者・家族への医療チームでの意思決定支援の在り方など、本研究の成果が活かされることを目標にしています。 研究者総覧(稲垣 範子) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001287_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 女性の健康支援プログラムの開発 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:女性の健康支援、ヨーガ、遠隔支援 『 女性の健康支援プログラムの開発 』 看護学部 看護学科 教授 佐久間 夕美子 OTSUKA-SAKUMA Yumiko 研究の内容 近年、長寿化や就労女性の増加など、女性のライフスタイルが多様化する一方で、様々な健康問題を抱えるようになっています。女性への健康支援は、ライフサイクルやニーズをふまえ、日常生活に取り入れやすいことが重要なポイントになります。そこで、様々な年齢層・コンディションのの女性が無理なく、楽しみながら自宅で手軽にできるヨーガ・プログラムや、妊産婦の遠隔支援プログラムを開発し、その効果を検討しました。就労女性を対象としたヨーガ・プログラムは、働く女性向けにシンプルなポーズで短時間で実施できるように構成しており、柔軟性、心身の不快症状および月経期症状,疲労の改善の効果が明らかになりました。また、高齢者向けに開発したチェアヨーガ・プログラムでは、身体機能の低下した高齢女性でも安全に実施でき、体重維持や柔軟性の向上などの効果が示されました。妊娠および出産期の女性への支援では、対象者の特性やニーズを考慮した遠隔支援プログラムを開発し、運用・展開しました。他職種よりも妊娠中のトラブルが多いとされる看護職を対象に、無作為化比較試験による遠隔支援プログラムの効果を検討した結果、セルフケア行動の向上や、マイナートラブルの症状改善などに有用である可能性が示唆されています。 ヨーガ・プログラムDVD チェアヨーガ 妊産婦の遠隔支援 (マタニティダイアリー) 産学連携・社会連携へのアピールポイント 幅広い年代、様々な背景をもつ女性を対象とする健康支援プログラムを提供することができます。妊産婦を対象とした遠隔支援のほか、ヨーガ・プログラムは年代や心身の悩み事によってポーズ、運動強度の調整が可能です。自宅で行う簡易なプログラムだけでなく、健康教室など大人数で実施することもできます。 研究者総覧(佐久間 夕美子) URL:http://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001276_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 働き続けたいと思える心理的安全性のある組織づくり 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:労働職場環境、心理的安全性、介護職 『 働き続けたいと思える心理的安全性のある組織づくり 』 看護学部 看護学科 教授 富永 真己 TOMINAGA Maki 研究の内容 背景:閉鎖的で仲間を排除する「ものが言えない職場」は、様々な問題を起こす。医療・福祉現場では仕事上のミスの引き金になり、患者や利用者の安全を脅かし、治療やケアの質を低下させる等、悪影響が国内外の研究で報告されている。人材不足の深刻さが増す介護職については、「職場の人間関係」が離職の最たる理由であるが、前述の職場風土は人材定着にまで悪影響を及ぼす。 研究目的:「嘲笑や罰を恐れずに問題をメンバーに話すことができると感じられる雰囲気(心理的安全性)」は、介護施設の職場風土の改善に資するとの仮説を立てた。研究方法として、量的調査やインタビューから実態を明らかにした。次に「心理的安全性」を育む研修プログラムを開発、効果を無作為化比較試験(RCT)により検証し、研究成果の社会実装をゴールとして目指している。 主な成果:介護現場の人間関係に纏わる問題の再現ビデオやグループでの話し合い等で構成される研修プログラムを用いて、RCTを実施した結果、研修参加群は非参加群に比べ、心理的安全性や職場での排他が改善された。一方、効果継続に課題が残り、さらなる検討が必要である。管理職向けの研修プログラムの開発ととその効果検証を現在、展開している。 図.介入群と非介入群における心理的安全性の差の検定結果 成果物の書籍 産学連携・社会連携へのアピールポイント 排他的な職場風土は、看護師や介護職の業務上の怪我や疾病、さらに職業的幸福感にも影響を及ぼすことを研究で明らかにしました。しかし、組織風土は長い時間をかけて染みついたもので、人の本質も変えることは困難です。科学的な知見から解決に向けたアプローチが必要なのです。介護施設の高齢者や家族、働く人たちのお役に立てるような研究と成果の社会実装を目指しています。 