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その他 | 埼玉大学 | 『 遠隔教育において、学習者が学習に対するモチベーションを高めることができる 』

埼玉大学 その他 キーワード 遠隔教育 e-learning モチベーション やる気 学習意欲 ストラテジー 『 遠隔教育において、学習者が学習に対するモチベーションを高めることができる 』 地域によって教育格差の問題が生じている中、遠隔教育の技術を用いればその問題が解消できる のではないか、と思ったのが研究のきっかけになった。 教員の質によって学習者のやる気を上げたり下げたりする問題があるが、遠隔教育によって学習 者の学習に対するやる気を向上させることができたら、この問題を解決できるのではないか、と 考えている。 対面授業における学習者のやる気を向上させる方法についての研究は数多くあるが、遠隔教育に おけるやる気の向上 遠隔学習を通じて内発的モチベーションが 遠隔学習を通じて学業に関する 方法についての研究 高まっていく様子 自己効力感が高まっていく様子 は、 今 の と こ ろ 世 界 的に見ても少ない状 況 に あ る( コ ロ ナ 下 において強制的に遠 隔教育が行われたと きの学習者に対する 研 究 は、 現 在 徐 々 に 出てきている)。 産業界へのアピールポイント ● 内発的モチベーションや自己効力感は、学習成果に及ぼす影響力が強いとされている。本研究で は、どのようなポイントを押さえれば遠隔教育において学習者の内発的モチベーションや学業 に関する自己効力感を高められるか、についての実証的な研究を行っている。実証的な研究結 果に基づいたモチベーションを高める方略を実装していないような遠隔教育教材に対して、実 証的な研究を行い、改善を促すことが可能となる。 実用化例・応用事例・活用例 ● 遠隔教育教材へのモチベーション向上方法、自己効力感向上方法の実装 ● 遠隔教育教材における実証的な実験実施に対する支援 横山 悟(ヨコヤマ サトル) 教授 教育機構 英語教育開発センター 【最近の研究テーマ】 ● 学習しない学習者に行動変容を促す方略の開発 ライフ 137

その他 | 埼玉大学 | 『 同期現象を応用した振動機械の効率的な設計方法の開発 』

埼玉大学 その他 キーワード 同期現象 非線形振動 機械振動学 機械力学 振動利用 『 同期現象を応用した振動機械の効率的な設計方法の開発 』 同期現象とは、異なるリズムを持つものを何かしらの方法で繋げると同じリズムに引き込まれる 現象です。同期現象には特別な制御なしに同じリズムに揃えられるという特長があり、機械振動 分野だけでなく電気電子工学分野など幅広い分野で応用されてきました。しかしながら、発生メ カニズムや所望の振動数・振幅にする方法が不明であるという問題点があり、同期現象を振動機 械で上手く応用するには最適な設計値を勘や経験則などを使って試行錯誤的に探す必要がありま す。そこで、本研究では全体で消費するエネルギーとやり取りするエネルギーに着目して、同期 現象が発生するパラメータを効率的に調べる方法を提案しました。提案手法により、所望の振動数・ 振幅にするために最適な設計値を数式を用いて見積も ることが可能になりました。現在はこの提案手法をもと 振動搬送機を模した実験装置 に、同期現象を応用した振動搬送機などの最適設計手法 の開発を行っています。 本研究で取り扱う基礎的なモデルの例 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 理論制御を必要としない、複数の回転機械の振動数制御 ● エネルギー条件に基づいた振動機械の最適設計 実用化例・応用事例・活用例 ● 振動機械への応用(振動搬送機、振動ふるいなど) ● モータなどを用いた回転機械に対する制振機構の開発 末田 美和 (スエダ ミワ) 助教 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● ポンピング動作(重心の上下移動によって推進力を得る動作)の力学的考察 ● 弦楽器に発生する摩擦振動の解析 ● 自励振動を応用した発電装置の開発 69

その他 | 埼玉大学 | 『 同一労働同一賃金やダイバーシティが実現できている賃金かをチェックできます 』

埼玉大学 その他 キーワード 同一(価値)労働同一賃金 男女平等 給与 ジョブ型雇用 ジョブサイズ 公平 ワークショップ 『 同一労働同一賃金やダイバーシティが実現できている賃金かをチェックできます 』 私は職務評価の研究をしています。職務評価調査を実施することで、企業内の賃金が性別や雇用 形態の違いに関わらず公平な水準に保たれているかどうかをチェックすることができます。 職務評価とは、ヨーロッパやアメリカ、カナダ等で広く行われているもので、労働者の担当して いる職務の価値を点数表記できる調査です。まずは職務分析を行います。職務分析(インタビュー 調査)を行うことで、企業内にある職務の特徴を反映させた職務評価項目(職務の価値を測るも のさしや目盛り)を独自に作成し、職務評価を行います。 職務評価項目(ものさし)は、職務を遂行するのに必要や「知識・技能」、職務に付随する「責任」、 職務を行う際にかかる「負担」 、職務をお 3 社の職務評価結果も記した 自治体職場を対象に行った こなう「労働環境」の 4 つの項目を細分化 単著書籍 職務評価結果の共著書籍 して作成します。これは、最近話題の「ジョ ブ型雇用」を構築する際に必須の調査です。 社内の賃金水準が、性別や雇用管理区分(正 社員、パート、アルバイト、契約社員等) ごとにどの程度違うか、そしてそれが職務 の価値に見合ったものかをチェックするこ とで、社内の賃金額に無意識の偏見等が紛 れ込んでいないかどうかを確認することが できます。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 男女平等の推進・女性活躍推進の社内の取組状況が見える化できます ● 人権デューデリジェンスの一環として自社の賃金をチェックできます ● 社内の全ての職務ではなく、いくつかのコア業務に限り行うこともできます ● 先進的な社内制度の実現に向けた取り組みとして PR することで、若手人材などの獲得競争に優 位性を持つことができます 実用化例・応用事例・活用例 ● 流通・小売業を対象にした職務評価の実施 ● 地方自治体を対象にした職務評価の実施 ● ワークショップ形式による賃金と職務(ジョブ)の簡単なチェック あや美 (カムロ アヤミ) 准教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 男女賃金格差の解消や女性活躍推進に資する制度の研究(現状分析と歴史研究) ● 同一労働同一賃金の実現状況状況が可視化される賃金のデータ化 ● 企業に雇われる働き方(雇用)とそれ以外の働き方(フリーランスやギグワーカー)の境 界線と人材育成に関する歴史研究 34

その他 | 埼玉大学 | 『 コンプライアンスとはいうけれど・・・社内・職場不正の現実に向き合う 』

埼玉大学 その他 キーワード コンプライアンス研修 法令遵守意識 経営倫理 組織の風通し オンライン研修 『 コンプライアンスとはいうけれど・・・社内・職場不正の現実に向き合う 』 社内・職場不正に向き合って今日に至ります。なぜ人は 「よくないことだ」 と知りながら、不正 を働くのでしょうか。現場ヒアリングを重ねると、 顧客・取引先の求める QCT (高品質・低コスト・ 短納期)と、職場の現実 MTB(人不足・時短・予算不足)の狭間に立たされて、「不正もやむな し」 と考える社員の姿が浮かび上がってきました。 不正には内部通報制度が有効だとされます。ただ、現場の声を聞くと、「返り討ちに遭うのではな いか」「大ごとにしたくない」 という本音も耳に入ります。また、「そこまで予算を確保できない」 という幹部層の声や、「ムラ社会でそんなことしたら裏切り者扱いされる」 などといった意見も根 強いようです。では、どうすればいいのでしょうか。 現場で働く社員の多くが 「我が社」 を大切に思っています。その一方で、たとえ法令・規格基準 を満たしていても、顧客・取引先との関わり方にコンプライアンス違反の火種を抱える時代です。 こうした実態を踏まえ、 (1)社内の実態を踏まえたコンプライアンス制度の設計・運用と、 (2) 一歩踏み込んだコンプライアンス研修の企画・実施をお客様起点で支援します。 世間を騒がす重大不正の要因を分析して 浮かび上がってきた事実 「よくないことだ」 と知りながら 「背に腹は代えら れぬ」 とばかりに不正を働く人間の心理は複雑だ… 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 豊富な階層別研修実績(対面型とオンライン型) ● 現場起点のコンプライアンス研修 ● テキストマイニングの手法に基づく自由投稿の分析とフィードバック 実用化例・応用事例・活用例 ● 双方向型のコミュニケーション重視の研修(対面型とオンライン型) ● 付箋(ポスト・イット)を活用したブレインストーミング型の研修 ● 製品表現・広告等表現の倫理チェック 水村 典弘 (ミズムラ ノリヒロ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 現場で働く人の規範意識はどのようにして薄れるのか ● なぜ人は意図せぬ不正を働くのか ● 組織ぐるみの不正の発生メカニズム 36

生活科学 | 埼玉大学 | 『 食べられるデータの埋め込みを実現! 』

埼玉大学 生活科学 キーワード 食品 3D プリンター 食品の DX ヒューマンフードインタラクション データ埋め込み方法 食体験 『 食べられるデータの埋め込みを実現! 』 これまで、食品の賞味期限や産地、含有アレルゲンなどの情報は、包装など食品以外のものに印 字されることが一般的でした。食品そのものへのデータ埋め込みができれば、包装開封後であっ ても、食べる直前までこれらの情報を確認できるようになりますが、食品表面に印字する場合は その見かけを変えてしまうことになります。一方、 最新技術を食に活用するフードテック分野では、 新たな調理技術として食品 3D プリンタが注目されています。食品 3D プリンタを使うことで、食 品の外形だけでなく、その内部構造を自在に設計することができるようになってきました。本研 究成果により、食品そのものの DX が可能となり、食品トレーサビリティ拡充による食の安全性 向上ます。賞味期限や含有 食品 3D プリンティングは、粘弾性材料 タグを生成して認識する方法を提案。 アレルゲンなどの情報は、 を微細なノズルから圧力駆動で堆積させ (a)照明のない通常時のクッキー、 (b) 通常、包装から出した後は る、押し出しベースのレイヤーバイレイ 裏面照射時のクッキー、(c)画像処理 ヤー印刷技術。 によりタグを認識するためのバイナ 失われてしまいますが、食 リーコードを生成する過程。モバイル アプリケーションを使用してタグを認 べる直前まで読み出すこと 識するためのバイナリコード。 (e)ユー ができるようになり、食の ザーは、標準的な QR リーダーを使用 してタグを認識し、(f)データを取得 安全性を高めることが可能 する となります。 産業界へのアピールポイント ものづくり ● 新規研究要素 ・食品そのものへのデータ埋め込み可能 ・食品の外形だけでなく、その内部構造を自在に設計すること ができる ● 優位性 ・内部構造を自在に設計することで、食品の食感等も変化する ことできる 実用化例・応用事例・活用例 ● ロボット支援自動調理システム ● 個人食料分配システム ● 食品トレーサビリティシステム PUNPONGSANON PARINYA(プンポンサノン パリンヤ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 食べても痩せる食品 3D プリンタによるシステム開発 ● 柔らかい食品上への情報埋め込みシステム ● 食体験変容のための投影型 AR による食品動的質感変 ● 嗅覚ドローンを使用した仮想環境の体験の向上 ● 食品の電気抵抗情報を用いた可食センサー開発 52

その他 | 埼玉大学 | 『 「泡」に悩まされていませんか?お任せください! 』

埼玉大学 その他 キーワード 流体力学 気泡 流れの可視化 高速複合計測 『 「泡」に悩まされていませんか?お任せください! 』 私は泡や滴といった、液体と気体との表面の動きを研究対象にしています。特に注目しているのは、 液体に圧力低下、もしくは温度上昇が生じる場合に現れる、相変化による突発的な泡の発生です。 この泡は、非常に勢いよく拡大し、やがて崩壊します。その際、わずか数ミリ程度のサイズにも 関わらず、金属の表面を傷つけるほどの衝撃を生じると言われています。そのため、泡に起因す る衝撃を精度良く制御する手法は工学的に極めて重要です。一方、この衝撃を適切に制御すれば、 表面加工に活用できるかもしれませんし、泡が拡大する際の勢いを利用して新たな流体輸送技術 の開発へと繋がるかもしれません。私は、上記の混相流をはじめとして、主に液体の流れについて、 理論的な推論、実験的な検証および精緻な高速度可視化を通した研究アプローチを通して、社会 の抱えるニーズ解決へのお手伝いをしたいと考えています。 気泡の崩壊によって破壊する容器(Pan & Kiyama, et al., PNAS, 2017) 気泡挙動によって大気に飛散する微小液滴の高速可視 化(Kiyama, et al., Phys. Fluids, 2022) 産業界へのアピールポイント ● 「実験」にこだわった流体現象解明 ● ディスカッションを重視した技術支援 プリンタ、ソフトシリコン等を用いた迅速なプロトタイピング(モデル実験) ● 高速度画像計測(可視化)と力学計測の複合による定量評価 ● その他、学術方面からのカウンセリング、コンサルティング支援 ● 3D ものづくり 実用化例・応用事例・活用例 ● キャビテーションに伴う衝撃発生メカニズムの解明 ● しなやかな構造を用いた気泡による衝撃低減機構の開発 ● 頭部キャビテーションと脳損傷の関連性解明と防護デバイス開発 ● 水撃作用の制御を利用したメンテナンス・フリー送液装置の開発 ● 加熱油中の水蒸気爆発に伴う微小粒子飛散モニタリング 木山 景仁 (キヤマ アキヒト) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 急加速 / 急減速により生じる特異な流れの解明・制御とそのデザイン ● 新奇なキャビテーション発生機構の確立とその工学応用 ● スナップ・スルーを利用した液体ジェット高速生成技術 ● 流体―ゲル間の動的相互作用の理論的・実験的解析 ● 気泡運動に起因する音響を利用した流れ場の把握技術開発 57

生活科学 | 埼玉大学 | 『 人間工学的アプローチを使って、機器操作を支援する 』

埼玉大学 生活科学 キーワード 人間工学 ヒューマンエラー アシスティブ・テクノロジー パーソナライズ 感性設計 『 人間工学的アプローチを使って、機器操作を支援する 』 高齢化率の高まりとともに、機械装置の操作を誤ることに起因する事故の発生が社会問題となっ ています。例えば、交通事故の件数は、近年は減少傾向を続けていますが、ペダルの踏み間違い による事故件数は、一定数を維持しており、対策が必要です。とりわけ、高齢ドライバーのペダ ル踏み間違いが問題視されますが、公共交通機関が発達していない地方では、生活のための移動 手段として自動車は欠かせないものです。操作ミスなどのヒューマンエラーが起きても安全を担 保する仕組みは重要ですが、それ以上にヒューマンエラーが起きにくいシステムを設計すること が求められます。このような市場において、ユニバーサルデザインとして広く普及していく機器 の開発が重要であり、万人が使いやすい機器のデザイン、さらには使用者に応じて調整可能な自 由度のある仕様について研究しています。 自動車のペダル操作の動作解析 電動車いす操作用ジョイスティックの試作 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 生活の質を向上させる機器の操作入力デバイスに関心があります。 ● 使いやすさの追求、操作に対する満足感を提供できる方法について研究を行っています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 操作入力デバイス ● 電動車いすの操作支援 ● ペダル操作支援器具の検証 楓 和憲(カエデ カズノリ) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● ロボットマニピュレーション ● 操作入力の軽快感の計測と制御 ● 運転操作時の心理負荷計測 65

生活科学 | 埼玉大学 | 『 音の感性を活かした外国語の学習支援 』

埼玉大学 生活科学 キーワード 外国語として日本語 音声教育 知覚 聴覚 リズム感 言語学習 自律学習 『 音の感性を活かした外国語の学習支援 』 近年、多言語を背景とする日本語学習者が増えつつあります。今後、短期、長期滞在の外国語使 用者も増えていくことだと予想されます。その中で、本研究は、多言語を背景とする日本語学習 者を対象とした効果的な日本語音声学習を支援するシステムを開発、フラットフォームとして提 案を目指し、実証的研究を行っています。特に、本研究は、言語を学ぶ際に最も気になる点とも 言える「その言語のらいさ」に注目しました。「自然な日本語」はとても感覚的で、聞き手によっ て評価がずれる場合が多く、日本語を学ぶ学習者にとっては、つかみところがなく、学習そのも のが難しいです。そこで、本研究では、人が実際やっている知覚処理を模擬した指標に基づいた 評価を用いることで、言語らしさをより客観的に説明し、言語支援につなげたいと思っています。 これらの研究は、今後、多様化している社会における自律した言語学習アプリ開発の基礎的な研 究となると思います。 「音声」を模擬した「音」の練習の導入 および効果検証 人が実際行っている知覚処理に基づき 音声の特徴を把握 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 日本語学習者の母語によらず共通した知覚練習アプリの開発 ● 多様な日本語学習者に対しても感覚的に学べることばの練習方法の検討 実用化例・応用事例・活用例 ● 外国人学習者のための知覚練習アプリ開発 ● 多言語を背景とした外国人日本語学習者の学習支援 鮮于 媚(ソヌ ミ) 准教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 外国人住民の防災教育および言語支援 ● 自律学習を支援する教育実践方法 ● 多言語話者のあいづち、感情表現の音声的特徴 27

生活科学 | 埼玉大学 | 『 日本におけるエンタメ業界の誕生―劇場はなぜ江戸の町から消えなかったのか? 』

埼玉大学 生活科学 キーワード 都市空間 歌舞伎劇場 商業圏 公共圏 日記研究 『 日本におけるエンタメ業界の誕生―劇場はなぜ江戸の町から消えなかったのか? 』 松竹株式会社からはじめ、日本のエンタメ業界は日本の社会を支える重要な組織である。その根 元は近世期の歌舞伎劇場にまつわる商業圏にあると考えられる。近世期の日本の封建社会の中で、 歌舞伎劇場はよく権力者と対立する立場にいたにもかかわらず、歌舞伎劇場は江戸の町から消え たことはなかった。その原因は一方、地主や芝居茶屋など関連行者は劇場に集まる観客から利益 を得て、劇場は多くの人々の生活を支える、独立した商業圏の要となっていたからである。本研 究の一つも目的は劇場をまつわる商業圏の働き方を明らかにすることだ。しかし、もう一方、歌 舞伎劇場は封建社会の中で、身分を問わず、誰もが入場券を購入できる空間であったため、貴族 や武士から町人の娘らまでは同じ屋根の下で同じ舞台を鑑賞していたので、身分を超えた共通認 識が生まれたから、歌舞伎劇場は江戸の町に不可欠な存在となっていた。本研究は、18 世紀の前 半に歌舞伎業界における大 観客のお世話する芝居茶屋 中村座の前 きな業績を残した二代目市 川團十郎や歌舞伎の常連 だった大和郡山藩藩主柳沢 信鴻の日記から、歌舞伎劇 場に、具体的にどのような 人々は集まったのか、そし て、彼らの関係を明らかに することを目的とする。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● エンタメ業界への歴史的理解が得れる 実用化例・応用事例・活用例 ● 『二代目市川團十郎の日記にみる享保期江戸歌舞伎』(文学通信,2019 年) - A Star for Three Centuries」にて解説者 として出演(NHK World, Kabuki Kool シーリース 2022) ● 十三代目市川團十郎襲名特集テレビ番組「Danjuro ● National Geographic 誌『Kabuki and Noh are evolving with times』出演(2023) 2025」にて討論者として出演(NHKBS プレミアム 2025 年正月放送) ● テレビ番組「大江戸ルネサンスサミット BJOERK TOVE JOHANNA(ビュールク トーヴェ ヨハンナ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 歌舞伎と女性:劇場のオーナー(座元)にも女性がいたのに、歌舞伎の歴史には登場しな いのはなぜ? ● 江戸の芝居茶屋のマーケチング戦略:芝居茶屋はいかに大名屋敷に宣伝物から季節の贈り 物を提供することで、パトロンとの関係を養っていたか? 世紀の文人の旅日記から読み取れる近代の芸能界 ● 20 28

生産加工 | 埼玉大学 | 『 産業用金属 3D プリンティング 』

埼玉大学 生産加工 キーワード 積層造形 金属材料 異種金属 溶接 切削加工 『 産業用金属 3D プリンティング 』 3D プリンタと呼ばれる装置において、特に金属を造形可能な技術の開発を行っています。この技 術は、金属を局所的に溶融・固化させることで三次元設計データから直接目標とする形状が造形 可能で、アディティブマニュファクチャリング(Additive Manufacturing:AM)と呼ばれてい ます。AM 技術にもいくつか方式がありますが、中でも溶接技術を応用した方式は、航空機部品 や金型などの大型製品の製造に適した低コストで生産能率の高い加工が実現可能です。具体的に は、他の加工では難しい軽量で高強度な構造の造形や、複数種類の金属材料を用いた一体造形に よって、これまでにない材料特性をもつ製品の製造ができます。AM 技術における造形原理の解 明や造形物の評価、 ワイヤ+アーク方式 AM 複雑形状造形サンプル 既存の加工方法で は実現不可能な高 付加価値を有する 製品を造形するた めの加工技術開発、 仕上げ加工を含め た工程設計方法の 提案などを行って います。 産業界へのアピールポイント ● 大型金属製品の高能率造形 ものづくり ● 複数種類の金属を組み合わせた造形による高機能化 ● CAM ● AM システムなど加工支援ソフトウェア(特許第 6265376 号、特許第 6754118 号) +切削の複合加工 実用化例・応用事例・活用例 ● 航空機部品など高機能材料部品 ● 船舶、建築部材などの大型部品 ● 金型などの補修 阿部 壮志 (アベ タケユキ) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 異種金属を用いた造形品の特性制御 ● 複雑形状造形のための CAM システム開発 AM 技術開発 ● AM +切削複合加工技術開発 ● 新たな 54

生産加工 | 埼玉大学 | 『 精密機械部品加工の高度化・情報化の実現 』

埼玉大学 生産加工 キーワード 切削加工 数値制御加工 マシニングセンタ ロボットマシニング 多軸制御切削 シミュレーション 『 精密機械部品加工の高度化・情報化の実現 』 金型や航空機部品、医療機器といった高付加価値製品の製造では、数値制御された工作機械によ る切削加工が主に用いられます。近年では、CAD ソフトウェアによって定義された複雑な構造や 自由曲面を含む形状を作成するため、コンピュータを搭載した数値制御加工機をさらに知能化し、 様々な現象のばらつきに応じて加工を行う機能の開発が求められています。本研究室では、素材 を部分的に除去して高い形状精度を有する高付加価値金属部品を製造する切削加工の計算機支援 技術に関連して、工具の移動経路や工具姿勢、また工具切れ刃による素材除去の状態をシミュレー ションによって事前に予測し、マシニングセンタや複合加工機等の数値制御工作機械の動作を最 適化する手法の研究をさま ロボットマシニングにおける スカイビング加工による内歯車の加工 ざまな企業と共同で進めて 最適動作指令値生成技術 現象シミュレーションと加工条件導出 います。また、次世代の歯 車切削技術であるスカイビ ング加工や、垂直多関節型 ロボットを用いた切削と いった新技術の開発にも取 り組んでいます。 産業界へのアピールポイント ● 工作機械が本来有するパフォーマンスを 100%引き出すための計算機支援技術 ● 大規模複雑形状(自動車用プレス金型、多軸制御切削による航空機部品製造、高効率歯車切削加 ものづくり 工)加工時に生じる技術的諸問題の解決 ● 各加工法に特有の課題に対応したシステム/アルゴリズムの検討および開発 実用化例・応用事例・活用例 ● 加工シミュレーションシステムにおける高速な切削抵抗予測アルゴリズム ● 左右の切れ刃で圧力角の異なる EV 向け内歯車のスカイビング加工工程計画法 ● 垂直多関節ロボットによる除去加工を利用した積層造形物の後処理工程計画手法 ● 冷間鍛造用高展性鋼材の切り屑処理技術 金子 順一 (カネコ ジュンイチ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 金属積層造形材料の有する結晶構造の特徴が切削特性に与える影響の解明 ● 医療用素材材料(ポリサルホン材、プラチナ―イリジウム合金)の切削特性の調査 ● プラント補修時の大型補修部材搬入経路の干渉回避自動計画法の開発 53

生活科学 | 埼玉大学 | 『 アジア新興国市場に浸透するための流通戦略の研究 』

埼玉大学 生活科学 キーワード タイ ベトナム 中国 流通 販路 『 アジア新興国市場に浸透するための流通戦略の研究 』 東南アジア・中国における流通経営やマーケティングについて研究している。研究の柱は消費財 分野のアジアにおけるチャネル戦略である。日用品や化粧品などの消費財がメーカーから卸売や 小売を経て消費者に届くまでのマーケティング・チャネル(販路)の作り方について、アジアの 日本・欧米・現地系の消費財メーカーを比較分析し、どのようなチャネル戦略がアジアに相応し いのかを研究している。特に日本企業は現地で相応しいパートナー企業を見つけ、適切な関係を 築いていくことに課題を抱えている。また、アジア諸国ではオンラインによる販売が日本以上に 急速に成長している。従来にないオンラインとオフライン(店舗)が融合した新しいビジネスモ デルや、ライブコマースを生かしたプロモーション戦略が生まれている。自身の研究から訴えた いのは、これからの日本企業や日本人はアジアを後発国とみる見方から完全に脱却し、アジアで 起きている新しい変化から虚心に学ぶべきだということである。 ベトナムにおける消費財の流通経路 ホーチミン市内の個人経営の日用雑貨店 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● アジアの現地でのチャネル構築の理論・考え方や企業事例について知悉している ● アジア各国の研究者とネットワークを有する ● アジアの FMCG(非耐久消費財)分野の動向に知悉している 井原 基(イハラ モトイ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 29

生産加工 | 埼玉大学 | 『 半導体材料を何でも薄く切断~レーザスライシング~ 』

埼玉大学 生産加工 キーワード 精密微細加工 砥粒加工 レーザ加工 半導体結晶材料 ガラス 『 半導体材料を何でも薄く切断~レーザスライシング~ 』 半導体は、スマートフォン、電気自動車、AI などあらゆるところに組み込まれていますが、私た ちの生活が豊かになるにつれ、地球温暖化はどんどん進行していきます。そこで、次世代パワー 半導体材料が注目されています。従来の材料と比較して、高効率かつ耐久性に優れた理想的な材 料ですが、加工が非常に困難であり、加工費だけで数十倍〜数千倍のコストがかかっています。そ こで、本研究室ではレーザスライシング技術を開発しました。材料内部にレーザ光を透過させ、そ こで発生する熱を利用して、微小なき裂を無数に形成していきます。そのき裂を細かく連鎖させ ていくことにより、材料を薄く切断する技術になります。これまでの研究で、様々な材料のスラ イシングに成功しており、従来技術を上回るような加工時間・材料ロスの低減を実現しています。 材料をセットしたら、音も振動もなく一瞬で切断できる。まさに魔法のような加工技術を目指し ています。 レーザスライシングの原理 SiC の剥離面 産業界へのアピールポイント ● 従来法と比較して、材料ロス 1/3 以下・加工時間 1/2 以下。 ● 工具摩耗なし、加工廃液なし、環境にやさしい。 ものづくり ● Si、SiC、GaN、ダイヤモンド等、単結晶材料であれば加工可能。 ● ガラスやプラスチック等、適用範囲の拡大を模索中。 実用化例・応用事例・活用例 ● レーザスライシング加工機の設計・試作機開発。 ● CVD 薄膜・エピ薄膜のリフトオフ。 ● バックグラインドの代替。 ● 光学ガラスレンズの一発成形。 山田 洋平 (ヤマダ ヨウヘイ) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● レーザスライシングによる光学レンズ成形 ● 次世代パワー半導体の砥粒レス研磨 ● 単結晶ダイヤモンドの自由切断 ● 溶融アルカリエッチングによる高速鏡面化 ● アクリル樹脂内部の鏡面微細流路成形 60

生産加工 | 埼玉大学 | 『 音を聞けば状態がわかる! 』

埼玉大学 生産加工 キーワード アコースティック・エミッション 材料力学 非破壊検査 破壊解析 複合材料 生体音 周波数解析 『 音を聞けば状態がわかる! 』 Acoustic Emission(AE: 音響放出)技術は、例えば材料内部のき裂・摩擦・漏れの音だけでなく、 生体の音、例えば関節音などの音を検知することによる非破壊検査技術で、様々な分野(建築・ 土木・加工・医療・材料評価など)において用いられています。AE 法は材料中で発生する音(AE 音)を表面に設置した AE センサーにて検出する、いわゆる地震と地震計のような関係です。です ので、地震と同様に、複数の地震計の情報から、 Acoustic Emission 技術の概要 AE 音発生位置、音の強度、音の高さ(周波数) などの情報が得られます。 AE 波形の持つ周波数特性は、損傷の種類を表 すといわれており、当研究室では、炭素繊維強 化複合材料(CFRP)を中心とした損傷蓄積挙 動評価を行っています。損傷の発生する状況を 材料力学的な解釈だけでなく、熱力学的解釈を 行うことで、エントロピー評価に基づく余寿命 評価も行っています。 産業界へのアピールポイント ● 振動・音さえあれば、どの分野にも適用可能。 ● センサーさえつけることができれば、音響評価が可能。 ● 小型デバイス・無線化なども可能。 ● 評価項目と周波数の関係を明らかにできれば、現象を解明できる。 ものづくり ● 振動発生時の状態を把握し、原因を特定することができる。 実用化例・応用事例・活用例 ● 稼働中の装置振動評価による製品の品質評価 ● 関節音を利用した変形性膝関節症患者の疾患評価 ● 胸部表面振動分布評価による三尖弁の位置標定 ● 複合材料のトランスバースクラック形成挙動評価 ● 複合材料の損傷モード評価 坂井 建宣 (サカイ タケノブ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 分子動力学シミュレーションによる高分子の粘弾性変形機構の解明 ● 高分子・複合材料の粘弾性特性評価 ● 褥瘡の進展機序に関する有限要素解析 ● エントロピー評価に基づく材料の余寿命評価法の開発 55

生産加工 | 埼玉大学 | 『 新たな精密・微細加工法で、モノづくりの可能性を広げよう! 』

埼玉大学 生産加工 キーワード レーザスライシング レーザ 3 次元微細加工 天然砥石 研磨炭 生産原論 青銅鏡 超精密研削砥石 CMP 原理 パワー半導体基板材料 『 新たな精密・微細加工法で、モノづくりの可能性を広げよう! 』 時代に応じて高性能な製品が誕生するたびに、生産加工技術は一層の高精度、微細化、高能率化 が求められ、日々新技術開発が生まれています。そこでは、自由で柔軟な発想が求められます。研 究室でも誰も実現できていない加工技術の領域に挑戦しています。開発途中では、よいアイデア でも大概は失敗してしまいます。それは、まだ誰も知らない現象が潜んでいるからです。失敗は 成功のもとと思って、観察力、洞察力を駆使して原因を解明すると新たな可能性が見えてきます。 このようにして、全く新しい加工技術は誕生してくるのです。この研究スタイルを実現する研究 環境として、自分のアイデアを試せる精密な実験設備と、正しく評価できる評価装置、討論でき る専門を勉強している仲間 レーザで半導体基板や光学ガラス、 パワー半導体基板 SiC を従来の が欠かせません。研究室で サファイアなどを切断屑ゼロで 能率の 100 倍で鏡面に仕上げる、 は実験設備の充実と外部と 剥離させる加工法 砥粒レス研磨事例 の共同研究によって、日々 新 技 術 が 生 ま れ て い ま す。 例えば、硬くて加工できな い半導体材料を加工屑なし で 切 断 し て い ま す。 ま た、 柔らかな樹脂で擦るだけで 従来の 100 倍の能率で磨け る方法が見出されています。 産業界へのアピールポイント ● 新技術の実習教育をとおして、各企業での課題に技術者が取り組める能力を養います ものづくり ● 共同研究では必ず特許が生まれています ● 新技術開発をとおして、学位取得を目指す若手の育成も支援しています 実用化例・応用事例・活用例 ● 半導体基板材料の CMP および CMG(鏡面研削砥石) ● レーザによる各種材料の 3 次元加工技術(ガラス、PMMA) やダイヤ、Si など半導体基板材料の材料ロスゼロの剥離加工 ● レーザによる剥離を利用した非球面レンズ成形加工 ● 砥粒レスバフ摩擦による SiC の高能率鏡面(従来の 100 倍の能率)研磨法 ● SiC 池野 順一 (イケノ ジュンイチ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 温故知新として古代青銅鏡の研磨技術から新たな超平坦化技術の開発を行う ● 異方性を持った精密研磨砥石の開発 ● ゼオライトを用いた新たな砥粒加工法の開発 ● 新たなレーザ加工法の開発(発色マーキング、異種材接合、導電性樹脂の絶縁処理) 59

バイオ | 埼玉大学 | 『 タンパク質を自在に作り変えて利用する 』

埼玉大学 バイオ キーワード 試験管内タンパク質合成 酵素 膜受容体 膜輸送体 転写因子 タンパク質工学 生体分子工学 『 タンパク質を自在に作り変えて利用する 』 生体内のタンパク質の多くは、高性能なナノマシンとして機能するために正確な構造をとる必要 があります。試験管内タンパク質合成系は、高性能なタンパク質を作るための非常に優れた技術 です。例えば動物のタンパク質については殺生せずに試験管内で作れます。直接取り扱うと危険 な感染症微生物やウイルスの場合にも、DNA 配列情報さえあれば安全な環境下で目的とするタン パク質を作ることができます。現在は、機能を調べることが困難とされる膜タンパク質や酵素タ ンパク質に焦点を絞って研究をしています。 研究概要 膜タンパク質は薬の標的になるものも多く医 薬・農薬の研究に重要です。また、膜輸送体 として栄養分や代謝物の細胞への出し入れを コントロールする重要な働きをするものも多 く、これらの働きの解明は学問的にも大きな 意義があります。酵素タンパク質は自然界に 存在する化合物を常温・常圧で効率よく作り 出せる理想的な触媒です。試験管内で改良、 すなわち分子進化させることにより、より高 度な機能を獲得させた酵素を作り出すことも 可能です。 産業界へのアピールポイント ● 通常組換え系では機能を再現することが困難なタンパク質を高品質で生産可能 ● 膜タンパク質も脂質膜の添加条件により機能を持った形で作ることができる ● 活性を失いやすい酵素タンパク質も安定的に合成することが可能 ● 改変酵素遺伝子の利用に関する国際特許出願あり 実用化例・応用事例・活用例 ● 日本型イネからの複数の除草剤抵抗性を付与する遺伝子の発見とその利用(2019 誌へ報告) ● 希少アミノ酸トリプトファンの含有量を向上させたイネの作出に成功 ● 葉緑体およびミトコンドリア膜輸送体の試験管内再構成系の構築に成功 ● 赤痢アメーバや熱帯熱マラリアのミトコンドリア膜輸送体の機能を解明 戸澤 譲(トザワ ユズル) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 産業利用に向けた酵素タンパク質の創成に関する研究 ● 平板型脂質膜ナノディスクを利用した膜タンパク質の機能解析研究 ● 天然ゴム生合成システムの試験管内再構成への挑戦 ライフ ● 高温での種子形成能を維持する植物タンパク質の利用技術の開発 115 年に Science

バイオ | 埼玉大学 | 『 代謝を調節して有用植物を分子育種する 』

埼玉大学 バイオ キーワード 代謝改変 光合成 酸化還元反応 ナンノクロロプシス 物質生産 NAD(P) (H) 補酵素 植物 トリアシルグリセロール 『 代謝を調節して有用植物を分子育種する 』 近年、大気中の二酸化炭素濃度の上昇が社会的問題として取り上げられています。光合成を行う 植物や微細藻類は二酸化炭素を吸収し、光のエネルギーを利用して糖を合成し、さらにタンパク質、 脂質、二次代謝物などを合成します。作物であれば、我々はこれを食料として利用するわけですが、 近年ではこれら光合成生物に油や有用機能性成分を作らせ利用しようとする研究が盛んです。私 たちは、光合成生物の環境ストレス耐性を強化して物質生産能力を高めたり、特定の物質を作ら せるための代謝酵素の単離やその働きを制御するための研究を行なっています。研究の一例とし て、様々な代謝系で電子伝達物質として使われるニコチンアミド補酵素(NAD(P)(H))の量や バランスを変える事で、光合成の能力を高める研究を行なっています。また、エネルギー生産生 物として期待されるナンノクロロプシスの代謝改変研究を推進しています。 葉緑体は光を利用した究極の物質生産工場 ナンノクロロプシスは窒素欠乏条件で培養すると トリアシルグリセロールを細胞内に蓄積する 産業界へのアピールポイント ● NAD(P) (H)の増量を目指した代謝改変 ● 油脂生産藻類ナンノクロロプシスの代謝改変 ● 藍藻のカビ臭物質産生代謝系の解明 グリーン 川合 真紀 (カワイ マキ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● モデル植物シロイヌナズナの代謝研究 ● 環境ストレス耐性植物の分子育種 ● C4 97 型光合成を行うフラベリア属植物の NAD(P)(H)代謝研究

バイオ | 埼玉大学 | 『 植物と藍藻の相互作用とCO2削減ための藍藻の利用 』

埼玉大学 バイオ キーワード 水生植物 藍藻 環境ストレス 植物電気シグナル 藍藻発生 水環境 人工環境 マイクロプラスチック 生体石灰化 『 植物と藍藻の相互作用とCO2削減ための藍藻の利用 』 私の研究は植物と藍藻の非生物的ストレス反応と藍藻成長 制御に焦点を関した研究エリアは 4 つに分かれている。1. 水生植物の非生物的ストレスの成長と生理的発現。マイク ロプラスチック、塩分、光などのストレスに対する植物の 反応について研究している。2.藍藻の非生物的ストレス。 藍藻の温度、光、マイクロプラスチックなどのストレスに 対する藍藻の反応について研究している。1 と 2 の研究の 目的は、水生植物と藍藻のストレスでの生理的特性を理解 することである。3.水生植物感作用を利用して藍藻の成 長を制御。本研究では、環境ストレス(塩分、マイクロプ ラスチック、光)が植物と藍藻の大きな関係に与える影響 を調査する。4.シアノバクテリアの生体石灰化を利用し てセメントを使用しない生物学的建築材料を製造する方法 について調査する研究が行われている。 また、植物の電気信号と電磁放射が植物に与える影響につ いても研究している。 水生植物に対する藍藻汚染の影響。 Microcystis aeraginosa 用いた 生物学的建築材料を作る手順 (予備研究)。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 藍藻は極端なストレスにさらされた後の回復率が高い。 ● 水生植物アレロパシーは藍藻を抑制する。 ● 藍藻は水生植物と複雑な関係である。 ● 藍藻を使って生物学的建築材料を作ることは可能ですが、さらなる研究が必要です。 ● 植物に対する電磁放射の影響が大きい。 実用化例・応用事例・活用例 ● 水生植物はマイクロプラスチックのファイトレメディエーションに利用可能。 ● 水生植物アレロパシーは、藍藻を抑制するために適用することができる。 ● シアノバクテリアはカーボンニュートラルに効果的に活用できる。 ● マイクロウエーブの周波数を使用して植物の成長を刺激することができる。 Senaviratna MDH Jayasanka(セナビラタナ ジャヤサンカ) 助教 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境科学領域 【最近の研究テーマ】 ● ナノプラスチックの環境影響。 ● NDVI 画像と機械学習を使用して植物のかかるストレスの測定。 ● 水の有機臭気化合物の除去。 6

バイオ | 埼玉大学 | 『 脂質の動きから細胞膜の機能を探る! 』

埼玉大学 バイオ キーワード 細胞膜 生物物理化学 蛍光分光計測 蛍光相関分光法 脂質二重膜 『 脂質の動きから細胞膜の機能を探る! 』 我々生物の最小構成単位は細胞ですが、細胞は脂質二重膜を主要構成要素とした細胞膜により覆 われています。この細胞膜は細胞内の環境を外部から隔てる壁として機能する一方で、必要に応 じて外部から分子を細胞内に取り込むことで 自作の蛍光顕微鏡装置 我々生物の生命維持に寄与しています。この細 胞膜の特殊な生理機能において、その主要構成 要素である脂質二重膜の物性、特にダイナミク スは非常に重要であり、脂質二重膜中での脂質 の動きを理解することで細胞膜の理解が深まる と考えています。我々の研究室では、脂質二重 膜中での脂質の動きを精密に解析する新しい蛍 光分光手法の開発と応用を行なっています。肉 眼では見えない小さな分子の動きから我々生物 の類まれなる機能を理解することを目指して 日々研究を進めています。 産業界へのアピールポイント ● 脂質二重膜の物性解析を定量的に行える ● 膜結合蛋白質と脂質二重膜の相互作用解析ができる ● 脂質二重膜を構成する 2 つの単層膜中での脂質動態を個々に計測できる ● ニーズに合わせた顕微鏡装置の構築ができる 実用化例・応用事例・活用例 ● アミロイド形成蛋白質と細胞膜の相互作用研究 ● 細胞膜内に過渡的に形成する機能性ドメイン検出 ● 細胞骨格が脂質ダイナミクスに与える影響を定量化 乙須 拓洋 (オトス タクヒロ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 蛋白質のマイクロ秒ダイナミクス検出 ● 光の干渉を利用した新しい計測装置の開発 ● 蛋白質表面の局所 ライフ 123 pH の計測

バイオ | 埼玉大学 | 『 植物の力でセラミドをつくる・かえる・いかす 』

埼玉大学 バイオ キーワード セラミド スフィンゴ脂質 肌バリア 代謝工学 ゲノム編集 種子生産 『 植物の力でセラミドをつくる・かえる・いかす 』 スフィンゴ脂質は動物や植物に普遍的に存在し、細胞に必須の生体膜脂質として機能しています。 また、ヒトなど一部の動物では、スフィンゴ脂質に含まれるセラミドは角質層の細胞外脂質の主 成分として、肌バリア機能を支えています。そのためセラミドは、基礎化粧品や機能性表示食品 の機能成分として、近年需要が急成長しています。現在は安全かつ安価なセラミド源として植物 由来脂質が利用されていますが、植物にはヒト肌と同型の遊離セラミドはほとんど含まれず、大 部分が利用性の低い糖セラミドとして存在しています。植物の糖セラミドの合成や分解に関わる 酵素遺伝子のはたらきを利 セラミドの肌バリア機能 植物のスフィンゴ脂質合成・分解系の 用して、利用価値の高いセ 制御によるセラミド生産体系 ラミドを安定生産する代謝 工学技術の開発を目指して います。また、植物本来の スフィンゴ脂質機能を改変 し、バイオ燃料の材料とな る植物油脂や、機能性タン パク質を種子に高蓄積させ る研究も行っています。 産業界へのアピールポイント ● 遊離型セラミドを植物細胞内で安定生産できれば、これまでの植物セラミド(糖セラミド)に替 わる次世代のセラミド供給源になります。 ● 植物型セラミド構造を形成する代謝酵素をゲノム編集技術で改変することにより、任意のセラミ ド構造タイプを選択的に合成することができます。 ● ヒト型、植物型、その他天然セラミドを、高精度に分析する技術を有しています。 実用化例・応用事例・活用例 ● ヒト健康への利用価値が高いセラミド分子を安定生産する植物工場 ● ゲノム編集による植物セラミド構造のカスタムデザイン ● 植物スフィンゴ脂質糖鎖のゲノム編集改変によるスーパー種子品種の開発 石川 寿樹 (イシカワ トシキ) 准教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 多彩なスフィンゴ脂質を網羅する一斉分析手法の開発 ● 植物スフィンゴ脂質代謝酵素の新規同定と機能解析 ● 植物の病原応答におけるスフィンゴ脂質糖鎖の機能解明 ライフ ● 植物細胞膜における低温感知メカニズムの解明 118

バイオ | 埼玉大学 | 『 植物の多糖類をもっと有効活用しませんか? 』

埼玉大学 バイオ キーワード 多糖類 構成糖 糖代謝 機能性食品 酵素分解 『 植物の多糖類をもっと有効活用しませんか? 』 地球上のバイオマス炭素(生物由来炭素)の大半は、植物細胞壁の多糖類として存在し、その代 表格はセルロースです。植物の非可食部は水分を除くと大半が細胞壁の多糖類です。植物細胞壁 にはセルロースの他に、ペクチンやアラビノガラクタン、グルコマンナンやキシランが含まれます。 これらは「食物繊維」として認知されてきましたが、近年では腸内細菌叢を整えるプレバイオティ クス効果が注目されています。野菜やフルーツの搾りかすや残渣などの廃棄部分には、有用な細 胞壁多糖類が残っていることがあります。私たちは、植物がどのように各種の細胞壁多糖類を合成・ 代謝しているか、について 構成糖(どのような単糖で 研究していますが、私たち グルコマンナンの合成・分解 できているか)がわかります にとって有用な多糖類を増 産できないか、またより価 値の高い多糖類に改良でき ないか、という点も意識し ています。また日常的に、 多糖類の構造や性質を調べ ており、酵素分解によるオ リゴ糖の調製なども行って います。 産業界へのアピールポイント ● 多糖類は扱いにくい分、まだ開拓の余地があります。 ● どんな野菜・果物・穀物にも細胞壁の多糖類があり、未利用のものが多いです。 ● 多糖類の性質や構造、分子サイズがわかることで、用途が広がる可能性があります。 ● 特異的な分解や構造改良で、新たな用途が生まれる可能性もあります。 ● 構成糖分析(構成している糖の種類とそれらの比率)は比較的簡単にできます。 実用化例・応用事例・活用例 グリーン 私たちは企業の方々の研究にも貢献します。これまでに以下の実績があります。 ● 細胞壁多糖類の構造解析に関する研究(2 社) ● 多糖類の調製・精製・分解方法に関する研究(3 社) ● 製品開発も含めたご相談への対応(3 社) 小竹 敬久 (コタケ トシヒサ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● グルコマンナンの性質を改良する糖鎖合成に関する研究 ● 植物特有の糖 L- アラビノースの合成経路とその起源に関する研究 C の合成制御に関する研究 ● 植物生体内のビタミン 93

バイオ | 埼玉大学 | 『 紫外線や化学変異原などの影響を微生物や植物を用いて評価 』

埼玉大学 バイオ キーワード 変異原 紫外線 放射線 DNA 修復 大腸菌 アカパンカビ シロイヌナズナ 『 紫外線や化学変異原などの影響を微生物や植物を用いて評価 』 生物の遺伝情報を担う DNA は、様々な DNA 損傷因子に曝されています。DNA 損傷は遺伝子突 然変異を誘発し、発がんや遺伝病、細胞老化の原因となります。生物はこれらの脅威から身を守 るため、DNA 損傷修復機構を獲得しました。この機構は大腸菌から植物、人に至るまで、地球上 に存在するほぼ全ての生物が有しており、生物は各々の生存戦略に適した DNA 修復システムを構 築しています。私は、高等植物と微生物を用いて、DNA 損傷修復、変異誘発、細胞の老化に関す る基礎研究を行うことで、人以外の生物がもつ DNA 損傷修復機構の全貌解明に取り組んでいます。 将来的には、これらの基礎研究から得られた知見を有用生物の生長促進や病原性微生物による病 害低減などに応用して行きたいと考えています。 DNA 修復遺伝子を導入し紫外線耐性となった大腸菌(右) DNA 修復遺伝子を欠損して 紫外線感受性となった植物(左) 産業界へのアピールポイント ● 紫外線や化学変異原による微生物や植物に対する毒性の評価 ● 遺伝子工学関連機器を用いた各種解析 実用化例・応用事例・活用例 ● 医療機器に内蔵された殺菌ユニットの殺菌効果を大腸菌により評価 吉原 亮平 (ヨシハラ リョウヘイ) 助教 大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域 【最近の研究テーマ】 ● 糸状菌におけるミトコンドリア ● 高等植物の ライフ 121 DNA 維持機構の解明 DNA 二本鎖切断修復機構の解析