研究業績(富永真己) URL: https://researchmap.jp/TM006322/published_papers お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 保険者保有データの活用 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:健康保険組合、データヘルス計画、レセプト、生活習慣病 『 保険者保有データの活用 』 農学部 食品栄養学科 教授 小川 俊夫 OGAWA Toshio 研究の内容 データヘルス計画の一環として、レセプトと健診・検診結果を活用した医療保険加入者の健康づくりと疾病の早期発見・早期治療の実現 背景 データヘルス計画により、保険者はレセプトや健診・検診など保有データの活用が求められています。多くの保険者では、保有データを充分には活用できていないのが現状です。メタボ対策に積極的に取り組んでいる保険者は多いものの、がん対策を行っている保険者はまだ少数です。 目的 保険者とともに、保険者が保有しているデータを見直し、その活用について考えます。 保険者における保健事業の見直し、健康づくり活動の実現を目指します。 保険者協議会、地域医療構想などに活用できるエビデンスを創出します。 主な成果 保険者データを用いた分析用DBの構築とデータ解析を、保険者施設内で実現するスキームを確立しました。 全国健康保険協会(協会けんぽ)や健保組合などで、本研究のスキームを用いた保健事業の見直しや健康づくり活動を実施しています(文科科研費研究など)。 レセプトを用いたがん患者の正確な特定手法を開発し、実用化の検討をしています(厚労科研費研究)。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【保険者・医療機関・検診機関の連携強化】保険者データを活用することで、保険者・医療機関・検診機関との連携の強化につながり、住民の健康づくりとがんなど疾病の早期発見・早期治療の実現を目指します。 【地方自治体との連携】地域住民の健康状態の把握と向上、さらに医療サービスの地域連携の実現に資するエビデンスを提供します。 研究室名(公衆衛生学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 Email:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 栄養×運動の可能性を探求する 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:アスリート、スポーツ栄養、ヘプシジン 『 栄養×運動の可能性を探求する 』 農学部 食品栄養学科 教授 藤林 真美 FUJIBAYASHI Mami 研究の内容 背景 陸上女子長距離選手や審美系選手では貧血や月経異常の惹起が少なく、競技種目に特化した支援が求められます。今世紀にヘプシジン(図1)が発見され、鉄代謝の中心的役割を果たしていることが明らかになっています。 目的 女子アスリートにおける貧血予防としてヘプシジンに着目、抗炎症作用を有する栄養素摂取がもたらす作用について研究を進めています。女子アスリートの貧血や競技パォー マンスに影響する新規の内的因子として、スポーツ・栄養科学分野におけるヘプシジン研究基盤を確立し、効果的な栄養摂取の開発につなげることを目的としています 主な成果 図2は、われわれが行ったパワー系男子アスリートにおける研究結果です。血中ヘプシジン値は、肥満者ほど高い一方で、痩せたアスリートでも高値を示しました。アスリートはたくさんのエネルギーが必要ですが、慢性的なLow energyavailability(利用可能エネルギー量の不足)状態にあると体内で炎症が起こる結果、ヘプシジン値も上昇したのではないか? と考え、この解決策として、炎症を抑制する栄養素の適切な摂取がヘプシジン値の改善に貢献するのではないか?と仮説を立てました(図3) 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農林水産業や食品産業】健康な大地や海で生産された安心安全な食材を、管理栄養士と連携した効果的で美味しく食べやすい食事として提供し、アスリートの競技成績向上や市民の健康に活かしたいと考えています。 【健康増進関連組織との連携】アスリートの食研究から得られた知見を工学・AI技術と融合 させて健康増進施設や組織で応用、人々の心身の健康対策として貢献したいと考えています。 研究室名(運動生理学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 Email:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
安全安心 | 摂南大学 | 『 病院・避難所・地域・自治体をつなぐ実践的な防災技術・研修の開発―災害に強い地域になるために― 』