バイオ | 埼玉大学 | 『 信号のゆらぎから生体高分子のダイナミクスを読み取る 』

埼玉大学 バイオ キーワード 分光 蛍光 相関 タンパク質 核酸 『 信号のゆらぎから生体高分子のダイナミクスを読み取る 』 生体高分子は柔軟な構造を持つため、その構造はゆらいでいる。私達は、 「この動的な構造(ダイ ナミクス)が生体高分子の機能にどのように関わっているのか?」に興味を持っている。特に生 体高分子のダイナミクスが細胞内環境にどのように影響を受け、機能発現につながるのかを明ら かにしたい。 ダイナミクスは、一般的な分光測定で観察する複数分子の平均構造から求める事が難しく、一分 子ずつを区別した観察が必要となる。私たちは観測対象である生体高分子に蛍光色素を修飾し、 その蛍光信号のゆらぎから一分子に由来する情報を引き出し、生体高分子のダイナミクスを解 析する。この方法により、 蛍光信号を使った、生体高分子のダイナミクス解析 1/1000000 秒 〜 1/1000 秒の時間領域における詳 細な情報を得る事が出来 る点が他の研究との違い である。 この方法を用いて、細胞 内の混雑した環境が与え る核酸やタンパク質への ダイナミクスへの影響や、 細胞内におけるダイナミ クス観察の方法論を開発 している。 産業界へのアピールポイント ● 生体高分子の構造ゆらぎを詳細に解析する方法の開発 ● 細胞内環境が与えるダイナミクスへの影響の解析 実用化例・応用事例・活用例 ● 一分子レベルで生体高分子の反応経路を定量解析 ● 細胞内における生体高分子の性質の高精度解析 坂口 美幸 (サカグチ ミユキ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 細胞内環境が与える核酸やタンパク質のダイナミクスへの影響の解析 ● 細胞内ダイナミクス計測法の開発 ライフ 124

バイオ | 埼玉大学 | 『 シアノバクテリアの光合成能を活かした有用物質生産 』

埼玉大学 バイオ キーワード 光合成 シアノバクテリア 代謝改変 転写因子 バイオ燃料生産 藍藻 『 シアノバクテリアの光合成能を活かした有用物質生産 』 光合成は光エネルギーを用いて二酸化炭素を固定し、糖を作り出す反応ですが、光強度、温度、栄 養条件など環境条件の変化の影響を強く受けます。光合成生物はこれらの環境変動に対して、自 らの体を作りかえることで光合成反応を最適化すると共に、環境ストレスによるダメージを回避 しています。私たちは、植物と同じ酸素発生型の光合成を行う細菌であるシアノバクテリアが、環 境条件の変化をどのように感じ取り、それをどのように細胞内に伝えて、遺伝子発現やタンパク 質の活性を調節し、光合成系の環境応答を実現しているのか、分子レベルでのメカニズム解明を 目指しています。これまで に光合成や炭素代謝の調節 転写因子 cyAbrB2 の欠損株では、野 脂肪酸を培地中に放出する代謝改変を施 生株に比べて細胞体積が約 5 倍、細胞 したシアノバクテリア株の培養の様子。 に関わる多くの因子を同定 あたりグリコーゲン蓄積量は約 10 倍 しており、これらの因子を となる。この株を利用した燃料生産技 術を開発した。 遺伝子レベルで改変するこ とにより、シアノバクテリ アを用いた有用物質生産等 の、応用面への展開を目指 しています。 産業界へのアピールポイント ● シアノバクテリアの転写因子を欠損させることで、バイオ燃料の生産性を向上させる技術に関し て、花王株式会社との共同研究により特許を取得しています。 特許第 6341676 号(登録日 2018 年 5 月 25 日) ● 「改変シアノバクテリア」 特許第 6663856 号(登録日 2020 年 2 月 19 日) ● 日原由香子(2021) 「シアノバクテリアの転写因子と物質生産」生物工学会誌 99:416-420 ● 「改変シアノバクテリア」 実用化例・応用事例・活用例 ● シアノバクテリアの炭素・窒素代謝のマスター転写因子である cyAbrB2 の欠損により脂質の生 産性を向上させた(特許第 6341676 号) ● シアノバクテリアの脂肪酸生合成遺伝子群の発現制御に関わる転写因子の同定に成功し、その転 グリーン 写因子 LexA の欠損により脂質の生産性を向上させた(特許第 6663856 号) ● シアノバクテリアの新規アシル基転移酵素の有用物質生産への利用 日原 由香子(ヒハラ ユカコ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 様々な自然環境下で光合成を行うことを可能とする新規環境応答機構の発見 ● シアノバクテリアが生産する新規中性脂質とその合成酵素の発見と機能解明 ● シアノバクテリアの紫外線耐性機構の解明 ● シアノバクテリアの光合成と炭素代謝を協調的に制御する調節系の機能解明 96

バイオ | 埼玉大学 | 『 酵素の仕組みや活用法を探究します! 』

埼玉大学 バイオ キーワード 金属 酵素 補因子 X 線結晶構造解析 PLP ポルフィリン クラスター 触媒 酸化還元 『 酵素の仕組みや活用法を探究します! 』 酵素は常温・常圧の温和な条件で、高活性かつ位置・立体選択的な物質変換を可能とする優れた 触媒であると言われます。しかしながら、現実的にどのような酵素反応が使えるのでしょうか? 酵素を 狙った 反応にうまく利用するには、 酵素の特性を分子の視点で理解することが大切です。 我々は、化学の視点からの酵素や酵素反応の理解や、酵素の非天然基質への利用法の開拓を中心 に据えた研究を展開しており、特に複雑な反応を行うことからその活用が期待される「金属酵素」 や「PLP 酵素」に、新たな付加価値を生み出しています。 金属クラスター含有酵素 HCP の立体構造と 活性部位のクラスター構造 Ni ポルフィリン生合成の Ni 挿入酵素 CfbA の立体構造と Ni 挿入触媒反応 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 金属酵素や PLP 酵素の研究実績が豊富です。 藤城 貴史 (フジシロ タカシ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 金属補因子の生合成 ● 金属酵素の分子進化と多様性、新反応開拓 ● PLP 39 酵素反応の物質生産への利用

バイオ | 埼玉大学 | 『 ミクロの揺らぎで細胞の未知なる働きを導くゲル材料 』

埼玉大学 バイオ キーワード ゲル タンパク質材料 細胞培養 がん 微小流路 『 ミクロの揺らぎで細胞の未知なる働きを導くゲル材料 』 生物はしなやかな運動が可能ですが、その動力源となっているのはモータータンパク質です。各々 の分子は、数ナノメートルずつしか動きませんが、おびただしい数の分子が協調的に作用するこ とで、生物はバクテリアからクジラまで幅広いスケールの運動を実現しています。精製したモー タータンパク質「微小管とキネシン」を用いて、 ネットワーク状に架橋して動かすことで、分子(ナ ノメートル)よりも大きなマイクロメートルの大きさで揺らぎ運動を発揮する「運動ゲル」材料 を開発しています。 運動ゲルの「微小な物体を揺らす性能」を医工学に活かす研究をしています。生体内で細胞を取 り巻く環境もマイクロメートルのスケールで「揺らいでいる」ことに着目し、積極的に揺らぎを 生み出す環境を創りだして細胞の未知なる挙動や潜在能力を捉えようとしています。将来、がん 細胞が移動するパターンによりがんの転移を分類・予測できるかもしれません。 川村 隆三 (カワムラ リュウゾウ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ライフ 127

バイオ | 埼玉大学 | 『 光で細胞集団の健康状態をしらべる! 』

埼玉大学 バイオ キーワード ライブイメージング 生体膜電位 神経ネットワーク ゼブラフィッシュ 『 光で細胞集団の健康状態をしらべる! 』 体の中では多数の細胞が働いていますが、その機能(健康状態)を調べる指標の 1 つに、生体膜 電位があります。たとえば、脳では、神経細胞が発火することで情報を伝えますが、その際には 80 ミリボルトといったごく小さな膜電位の変化が起きています。この電位変化をとらえることで、 脳や心臓といった様々な器官の状態を調べることができます。 これまでは、細い電極を体内に入れて記録することが主流でしたが、私たちは、生きたまま非侵 襲で記録できる有効なツールとして、「膜電位イメージング」の開発を行っています。近年、細胞 の膜電位を明るさや色の変化としてとらえることができる、センサータンパク質(膜電位センサー) の開発が進んでいま す。私たちは、この 膜電位センサーを発現させたゼブラ ゼブラフィッシュ成魚 フィッシュ脳内の様子 新規膜電位センサー を、体が透明で生き たまま体内を見るこ とができる、熱帯魚 ゼブラフィッシュに 用いることで、細胞 の活動(健康かどう か)を、ライブイメー ジングにより調べて います。 産業界へのアピールポイント ● 生きたまま多数の細胞から同時に、非侵襲に膜電位測定が可能 ● 飼育コストの低く、飼育が容易なゼブラフィッシュを用いた、創薬・毒性スクリーニングなどへ の展開 実用化例・応用事例・活用例 ● ゼブラフィッシュ神経機能の、細胞・個体レベルでの長時間膜電位イメージング系を確立(Sci Rep, 2018, Dev Growth Differ, 2021)特許出願中 津田 佐知子(ツダ サチコ) 准教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域 【最近の研究テーマ】 ● 小脳神経ネットワークの動態とその発達機構 ● 社会性記憶、個体識別のしくみと形成 ● 動物の集団行動「群れ」の形成メカニズム ライフ 119

バイオ | 埼玉大学 | 『 遺伝子発現を制御する小分子核酸の分子基盤と医薬品への応用 』

埼玉大学 バイオ キーワード microRNA ウイルス防御機構 ウイルス感染による細胞死 siRNA 核酸医薬 『 遺伝子発現を制御する小分子核酸の分子基盤と医薬品への応用 』 mRNA はタンパク質を作るための情報をもつ RNA ですが、細胞内にはメッセージをもたないノ ンコーディング RNA も多く存在します。我々はこれまで microRNA という小分子ノンコーディ ング RNA によって、RNA ウイルス感染の免疫応答が制御されるメカニズムの解明を行ってまい りました。このメカニズムの解明は新規の核酸医薬開発に貢献できる可能性があります。 また、siRNA も mRNA の遺伝子発現を抑制しますが、siRNA は 1 つの遺伝子に対して発現抑制 作用を有するのに対し、microRNA は特定の遺伝子群全体に作用します。microRNA を利用した 核酸医薬品はまだ存在しませんが、ウイルス感染細胞におけるその作用メカニズムが明らかにな れば、核酸医薬品の可能性がさらに広がるのではと夢を膨らませています。 小分子核酸による遺伝子発現制御 ヒト培養細胞 産業界へのアピールポイント ● 細胞死を引き起こす RNA ウイルスの感染が、microRNA により制御されるメカニズムを解明。 siRNA と microRNA などの小分子核酸の抗ウイルス機能 ● 核酸医薬品としての応用が期待される を解明中。 実用化例・応用事例・活用例 ● 小分子核酸の核酸医薬としての応用 高橋 朋子 (タカハシ トモコ) 准教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 抗ウイルス免疫応答の研究 ● ウイルス感染と ライフ 117 RNA サイレンシングの相互作用

バイオ | 埼玉大学 | 『 ゲノム編集技術を使った木質バイオマス改変 』

埼玉大学 バイオ キーワード 植物 バイオマス 遺伝子 ゲノム編集 物質生産 『 ゲノム編集技術を使った木質バイオマス改変 』 二次細胞壁形成を促進、植物は大気中の二酸化炭素を吸収して成長する、脱炭素化に貢献するおよび抑制する遺伝子バイオマスである。取り込んだ二酸化炭素の一部は、細胞壁に利用される。 維管束木部を構成する道管要素や繊維細胞では、通常の細胞壁の内側 に肥厚した二次細胞壁を形成する。地上部で最大のバイオマスである 樹木の幹の大部分は維管束木部であることから、二次細胞壁は樹木バ イオマスの実体であると言える。さらに、二次細胞壁は主に、セルロー スやリグニンなどの高分子化合物で構成されており、これらはバイオ エタノールやバイオポリマーの材料としても注目さ れている。 シロイヌナズナの茎の断面図。二次細胞壁を赤く 二次細胞壁形成には、多くの遺伝子が関わっている。 染色している。野生型(左)に比べて改変された 植物(右)では、二次細胞壁が薄くなっている。 私たちはこれまでに、二次細胞壁形成全体を制御す る伴遺伝子を同定しており、それら分子機能を明ら かにしてきた。さらに得られた知見を利用し、特定 の遺伝子情報を改変するゲノム編集技術等を駆使し て、木質バイオマス利活用に有用な植物の作出にも 取り組んでいる。 産業界へのアピールポイント ● 細胞壁形成に関わる遺伝子を多数同定 ● シュミレーション解析による構造予測と機能解析を並行して行うことで、効率的に機能に重要な タンパク質構造や DNA 配列を特定する ● 二次細胞壁形成以外にも、葉の老化や物質生産、代謝改変などの研究も行なっている ● 特許出願実績あり 実用化例・応用事例・活用例 ● 二次細胞壁の人為的誘導システムの開発 ● 繊維細胞の二次細胞壁の量的形質を低下させた植物体の開発 ● ゲノム編集技術を用いた、物理的強度改変植物の作出 ● 代謝物の蓄積量を改変させた植物の作出 山口 雅利 (ヤマグチ マサトシ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ● 二次細胞壁形成マスター因子群の機能分化を産み出す化学構造の特定 ● 二次細胞壁マスター因子を制御する発現機構 ● 葉の老化過程で誘導される遺伝子発現機構の解明 ライフ ● 遺伝子改変により有用物質を高蓄積させた植物の生育機能強化 129

バイオ | 埼玉大学 | 『 微生物のチカラを利用する 』

埼玉大学 バイオ キーワード 微生物利用 微生物育種 発酵生産 微生物環境浄化 『 微生物のチカラを利用する 』 嫌気性細菌由来のセルラーゼ複合体 セルロソーム は高効率に植物細胞壁(バイオマス)を分 解でき、今後の循環型社会に貢献できる可能性を秘めています。しかしながら、セルロソーム生 産菌は嫌気性のため培養が困難です。そこで、古くから大腸菌と共に研究され、様々な知見が蓄 積している枯草菌(納豆菌の親戚)を用いて、セルロソームの分泌生産に取り組んでいます。他 にも有用タンパク質を枯草菌で分泌生産できる可能性があります。 嫌気性細菌が生産するセルラーゼ複合体 セルロソーム 枯草菌を用いた嫌気性細菌由来の セルラーゼ分泌生産(右側のハロ) 産業界へのアピールポイント ● 枯草菌による有用物質の発酵生産 ● 微生物(細菌)の分離・同定 ● Doi RH. 松岡聡.「セルラーゼ複合体 セルロソーム スとインダストリー 65(3) , 121-125.(2007) の構造・機能と利用」 バイオサイエン 実用化例・応用事例・活用例 ● 枯草菌を用いたセルラーゼの分泌生産 ● 微生物(細菌)による有用物質生産 ● 微生物(細菌)を使った環境浄化にも応用可能 松岡 聡(マツオカ サトシ) 准教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 枯草菌の細胞膜透過性に関与する糖脂質の分子機構解析 ● 大腸菌の脂質組成とストレス応答の解析 ● 枯草菌による有用タンパク質の分泌生産 ライフ ● 膜脂質組成改変による有用納豆菌の育種 116

バイオ | 埼玉大学 | 『 分子認識する高機能 DNA 配列を電気泳動法で獲得する 』

埼玉大学 バイオ キーワード DNA アプタマー キャピラリー電気泳動 アプタマー選抜法 細胞 エクソソーム タンパク質 『 分子認識する高機能 DNA 配列を電気泳動法で獲得する 』 私はどんな種類の分子を対象にした場合でも、それらを認識(結合)できる分子素材を自由自在に提 供できる方法を作ろうとしています。DNA アプタマーという低分子から高分子、細胞までを認識でき る DNA 配列であれば、それが可能だと考えています。そこで、アプタマー配列を高速・簡便に得る ことができる方法をキャピラリー電気泳動法(CE)という分離法を使って確立しました。実際に、様々 な種類の DNA 配列とタンパク質や動物細胞・細菌細胞などのターゲットとの混合物試料からターゲッ トと強く結合する DNA だけを CE 分離して獲得(選抜)できることを実証しています。また、得られ た配列を機械学習で解析して CE を使った細胞に結合する 高機能性配列を得たり、複数 実際に得られたアプタマー DNA アプタマーの選抜 のアプタマーを連結すること で高薬理活性を示す分子の開 発にも既に成功しています。 この様に分子認識素子が自由 自在に得られれば、核酸創薬 や診断試薬の開発、分離素材 の開発などへと幅広い応用が 可能だと考えています。 産業界へのアピールポイント ● キャピラリー電気泳動法を使ってタンパク質や細胞、エクソソームを認識する高性能 DNA アプ タマーを獲得(特許第 6781883 号) ● 特に生体粒子である動物細胞、細菌細胞やエクソソームに対する高速な選抜(Chem. Commun., 52, 461(2016) ; Analyst, 142, 4030(2017) .) ● 機械学習で高性能 DNA アプタマー配列を解析(Chem. Eur. J., 27, 10058(2021) ) ● 多点認識アプタマーの設計が可能(日経産業新聞に掲載、特願 2018-10307) 実用化例・応用事例・活用例 ● 大腸菌・枯草菌・酵母などの微生物細胞と結合する DNA 配列を獲得 DNA 配列を獲得 ● 複数のアプタマーを連結し強い薬理活性を示す新規 DNA アプタマーを開発 ● 配列パターンを機械学習し DNA アプタマー配列を高速判別可能な手法を開発 ● 非小細胞肺がん株細胞に対して結合する 齋藤 伸吾 (サイトウ シンゴ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● ゲル電気泳動法を用いる生体中メタロタンパク質の同定手法の開発 ● 糖鎖を認識する蛍光試薬の開発 ● 高線量試料中の放射性元素の安全な電気泳動計測法の開発 ライフ ● 環境中高分子(フミン物質)と重金属イオンとの相互作用を解析するための電気泳動法の 開発 125

バイオ | 埼玉大学 | 『 微細藻類を用いたバイオ燃料生産の開発 』

埼玉大学 バイオ キーワード 微細藻類 バイオ燃料 再生可能エネルギー 脱炭素 カーボンニュートラル 『 微細藻類を用いたバイオ燃料生産の開発 』 環境変動が進行する中、持続可能な社会の実現に向けて脱炭素化を推進することが地球規模の課 題となっています。私たちは、カーボンニュートラルな再生可能エネルギーの開発を目指して、微 細藻類を用いてバイオ燃料を生産開発しています。ナンノクロロプシスという微細藻類は、細胞 内にその 50% に及ぶ油脂を蓄積し、高密度培養が可能なため、この藻類を用いて油脂を高効率で 高生産する技術を開発しています。一方で、シアノバクテリアという微細藻類を用いて遊離脂肪 酸の「細胞外生産法」の開発も進めています。細胞内に燃料物質を蓄積させる細胞内生産法では、 藻類の回収や乾燥、燃料物質の 油脂を高蓄積する微細藻類 燃料物質の細胞外生産(イメージ) 抽出などの工程で膨大なエネル ギーを消費してしまいます。細 胞外生産法では大幅なコスト削 減が期待でき、かつ細胞体積を 上回る量の燃料物質を生産でき る利点があります。藻類から得 られた油脂や遊離脂肪酸は ディーゼル燃料等に改質するこ とができます。 産業界へのアピールポイント ● 微細藻類ナンノクロロプシスで油脂を高効率で高生産させる技術の開発 ● 微細藻類シアノバクテリアで遊離脂肪酸を細胞外生産させる技術の開発 ● 微細藻類の光合成の強光耐性を向上させる技術の開発 ● 微細藻類の光合成の高温耐性を向上させる技術の開発 実用化例・応用事例・活用例 ● 遊離脂肪酸の製造方法および遊離脂肪酸生産藻類(特許 2023-037015) ● 非遺伝子組換え型の遊離脂肪酸生産藻類とその製造方法、および脂肪酸製造方法(特許 036698) ● 遊離脂肪酸生産藻類とその製造方法、および脂肪酸製造方法(特許 グリーン 2024-020449) 2024-042439) ● 遊離脂肪酸の分離方法および遊離脂肪酸生産微生物の培養方法(特許 西山 佳孝 (ニシヤマ ヨシタカ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 光合成の環境ストレス応答の分子機構 ● タンパク質合成系の酸化ストレス傷害の分子機構 ● 有害赤潮プランクトンの光合成の環境ストレス応答機構 ● 有害赤潮プランクトンの魚毒性機構 95 2023-

農業 | 埼玉大学 | 『 凍結や水ストレスに強い植物を作る 』

埼玉大学 農業 キーワード 植物 水不足 冠水 低温 凍結 乾燥 遺伝子解析 『 凍結や水ストレスに強い植物を作る 』 植物の生育は、環境条件に影響されや すく、異常気象による干ばつや洪水、 以上高低温による作物の生育不良・被 害が毎年のように報告されている。一 方で、自然の中では様々な植物が砂漠 や湿地、極地などのストレス環境にも 耐えて生育しており、これら植物の環 境耐性の仕組みを理解することは、今 後の作物育種や環境保全において重要 である。私たちは、これらの現象の制 御に関わる植物ホルモンの作用や植物 の環境センシングの仕組みを遺伝子改 変やゲノム編集による基礎研究により 明らかにすることを目的としている。 最近、植物の水センシングに関わる分 子機構の研究から、植物が乾燥した時 に活性化するオスモセンシングタンパ ク質が、冠水応答の制御にも関わって いることが明らかとなり、現在、その 下流で発現が制御されている遺伝子の 解析に取り組んでいる。 植物の高浸透圧及び乾燥ストレス耐性の評価 植物の凍結耐性の定量的評価 グリーン 竹澤 大輔 (タケザワ ダイスケ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域 【最近の研究テーマ】 ● 遺伝子の選択的スプライシングを介した低温応答の仕組みの解明 ● 植物のアミノ酸に対する反応の解析 ● 植物の糖センシングおよび糖蓄積機構の解明 ● 植物のエチレン応答と水ストレスとの関わりについて 99

農業 | 埼玉大学 | 『 植物生体電位を用いた省エネ・高効率栽培技術の実現 』

埼玉大学 農業 キーワード 植物生体電位 植物工場 栽培環境制御 光合成活性 植物センシング 『 植物生体電位を用いた省エネ・高効率栽培技術の実現 』 小さなころから動物や植物が身近で、生物にとても興味がありました。また、 ものづくりが好きだっ たことから入学した埼玉大学教育学部の技術科教員養成課程で、卒業研究のテーマとして「植物 生体電位」と出会い、人間の心電図や脳波と同じように植物にも電気信号があり、それを観測す ることで植物の状態を捉えられる可能性があることを知り、そのおもしろさに引き込まれました。 植物生体電位は、いろいろな周囲環境変化に対して敏感に応答することから、植物はとても高精 度なセンサなのだ、ということに気が付き、植物によるセンサシステムの開発に興味を持ったこ とがきっかけで、現在は工学部で研究を進めています。植物生体電位の研究は、研究例が少なく 明らかになっていない点が多いですが、光合成活性との関係などを明らかにしており、農業現場 の環境制御などに活用す 植物生体電位を用いた ることで、省エネルギー、 研究室内に設置している植物工場 栽培光源自動制御システム 高効率な栽培技術の実現 に寄与できる画期的技術 と な る と 考 え、 日 々、 研 究を進めています。 産業界へのアピールポイント ● 光合成活性と植物生体電位との相関関係は明らか! ● 非侵襲または低侵襲で植物の活性や状態を把握、評価 ● 観葉植物、樹木(盆栽) 、葉菜類、果菜類など種類を選ばず測定可能 ● 長期安定測定可能な電極、システムの開発 ● 評価、制御情報としての信頼性向上のための応答メカニズムの解明 ● 多変量解析、深層学習などによるデータ分析手法についても検討 実用化例・応用事例・活用例 ● 小型家庭菜園キット用自動光源制御による栽培効率化 ● トマトのハウス栽培施設における光合成活性評価とそれに基づく二酸化炭素濃度制御 グリーン ● 盆栽の生理活性評価と環境要因との関係の解明 ● 収穫後果実の非破壊熟度評価 長谷川 有貴(ハセガワ ユキ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● 収穫後果実の熟度評価に関する研究 ● 太陽光・人工光併用型施設栽培における補光技術の省エネ・高効率化に関する研究 ● 無機膜材料を用いた温飲料用味覚センサの開発 ● 単分子積層構造膜による高甘味度甘味料味覚センサの開発 ● 臭気センシングのためのシステム構築および情報処理手法に関する研究 101

農業 | 埼玉大学 | 『 植物のストレスを診断してより良い解決方法を見つける 』

埼玉大学 農業 キーワード 植物 環境ストレス 凍結傷害 凍結耐性 低温馴化 可溶性糖 細胞壁 多糖類 『 植物のストレスを診断してより良い解決方法を見つける 』 植物は一度根を張ると動くことができないため、周りの環境が変わると、その影響を「ストレス」 として直接受けます。そのため、植物はそれぞれの生息する場所で、寒さや乾燥など、いろいろ な悪い環境に対応できるように進化してきました。 特に「凍結ストレス」と呼ばれる寒さによるダメージは、環境ストレスの中でも非常に厳しく複 雑なもので、温暖化が進んでいる今でも、農業においては大きな問題です。そこで、一部の植物 は寒さを感じ取って、寒さに強くなる「低温馴化(ていおんじゅんか)」という仕組みを持ってい ます。これは「冬支度」のようなもので、この過程では、植物内の可溶性糖や細胞壁の多糖類が 増え、活性酸素(ROS)の消去系の発現などの変化が起こります。これによって、農作物の価値 が上がることもあります。 私は、糖をキーワードとしてこの低温馴化のメカニズムを研究することで、農業における凍結に よる被害を減らし、農作物の付加価値の定量や向上を目指しています。 シロイヌナズナなどの植物は、気温低下を感知すると凍結 耐性を向上させることができます(低温馴化) 。 低温馴化に伴う多くの生理反応は、農作 物の付加価値向上にも密接に関わります。 産業界へのアピールポイント ● 凍結ストレス以外にも、植物の様々な環境ストレスの耐性評価を行うことができます。 ● 農作物の付加価値として重要な単糖や多糖の定量のほか、多糖の組織分布解析などができます。 ● 環境ストレス耐性とバイオマスのトレードオフ関係にも着目しています。 グリーン 高橋 大輔 (タカハシ ダイスケ) 助教 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 凍結耐性を失う「脱馴化」機構の研究 ● ストレスと適応機構による植物の形態的変化の研究 ● 復活植物イワヒバの超乾燥耐性機構の研究 94

農業 | 埼玉大学 | 『 農地で使えるセンシング技術 』

埼玉大学 農業 キーワード メカトロニクス 計測 制御 センサ 農業 『 農地で使えるセンシング技術 』 近年、農業就業人口の減少や就業者の高齢化により、作業者の負担の増加や作業効率の低下が課 題となっています。そのため、これまでに数多くの農業用機械が開発され、自動化による労働力 の軽減や、より効率的に作業が行われるようになりました。この流れはこれからも続いていくも のと思われます。 そこで私は農地で使えるセンシング技術に着目して研究を行っています。ドローンやロボットが 農地で正確に働くためには、作物や畑の状況を正しく測定する必要があります。計測技術につい ても既存の方法がたくさんありますが、相手は自然であり、居住地や製造現場のような環境とは 異なります。農地での有利不利といった知見を増やしていくことを目的として研究を行っていま す。例えば現在では地表面の位置検出を考えており、地中を通る超音波によって検出する方法の 検証や、弾性体を押し付けて直接接触させて方式での追従性の評価を行っています。 弾性体を押し付けて地表面の位置を 測る方法のモデル 実験装置 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 運動と振動の解析から、計測・制御までメカトロニクス全般を扱います。圃場でお困りのことが あれば是非お聞かせください。 実用化例・応用事例・活用例 ● 野菜収穫ロボットへの応用 成澤 慶宜 (ナリサワ ヨシノリ) 助教 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 個別要素法による粒子の運動解析 ● マルチボディダイナミクスによる紐状物体の運動解析 ● 脳波計測によるヒトの感情評価 ● 楽器やスピーカなどの音に関する研究 62

農業 | 埼玉大学 | 『 植物のコミュニケーション用シグナル分子を現代農業に活用したい! 』

埼玉大学 農業 キーワード ストリゴラクトン 植物ホルモン AM 菌 根寄生雑草 養分欠乏 『 植物のコミュニケーション用シグナル分子を現代農業に活用したい! 』 私達が研究対象にしている「ストリゴラクトン」は、AM 菌との共生を開始するために、植物が根 から分泌するシグナル分子です。AM 菌は宿主となる植物にリン酸や窒素などの栄養を供給してく れるので、植物にとっては有益なパートナーとも言えます。そして「ストリゴラクトン」は、植 物体内では地上部の枝分かれ(イネでは分げつ)を抑制する植物ホルモンとしても機能しています。 植物は養分欠乏になると、「ストリゴラクトン」の生合成・分泌を増加させ、枝分かれを抑制して 生長に必要なエネルギーを省エネモードにし、養分提供者である AM 菌との共生を促進するので す。さらに、世界の農業生産に深刻な被害を与えている根寄生雑草は、この「ストリゴラクトン」 にさらされないと ストリゴラクトンの同定・定量を 発芽しません。根 イネの分げつの様子 行うための分析機器 寄 生 雑 草 は、AM 菌と同様、生きた 根の存在を感知す るシグナル分子と して「ストリゴラ クトン」を利用す るように進化した ようです。 産業界へのアピールポイント ● 構造的に不安定で壊れやすいストリゴラクトンの同定・定量を行う事ができます ● ストリゴラクトンの機能が明らかになったのは 2000 年代であり、その生合成経路や分泌制御 メカニズムなど不明なことばかりで、新規参入しやすいです ● 日本だけでなくイスラエル、アメリカ、イタリア、オーストラリアなど海外との共同研究も積極 的に行なっています 実用化例・応用事例・活用例 ● ストリゴラクトンを介した AM 共生促進による低投入型農業 ● ストリゴラクトン様分子を利用した地上部枝分かれ制御技術 グリーン ● ストリゴラクトンの質的量的差異が根寄生雑草耐性・感受性に与える影響 米山 香織 (ヨネヤマ カオリ) 准教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 分子生物学領域 【最近の研究テーマ】 ● 植物 - 植物コミュニケーションにおけるストリゴラクトンの機能解析 ● イソチオシアネートによる根寄生雑草種子の自殺発芽誘導 98

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 糖に色を付ける分子を創り出す 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 分析試薬 分子認識 超分子化学 金属錯体 ナノ粒子 発光 色素 『 糖に色を付ける分子を創り出す 』 生体内には様々な種類の糖が存在する。これらはそれぞれ、 生命の維持のために必須な役目を担い、 常に体の中を巡っている。そのため、体内における糖のバランスの崩れは、今日の我々をおびや かす重大な疾患へと直結してしまう(例:糖尿病など) 。つまり、糖の量を測る技術の開発は、人 体の不調を早期発見するために重要である。 このような技術を開発するために、私は、糖と結合して光る分子である「分析試薬」の設計を行っ ている。私の研究では、様々な骨格(有機色素、金属錯体、超分子錯体、ナノ粒子など)を基盤 とすることで、シンプルな構造で、優れた検出能力を持つ分析試薬を開発している(図 1) 。これ までに、数多くある糖 図 2.D- グルコースを光らせる の中でも、D- グルコー 図 1.私の研究のアプローチ 超分子錯体 ス(血糖)だけを光ら せる超分子錯体型の分 析試薬を開発すること に成功した(図 2) 。こ の技術に基づくことで、 糖尿病を早期発見する ための診断システムを 開発することに繋がる と考える。 産業界へのアピールポイント ● どこでも、だれでも使える簡便な分析システムの開発 ● 多段階の有機合成操作を必要としない、単純な構造の分析試薬の開発 ● 特許出願済み(特願 2022-129691) 実用化例・応用事例・活用例 ● D- グルコースを光らせる分析試薬の開発 ● 糖との結合によって溶液の色調が変化する分析試薬の開発 ● アデノシン三リン酸を光らせる分析試薬の開発 鈴木 陽太 (スズキ ヨウタ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 分子の鏡像異性体を見分ける分析試薬の開発 ● 環境中に存在するイオンの検出試薬の開発 ● 溶媒の極性を識別する分子の開発 ライフ ● 糖の種類を光で見分ける分子の開発 126

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 層状物質原子層~究極的に薄い素子材料~ 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 層状物質 原子層 二次元材料 FET ガスセンサー 『 層状物質原子層~究極的に薄い素子材料~ 』 グラファイトや二硫化モリブデン、黒リンといった物質は、二次元平面状に拡がった単位層がファ ンデルワールス力を介して積層した層状構造を持っています。この厚みが 1 ナノメートル以下の 単位層は「層状物質原子層」とも呼ばれ、究極的に薄い半導体素子材料として近年脚光を浴びて います。この原子層材料を用いて、高性能な電界効果トランジスター(FET)、ガスセンサー、光 電変換素子、熱電変換素子等を実現しようとする試みが世界中で進められています。研究室では これらの素子開発に必 約 0.5 ナノメートル厚の層状物質原子層 層状半導体 2H-MoTe2 を用いた 要な、層状物質バルク を用いた FET 素子のイメージ図 ガスセンサーによる NO2 検出 単結晶及び単結晶超薄 膜を作製する研究を行 うと共に、それらを利 用した FET、ガスセン サー等の素子開発を 行っています。 産業界へのアピールポイント ● 現在のシリコン素子を凌駕する極薄 FET 素子の実現可能性がある。 年近い層状物質研究歴を有している。 ● 国内では数少ない、カルコゲナイド系層状物質バルク単結晶合成研究を実施。 ● 多種多様な層状物質バルク単結晶、単結晶超薄膜を作製可能。 ● 作製した試料の X 線回折、X 線光電子分光、ラマン分光による評価が可能。 ● 40 実用化例・応用事例・活用例 ● 層状物質原子層を用いた極薄 FET の開発。 FET のガスセンサー応用。 ● 層状物質原子層の応用による太陽電池素子の高効率化。 ● 層状物質原子層 ● 新奇物性を示す層状物質の探索、合成。 上野 啓司 (ウエノ ケイジ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 不純物を添加した層状物質バルク単結晶の合成。 ● 層状物質単結晶超薄膜の成長。 ● 層状物質原子層の様々な物性探索。 ● ヤヌス構造を有する層状物質原子層の形成と物性探索。 ● 層状物質ヘテロ構造形成による未知の物理現象追求。 107

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 生体分子への磁場の効果 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 光化学 電子スピン 磁性 タンパク質 電子スピン共鳴 ESR 太陽電池 『 生体分子への磁場の効果 』 生物は磁場を感じていることが知られています。渡り鳥が何千 km を飛ぶのには、地磁気を利用し ていると知られています。磁性細菌は、体内にある酸化鉄(磁石のようなもの)を持ち、磁場で 動く方向を決めます。我々、ヒトも潜在的に磁場を感じていることを示す研究もあります。磁場 を感じる仕組みが応用できれば、生体中で起きる様々な反応を磁場で制御できる可能性がありま す。特定の位置で化学反応を促進できれば、ガン治療などの新しい原理になりえます。 そのメカニズムはわからないことだらけですが、生体中のタンパク質や金属の電子が持つ磁石と しての性質(スピン)に着目しています。磁場が電子スピンを通じて生体分子の構造や性質に影 響する仕組みを解き明かそうと研究を進めています。 生体分子への磁場効果は医療や新しいバイオテクノロジーにつながります。電子スピンと磁場効果 には、太陽電池など、生物・化学・物理の枠組みをまたいだ、広い応用可能性が期待されています。 磁場による影響を受けるタンパク質を利用した 応用イメージ 電子スピン共鳴法による タンパク質間距離計測 産業界へのアピールポイント ● 光で生じた反応中間体の観測(酵素反応・太陽電池・触媒など) ● ラジカルの検出と定量、分子構造解明 実用化例・応用事例・活用例 ● 広範なタンパク質複合体の距離計測と構造解明 ● 生体中での磁場の利用 長嶋 宏樹 (ナガシマ ヒロキ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 渡り鳥のクリプトクロムの磁気応答機構 ● Iron-sulfur cluster assembly(ISCA)の磁気応答機構 ● 新しいスピンラベルの合成 ● ラジカル対反応を電磁波と磁場で制御 109

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 生体内の化学反応をスピンの量子力学的挙動から探索する 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 電子スピン 量子生物学 ラジカル対 動物の磁気感受メカニズム 任意波形発生装置 『 生体内の化学反応をスピンの量子力学的挙動から探索する 』 渡り鳥などの動物が地磁気を感じて、それにより渡りなどの行動に活かしている事が、多くの研 究から明らかになっています。私たちはそのメカニズムの候補として考えられているラジカル対 の化学反応と磁場を感じるメカニズムを研究しています。その事を、ラジカルという孤立した電 子が持つ小さな磁石(スピン)が量子力学的に振る舞うことを基として、生物において量子力学 が織りなす現象などを明らかにしようとしています。このような基礎研究は、 現在注目されている、 スピンエレクトロニクスなどの所謂量子デバイスへの応用や生体組織の可視化や、新しい生体モ デル構築への可能性があります。 ラジカル対とは 2 つの電子スピンを持った状態を指し、2 つのスピン の相関が反応性を決める。しかしラジカル対はユビキタスな存在。 光誘起ラジカル反応とその磁場効果を高感度で 観測するスーパーキャビティリングダウン装置 産業界へのアピールポイント ● 生体への電磁波や磁場の影響に関する基礎研究。 ● 磁場と生体の概日リズムの関係のメカニズムと関連しています。 ● 生体の研究からスピンエレクトロニクスなどの新しい量子デバイスへの応用が期待される。 実用化例・応用事例・活用例 ● 磁気を感じる分子システムの存在を、自然、人工の両面から明らかにする事により、新たなバイ オセンサ等への応用が期待される。 ● 量子力学と生体分子との関係をより明快なものとする。 ● 化学反応等の磁場効果を生体において見つけ出す新しい方法論の開発。 前田 公憲 (マエダ キミノリ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 ● パルス磁場による低磁場応答メカニズムの解明。 ● タンパク質発現法の改良によるクリプトクロム大量合成およびスピンラベル法の開発。 ● 分子動力学計算によるタンパク質内での光化学反応メカニズムの探求。 ● 分子動力学とスピンダイナミクス計算とを組み合わせる手法の開発。 ● 任意波形発生装置を用いたスピン操作による化学反応制御。 108 ナノテク 【最近の研究テーマ】

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 3次元実装構造超伝導デバイスで大面積検出器を実現! 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 超伝導検出器 X線 中性子 高分解能 3 次元実装 『 3次元実装構造超伝導デバイスで大面積検出器を実現! 』 超伝導センサは、他のセンサでは実現できないような感度をもっています。感度が高いことは、つ まり今まで見えなかったものが見えるようになる、ことを意味しています。性能に優れる超伝導 センサですが、1 画素あたりの有感面積が小さいことが欠点として挙げられます。それを克服する ために、超伝導業界では殆ど取り組まれていない 3 次元実装化に注目しました。3 次元実装とは、 デバイスが集積された基板を縦方向に積層化することです。この利点は、通常であれば基板とい う平面、つまり 2 次元空間内でしかデバイスを配置できなかったことが、高さ方向まで拡張でき ることにあります。単純な構造ではありますが、それを実現するのはなかなか手強く、日々学生 達と議論しながら一歩ずつ研究を進めているところです。 Fig1-3 次元実装構造を有する STJ のイメージ Fig2- テーパー型貫通孔の断面図 産業界へのアピールポイント ● 高感度センサを、大面積かつ最小不感面積で実現 ● 吸収体の選択により、様々なフォトンに対応可能 ● 注目を集める超伝導量子コンピュータをはじめ、低温分野における 3 次元実装への対応 ● 特許に関しては現在出願中 実用化例・応用事例・活用例 ● テラヘルツ波を用いたセキュリティ用センサ ● 中性子を用いたインフラ構造物非破壊検査 ● 医療分野、食品分野における放射線検査 田井野 徹 (タイノ トオル) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 超伝導検出器を用いたダークマター検出器の開発 ● 超伝導検出器を用いた中性子検出器の開発 ● 超伝導デバイスの 3 次元実装に関する研究 ● 超伝導検出器の理論限界への挑戦 112

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 巡て視て診て看ます!発見・可視化・診断・治療 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード バイオセンサー ライブイメージング ドラッグデリバリー ナノカプセル セラノスティクス ルミネッセンス 『 巡て視て診て看ます!発見・可視化・診断・治療 』 生物の機能や不調を非侵襲に可視化し、病態診断、毒性試験、有効成分スクリーニングを目指し ている。細胞のライブイメージングとフローサイトメトリーによる高速解析を駆使し、動物実験 に匹敵する解析システムの開発を行なっている。生体内で進む化学反応や物理相互作用を感知す る非侵襲のセンサー分子を作製、細胞へ導入、有害或いは有効成分への暴露、光(蛍光)を用い てセンサーの応答を検出する。抗がん剤、大気汚染物質等の毒性や医薬部外品等の有効性試験法 を確立していく。一方、病態部標的性センサー分子からなるナノカプセルの作製も進めている。作 製はすべて生理的条件下で行い、従来の合成医薬品とバイオ医薬品の混合物(カクテル)デリバリー システムを目標にしている。 シングルセル内の 2 種センサー分子 ナノカプセルの光特性(上)SEM センサー分子はデリバリー 同時可視化:規格化(上)擬似カラー(下) 画像(下左)イメージ図(下右) 状況のモニターに使用する。 さらに、代謝異常等体内に蓄 積した有害物質体外排出シ ステム、ディスチャージシス テムの構築も進めている。 産業界へのアピールポイント ● 併用性の高いセンサー分子で生体内反応を複数同時にモニター可能 ● 定量性に優れたセンサー分子で評価の規格化、統計解析が可能 ● 構造が簡便なセンサー分子、ナノカプセルのため作製、感知対象の変更が容易 ● 薬剤カクテルデリバリーシステムは希少 ● 微生物産生の蛍光タンパク質利用のためコスト削減 実用化例・応用事例・活用例 ● 動物実験代替え抗がん剤効能試験システム ● 有害物質ディスチャージシステム ● 動物実験代替え医薬部外品効果検証システム ● 複数項目同時病態診断チップ ● 合成医薬品・バイオ医薬品カクテルデリバリーシステム 鈴木 美穂 (スズキ ミホ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ● マクロファージ分極化検出システムの構築 ● マイクロ流路内化学反応可視化システムの構築 ライフ 128

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 ミステリアスな糖鎖で未来を拓く! 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 複合糖質 糖鎖 有機合成 生物有機化学 蛍光 高分子科学 生理活性物質 構造活性相関 次世代抗体 『 ミステリアスな糖鎖で未来を拓く! 』 ブドウ糖などの糖が鎖のようにつながった構造を糖鎖と呼び、数個の糖からなる糖鎖をオリゴ糖 と言います。このような糖鎖の構造により A 型や B 型などの血液型が決まっています !! また、イ ンフルエンザウイルスなどによる感染症にも糖鎖が関係しています。 我々の身近ではいろいろな糖鎖が活躍しています。医療系学部はありませんが、検出・診断・治 療に関する創薬の研究開発を理工学の見地から実施しています。私達の体の細胞一つを巨大分子 として考えたとき、たくさんの機能物質(糖鎖やタンパク質)がその表面に提示されているよう に見えます。そこで、機能 研究のイメージ図 酵素反応の可視化 物質を人工的に集めて多価 型(クラスター型)化合物 を作り出し、より活性の向 上した物質になることを見 出しました。現在、機能物 質の創出や多価型化合物へ の誘導などを行い、新しい 創薬へ繋がる研究開発を実 施しています。 産業界へのアピールポイント ● クラスター型毒素中和剤を世界に先駆けて創出 ! 種類の蛍光を利用する高分子型基質を世界で初めて合成 ! ※精密有機合成を行い、標的となる種々のクラスター型化合物への誘導が可能であり、感度も数 百から数千倍の向上が見込める。 ● 特許も多数出願実績あり !!! ●2 実用化例・応用事例・活用例 ● シアル酸誘導体の活用技術開発。 (Tetrahedron Lett. 2024) ● 蛍光発光高分子基質によるタンパク質評価系の構築。 (Biomacromolecules ● 液体クロマトグラフィーにおけるリサイクル分手法の開発(特許第 ● 癌の診断用ペプチドの利用(特許第 2024) 7408230) 6653504) ● 光を使った新しいがんの検出・治療薬の開発。 (ACS Omega 2023) 松岡 浩司 (マツオカ コウジ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ● 次世代抗体を利用した検出薬・診断薬の開発 ● 糖鎖を多価(クラスター)型に誘導した高機能性材料の開発 ● 蛍光発光を利用した新しい発光材料の開発 ライフ ● 生理活性物質を利用したクラスター型バイオプローブの開発 ● 液晶性糖鎖誘導体の合成研究 130

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 高性能ペロブスカイト太陽電池の高速・低温作製 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 高性能化 自己組織化 パッシベーション 表面自由エネルギー p-i 一括成膜 溶液プロセス アンチソルベントフリー 高耐久化 『 高性能ペロブスカイト太陽電池の高速・低温作製 』 ペロブスカイトとは結晶構造の一つで、鉛や錫とヨウ素や臭素などのハロゲン元素、有機物であ るアルキルアンモニウムイオンから構成されるペロブスカイト構造の結晶を光吸収層として用い たものがペロブスカイト太陽電池である。 溶液プロセスで簡便かつ低温で成膜出来るペロブスカイト層の厚さは 0.3μm と太陽電池の 9 割 以上を占めている単・多結晶シリコン太陽電池の厚さ 150 〜 200μm と比べるとわずか約 500 分の 1 の厚さで、省資源である。 ポリエレクトロライトとナノ粒子間の静電相互作用や、リン酸化合物の自己組織化単分子膜を活 用すれば凹凸のある透明導電膜上に高性能ペロブスカイト太陽電池を簡便かつ高速・低温で作製 が可能となる。また表面自由エネルギーの小さいフッ素系物質をペロブスカイト前駆体に添加し て塗布・加熱するのみで、自発的にペロブスカイト表面に偏析することにより、ペロブスカイト 表面をパッシ p-i 一括成膜逆構造型ペロブスカイト キャプションポリエレクトラト PFN 塗布による凹凸 ベーション可 太陽電池 FTO 基板への電子輸送層の均一形成 能 で、 太 陽 電 池の高性能化 が 実 現 で き、 高耐久化が期 待できる。 産業界へのアピールポイント ● ポリエレクトライトを活用して、凹凸基板への高速・低温での電子輸送層形成が可能 ● 界面修飾はプロセス数・時間が増えるが、自己組織化パッシベーションは簡便・高速化可能 ● p-i 一括成膜は均一塗布が容易 ● 太陽電池以外の発光素子や光・X 線検出器への応用期待 実用化例・応用事例・活用例 ● 凹凸基板への高速・低温電子輸送層形成(Chem. Lett. 53(8) , upae158, 2024) ● フルオロフェニルリン酸添加によるペロブスカイト太陽電池の高性能化(Next Materials. 6, 100283, 2025) ● p-i 一括成膜による高性能逆構造型ペロブスカイト太陽電池(第 85 回応用物理学会秋季学術講 演 ,19p-C302-3, 2024) 石川 良(イシカワ リョウ) 助教 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● キレート化合物によるペロブスカイト太陽電池の高性能化 ● カーボン電極を用いた完全塗布型太陽電池 ● 疑二次元ペロブスカイト添加による高配向性ペロブスカイト薄膜作製・応用 ● フルオロルイス酸による有機半導体へのドーピングと太陽電池応用 114