安全安心 摂南大学 建築・都市 キーワード:病院防災、保健所建物の防災力強化、地域対象の防災研修 『 病院・避難所・地域・自治体をつなぐ実践的な防災技術・研修の開発―災害に強い地域になるために― 』 理工学部 建築学科 教授 池内 淳子 IKEUCHI Junko 研究の内容 本研究室では、建築×防災に着目し、実践的成果を創出しています。 1. 病院防災 どのような病院が災害に強いのか?建物やライフラインの強さなど、病院における医療行為以外の防災力を診断できる指標を作成しています(図1)。 また、建物被害を考慮した災害図上研修(DT-H:Disaster Training Program for Hospital)も開発し、国内30以上の病院で実施しています。 これらの結果を踏まえて病院のBCP作成に役立てます。 2.地域住民を対象とした防災対策 避難所運営(図2)や、学校の防災、子供の防災、障がい者の防災、災害時の地域連携促進など、地域が災害に強くなるための手法を提供しています。 3.保健所建物の防災力強化 大災害時には、保健所や保健センターが、地域の医療・保健・福祉の支援体制を構築する拠点となります(図3)。 では、これらの拠点でどのように災害時業務がなされるのでしょうか? この研究では、保健所等建物の現状機能を分析し、大災害時に不足する機能をあらかじめ明らかにすることで、具体的な対策実践につながることを目的にしています。 図2 寝屋川市内中学校の防災訓練 4.強風災害(台風・竜巻)に関する被害軽減策 竜巻や突風災害に対し、地域の被害を軽減するための方策を提案します。 図3 保健師研修の様子 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【病院や医療法人に対して】 【災害訓練・研修の提供】 【自治体に対して】 • 自病院の防災力向上策と効果の検証 • 地域の自治会・協議体対象 • 災害拠点施設の機能強化 • BCP作成のための課題整理 • 小・中学校対象 • 保健師対象の健康危機管理研修提供 • 病院新築・移転時の課題整理 • 障がい者団体等対象 • 地域防災計画の改定 • 病院防災に関する講演 • 大災害への備えに関する講演 • 自治体職員対象の講演・研修 研究室名 (建築防災研究室) URL: http://www.setsunan.ac.jp/~ikeuchi/lab/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 腸から動物を健康に! 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード: 腸内細菌、腸管免疫、機能性食品、プロバイオティクス 『 腸から動物を健康に! 』 農学部 応用生物科学科 教授 井上 亮 INOUE Ryo 研究の内容 ヒトや動物の腸の機能・役割を多角的・多面的に研究 背景 ・腸は、食物を消化・吸収するためだけの臓器ではなく、免疫の調節にも重要な役割を担っています。 ・腸が脳に沢山の情報を送っていて、食欲はもちろん、ストレスの感じやすさなどにも影響を与えることがわかっています。 ・腸が悪いとお腹の病気だけでなく、アレルギーや精神の病になることもあります。 消化・吸収だけの臓器ではない腸 目的 ・腸内細菌や腸管免疫を研究し、ヒトや動物を腸から健康にする食物や生活習慣を評価・探索します。 ・腸からヒトや動物の健康をサポートすることを目指しています。 主な成果 ・腸内細菌研究では、多数の大学、企業と共同研究を行っており、国内屈指の実績を挙げています。 ・ヒトのみならず、ブタ等の産業動物の初乳の成分や役割、腸内細菌と生産性など農学の現場で役立つ成果を挙げています。 ・機能性食品のうち、特に乳酸菌に関しては多くの新しい付加価値を見出して発表しています。 母乳(左)と人工乳(右)を飲んだ仔豚の小腸母乳が豚の発達を促す 腸内環境の改善を介した自閉症へのアプローチ (日経BP Beyond Healthに掲載) 産学連携・社会連携へのアピールポイント 【農業・食品産業との連携】既に食品・製薬・動物薬の企業と積極的に連携した研究を行っており(2020年度の共同研究は10社以上)、ほとんどの連携企業とは成果を発展させる形で長年良好な関係を築いています。 【産業の現場との連携】医療や農業の現場への成果還元を常に意識した研究を行っています。 関連企業が主催する、医療関係者や畜産関係者に対するセミナー講師も積極的に務めています。 研究室名(動物機能科学研究室) URL: https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/nogaku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 超重度の重症心身障害児の生活を支えるケア向上のための研究方法開発とケア方法構築 』
医療・福祉 摂南大学 バイオ・ライフサイエンス キーワード:重症心身障害児、意識障害、ケア 『 超重度の重症心身障害児の生活を支えるケア向上のための研究方法開発とケア方法構築 』 看護学部 看護学科 講師 亀田 直子 KAMEDA Naoko 研究の内容 言葉やジェスチャーでの意思伝達が難しい状態にある子どもたちがいます。その状態に至った原因や年齢、発達段階は様々で、医療的ケアや身体的なケア方法は確立されてきていますが、生活の質向上や発達を促す支援はケア提供者の個人的な経験にゆだねられています。ケア提供者の経験を明らかにするために、子どもの傍らでの参加観察とグループインタビューを行った結果、ケア提供者たちは〈①身体状況と彼の微細な動き〉を見出し、熟考し、〈② 微細な動きに関するケア提供者の不確かな感覚〉に気づき、酸素飽和度モニターを隠すことなどによって〈③複数の微細な動き〉をさらに読み解こうとしていました。