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 半導体ナノ構造を利用して光エレクトロニクスデバイスの高性能化を実現する 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 半導体ナノ構造 高効率太陽電池 結晶成長 分光測定 『 半導体ナノ構造を利用して光エレクトロニクスデバイスの高性能化を実現する 』 我々は、ナノメートル(10 億分の 1 メートル)サイズの半導体微細構造を利用して、光エレクト ロニクスデバイスを高性能化するための研究を行っています。例えば、半導体中で電子を十数ナ ノメートル程度のごく狭い領域に 3 次元的に閉じ込める「量子ドット」と呼ばれる構造を用いると、 閉じ込められた電子のエネルギーを人為的に調整できるようになるなど、優れた特性を発揮する ことが可能になります。この量子ドットを太陽電池の中に多数並べることで、通常は吸収できな い波長帯の光を量子ドットが吸収し、幅広いスペクトルをもつ太陽光のエネルギーを無駄なく電 力として取り出すことができるようになり、発電効率を飛躍的に高めることが可能になります。こ のような半導体ナノ構造は、高効率太陽電池の他にも高輝度発光素子や高感度センサーなどへの 応用が期待できます。実際のデバイスとして利用するには、ナノスケール構造物の形状やサイズ とその均一性、さらに配列性などを精密に制御した上で高密度に作る必要があり、そのための高 精度な微細構造の作製技術を開発しています。また、各種分光測定技術を駆使してそれらの材料 の特性を評価し 分子線エピタキシー法により作製した 量子ドットを利用した太陽電池の構造模式図 ています。 InN 量子ドット 産業界へのアピールポイント ● 六方晶および立方晶窒化物(GaN, InN)ナノ構造の自己組織化形成技術 InGaAsN, GaPN)を用いた新規太陽電池材料の作製 ● 微量添加元素のδドーピング技術を利用した機能性半導体作製技術の開発 ● 各種半導体(ナローギャップ、ワイドギャップ)材料の電気的・光学的評価が可能 ● 特許出願実績あり ● 希釈窒化物混晶半導体(GaAsN, 実用化例・応用事例・活用例 ● 格子整合系高効率タンデム太陽電池用サブセル材料 ● 希釈窒化物半導体を用いた高効率中間バンド型太陽電池 ● 光学評価による中間バンド材料のエネルギー構造の解析 ● 自己組織化 InN/GaN 量子ドット 2 次元配列構造の作製 八木 修平 (ヤギ シュウヘイ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 超格子構造による InGaAsN 混晶半導体の物性制御 族半導体ナノ構造による中間バンド型太陽電池の開発 ● 自己組織化 InN/GaN 量子ドットの光学物性評価 ● 窒化物半導体ナノワイヤー、ナノコラムの成長制御 ● 熱輻射型発電デバイスに関する研究 ● III-V 113

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 分子の利き手を見分けて分離する技術の開発 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 有機合成化学 キラル化学 光学分割 有機結晶 超分子化学 液晶 ゲル 『 分子の利き手を見分けて分離する技術の開発 』 右手型と左手型の分子 人間に右利きと左利きという利き手があるように、分子の世界 にも右手型と左手型の分子(エナンチオマー)が存在します。 食品や医薬品、香料などの用途において、この左右の分子は全 く異なる作用を示すことがあるため、混合物をそれぞれのエナ ンチオマーに分離する技術(光学分割)が重要になります。光 学分割の技術そのものは古くから知られていますが、その系統 的な研究は世界でも多くありません。そこで私たちは光学分割 をより使いやすい技術にするために研究しています。例えば、 従来の方法では左右どちらか一方の分子しかうまく得られない という問題がありましたが、使用する溶媒を変えるだけで、両 方のエナンチオマーが得られる方法を見つけ ました。その他にも、これまで分離が難しかっ 溶媒誘起光学分割法 た化合物を安価に分離できるようにする方法 の開発にも取り組んでおり、分離効率・汎用 性・経済性を兼ね備えた方法の開発を目指し て研究を進めています。 産業界へのアピールポイント ● 光学分割の可否に関する多くの知見を蓄積しています。 ● 原理的にはどんな化合物でも光学分割できる可能性があります。 ● 大スケールでも安価に合成できるため工業プロセスに向いています。 ● 関連特許を出願しています。 実用化例・応用事例・活用例 ● カルボン酸やアミン類の光学分割 ● アルコールやニトリルなどの中性化合物の光学分割 ● 炭化水素の光学分割と液晶らせん誘起剤への応用 ● ゲルを利用したエナンチオマーの識別 小玉 康一 (コダマ コウイチ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 水や油に対するゲル化剤の開発 ● 二酸化炭素を利用した化学合成 ● 液晶性化合物を利用した高分子材料の開発 ● 各種エナンチオマーの不斉合成反応への応用 111

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 分子の絆を高めて健康を守る! 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 糖鎖 抗体 分子認識 多価効果 検出薬 『 分子の絆を高めて健康を守る! 』 「三人寄れば文殊の知恵」という諺(ことわざ)は、私たちの日常生活でよく耳にします。この集 団の力は分子レベルの世界にも存在することをご存知でしょうか? 糖鎖は糖鎖受容体と結びつくことで細胞間の情報伝達を行いますが、糖鎖単体では弱い結合力し か持ちません。しかし、複数の糖鎖が集まると、その効果は単純な足し算をはるかに超え、時に は数百倍から数十万倍にも及ぶ驚異的な力を発揮することがあります。これを「多価効果」と呼 びます。 私たちの研究の特徴は、この自然界の巧妙な仕組みを人工的に再現し、さらに強化することです。 糖鎖や次世代抗体など、さまざまな分子を集積化した人工分子を設計し、その相互作用を詳しく 調べています。分子が協力し合う力を上手に活かすことで、医療の未来に貢献できることを願っ ています。 小麦胚芽レクチンに強い結合を示す 6 価糖デンドリマー 多価型 VHH 抗体の抗原認識 産業界へのアピールポイント ● 生体分子を多価化するためのプラットフォームを持っています。 ● 特許の出願実績があります。 実用化例・応用事例・活用例 ● 糖鎖分子の多価化による糖鎖認識タンパクとの相互作用増強 ● 次世代抗体の多価化による酵素免疫測定法の高感度化 松下 隆彦 (マツシタ タカヒコ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ● 抗インフルエンザウイルス薬のプロドラッグ化 ● 次世代抗体を用いた二重特異性抗体および光免疫治療薬の開発 ● 脂質膜接着分子の研究 ライフ 132

電子デバイス | 埼玉大学 | 『 これにより素子形成の簡便化や素子性能の向上を期待 』

埼玉大学 電子デバイス キーワード 液晶材料 エレクトロクロミック材料 有機半導体材料 表示素子 電解質 ドナーアクセプター構造 『 これにより素子形成の簡便化や素子性能の向上を期待 』 エレクトロクロミック(EC)材料の利点は物質の電気化学的な酸化還元により色が可逆的に変化 する点にあり、これによりカラーフィルターを使わなくともカラー表示ができる電子ペーパーに 応用展開が可能である。しかしながら、これら材料のほとんどはポリマー材料であり、応答速度 やコントラスト等に問題を抱えている。我々は、EC 特性を持つ液晶材料について検討しており、 このような化合物ができれば、配向制御が容易になるため応答速度の向上につながると期待して いる。また、これまでの EC 材料の研究では酸化または還元のどちらか一方でのみ色を変化させる 研究が主として進められている。そこで我々はカラー表示デバイスとしての応用を考え、一つの 化合物で電気化学的な制御で多彩な色調の変化を期待し、酸化側と還元側そのどちらでも色調を 変化可能な液晶性 EC 材料の開発を行っている。 a)液晶性 EC 材料の分子構造、 b)素子の構造、 c)電圧印加時のクロミック特性 The switching response of AQBTOH12 device monitored a)at 600 nm between -2.0V to +0.5V, b)at 600 nm between + 2.0V to -0.5V. 産業界へのアピールポイント ● 多くの電子デバイスを構成する分子構造はポリマー構造のものが多く研究されており、それらは ものづくり 剛直で加工性等に欠ける。その点、流動性と秩序性を併せ持つ液晶は、均一な薄膜形成等の利 点を持つ。また、これらは加熱冷却操作で再組織化できるため有利である。さらに液晶化合物 の分子構造に電子アクセプター部位ドナー部位を持たせたことは、この研究の特徴と独創的な 点である。この研究は多彩なエレクトロクロミズムの可能性を秘めた材料の開発である。 実用化例・応用事例・活用例 ● EC デバイスは、一旦色を変えると続けて電圧をかけない限り色は保持できるため、エコな表示 デバイスとして活用できる。価格表等の表示や広告などの表示には適している。 ● また、有機半導体材料と組み合わせれば、コンピューター部分の劣化を表示できる部品としても 期待できる 安武 幹雄(ヤスタケ ミキオ) 講師 研究機構 科学分析支援センター 【最近の研究テーマ】 ●n 型液晶性有機半導体材料の開発 ● ドナー‐アクセプター型液晶性有機半導体材料の開発 71

超音波 | 埼玉大学 | 『 超音波を使ってこすれるところがないポンプを 』

埼玉大学 超音波 キーワード 超音波 ポンプ 非接触 『 超音波を使ってこすれるところがないポンプを 』 液体や気体を送るポンプは、逆流を防ぐ目的でゴム製の弁が使われ、回転している部分を支持す るために軸受けなどが用いられます。これらは常にこすれていますから、故障の原因になります。 また、ゴムを使っていると低温環境(ゴムが硬くなってしまう) ・高温環境(ゴムが溶けてしまう) では使うことができません。こすれているところをなくせば、故障の確率は下がりますし、低温 /高温環境でも使うことができます。人の耳には聞こえない高い周波数の振動を固体表面に励起 し、その面と数十ミクロンの伱間を挟んでべつの面と対向させ、それらの面にちょっとした工夫 を施すと伱間の中の流体が一方向へ流れ、ポンプのはたらきをします。ゴム製の部品は使いませ んし、こすれるところもありません。このような構成のポンプで圧力や流量を増大させるために 研究を行っています。また、超音波非接触回転機構の導入も検討しています。 超音波ポンプのプロトタイプ 非接触回転機構 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 超音波を励振するための圧電材料が対応できる温度(極低温〜キュリー温度)においてポンプと して利用可能 ● 摺動部が無いため、摩耗の心配がない ● 振動子の設計次第で小型化が可能 ● 特願 2014-243990 髙﨑 正也 (タカサキ マサヤ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 超音波モータ ● 超音波を用いた皮膚感覚ディスプレイ ● 超音波を用いた物体の非接触支持 ● 超音波を用いた紙めくり機構 ● 超音波を用いた微少径孔の脱水 64

デザイン | 埼玉大学 | 『 都市の価値を高めるまちづくり 』

埼玉大学 デザイン キーワード まちづくり 都市の価値 コミュニティ 都市開発 公共空間 『 都市の価値を高めるまちづくり 』 まちづくりという側面から、まちの魅力や持続可能性を高めるために、都市固有の価値がどこに あるかということを研究しています。都市固有の価値のことを「オーセンティシティ」という言 葉で表現することがあります。これは、日本語で言うと都市の「らしさ」です。どのような都市 にも、その都市「らしさ」が存在しますが、それをきちんと発見し、活用していくことがこれか らのまちづくりに求められています。 もともとは石川県金沢市でこの研究を始めました。金沢市は「らしさ」がイメージしやすい都市 ですが、埼玉県内にも多様な資源があります。埼玉においても、多様な人々の議論への参加を仰 ぎながら、価値を共有していくことが求められると考えています。また、都市の価値を高めるま ちづくりとして、公共空間の利活用についても近年いろんな地域で社会実験が進められてきてい ます。「らしさ」を活かした実地でのまちの新たな価値づくりについて、コミュニティづくりも含 めて考えていきます。 地域の空間利用 地域資源の発見 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 地域資源の活用 ● 見えにくい概念の可視化 ● 公共空間の利活用 実用化例・応用事例・活用例 ● アーバンデザインセンター大宮(UDCO)における実践 内田 奈芳美(ウチダ ナオミ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 地域拠点に関する研究(分担執筆『コンパクトシティの拠点づくり 都市計画とデザイン』学芸出版社 2020) ● ジェントリフィケーション ● ウォーカブルなまちづくり 37 : 魅力的な場をつくる

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 雑音だらけのセンサデータから重要な特徴量を抽出する雑音除去技術 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 雑音除去 デノイジング 音声処理 画像処理 信号処理 特徴量解析 信号モデリング 『 雑音だらけのセンサデータから重要な特徴量を抽出する雑音除去技術 』 最近は音声認識や画像認識、データ処理などで優れた AI 技 術が登場しています。一方で、そういった技術を実際に現 場に適用すると、期待するほど性能が高くないと感じるこ とが多いです。これは、AI モデルを学習する際に使用した データと実際のデータに乖離が存在するためです。その乖 離の原因として、マイクやカメラなどセンサ特性の違いや センシング環境の違い、つまり雑音の種類の違いなどによ り生じるものです。私の研究ではそのような乖離をできる だけ小さくし、AI モデルの性能を最大限引き出すためのデー タ解析技術・雑音除去技術を開発しています。加えて、こ れまでに様々な企業・機関と連携して研究する中で、でき るだけ雑音や不要なデータが混入しないセンサ配置・環境 整備に関するノウハウも蓄積しています。「信号処理の何で も屋」として、音声・画像を含む様々な信号に対する問題 を多角的に解決しますので、ぜひお声がけください。 環境に最適なセンサアレイを設計、 3D プリンタで実機製作 雑音を除去し、音声認識やイベント検知に 産業界へのアピールポイント ● 世界トップクラスの雑音除去・信号解析技術を保有 ● 環境に合わせて適切なデータ収集ノウハウを提供 ● 現場適用に向けた小規模データセットでの AI 活用 ● 多数の企業・組織と共同研究を実施 実用化例・応用事例・活用例 ● 音声ノイズ除去ツールボックスの提供 情報通信技術 ● 超高騒音環境下での音声認識・イベント検知システムの実装 ● 低計算量なノイズキャンセリング技術の提供 ● 動画・画像の雑音除去およびセグメンテーション ● 生体センサデータに対する雑音除去と行動モニタリング 杉浦 陽介 (スギウラ ヨウスケ) 助教 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 小規模データセットを用いた音声強調システムの環境適合 ● 超高騒音環境下における音響イベント検知 ● 高速・軽量なノイズキャンセリング技術の開発 ● リアルタイム動画・画像デノイジング技術の開発 80

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 ソフトウェア仕様の安全性検査とソフトウェアの自動合成 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 仕様 検証 ソフトウェア 自動合成 安全性 『 ソフトウェア仕様の安全性検査とソフトウェアの自動合成 』 飛行機の制御プログラムや銀行の ATM など社会インフラであるソフトウェアは、ユーザとやりと りをしながらサービスを提供するシステムです。このようなシステムはリアクティブシステムと 呼ばれています。 リアクティブシステムの構築や検証にはその設計図となる仕様が重要です。仕様通りにソフトウェ アが稼働するかを検証することでソフトウェアの安全性を確保します。しかし、仕様自体に不備 や不整合があると、検証自体無駄になってしまいます。 そこで、仕様自体に誤りがないかを調べる研究を行っています。特に、仕様に様々なソフトウェ アに対する要求が含まれてしまうと、ソフトウェアが存在しないこともあります。そこで、仕様 通りに稼働するソフトウェ リアクティブシステムとは ソフトウェア検証での仕様とは アが存在するかを調べる研 究も行っています。 その発展として、仕様から ソフトウェアを自動合成す る 研 究 も 行 な っ て い ま す。 自動合成することで効率的 に安全なソフトウェアを作 ることができます。 産業界へのアピールポイント ● ソフトウェア仕様を検証することにより、システム設計段階での仕様の不備や欠陥の検出し、ソ フトウェア開発の効率化が可能となる。 ● ソフトウェアの検証をより有効なものとすることができる。 ● ソフトウェア仕様からソフトウェアの自動合成を実現することで、ソフトウェアの生成コストを 下げることができる。さらに安全なソフトウェアを作ることができる。 情報通信技術 実用化例・応用事例・活用例 ● 仕様のプログラム化可能性判定システムの構築 ● 仕様からのソフトウェア自動合成システムの構築 ● 仕様の不備の検出システムの構築 吉浦 紀晃 (ヨシウラ ノリアキ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 暗号通貨の資金洗浄の追跡 ● 匿名化ネットワークにおける利用者や 85 Web サーバの特定

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 大量データをスムーズに活用するためのデータサイエンス 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード データサイエンス 探索的データ分析 データベース 機械学習 人工知能 『 大量データをスムーズに活用するためのデータサイエンス 』 コンピュータの高性能化と記憶装置の大容量化、そしてインターネット上で流通する情報の爆発 的な増加により、私たちを取り巻く生活環境は大きく変化しました。研究開発の現場では、個々 人や研究室で蓄積した知識や経験に加え、実験装置で計測 大量データを処理する流れの概要 した大量のデータや日々増え続ける文献やデータベースを 活用することが重要になりつつあります。 しかし、手持ちのデータを活用しようとしても、データが 整理されていなかったり、印刷されたデータしかなかった りと、データ分析を簡単に始められないケースもあります。 また、データが準備できたあとも、結論に向けて見通しよ く作業を進めるために、データから何を導くのか、どの分 析方法を使うのか、どのように評価するかなど、一定のス キルと経験に基づいた意思決定が必要となります。 こうした課題を解決するための技術の総称がデータサイエ ンスであり、現在、データの理解をスムーズに進めるため の探索的データ分析法に関する研究と、専門知識とデータ サイエンティストの素養を備えた技術者・研究者の育成に 取り組んでいます。 産業界へのアピールポイント ● 企業における実務経験と大学・大学院における教育経験に基づき、データサイエンスに関する研 究開発、技術者・研究者の育成に取り組んでいます。 ● 既存データの活用に関する各種相談を受け付けています。 実用化例・応用事例・活用例 ● OCR 情報通信技術 ● オープンソースソフトウェアを利用したデータ分析環境の構築 を利用した紙資料の電子化と既存データと紐づけ・名寄せの実施 ● 地理的データの集計単位(地域メッシュ、行政界等)の高速変換 平松 薫(ヒラマツ カオル) 教授 大学院理工学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 地理的要素を含むオープンデータの探索的データ分析の効率化 ● 探索的データ分析のおけるインタラクティブなデータ可視化の高速化 ● OCR を利用した紙資料の電子化とそのデータクレンジング 92

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 通信速度とデータ圧縮率の理論限界を解明する 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 情報通信 情報理論 通信システム 通信速度 データ圧縮 『 通信速度とデータ圧縮率の理論限界を解明する 』 私達の身の回りでは多様な情報通信機器が使われるようになり、様々な場所や状況下で通信が行 われるようになりました。また、Web 会議システムを利用した通信に代表されるように、単一の 送受信者だけでなく、複数の送受信者による通信を行う機会も増えています。このような様々な 通信に対して、通信速度をどこまで速くできるのかや、その際に用いるデータ圧縮の圧縮率をど こまで小さくできるのかといった理論限界について研究しています。私はこれまで、送信者同士 が非同期的に通信を行う場合や、通信データの一部をあらかじめ保存しておける補助的なキャッ シュメモリが受信者側で利用できる場合など、実際の状況を仮定した通信に対する理論限界を解 明してきました。理論限界を解明することで、そのような通信を行う通信システムを開発する際 の指標となったり、理論限界を達成するための通信方法についての知見を得たりすることができ ます。 非同期的な通信 キャッシュメモリを利用した通信 産業界へのアピールポイント ● 各種通信システムに対する既知の理論限界やその解析方法についての助言 ● 新しい通信方法の提案 情報通信技術 実用化例・応用事例・活用例 ● 通信システムを開発する際の指標として理論限界を活用 ● より効率的な通信方法の開発 松田 哲直 (マツタ テツナオ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● データ消去にかかる最小コストの解明 ● 情報検索を秘匿化する方法の研究 ● 噂の発信源を推定する方法の研究 86

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 進化計算で複雑な最適化問題を解決 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 進化計算 最適化 人工知能 多目的最適化 『 進化計算で複雑な最適化問題を解決 』 私たちの身の回りには、最適な答えを見つける必要がある問題がたくさんあります。例えば、配 送の経路計画、工場での作業スケジュール、自動車の構造設計もその一つです。これらの「最適 化問題」を解くために、私は進化計算という人工知能技術を研究しています。進化計算は、生物 の進化の仕組みを模倣して、試行錯誤を繰り返しながら優れた答えを見つける方法です。進化計 算は、数学的なアプローチで解くことが難しい複雑な最適化問題であっても高精度に汎用的に解 くことができる強みがあります。私は、並列計算機を活用した進化計算の高速化や、進化計算に 機械学習を組み合わせることでより効率的に最適な答えを見つける手法を研究しています。また、 複数の目標があるような多目的最適化問題に対して、効率的に解を求めるアルゴリズムの研究に 取り組んでいます。 機械学習と進化計算を組み合わせた最適化 多目的最適化問題の例 産業界へのアピールポイント ● 最適化対象に応じた進化計算アルゴリズムの適用方法を提案 ● 最適化の応用立案から実施まで一貫してサポート可能 ● 産業界の最適化コンペティションで多数の受賞実績 情報通信技術 ● 多目的最適化や制約付き最適化に対応した高度な技術を保有 実用化例・応用事例・活用例 ● ハイブリッドロケットエンジン設計の最適化 ● 交通シミュレータを使用した信号機制御スケジューリング 原田 智広 (ハラダ トモヒロ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 高評価コスト最適化問題に対する機械学習を援用する進化計算 ● 並列計算機を用いた進化計算アルゴリズムの高速化 ● 多目的進化計算を用いた多目的最適化 89