〈④sharing〉とは、ケア提供者たちの不確かな感覚を含む経験・解釈などを共有し蓄積することであり、〈sharing〉は①~③にとって不可欠であり、『不確かな感覚』を『より確かな感覚』へ移行させる役割を持つ重要な概念であると推察されました。ケア提供者の声やタッチ、環境音や光などの刺激への応答、彼らの微細な反応をケア提供者が捉え、その反応の意味を読み解けるかどうかは、ケアの質だけでなくケア提供者の負担感に大きく影響するため、ケア提供者の経験を蓄積することと、ケア方法開発を目指して取り組んでいます。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 言葉やジェスチャーでの意思伝達が難しい状態にあるお子さんが身近におられるかもしれません。 彼らのケア方法に悩まれている方もいらっしゃると思います。研究参加者は「こんな風に○○くんのことを話したかった。」と口々におっしゃいます。まずは『不確かな感覚』を『より確かな感覚』へ移行させるsharing(シェアリング)を一緒に行いませんか?お気軽にご連絡ください。 研究者総覧(亀田 直子) URL:https://gyoseki.setsunan.ac.jp/html/100001237_ja.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
医療・福祉 | 摂南大学 | 『 新しい福祉・リハビリテーション機器の工学的研究 』
医療・福祉 摂南大学 電子情報通信 キーワード:生体信号計測,運動解析,福祉機器,計測工学 『 新しい福祉・リハビリテーション機器の工学的研究 』 理工学部 電気電子工学科 教授 奥野 竜平 OKUNO Ryuhei 研究の内容 生体の知的情報処理・筋運動制御の仕組みを工学の立場から解明し,新しい医療機器,福祉機器の開発を行うとともに,生体システムに関するモデリングとシミュレーションを行っている.具体的には筋電図,脳活動(脳波,NIRS)の計測・解析,パーキンソン病診断支援機器(図1)やペグボードなどの診断支援機器,筋電義手(図2)や障害者・高齢者用電子福祉楽器(図3)等の福祉・リハビリテーション機器の開発を行っています. 図1 パーキンソン病筋トーヌス診断 支援システム 図2 バイオミメティック 筋電義手 図3 バリアフリー電子楽器 「サイミス」 産学連携・社会連携へのアピールポイント 当研究室では、生体信号の計測や解析,運動機能の解析を行っており、それを元にした福祉機器、リハビリテーション機器等の開発を行っています。興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。 医用生体工学研究室 URL: https://www.setsunan.ac.jp/~ele/laboratory/laboratory_okuno.html お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp
安全安心 | 摂南大学 | 『 建物の耐震性を基にした施工方法、工業化工法 』
安全安心 摂南大学 キーワード:耐震設計、建築施工、プレキャスト 『 建物の耐震性を基にした施工方法、工業化工法 』 理工学部 建築学科 教授 柳沢 学 YANAGISAWA Manabu 研究の内容 日本列島では周囲にある複数の大陸プレートのエネルギー解放や活断層のずれにより大地震が発生しています。 地震動に対する建物の構造設計では、建築基準法のもと最低限度の性能を有するだけでは倒壊はしないものの被災後の建物の使用に当たっては困難と判断される場合も多く見られています。 建物の耐震性に関しては1981年6月施行の新耐震設計法が今なお有用であることが1995年1月の阪神淡路大震災により確認されており、現状これに基づく耐震設計が行われています。 一方で、建物施工に関しては昨今の熟練工の減少や少子化に伴う若手技術者の不足が挙げられており、工業化工法などによる施工性を考慮した鉄筋コンクリート造建物の「つくられ方」にも注目が集まっています。 工業化工法の一つであるプレキャスト工法では、床板は市販化されてきており、柱や梁の単一部材も開発が進む中で、耐震壁の工業化はそれが大形となり運搬や楊重に費用負担が大きくなることなどから研究などは進んでおりません。 耐震壁は地震時には水平力を負担できる重要な耐震要素です。 建物の耐震性を考慮しつつ、施工性に重点をおいた研究を進めています。 その他、建物の耐震性に関するご相談にご対応いたします。 産学連携・社会連携へのアピールポイント 現在お住いの建物の耐震安全性に関する相談に応じます。 建物の工業化工法の相談に応じます。 最新のプレキャスト工法の相談に応じます。 水平載荷実験状況 鉄筋コンクリート構造研究室 URL:https://www.setsunan.ac.jp/gakubu-in/rikogaku/kenchiku/ お問い合わせは摂南大学 研究支援・社会連携センターまで TEL:072-800-1160 E-mail:SETSUNAN.Kenkyu.Shakai@josho.ac.jp