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 施設利用者をピークシフトに自然と誘導するシステム 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード スマートフォン ピークシフト 混雑平準化 サステナビリティ 屋内測位 ナッジ 『 施設利用者をピークシフトに自然と誘導するシステム 』 少子化・超高齢化の進んだ我が国では、増加し続ける高齢者層に対する様々な支援(介護、送迎 など)を少ない生産年齢者層が担わなくてはならず、生産年齢者層が本来行うべき生産活動への 影響が懸念されます。今後、我が国における生産年齢人口比率がさらに低下することに鑑みると、 これまで以上の対策が必要になると考えられます。本研究では、生産年齢人口比率がさらに低下 する将来を見据えて、利用者の需要が集中しやすい施設を対象として、時間的かつ空間的なピー クシフトに自然と誘導できるようなシステムを実現します。本システムにより、利用者側の需要 を分散させることで、スタッ 施設利用者をピークシフトに自然と 施設利用者をピークシフトに自然と フ配置の最適化・経費削減 誘導するシステムのイメージ 誘導するシステムの構成例 に加えて、ピーク需要に合 わせた施設側への多大な設 備投資(建造物、設置機器 など)の削減、さらには我 が国の抱える問題の一つで あるサステナビリティ(持 続可能性)の向上を目指し ます。 産業界へのアピールポイント ● 行動経済学分野の「ナッジ(nudge) 」の考え方を導入することで、利用者に禁止や命令による 不快感、経済的なインセンティブに一切頼らずに、利用者自身をピークシフトに自然と誘導し ます。 ● 施設利用者のピークシフトによって、スタッフ配置の最適化や経費削減を実現します。 ● 施設利用者のピークシフトによって、施設への多大な設備投資を抑制します。 実用化例・応用事例・活用例 ● 不特定多数が利用し、かつ、需要が集中しやすい施設(空港、駅、ショッピングモール、テーマ パーク、公共施設など)の混雑状況可視化システム ● 混雑状況を考慮した施設内ナビゲーションシステム 間邊 哲也 (マナベ テツヤ) 助教 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● Wi-Fi や Bluetooth の通信特性を考慮した測位手法の性能評価・性能改善 ● 自転車や電動キックボードが安全に走行するためのセンシング・情報提供に関する研究 ● 位置情報ビッグデータを活用した歩きやすい観光まちづくりに関する研究 ● 提供情報が従来と異なる新しいナビゲーションシステム 76 情報通信技術 ● 時間・座席指定型チケット予約システム(映画館、新幹線など)

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 シミュレーションを用いて実験計測が難しい生体分子構造や動態を調べる 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 分子シミュレーション 生体分子 統合モデリング 自由エネルギー計算 『 シミュレーションを用いて実験計測が難しい生体分子構造や動態を調べる 』 様々な疾患も含めた多くの生命現象がタンパク質などの生体分子によって引き起こされており、生 命現象の理解や疾患の根本的な治療にはミクロな領域での分子構造やダイナミクスを観察するこ とが重要です。分子動力学シミュレーションは、原子解像度を持つ生体分子モデルを計算機の中 に再構築し、物理法則によって分子を動かすことでミクロな振る舞いを「直接」観測することが できる技術です。コンピュータの計算能力と相まって近年では計算顕微鏡と呼ばれるまでに発展 し、実験を補完する手法として盛んに利用されています。ただし、創薬や材料開発へ貢献するに は「計算時間がかかりすぎる」 「モデ 次世代抗体(VHH)のループ構造のシミュレーションによる予測結果 ル精度の限界」という二つの課題があ (赤:正解構造、灰色:シミュレーション構造) ります。1 つ目の課題に対して、我々 は効率的なアルゴリズムを導入するこ とで、次世代抗体などのループ構造を 短い時間で予測できるよう取り組んで います。二つ目の課題に対して我々は、 統計数理・機械学習による手法を導入 して、実験データとシミュレーション を統合してより精度の高い観測を実現 する手法開発に取り組んでいます。 産業界へのアピールポイント ● 生体分子のシミュレーションにおいて、スパコンを用いた高度な計算から、複数の市販ソフト ウェア、フルスクラッチ開発コードを用いて論文を出版した経験があります ● 創薬や材料開発において、実験結果を説明するための構造・物性情報が必要となる際にシミュ レーションからそれをサポートすることができます ● 市販の分子モデリングソフトでは解決できない問題の相談に乗ります 実用化例・応用事例・活用例 ● 次世代抗体(VHH)のループ構造予測のためのシミュレーション手法の開発と応用 ● 次世代抗体(VHH)の変性温度予測 ● 原子間力顕微鏡の画像データのみから探針形状を推定する手法開発と応用 ● スパコンを駆使した生体分子シミュレーションによる構造や動態の解明 松永 康佑 (マツナガ ヤスヒロ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● タンパク質言語モデルを用いた次世代交代(VHH)の物性予測 ● 高速原子間力顕微鏡データの解析 ● ウイルス外殻構造のモデリング ライフ 133

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 さりげなく生体情報を計測し、健康科学・生活支援! 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード ヘルスケア 健康科学 生活支援 生体情報計測 人間工学 感性認知 人工知能 DX IoT 非侵襲脳機能計測 ヒューマンインターフェイス 『 さりげなく生体情報を計測し、健康科学・生活支援! 』 身近にある家電製品や機械システムにセンシング機能を付加し、IoT(モノのインターネット化) 技術により、人の健康状態をモニタリングできる機器へと発展できます。これらの機器やシステ ムにウェアラブルで非侵襲かつ低コストで計測可能な生体情報計測センサや医療機器を組み合わ せ、ライフログなどの生体情報データを計測し、AI(人工知能)技法を用いて分析することにより、 健康状態管理や病気発病予測などの在宅医療やヘルスケアのための支援が可能となってきていま す。また、これらの技術を機械システムに適用することで、稼働状況のモニタリングや予知保全 を行うことも可能となります。在宅医療やヘルスケア支援のための AI 技術、IoT 技術、非侵襲生 体情報計測、人に寄り添った機 AI/IoT 先進ヘルスケア解析システム 非侵襲生体情報計測を用いた 安全運転支援システム 器設計のためのヒューマンイン ターフェイス技術、ブレイン・ マシン・インターフェイス技術 などについて研究開発を行って おり、健康科学分野の高度化・ DX 推進に貢献しています。 産業界へのアピールポイント ● 人間の認知・判断・行動過程を解明し、心理・認知状態の定量的評価 ● 意思どおりに行動支援できるブレイン・マシン・インターフェイス技術 ● 深層学習などの AI 技術を応用し、各種生体情報の分析 IoT 技術で行い、AI 技術により予知保全 ● 生体情報計測関連機器多数保有:非侵襲脳機能計測装置、バイタルサイン計測装置、血管内皮機 能 FMD 検査装置、温熱環境評価実験室、バーチャルリアリティ装置、ハプティック装置、高速 度カメラ、モーションキャプチャ装置、視線計測装置など ● 機械の状態監視を 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● 非侵襲生体計測の IoT 化技術、生体情報計測による感覚・感性の評価 ● ウェアラブル生体情報計測機器の開発 ● 各種生体情報の AI 技術応用解析システム ● 生体情報計測による健康状態モニタリングシステム ● VR 環境下における生活環境評価システム 綿貫 啓一 (ワタヌキ ケイイチ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 人に優しい医療・ヘルスケア用機器の開発 ● 脳科学や人間工学の知見に基づいたインターフェイスの開発 ● 知的車椅子や歩行支援機器の開発 ● 高精度ウェアラブル型生体情報可視化技術の開発 ● 人の感覚・感性の定量的評価 91

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 モビリティ社会を変革する計算機科学 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 自動運転プラットフォーム 組込みソフトウェア リアルタイムシステム IoT モデルベース開発 『 モビリティ社会を変革する計算機科学 』 出典:ACM/IEEE ICCPS:Autoware on モビリティ社会の変革が、完全自動運転車を中心に起きようと Board: Enabling Autonomous Vehicles with Embedded System しています。完全自動運転車は、これまで運転手が行っていた 自動運転アプリケーションの例 ハンドル・アクセル・ブレーキ操作をコンピュータが判断して 走行します。コンピュータは、カメラ、全方位の距離センサ、 GPS などの情報を利用して判断します。これらの情報を 3 次元 空間(図参照)で管理をして走行をしています。コンピュータ が正確な判断を行うには、図に示す様々な処理を同時に行う必 要があります。例えば、安全に運転するには、周りの自動車や 歩行者を認識する物体認識、信号を認識する画像処理技術、自 動車の走る予定の経路を決める経路計画、決められた経路通り に走行するための経路追従などの機能が必要です。これらの機 能は同時に動作しており、コンピュータによって制御されてい ます。本研究室では、上記の様々な機能を同時にうまく動かす(決 インフラセンサのデジタルツイン環境 を用いた自動運転ソフトウェアの安全 められた時間内に処理を終わらせる)コンピュータの仕組みを 性向上の取り組み 研究しています。さらに、交差点や信号機に搭載されたインフ ラセンサを活用した認識や、デジタルツイン環境を使ったシミュ レーションを通じて、自動運転の安全性向上を目指しています。 ●自 動 運 転 向 け ミド ル ウ ェ ア の ROS 2 の 研 究 実 績(ACM EMSOFT:被引用数 440、ACM/IEEE ICCPS:被引用数:642) ● 組込みシステム分野のプラットフォーム(OS、ミドルウェア、アプリケーション)で(IPSJ/ IEEE Computer Society Young Computer Researcher Award 受賞、山下記念研究賞受賞) ● (企業・JST と共同でプレスリリース)自動運転向けモデルベース開発 ● 企業との共同研究も多数(特許も取得) 実用化例・応用事例・活用例 ● 自動運転ソフトウェア ● IoT 向けプラットフォーム 共同プレスリリース) ● 自動車規格の AUTOSAR-AP と自動運転ソフトウェアの連携 ● 自動運転モデルベース開発向けベンチマーク(企業・JST 安積 卓也 (アヅミ タクヤ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 組込みメニーコアコア向けディープラーニングプラットフォーム ● 自動運転向けプラットフォーム ● 自動運転向けモデルベース開発 ● 組込み向けコンポーネントベース開発基盤の構築 ● リアルタイムスケジューリング理論 4 社会基盤 産業界へのアピールポイント

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 観測結果から物理法則を導こう! 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 流体機械 流体不安定現象 データサイエンス 流れの制御 噴流 『 観測結果から物理法則を導こう! 』 データサイエンスを用いた流れの推定と制御 観測データから流体の状態を推定し、その流れを制御する研究を行っています。具体例として、排 尿流量の推定とターボ機械内部状態の推定に関する研究をご紹介いたします。 まず、非接触での尿流測定方法として、流体の界面不安定現象を応用しています。具体的には、断 面が円形ではなく長楕円形のノズルから液体が流れ出る際、流出直後に長楕円形の断面の長軸と 短軸が入れ替わる現象を観察できます。この「アクシススイッチング」と呼ばれる現象は、実際 の排尿にも見られ、排尿の波 長と尿流量には相関関係が存 数値計算の流れ場(上)と 排尿の様子と音から推定した 在します。これにより、波長 データサイエンスモデルで再現した 排尿流量 ターボ機械内部流れ場(下) の時系列データを記録するこ とで、尿流量の推定が可能と なります。さらに、波長だけ でなく、排尿の幅や音の情報 を組み合わせることで、尿流 量の推定精度を高めています。 加えて、データサイエンスを 用いることで、ターボ機械内 部の状態量(圧力、流速)を、 限られた観測点のデータから 精度高く再現しています。 ● 流れの設計 ● 流れによる振動と騒音問題 ● 流れの制御 ● 流れによる異常検知 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 流れの推定 実用化例・応用事例・活用例 ● ビックデータによる流れの推定 ● 流れの制御 ● 流れの可視化 姜 東赫(カン ドンヒョク) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 水素製造過程のデジタルツイン ● 水素漏れ検知システムの開発 ● データサイエンスによるターボ機械の動特性推定および流れの制御 ● データサイエンスによる排尿流量推定方法の開発 56

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 個人のつながり(パーソナル・ネットワーク)の力 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード パーソナル・ネットワーク 金融 銀行 企業 『 個人のつながり(パーソナル・ネットワーク)の力 』 私たち個人は、多様な人たちと繋がりあって生きています。高校時代の友達、サッカークラブの 先輩、前の職場の後輩、現在の部署の上司・・・など、人々は互いに多様な要素で繋がりあって おり、その「個人のつながり(パーソナル・ネットワーク) 」は出身地、学歴、職歴、業務歴、趣 味といったデータを用いて分析したり可視化したりすることができます。 最近、このようなデータが可能になったことで、つながりがもたらす経済的効果を分析する研究 が世界的に行われています。つながりは、個人の貧困から脱出、企業不正、イノベーション、金 融取引のパフォーマンスなどに影響することが分かっています。 私は長年、経済における銀 ある企業の取締役会における パーソナル・ネットワークと企業不正 行の機能や行動を分析し、 学歴によるパーソナル・ネットワーク に関する共同研究 より良い銀行のあり方につ いて研究してきました。そ の中で、パーソナル・ネッ トワークに出会い、その役 割や影響について銀行のみ ならず一般企業にまで分析 対象を広げ研究を行ってい ます。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 私たちは日々の生活の中で個人の繋がりの重要性を認識しているはずです。企業も政府もそれを データ化して分析し活かす時代が来ていると思います。 実用化例・応用事例・活用例 ● 役員などの選任 ● 採用人事 ● 社内の人材配置 ● 社外の繋がりの開拓 長田 健(オサダ タケシ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● デジタル社会における金融機関の役割 ● The Reversal of BoJʼs Balance Sheet Policy and Liquidity Dependence Boy Network, Capital Injection and Banksʼ Returns: Evidence from Japanese Banks ● The impact of banking concentration on industrial competition ● Old 33

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 確率の数理を使って機械学習や予測を効率化する 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 確率的情報処理 機械学習 データ解析 時系列データ 確率的シミュレーション アニーリング型計算機 『 確率の数理を使って機械学習や予測を効率化する 』 人工知能や機械学習、シミュレーション技術は私たちの生活を大きく変えてくれます。一方で、大 量の電力使用による環境負荷や学習データの大規模化など、問題点もあります。 これらの情報処理の大幅な効率化を目指すために、私は色々な数学の分野を広く眺め、使えそう な技術を見つけ、工学的に応用可能な形に磨き上げる研究をしています。まだ研究途上ですが、双 対性や Koopman 作用素と呼ばれる数理を使って、予測や制御を数十倍も高速化したり、人工知 能技術に利用されるニューラルネットワークを圧縮したりできます。また、対象に関する知識を 利用した少量データでの機械学習も目指しています。他にもアニーリング型と呼ばれる量子コン ピュータに関連した研 時間を裏返す計算手法 機械学習の効率化 究や、確率的な現象に ૔ଲ͹੊ֆʁ཯ࢆద 対するシミュレーショ ωϣʖϧϩϋρφϭʖέ ンや推定の研究もして ʤඉત‫ܙ‬͹ԍࢋʥ います。 ೘ྙ ड़ྙ 使 え る 数 理 を 見 つ け、 “3” 磨き上げることには苦 ॵ‫غ‬য়ସ 労もありますが、大学 ༩଎ͪ͢౹‫ྖܯ‬ ならではの、数理に基 ‫ݫ‬͹੊ֆʁ࿊କద ߨ྽Ͷѻक़ づく基礎技術を目指し ʤત‫ܙ‬͹ԍࢋʥ ています。 産業界へのアピールポイント ● 数理に基づく新しい情報処理技術の応用について一緒に検討できます ● 確率的な現象のシミュレーションの高速化やパラメータ推定などに利用できます ● 時系列データからの方程式推定手法を開発しています 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● (共同研究で実用化済)スペクトル分析装置のための自動相分析手法の開発 ● (活用例)時系列データの分析・将来予測 大久保 潤 (オオクボ ジュン) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 確率系に対する予測と制御の双対性を利用した高速化 ● Koopman 作用素を用いた時系列データからの方程式推定 ● 方程式とデータの両方を利用した機械学習技術の開発 ● アニーリング型ハードウェアに関する理論的研究 88

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 IoT による安価なモニタリング 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード IoT UAV AI 構造 モニタリング 点検 損傷 『 IoT による安価なモニタリング 』 UAV 点検、AI による損傷認識、損傷検知 日本では橋梁などの構造物の老朽化が進んでおり、また地震後の速やかな性能回復に向け、構造 物の損傷被害を速やかに確認できることが重要である。近年ロボットや小型無人機(UAV)を用 いた構造損傷や劣化への注目度が高まっており、高価な点検業務に特化した UAV も開発されてい るが、通常のスマホや汎用空撮用 UAV だけでも多くの高精度な写真やビデオを取れる。これらの 映像を見て手動的分析することもできるが、①膨大のデータ処理に時間を費やしてしまうことや、 ②長時間の作業による疲労とミス、③高度専門な知識と安定した判断基準が必要などの点を考え ると、自動化した画像データ処理もしくリアルタイムの損傷自動検知が望ましい。そこで、深層学 習を用いて大量な損傷写真を機械に学習させば、損傷の自動検知が可能となる。本技術は、損傷 画像に対する深層学習の有用性の検証として、過去に行われた橋梁目視点検などで収集した画像 を元に深層学習を用いた画像分類を試みた結果、高い損傷検出精度がある。 IoT による災害モニタリング AI による損傷認識 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 簡易で取り扱いやすい、高層ビルも、高架橋にも応用できる。 ● 初期コストと維持コスト共に極めて低い ● リアルタイムでシステムの状況をスマートフォンでも確認できる。 ● 人工知能を活用して、使えば使うほど、構造物の損傷推定精度が上がる。 実用化例・応用事例・活用例 ● IoT による河川の水位観測、建物、橋梁の振動観測 ● UAV 撮影による構造物の 3 次元モデル による橋梁点検 ● AI による画像損傷検出 ● 3 次元モデルによるバーチャル測量 ● UAV 党 紀(トウ キ) 准教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 深層学習による損傷認識、画像処理、腐食認識 ● UAV による橋梁点検、3 次元モデルの構築 ● 寒冷地におけるゴム支承の免震性能 ● IoT ●3 17 センサーによる構造の地震応答モニタリングと損傷推定 次元モデルによるバーチャル測量と設計実装

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 平面アンテナの更なる高性能化・高機能化を目指しています 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 平面アンテナ マルチバンド化 広帯域化 電磁界シミュレーション アンテナ測定 小型化 特性可変技術 導波管アンテナ 『 平面アンテナの更なる高性能化・高機能化を目指しています 』 無線通信技術のキーデバイスであるマイクロ波・ミリ波用平面アンテナの研究開発を行っていま す。平面アンテナの代表例であるマイクロストリップアンテナはプリント基板加工技術を容易に 製作できるため、幅広く用いられています。当研究室では、マイクロストリップアンテナのマル チバンド化、広帯域化、小型化、半導体素子を用いた特性可変技術などの高機能化、高性能化に 取り組んでいます。また、準ミリ波〜ミリ波で高利得・高効率特性を示す導波管スロットアンテ ナと平面アンテナ マルチバンド・マイクロストリップアンテナ 電磁界シミュレータ を組み合わせた新 しい平面アレーア ンテナの研究も進 め て い ま す。 電 磁 界シミュレーショ ンと実験の両面か ら研究を推進して います。 産業界へのアピールポイント ● アンテナの解析・設計・測定、電磁界シミュレーション、その他電磁波の課題に対応します。 ● 様々なタイプの平面アンテナの研究・開発を行っています。 ● マイクロストリップアンテナの更なる高性能化・高機能化に取り組んでいます。 ● 準ミリ波〜ミリ波帯で高利得・高効率である導波管と平面アンテナを組み合わせた新しい 実用化例・応用事例・活用例 ● プリント基板で容易に製作できる各種平面アンテナ 情報通信技術 ● BS 放送受信用高利得平面アレーアンテナ ● ねじ止めで組み立て可能な簡素な構成の導波管平面アンテナ 木村 雄一 (キムラ ユウイチ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● 5G システムに応用可能な広帯域・マルチバンド平面アンテナ ● 半導体素子を用いた周波数可変アンテナ、指向性制御アンテナ、偏波共用 ● 導波管と平面アンテナを組み合わせた新しい平面アレーアンテナ 75 / 切替アンテナ

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 光リザーバーコンピューティングで身近なAIを実現 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード リザーバーコンピューティング AI 人工知能 機械学習 レーザ カオス 光 エッジコンピューティング 『 光リザーバーコンピューティングで身近なAIを実現 』 人工知能(AI)や機械学習は、画像認識やインターネット広告などに利用されており、私たちの 生活に欠かせない技術となっております。一方で機械学習には、 学習という事前の準備が必要です。 学習には多くの計算時間や消費電力が必要となることが、近年の大きな問題となっております。こ の問題を解決するのが、リザーバーコンピューティングと呼ばれる新たな技術です。リザーバー コンピューティングは、学習が簡単であるために、少ない計算量と低い消費電力で実装できるこ とが大きな利点です。身の回りにあるスマホや家電などの端末での機械学習(エッジコンピュー ティング)が容易に実現でき、今後ますます普及していくと期待されています。当研究室では、光 を用いたリザーバーコンピューティングの研究開発を行っています。レーザに入力信号を加える と複雑な光出力信号を生じますが、この複雑な応答波形を用いてリザーバーコンピューティング を実現しています。 光リザーバーコンピューティングの概念図 産業界へのアピールポイント ● 日本で初めて、光を用いたリザーバーコンピューティングの実証実験に成功。 ● 世界で初めて、リザーバーコンピューティング向けの小型の光集積回路の開発に成功。 情報通信技術 ● リザーバーコンピューティングが身近な存在になるような未来を目指して、現在研究中。 実用化例・応用事例・活用例 ● 学習が容易な機械学習の実装。 ● 省エネルギーの機械学習の実現。 ● レーザ光を用いた高速な機械学習。 内田 淳史 (ウチダ アツシ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● レーザ光を用いた強化学習による意思決定。 ● レーザ光を用いた超高速物理乱数生成。 ● レーザ光のカオス的不規則現象の解明。 ● レーザ光を用いた情報セキュリティ応用。 83

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 画像の品質を自動的に数値化し評価する技術 』

埼玉大学 情報・通信 異常音 正常音 品質評価 キーワード 深層学習 信号処理 統計的信号処理 音声処理 画像処理 通信システム 雑音対策 『 画像の品質を自動的に数値化し評価する技術 』 我々の社会においては、いろいろな所でディジタル画像が使われています。その種類は様々ですが、 今では、それぞれの画像の品質を、ただその画像を入力するだけで、自動的に評価できるようになっ てきました。Image Quality Assessment(IQA)と呼ばれる技術がそれです。これまでは、元々 の参照画像がないと、画像の品質は評価できま 様々な品質の画像 せんでした。最良の、画像の品質が何か、機械 が知る必要があったからです。しかし、今では、 機械が学習できます。学習能力を発揮すると、 ただ劣化画像が入力されるだけで、その品質が 数値化されて、出力されて出てきます。その数 値は、1000 人にも及ぶ人が評価した数値と、 ほとんど一緒です。もう、参照画像は必要あり ません。この IQA 技術は、類似する画像を探索 するのにも利用できます。処理が高速化されれ ば、あらゆるシステムに掲載される可能性があ ります。 産業界へのアピールポイント ● これまで 25 社以上の企業と共同研究を実施 ● 研究内容に定評があり、多くの最優秀論文賞を受賞 ● 各種信号、ノイズ問題や品質評価、異常検知への解決に取り組んできた実績多数 ● 共同研究の成果としての特許出願複数 実用化例・応用事例・活用例 ● モーター音を聞きながら、それが壊れる直前の時期を予測するシステムの構築 情報通信技術 ● 画像に空欄ができてしまった場合における画像補完方法の技術開発 ● 画像の品質を参照画像なしに自動的に評価するシステムの開発 ● 交差点や駅のプラットフォームでも、騒音に影響されずに音声強調できる技術の開発 ● MIMO 方式での適応変調と受信側での変調推定技術の開発 島村 徹也 (シマムラ テツヤ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 無線センサーネットワークへの効率的なデータ伝送方式に関する信号処理技術 ● 雑音除去、エッジ強調などの高速画像復元処理 ● 深層学習を用いた顔表情識別 ● 深層学習を用いた音声強調、音声分析、画像理解、変調推定 ● 骨導音声の品質改善、信号解析など 79

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 電波を操る小型高性能多機能の高周波回路 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 無線通信 マイクロ波 ミリ波 高周波回路 フィルタ 電力分配器 アンテナ 『 電波を操る小型高性能多機能の高周波回路 』 トリプルモード誘電体共振器を用いた 現在、スマホや Wi-Fi、IoT 機器など各種の無線通信シ 11 段マイクロ波フィルタ ステムの急速な発展と応用にともない、既存の電磁波周 波数資源の効率的な利用と未使用の高周波数資源の開拓 が進められています。電波を用いた様々な新しい事業の 展開やさらなる高い周波数への移行に伴う様々な新しい 研究課題が注目されています。 そこで、本研究室では、無線通信機器に欠かせない高周 波回路、特に小型・高性能・多機能のマイクロ波・ミリ 波フィルタ、アンテナ、パワーデバイダおよびそれらの 複合回路の研究開発を通して、上記の課題解決に取り組 んでいます。。優れた機能を持つ回路の提案、その電磁 超広帯域(10 MHz~4 GHz)小型電力分配器 波動現象の解明、および新しい設計手法の構築を含め、 基礎理論から工学的応用まで多岐にわたる研究を進めて います。 産業界へのアピールポイント ● 本研究室は長年高周波フィルタ等の研究に携わり、 種々の構造や様々な仕様を有するフィルタの設計がで きます。 ● 政府研究助成金や企業との共同研究を利用し、様々な 新しい研究課題に取り組んでいます。研究成果は国内 外から高く評価されています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 多周波数共用フィルタ ● マルチモード誘電体共振器を用いたマイクロ 波フィルタ ● 小型低損失高温超電導体マイクロ波フィルタ 馬 哲旺(マ テツオウ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● 各種小型高性能マイクロ波・ミリ波フィルタに関する研究 ● 誘電体モノブロックを用いたマイクロ波フィルタの研究 ● 高周波広帯域電力分配器の研究 ● マイクロ波広帯域整合回路の研究 74 情報通信技術 ● 超広帯域(UWB)通信用マイクロ波フィルタ ● 車載レーダーシステム用ミリ波広帯域フィルタ

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 地理情報を用いて環境や社会の課題に挑む 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 地理情報科学 ジオコンピュテーション リモートセンシング 地球観測 AI 『 地理情報を用いて環境や社会の課題に挑む 』 位置座標を有する情報が爆発的に増加する昨今において、多種多様な地理情報が日々生成されて います。これらの情報の利活用が学術上でもビジネス上でも求められています。従来では、地理 情報は地理情報システム(Geographic Information System, GIS)により一元管理・利用がなさ れてきましたが、このようなシステムではビックデータの対応が難しい点が課題です。そのため、 ジオコンピュテーションや、AI を組み合わせた GeoAI と呼ばれる情報学的なアプローチにより、 効率的に地理情報ビックデータを分析し、社会や環境の諸課題の解決に向けた研究に取り組んで います。 時系列合成開口レーダー画像 による洪水浸水域推定 車載カメラによる環境把握手法の開発 産業界へのアピールポイント ● 地理情報ビッグデータ分析手法の開発 ● 気候変動対策・SDGs 実現に向けた取り組み ● 時系列リモートセンシング分析 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● 時系列合成開口レーダー画像を用いた洪水浸水域推定 ● 地理情報データを統合した土地被覆分類の高度化・効率化 ● 車載カメラデータによる効率的な地域環境把握手法の開発 ● 建物・道路レベルの炭素排出量推定 ● 衛星 Lidar による森林構造推定 堤田 成政 (ツツミダ ナルマサ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 深層学習や空間統計モデルを駆使した地理空間ビッグデータ解析 ● 異なる地理情報データの統合技術の開発 ● 衛星観測データを用いた迅速な災害把握手法の開発 87

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 超高速アクティブカメラでUI/VR の新たな可能性を切り開く 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 画像センシング ユーザーインターフェース 人工現実感 『 超高速アクティブカメラでUI/VR の新たな可能性を切り開く 』 非接触で多くの情報が取得できるカメラは有用なデバイスですが、撮影する対象が遠いと空間分 解能が下がってしまうという問題があり、カメラを用いたユーザーインターフェース(UI)シス テムや人工現実感(VR)システムは利用条件が限定されていました。これに対し、我々は視線方 向を高速に切り替えることができる超高速アクティブカメラを用いることで、従来ハードウェア の制約を超えた UI/VR システムの開発を進めています。このカメラを用いることで広範囲・高分 解能のセンシングが可能になるだけでなく、マルチスレッド制御により複数箇所の望遠画像を同 時に取得することができます。これまでに、遠距離からでも手指の細かな動きを用いた操作が可 能な空中マルチタッチイ 離れた位置から手指の細かい動きを ユーザーの頭の動きに合わせて ンターフェースや、HMD 用いた操作ができる空中マルチタッチ 拡大したい領域を動かすことができる を装着したユーザーが遠 インターフェース VR 遠隔拡大視システム 隔地の映像を拡大して見 る こ と が で き る VR 遠 隔 拡大視システムを開発し ています。これらの技術 に よ り、UI や VR の 新 た な可能性を切り開くこと を目指しています。 産業界へのアピールポイント ● 民間企業との共同研究の経験が豊富にあります。 ● VR/AR を用いた作業支援システムやインタラクティブシステムの設計のほか、画像処理・人工 知能関連の各種相談も広く受け付けます。 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● 高速画像処理システム ● ジェスチャー認識システム ● AI を活用した薬学的推論システム AR システム ● 視触覚クロスモーダル 小室 孝(コムロ タカシ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● AR モックアップの形状・触感同時提示のための手指装着型デバイス AR システム ● VR を用いた運動技能上達のためのお手本情報提示 ● 視点補間ネットワークによる質感を再現した任意視点画像生成 ● 画像変換を用いた映り込み生成による金属の質感再現 ● 頭部搭載プロジェクタによる軽量低負担ウェアラブル 84

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 分子から人間関係までAIでつながりのデータを解析 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 通信ネットワーク 生成 AI AI IoT データ解析 情報通信 DX セキュリティ SNS 未来予測 『 分子から人間関係までAIでつながりのデータを解析 』 ネットワークという言葉は様々な対象に対して使える言葉で、ネットワークという言葉からイン ターネットのようなコンピュータネットワークを想起する人もいますし、SNS 上やリアルの人間 関係のネットワークを想起する人もいます。ネットワークの本質はものごとの関係やつながりを 網(= ネット)のように可視化するデータ構造で、上記以外にも地図情報、分子内の原子結合、 SNS・社内・顧客のコミュニティ、商品・コンテンツ・知的財産の関連性など様々なものがネッ トワークデータとして表現されます。 我々の研究室では、このようなネットワークデータを生成 AI の力を活用して解析・予測する技術 を強みにしています。技術の応用例としては、地図情報のデータを解析して交通渋滞の予測や観 光地の推薦に活用したり、SNS の人間関係や商品の関連性のデータを解析して売れ行きの予測や マーケティングに活用したりすることが挙げられます。 道路情報や人間関係のデータに対する技術の応用例 コンテンツ情報や分子構造に対する技術の応用例 産業界へのアピールポイント ● 複雑に関連し合ったデータに対して DX のデータ活用が提案可能 AI に関する成果で AI 分野におけるトップカンファレンス NeurIPS で発表 ● 通信の専門家でもあり IoT など通信を使ったソリューションにも精通 ● 生成 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● 汎用なネットワークデータに対して条件を指定してデータ生成する技術の開発 ● SNS データからのインフルエンサー特定技術の開発 ● セキュリティ防壁を通過する攻撃的通信を生成するシステムの開発 ● LLM ● AI を利用したネットワーク侵入検知システムの開発 技術を活用した無線通信品質の予測技術の開発 渡部 康平 (ワタベ コウヘイ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● 特許ネットワークのデータを使った次世代キー技術の予測 ● SNS 上の拡散データを利用したフェイクニュース特定 ● 拡散過程の監視によるネット炎上の早期検出と抑制 90

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 AI・XR 技術を用いた楽しく効果的な歩行訓練システム 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 生体情報 動作解析 AI XR リハビリ 『 AI・XR 技術を用いた楽しく効果的な歩行訓練システム 』 厚生労働省によれば、要支援になった要因のうち高齢によ る衰弱、骨折・転倒、関節疾患が上位 3 位であることが報 告されています。これらは歩行能力の低下に関連しており、 アクティブシニアが歩行能力の低下を防止することが重要 です。しかし、歩行訓練には専門装置や専門家による指導 が必要であることや、歩行動作は単調であるため訓練に対 するモチベーションが低下しやすいという課題があります。 そこで、専門家の介入を必要としないこと、日常利用が可 能なこと、楽しく訓練できることを目指した歩行評価・訓練 システムの開発を行っています。具体的には、身体的個人差 を考慮した目標歩容生成 AI の構築と歩容フィードバック訓 練システムの開発、実空間情報を反映した VR 映像生成 AI による歩行モチベーション支援システムの開発を行っていま す。また、それぞれの評価のためにモーション解析による歩 容評価や生体情報計測による感情評価を行っています。 身体的個人差を考慮した 歩容フィードバック訓練システム 実空間情報を考慮した VR 映像生成による 歩行支援システム 産業界へのアピールポイント ● 身体的個人差を考慮した歩容フィードバック訓練システム 実用化例・応用事例・活用例 ● 身体的個人差を考慮した歩容フィードバック訓練システム - 介護・訓練施設への導入による、理学療法士の負担軽減 VR 映像生成による歩行支援システム - ゲームアプリケーションへの導入による普及拡大 ● 実空間情報を考慮した 大澤 優輔 (オオサワ ユウスケ) 助教 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 身体的個人差を考慮した目標歩容生成による歩容フィードバック訓練システム ● 機械学習技術と XR 技術を用いたリアルタイム光景変換による歩行訓練支援システム ● 日常生活内で利用可能な靴型歩容評価システムの開発 ● 不確実性を考慮した次年度特定健診データの推定 ● 自動二輪車の運転行動予測に関する研究 66 ものづくり - 生成された目標歩容を理学療法士に確認していただき、学習の妥当性を確認しました。 - 多様な歩行障害の学習により、汎用性の拡大が期待できます。 ● 実空間情報を考慮した VR 映像生成による歩行支援システム - 実空間情報を反映するため、任意の場所で安全に利用可能です。 - 光景の変換内容の変更により、モチベーションの維持だけでなく、リラックス効果や歩容への 影響も期待できます。

情報・通信 | 埼玉大学 | 『 AIがもたらす進化したモバイル写真体験 』

埼玉大学 情報・通信 キーワード 画像処理 コンピュータビジョン コンピュテーショナルフォトグラフィ AI モバイルカメラ 『 AIがもたらす進化したモバイル写真体験 』 スマートフォンは、日常的な写真撮影において最も身近なデバイスとなっており、撮影、編集、共 有までを一つのデバイスで完結させることができます。私は、AI による画像処理技術を活用して、 モバイルカメラにおける写真体験の向上を目指しています。 従来、スマートフォンのような小型のカメラは、レンズやセンサが物理的に小さいため、画質や 色再現性に限界がありました。しかし、現代のスマートフォンは高い計算能力を備えているため、 AI を用いた複雑な画像処理をリアルタイムで行うことができます。これによって、スマートフォ ンのような小さなカメラでも非常にきれいな写真を撮影することができます。 さらに、AI 技術は撮影後の画像編集においても革新をもたらしています。例えば、画像変換技術 を用いることで、撮影した物体の見かけの材質を、ユーザの意図に沿った別の材質に変換するこ とができます。 イメージセンサから得られた RAW データを、AI を活用したデ モザイキングによりカラー画像に復元する。 映り込みを含む物体の見かけの材質を、参照とな るテクスチャ画像が持つ別の材質に変換する。 産業界へのアピールポイント ● AI を活用したカメラ画像信号処理技術により、RAW 画像から高品質なカラー画像を復元できます。 ● 直感的で高品質な写真編集により、モバイルカメラのユーザ体験が向上できます。 実用化例・応用事例・活用例 ● (活用例)AI を活用したスマートフォン向けカメラ画像信号処理アルゴリズムの開発 入山 太嗣 (イリヤマ タイシ) 助教 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● モバイルカメラ向け CFA 配列に対するデモザイキング ● カメラ画像信号処理のためのマルチタスク深層学習モデル ● 画像生成を用いた別視点画像合成による映り込みを伴う物体の質感再現 ライフ 134

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 有機物質で実現する次世代量子デバイスの可能性 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 有機導体 量子スピン液体 超伝導 『 有機物質で実現する次世代量子デバイスの可能性 』 有機物は、プラスチックなど身の回りにあふれた材料の一つですが、通常電気を流しません。し かしながらここ 50 年くらいで急速に材料開発が進み、有機エレクトロニクスという分野が確立し、 柔軟性・軽量性に優れたこれらの材料は現代社会に不可欠となっています。私の研究では、有機 物を使い、単に電気を流すだけではなく、さらに超伝導と呼ばれる電気抵抗がゼロになる材料や 量子スピン液体、電荷ガラス、ディラック電子系などと呼ばれる、従来の物理学では理解が難し い現象を対象としています。これらの性質は電子相関や特徴的な電子構造が関わるとされ、未知 の物理が潜んでおり、量子コンピュータや省電力デバイスなど、次世代技術への応用が期待され ています。普段の 研究では、分子合 超伝導の元となる有機分子、 超高圧力下での単結晶構造解析 高純度単結晶とその結晶構造 成技術と精密物性 測定技術を組み合 わせ、化学と物理 の境界で誰もでき なかった発想で研 究を進めることで、 従来の性能を超え る有機材料や新し い物理現象の探索 を進めています。 産業界へのアピールポイント ● 有機物では例のないダイヤモンドアンビルセルを用いた ものづくり ● 次世代量子デバイスの基盤となりうる高純度単結晶有機材料の開発 10 GPa 級の圧力下単結晶構造解析 ● 銅やガリウムなど多核種を用いた固体核磁気共鳴測定 ● セレン含有有機分子の合成 実用化例・応用事例・活用例 ● 新規超伝導体・トポロジカル材料の開発 ● 量子コンピュータの材料候補 ● 有機物を用いたスピントロニクスデバイス材料の開発 ● 低消費電力デバイス材料の開発 小林 拓矢 (コバヤシ タクヤ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 超高圧力下における有機導体の物性研究 ● 有機導体の超伝導メカニズム解明と新規超伝導体の開発 ● 固体中の電子が示す電荷のガラス状態の解明 ● 量子スピン液体状態の圧力制御 ● 有機導体の核磁気共鳴、ミュオンスピン回転・緩和法など微視的測定 40

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 有機溶媒を使用しないでワンステップでネオジムとジスプロシウムを分離する 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード ネオジム ジスプロシウム 分離 低環境負荷 配位高分子 『 有機溶媒を使用しないでワンステップでネオジムとジスプロシウムを分離する 』 ジスプロシウム(Dy)を含むネオジム(Nd)磁石は、モーター等の省エネルギー化を可能にする 高性能磁石です。今後の国内自給率増加に向けて、使用済み製品などから Nd と Dy をリサイクル する必要性が増す中、磁石中成分をいかに高効率に分離するかが重要です。従来の分離法である 溶媒抽出法では大量の有機溶媒を利用する問題点があります。水のみを溶媒として Nd と Dy を高 効率に相互分離・回収することができれば、低環境負荷という点で従来法より優れた分離法とな り得ます。 本研究では、配位高分子化反応を利用することで、溶媒として水のみを利用して、Nd と Dy を 1 ステップで沈殿分離できることを見出しました。これまでは無機塩生成が利用されてきた沈殿分 離に、有機配位子を用いる配位高分子生成をはじめて取り入れることにより、Nd と Dy の分離効 率を向上できることを実証した研究です。 有機配位子濃度に対する Nd3+ と Dy3+ の沈殿率の変化 1 段階の操作で Dy3+ のみが沈殿 産業界へのアピールポイント ● 特許取得済み( 「配位高分子化を利用するレアメタルの水系分別沈殿法」特許第 6411199 号) ● 新規有機配位子の設計と合成が可能なら、さらなる分離効率化が可能 実用化例・応用事例・活用例 ● 有機溶媒を使用しないレアアース相互分離 グリーン 半田 友衣子(ハンダ ユイコ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 配位高分子の結晶構造変化を利用するレアアース分離法の開発 ● 核酸(DNA, RNA)を用いる配位高分子の合成と機能性開拓 ● 氷表面への物質吸着機構の解明 100

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 種々の新しい機能を持つ物質の開発とその分析、評価 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 金属 金属錯体 結晶構造 分子構造 機能性物質 色変化 機器分析 『 種々の新しい機能を持つ物質の開発とその分析、評価 』 金属イオンを中心に、様々な構造を持つ有機化合物、あるいは無機化合物が結合してできた化合 物は一般的に「金属錯体」と呼ばれている(高校の教科書では錯イオン)。錯体は金属イオンを取 り巻く構造(何が結合して、どういった形をしているか)やその電子の状態でその性質が決まる。 同じ金属イオンでもその環境で色や性質が全く違うものが得られる。特に、色の違いは鮮やかで 非常に興味を引かれる現象である。しかも色が綺麗なだけで無く、非常に機能性の高い化合物で あり、工業製品のみならず、天然物の中にも多く存在している。求める性質が発現するような化 合物をデザインし、狙い通りの化合物を合成する手法の開発も楽しいが、時には思いがけない新 しい性質が得られるところに興味を感じて研究を行っている。これらの研究を通して様々な用途 に対応可能な種々の分析技術の向上も行っている。 結晶状態の違いで発光色が変わる化合物 金属錯体触媒 産業界へのアピールポイント ● 金属イオンが関連した分野 ● 色変化(発光色、光吸収)を元にした分野 ● 物質の結晶および分子構造の解明 ものづくり ● 国内大手有名企業・自治体などとの共同研究・受託研究実績有り ● 各種分析機器を用いた技術相談(国内大手有名企業、自治体等)実績有り 実用化例・応用事例・活用例 ● 金属錯体を用いた位置選択性触媒開発(特許) ● 有機色素を用いた金属イオンの濃度測定キット(特許) ● 光電変換素子となる金属錯体の新規合成法開発(特許) ● はちみつおよびその製造方法(特許) 藤原 隆司(フジハラ タカシ) 准教授 研究機構 科学分析支援センター 【最近の研究テーマ】 ● 結晶の多形現象 ● 各種機器分析による製品などの状態分析 ● 水質浄化・分析 70

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 様々な方法を駆使して機能性無機材料のバルク単結晶を育成! 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 無機材料 バルク単結晶 結晶工学 チョクラルスキー法 ブリッジマン法 浮遊帯溶融法 フラックス法 光学材料 『 様々な方法を駆使して機能性無機材料のバルク単結晶を育成! 』 ある物質において、原子が 3 次元に規則正しく周期的に並んでいる状態を結晶、周期性のない化 合物を非晶質(アモルファス、ガラスなど)と呼びます。また、物質は人間のために使われて初 めて「材料」と呼ばれます。われわれの研究グループでは酸化物やハロゲン化物(特にヨウ化物) の機能性無機材料を対象として、原子の周期的な並びがミリメートル〜センチメートルにわたっ て整っている「バルク単結晶」に関する研究を行っています。 主に、電気的および光学的な機能を有する無 垂直ブリッジマン法によって 機材料のバルク単結晶育成、および結晶構造 高周波誘導型チョクラル スキー炉の概略図 育成した赤色発光ヨウ化物結晶 解析・物性・特性評価に取り組んでいます。 バルク単結晶を用いることで、結晶構造を反 映した特殊な機能を発現させる、あるいは単 結晶ならではの物性を評価することが可能で す。結晶育成法のラインナップもバラエティ に富んでおり、物質の化学的性質・融点・サ イズによって適切な育成法を選択できます (チョクラルスキー炉× 2、垂直ブリッジマ ン炉× 2、浮遊帯溶融法× 1、抵抗加熱マイ クロ引き下げ炉× 1、フラックス徐冷法) 。 産業界へのアピールポイント ● さまざまな結晶育成法を比較して試験できます。 ● 結晶構造解析・各種特性評価を通して最適な結晶を探索しています。 ● シンチレータ(放射線センサー用材料)の研究を通して、放射線・原子力分野との連携も行って います。 実用化例・応用事例・活用例 ● 福島第一原子力発電所モニタリング用の赤色発光シンチレータの開発 ● 中性子検出用シリケート酸化物単結晶のフラックス育成 ● 安価・簡便な原料粉末前処理技術の確立 小玉 翔平 (コダマ ショウヘイ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 近赤外発光酸化物シンチレータの開発 ● 高発光量な酸化物中性子シンチレータの材料探索 ● チョクラルスキー法による超高融点酸化物の結晶育成 ● 実在の宝石をベースにした光学異方性結晶の開発 44 ものづくり ● 機械特性、電気特性、光学特性を評価できるセットアップが整っています。

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 レーザーを使って物質や材料の表面のユニークな観察と分析ができる 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 表面 界面 レーザー 分光 非線形光学 和周波発生 『 レーザーを使って物質や材料の表面のユニークな観察と分析ができる 』 液体には多種多様な分析手段を適用することができる が、それらの手段で分析するのはバルクの液体である。 バルクとは、表面にある分子を除く全ての分子を意味す る。例えば半径 1 ミリメートルの水滴では、99.9997% はバルクの水分子である。大部分はバルクなので、 普 通に 測定すればそれは自動的にバルクを測定したこと になる。バルク以外、つまり液体の表面を分光分析する ためには、ほんのごく少数である表面の分子だけを感度 良く捉える 普通でない 測定方法が必要となる。液体 の表面は、バルクと異なる独特な性質を有していて、地 球環境を左右する大気化学反応や医療・製薬において重 要な生化学反応が起きる特別な反応場となっている。私 は、バルクの紫外可視吸収や赤外吸収と同様の高い信頼 性をもつ分光分析を液体表面に対して可能にすることを 目的として、2004 年から液体表面の分光分析の方法の 開発に取り組んでいる。 水滴の表面とバルクの概念図 未来の時計型分光分析装置 産業界へのアピールポイント ● 液体や固体の表面・界面のユニークな分光分析 ● ヘテロダイン検出和周波発生分光の世界で最も優れた 方法を独自開発 実用化例・応用事例・活用例 ● 界面活性剤水溶液のミクロな描像の確立 ● プラズマ処理した表面の機能の由来の研究 山口 祥一 (ヤマグチ ショウイチ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 水の表面の構造 ● 氷の表面の構造 ● 水の高圧相の構造 106

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 働く宝石を創る! 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 単結晶 セラミックス 圧電材料 リチウムイオン電池 サーミスタ 『 働く宝石を創る! 』 ダイヤモンド、エメラルド、ルビー、サファイア...美しい宝 石は太古より人々を魅了しております。これらは宝飾用だけで はなく、ダイヤモンドは研磨や切削、ルビーはレーザー、サファ イアは青色 LED の基板、と工業的にも活用されています。こ のような人のために役に立つ結晶(働く宝石)を創ることを目 的に日々研究しております。この一例として高温用圧電結晶が あり、これは地熱・火力発電所施設の非破壊検査による安全管 理、化学プラントでのダストモニタによる環境配慮、自動車・ 船舶のエンジン燃焼圧モニタリングによる燃焼効率アップに利 用できます。現在、新規材料としてメリライト型結晶を見いだ し、大型化に取り組む一方、高温での特性を評価し、センサの 構造設計・試作を行っております。このテーマの他、リチウム イオン電池の全固体化を可能とする固体電解質結晶の合成や 6G 通信に向けたマイクロ波誘電体の創成にも取り組んでおり ます。 合成した機能性単結晶 産業界へのアピールポイント ● チョクラルスキー法、ブリッジマン法、水熱合成法、フローティングゾーン法等の各種育成法の 装置の所有 ● 上記結晶育成法のノウハウ蓄積による所望化合物の単結晶化へのアドバイス ● 新規機能性セラミックス材料創製へのアイディア創出 ものづくり 実用化例・応用事例・活用例 ● 燃焼圧センサ用ランガサイト型圧電結晶の合成(Appl. Phys. Lett. 79, 4201‒4203, 2001, Cryst. Res. Tech. 50, 944‒949, 2015) ● 高 温 セ ン サ 用 メ リ ラ イ ト 型 圧 電 結 晶 の 合 成( 特 許 7518827, 特 開 2014-011327,Appl. Phys. Lett. 102, 242907, 2013) ● ヒータ用非鉛 PTC サーミスタの創成(特開 2007-001821,Appl. Phys. Lett. 87, 102104 2005, ibid. 91, 162904, 2007) (2005).) 武田 博明 (タケダ ヒロアキ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 高温圧電センサ用単結晶材料の開発 ● 6G 通信に向けたマイクロ波誘電体材料の開発 ● リチウムイオン電池関連材料の単結晶化と物性評価 ● リチウムイオン導電体−絶縁体コンポジットの合成 ● 超低抵抗 43 PTC サーミスタの開発

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 界面活性剤を用いた泡の化学 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 泡沫分離 界面活性剤 汚染水浄化 セシウム除去 脱細胞化 カラーシャボン玉 『 界面活性剤を用いた泡の化学 』 界面活性剤を含む水溶液に気泡を発生させると、界面活性剤を含む気泡の表面に金属や有機物を 吸着させることができる。気−液界面に浮上した気泡は泡沫となり、その泡沫は水溶液から吸着 した物質のキャリアとして働くことができる。この泡沫を利用すると、水に溶解した物質を除去 することができる。一方で、この泡沫が球形に大きく膨らんだものがシャボン玉である。このシャ ボン玉の薄膜は数百 nm と薄いため、重力下では色素粒子や分子を吸着しにくい特徴がある。この シャボン玉に色をつけることができれば、美しいカラーシャボン玉を作ることができる。シャボ ン玉に色を付ける研究にも取り組んでいる。 ま た、 界 面 活 性 剤 の 泡沫分離 カラーシャボン玉 新しい機能や性特性 を研究から見つけ出 すことに取り組んで い る。 界 面 活 性 剤 水 溶液を用いて臓器の 洗浄を行い再生医療 のために脱細胞臓器 を作成する研究等も 行っている。 産業界へのアピールポイント ● 泡沫分離技術による溶解物質の除去。 ● カラーシャボン玉を用いた教材。 ● 臓器の脱細胞化による再生医療の基盤材料。 実用化例・応用事例・活用例 ● 放射性金属化合物の汚染水からの除去 ● 有害金属の汚染水からの除去 ● 有機化合物の汚染水からの除去 グリーン ● 臓器の再生 松岡 圭介(マツオカ ケイスケ) 准教授 教育学部 【最近の研究テーマ】 ● 生体界面活性剤の会合体形成と可溶化 ● フラーレンの可溶化 ● 機能性界面活性剤の開発と物性 ● カラーシャボン玉 ● 臓器の脱細胞化のための泡沫分離の適用 104

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 元素を操り、電子材料、電池、触媒を開発します! 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 非局在電子系 電子材料 電気伝導度 単分子エレクトロニクス 多価イオン化合物 遷移金属触媒 『 元素を操り、電子材料、電池、触媒を開発します! 』 新しい電子材料となるのは常に新しい構造である。これを形づくるのは新しい電子系である。特 に電子が居場所を変えることを可能にする非局在電子系は新しい物性科学の伴となる。このよう な観点から、ベンゼンの発見以来 200 年近くも研究されている、電子がある特別な条件下で非局 在化して発現する「芳香族性」に着目し、これまでに炭素と高周期元素のスズまたは鉛の組み合 わせでも芳香族性が発現することを世界で初めて明らかにした。重原子を利用してベンゼンとは 異なる芳香族性を生み出すことにも成功した。これらは教科書を書き換える基礎学術であり、新 しい物性科学を生み出す芽となる。また、重原子の大きさを活かし、結合を有さずとも相互作用 して電気を流すという、これまでに知られていなかった電気伝導パスを発見した。これを活かと、 電気を流しにくい非平面構造をもつ分子でも高い電気伝導度を示した。これは単分子エレクトロニ クスに新学理をもたらす基礎研究として重要である。高活性な遷移金属触媒の開発も行っている。 (a)スズや鉛を骨格に含む世界初の芳香族化合物(置換基を省 (a)従来研究されていた電気伝導パス。 (b)我々が 略)。多価アニオン等価体なので、電池材料になる。高活性な触 開発した新しい電気伝導パス。 (c)これを用いると 媒分子の配位子としても機能する。(b)ベンゼンとは異なる新 非平面構造をもつ分子でも高い電気伝導度を示す。 しい芳香族性をもつ化合物。 ● 周期表にあるあらゆる元素を巧みに操り、空気や湿気に不安定な化合物でも合成・単離する技術 をもっている。 ● 新規物性開拓の観点から手詰まりのある領域に対して、新規物質の設計・合成でブレークスルー をもたらすことができる。 ● 様々な重原子化合物の取り扱いやその NMR 分光法等の相談に乗ることができる。 斎藤 雅一 (サイトウ マサイチ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 高反応性化学種を用いた小分子(二酸化炭素、一酸化炭素、水素分子など)の活性化 ● 非結合原子間上に電子スピンが非局在化するラジカル分子の創製 ● 典型元素化学種を用いた窒素分子の活性化。 42 ものづくり 産業界へのアピールポイント

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 電気と触媒のちからで分子のかたちを自在に変える 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 電気化学 触媒 (バイオ)アルコール 再生可能エネルギー 水素 アルデヒド エステル アセタール カーボンニュートラル 『 電気と触媒のちからで分子のかたちを自在に変える 』 分子のかたちを少しだけ調節すると、その機能は劇的に変化します。たとえばエタノールは心地 よい酔いをもたらしますが、エタノールから水素を 2 つ取り除いたアセトアルデヒドは二日酔い の源です。工業的には、アルコールを原料にしてアルデヒド、エステルといった機能性分子が合 成され、私たちの身の回りの品を作るために役立っ 触媒膜とイオン交換膜が一体になったデバイスが ています。これまでは、熱(化石資源を燃やして得る) アルコールを高付加価値分子と水素に転換 と酸化剤(水素を引き抜く試剤)を使ってアルコー ルが転換されてきましたが、化石資源の燃焼は二酸 化炭素の排出につながり、酸化剤は大量の廃棄物を 生んでしまいます。 私たちは、太陽光発電などで生まれる「電力」を駆 動力にした新しいアルコールの変換プロセスを開拓 しています。伴を握るのは、触媒膜とイオン交換膜 です。これらが協働することで、アルコールから高 付加価値な分子を創り出すことができます。この反 応では次世代エネルギーである水素も同時に得られ ます。 産業界へのアピールポイント ● 二酸化炭素を排出しないクリーンな物質転換プロセス ● 再生可能エネルギー由来の電力を使った物質転換プロセス ● コンパクトな電解ユニットを用いるため、どこでも「オンデマンド」で反応可能 ものづくり ● アルコールから選択的にエステル、アルデヒド、アセタールを合成可能 ● 次世代エネルギーである水素も同時に合成できる 実用化例・応用事例・活用例 ● メタノールの電解によりギ酸メチル(化学工業の重要中間体)を製造 ● エタノールの電解によりアセタール(香料などの原料)を製造 ● エタノールの電解によりアセトアルデヒド(酢酸エチルの原料として工業的に大規模合成され る)を製造 荻原 仁志 (オギハラ ヒトシ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● アルコール以外の有機分子の電気化学的な転換 ● 二酸化炭素の電気化学的還元による高付加価値化 ● 二炭化炭素やメタンを高付加価値化するための固体触媒反応の開発 45

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 元素特性を活用した次世代触媒の開発! 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 典型元素化学 有機金属化学 元素特性 精密重合反応 遷移金属フリー触媒 二酸化炭素の化学変換 『 元素特性を活用した次世代触媒の開発! 』 従来には存在しない「新しい化学種」の創成は、新しい結合、構造、反応性といった性質を同時 に解明し、それらが付与する新たな反応性も明らかにすることができます。特に、典型元素と遷 移金属元素を組み合わせた複合化合物は、元素間に特異な「元素特性」を生み出し、高活性触媒 や高反応性化学種の創成を可能とします。そのような「元素特性」の例として、①精密オレフィ ン重合触媒の開発、と②高周期 14 族元素低配位化合物(テトリレン)の合成、に取り組んできま した。①では、従来触媒を凌ぐ高い活性を実現し、立体構造が制御されたポリオレフィンの生成 に成功しました。②では、合成したテトリレン類は、遷移金属に対して独特の配位挙動を示し、さ らに稀少な遷移金 広範囲な基質適応性を示す 属触媒の代替とし 高周期 14 族元素低配位化合物の合成と性質 オレフィン重合触媒 ても利用できるこ とを見出しまし た。現在は、テト リレンを用いた二 酸化炭素の有用化 成品への変換反応 を可能とする触媒 の開発に挑戦して います。 産業界へのアピールポイント ● 周期表全体の多様な元素の取り扱いに精通し、配位子設計から錯体合成、さらには触媒機能の探 ものづくり 索までを一貫して遂行できます。 ● 「元素特性」を活用し、貴金属代替、二酸化炭素の有効活用、PFAS 代替材の開発など、持続可 能な社会の構築に向けた取り組みで貢献できます。 実用化例・応用事例・活用例 ● 立体特異的ポリオレフィンの合成を指向した均一系触媒の開発 ● ジェット燃料や潤滑油の前駆体となるオレフィンダイマーの高効率合成 ● 高周期 14 族元素を含む二重結合化合物の合成と性質の解明 ● 低触媒量のケイ素−白金錯体によるアルケンのヒドロシリル化反応 中田 憲男 (ナカタ ノリオ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 砂から触媒を創る!→地殻に豊富に含まれるケイ素やアルミニウムの低配位化学種を系統 的に合成し、それらの新しい触媒機能を探求しています。 C1 源である二酸化炭素を有効活用し、遷移金 属を使わない革新的な触媒システムの構築を目指しています。 ● 二酸化酸素のイメージを覆す!→無尽蔵の 41

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 地球を丸ごと考え、良い暮らしを目指すために 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 石材 風化 劣化 環境 地球資源 塩害 『 地球を丸ごと考え、良い暮らしを目指すために 』 環境を守り自然と共生しつつ良い暮らしを目指すためには、まず私たちが暮らしている地球のこ とから理解する必要があります。私自身は、幼少時から山、川、森など自然が大好きで、地球の 持つエネルギーや大自然の美しさを知り、地球科学を学びました。現在では、地形学や岩石鉱物 学を基礎としつつ、土木建築や文化財保存などに応用する研究を行っています。 世界には、宗教的利用や権力誇示のために建てられた大型建造物の多くが世界遺産や文化財など に認定・指定されています。今や、土木遺産や地盤遺産という言葉も定着しています。しかし、こ れらの遺産も年月が経つほど風化・劣化が進行し、保存修復する必要が出てきます。その際、ま ずは元々の材料を把握し、同じ材料で、それが無理であれば代わる材料を用いねばなりません。ま た、耐久性の良い材料の開発も必要です。岩石の性質や風化・劣化の状態を様々な手法で分析し、 立地環境との関係も併せて調査研究しています。 人工石材が使われている建造物で見られる塩類風化 (ベルギーの修道院における事例) SEM-EDS(分析電子顕微鏡)による 人工石材の局所化学組成分析の例 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 岩石物性(とくに空伱構造)の違いによる表面保護材(含浸材)の効果も研究中です ● 非破壊検査を重要視しています ● 局所環境測定やモニタリングも得意としています 実用化例・応用事例・活用例 ● 研究成果はレンガやコンクリート、セラミック等にも応用可能です ● わからない白色析出物を特定して、風化・劣化の原因を究明します 小口 千明 (オグチ チアキ) 准教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 地下文化遺産の保存活用 ● 崩壊予備物質(土砂)の生産プロセス 20

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 安価で安全な二酸化炭素吸収材料で大気中二酸化炭素の新規な回収技術を開発します 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 二酸化炭素分離回収 二酸化炭素排出削減 二酸化炭素有効利用 『 安価で安全な二酸化炭素吸収材料で大気中二酸化炭素の新規な回収技術を開発します 』 カーボンニュートラルの実現に向けて、地球温暖化の要因の一つとされる二酸化炭素の回収技術 の研究開発が進められています。化学吸着法は回収技術の一つで、その中心的な従来技術である アミン系化合物による二酸化炭素の化学吸収法は、有機化合物ならではの揮発性、有毒性及び腐 食性等の問題を有しているため用途が限定されていました。当研究室では、これまでにないほど の安価な原料(ナトリウム、鉄、酸素)からなる材料が、幅広い温度域において、大気中や幅広 い濃度の二酸化炭素を混合ガスから分離回収できることを見出しました。現在、二酸化炭素の吸 収速度の向上、再生技術の開発、回収二酸化炭素の有効利用を進めています。 また、ナトリウムフェ ナトリウムフェライトの結晶構造 ナトリウムフェライトの電子顕微鏡写真 ライトよりも大気中の 二酸化炭素の回収に優 れた機能をもつ新規な 無機固体酸化物を見出 すことに成功してお り、二酸化炭素の吸収 材料の用途環境に最適 な新規な材料開発を推 進しています。 産業界へのアピールポイント ● 大気中の二酸化炭素吸収材料の研究開発 ● 広範囲な温度(室温〜 600℃)における優れた二酸化炭素分離回収能力 〜 100%)における優れた二酸化炭素分離回収能力 ● 特開 2016-3156(α - ナトリウムフェライト類の製造方法;出願人 埼玉大学) ● 代表的投稿論文 Journal of CO2 Utilization, 2018, 24, 200-209 ● 広範囲な濃度(0.04% 実用化例・応用事例・活用例 ● (活用例)大気中の二酸化炭素除去によるカーボンニュートラルへの直接的貢献 ● (活用例)微量二酸化炭素除去による気体の高純度化 ● (活用例)無機固体による工場排ガスから二酸化炭素の分離回収 柳瀬 郁夫 (ヤナセ イクオ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● イオン交換現象を利用した二酸化炭素捕獲材料の開発 ● ナトリウムイオン二次電池用セラミックス材料の開発 105

資源・材料 | 埼玉大学 | 『 新しい反応で有機分子を自在につくる! 』

埼玉大学 資源・材料 キーワード 有機合成 ケイ素 ハロゲン 触媒 ラジカル 『 新しい反応で有機分子を自在につくる! 』 有機合成は物質文明を支える科学技術の 1 つで、燃料、オイル、繊維、ゴム、樹脂、医農薬品、 食品添加物など、我々の生活に役立つ様々な製品や材料の製造に利用されています。有機合成に 必要不可欠なものが、ある分子を別の分子に変換する「反応」です。当研究室では、 「有機合成に 役立つ新しい反応の開発」を目標として研究を行っています。反応開発に当たっては、欲しいも のだけを効率よくつくること、入手容易な原料から無駄なく環境に優しくつくることを目指して います。また、研究の独創性や化学的発見を重視し、既存の反応の改良ではなく、これまでにな い新奇な反応の開発を心掛けて 反応開発の意義 います。有機合成では様々な反 応剤や触媒が利用されますが、 当研究室では、ケイ素化合物や ハロゲン化物などの反応性と、 白金やパラジウムなどの触媒作 用に注目しています。新しい発 見を目指し、日々ワクワクしな がら反応開発を行っています。 産業界へのアピールポイント ● 合成中間体として有用な有機ハロゲン化物の合成法の提案と開発 ● 機能性材料の原料となる有機ケイ素化合物の合成法の提案と開発 ● 製薬や機能性分子材料合成のプロセス開発に役立つ精密有機合成法の提案 ものづくり ● 低分子有機化合物の構造解析と反応性の評価 実用化例・応用事例・活用例 ● アルキニルシランの水和二量化によるα、β‒ 不飽和ケトンの合成 ● アルケニルシランを用いる炭素求電子剤のアルケニル化とアリル化 ● 触媒的ヒドロハロゲン化によるハロアルケンの位置及び立体選択的合成 ● ラジカル的ヒドロ臭素化によるブロモアルケンの位置及び立体選択的合成 三浦 勝清 (ミウラ カツキヨ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ● 白金触媒による逆マルコフニコフ型ヒドロハロゲン化反応の開発 ● アルキンと金属触媒を用いる炭素 ‒ 炭素結合生成反応の開発 ● 有機ケイ素反応剤を用いるハロアルケン合成法の開発 ● ラジカル反応を利用するハロゲン化・脱ハロゲン化反応の開発 46

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 溶接現象の可視化およびオンライン制御システムの構築 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード 溶接現象のセンシング・可視化 画像処理 AI 深層学習 制御 抵抗溶接シミュレーション IoT PLC 制御 『 溶接現象の可視化およびオンライン制御システムの構築 』 溶接現象の可視化および高品質溶接に対応するために、視覚センサ(CMOS カメラ)などを用い て溶接現象を撮影し、これを画像処理し、現象を解析することが出来ます。強烈なアーク光によ り可視化が困難な溶接現象を適切な撮影技術を確立することで可視化に成功しました。さらに、 AI 技術(深層学習)を用い、溶接状態を識別し、その制御を行って良好な溶接結果を得ています。 コストを掛けずに導入できるリアルタイム制御技術の構築に取り組んでいます。 また、抵抗溶接では溶接が瞬時に行われるために内部状態の推定が困難です。そこで、有限要素 法(FEM)を用いた数値シミュレーションを行うことで、最適な溶接条件および複雑な溶接現象 の可視化および解析を実現 視覚センサを持つ溶接システム 溶接線の検出例 しています。 溶接現象のオンライン制御 で培った技術を他の分野へ 展開することにも積極的に 取り組んでいますので、溶 接分野に限らずロボット制 御 や IoT、AI に 関 す る 課 題に対応可能です。 産業界へのアピールポイント ● CMOS カメラなどを用いた溶接の可視化技術 ● 制御システム構築 ● 画像処理技術 ● IoT 構築 ものづくり ● 数値シミュレーションによる溶接現象の把握 実用化例・応用事例・活用例 ● 溶接状態可視化による最適溶接制御システムの構築 ● 測定困難な短時間抵抗溶接現象のシミュレーションによる可視化と解析 ● 装置から発生する電磁界の実測及びシミュレーション解析 ● 熟練溶接技術者の技術承継システム ● 測定データのモニタリングシステム(IoT)構築 山根 敏(ヤマネ サトシ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● マグ溶接技能支援システム ● 視覚ロボット溶接システム ● 溶接溶融状態の推定と制御 ● ロボット溶接への深層学習の適用 ● 有限要素法(FEM)を用いたスポット溶接現象の解析 51

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 職人の繊細な力加減を模倣して高度な技能動作を自動化 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード ロボット 力センサ 力制御 機械学習 自動化 『 職人の繊細な力加減を模倣して高度な技能動作を自動化 』 職人技能を要する作業とロボットで自動化できる作業の間には未だ大きな隔たりがあります。我々 の研究室では職人がどんなメカニズムで器用な作業をしているのかを調べるため、技能運動の繊 細な力加減を計測する試みを進めています。 職人技能の運動解析技術とそれを再生する機械学習が統合されれば、研磨や組立ての教示コスト が抜本的に削減可能になり、多品種少量生産へと自動化技術の範囲が拡張される可能性がありま す。その要素技術として(1)0.5g 重から 100kg 重までを計測する HDR6 軸力覚センサ、(2) 道具の力加減を推定する信号処理技術、(3)位置と力の運動データベースから技能運動で再現す べき指令データを自律的に生成する技術を開発しています。 野菜を切る動作の力加減を記録・ 可視化 10μm の間伱の歯車をペグに差し込む精密組立 産業界へのアピールポイント ● 繊細な力加減の必要な作業の自動化が可能になります ● 作業を人がそのまま直接ティーチングすることにより教示時間が短縮されます ● 複数ステップに亘る作業をロボットが自動的に学習するほか、試行を繰り返す間に作業の成功率 を徐々に高めていくことが可能です 情報通信技術 実用化例・応用事例・活用例 ● ハイダイナミックレンジ(HDR)6 軸力覚センサ ● 二重安全化力覚センサ ● 高速精密組立てロボット制御システム ● クリックや接触状態などの特徴量を認識し作業の成功率を高めるロボット 辻 俊明(ツジ トシアキ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 【最近の研究テーマ】 ● リハビリ支援ロボット ● 力に基づくロボットの環境認識 73 電気電子物理領域

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 3次元物体形状の高速・非接触・非破壊な光検査システム 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード 光計測 非接触計測 光ファイバ応用計測 光干渉 OCT(光断層撮像) 超高速光制御 高速レーザー 光周波数コム応用計測 『 3次元物体形状の高速・非接触・非破壊な光検査システム 』 製造業の生産ラインでは、品質と信頼性を維持する ために全ての製品の表面や塗装面の欠陥検出が必須 である。しかし、既存の計測器では検査スピードが 遅い、または振動環境に弱いなどの理由で実用化が 進まない現実がある。これらの課題を克服するため に、本研究室では光を用いることで非接触かつ非破 壊に 3 次元形状測定を高速に行う装置の研究開発を 行っている。例えば 2 次元断層像を 2 次元カメラに リアルタイムで映して空間をスキャンする際に、そ の撮像をマイクロ秒(100 万分の 1 秒)で完了する ことで、高速に移動または振動する物体の微細な表 面形状も手振れなく鮮明に捉えることが可能にな る。これをシングルショット 3 次元奥行断面イメー ジングといい、インライン全数検査への応用が可能 である。さらに、本技術を発展させると、位置・構造・ 層毎にスペクトル情報が得られる。つまり物体を構 成する構造毎に組成や材料解析を行うこともできる。 ンフレームで撮像する奥行断層計測のイメージ 測定例(ずらして積層した複数のゲージブロック) 産業界へのアピールポイント 下記の様なことが可能になります。 ● インライン欠陥検査 ● 振動など動く物体の形状検査 ● 大面積表面形状検査 ● 透明物体の内部構造検査 ● 全数検査 ● 特許出願済みである。 ● キズブツ検査 ● 初期癌検査 ● 塗装膜検査 ● バイオ組織検査 情報通信技術 実用化例・応用事例・活用例 ● 表面形状計測 塩田 達俊 (シオダ タツトシ) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● シングルショット 3 次元形状計測 ● 光断層計測法(OCT)の産業応用 ● 空間光学干渉計の応用計測 ● 光ファイバー応用計測 ● 光周波数コム応用計測 78

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 生物の動きをとらえる音響放射(AE)センシング 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード アコースティック・エミッション (音響放射) 植物 微生物 エレクトレットセンサ 超音波・音響 非破壊評価 『 生物の動きをとらえる音響放射(AE)センシング 』 植物体内で水分が移動する際に、小さな泡が発生して音響放射(アコースティック・エミッション、 以下 AE)が生じます。この微小な AE を検出するセンサの研究を進め、エレクトレットと呼ばれ る帯電した物質を用いて植物の AE を検出できるセンサを開発しました。これは、植物の水分状態 に関する情報をリアルタイムで得られる技術で、トマトのような水やりの管理が重要な作物の栽 培支援技術として実用化を目指しています。さらには開発したセンサは、1 Hz から 300 kHz ま で非常に幅広い周波数をカバーしているため、様々な生物が発する AE を検出できる可能性があり ます。そこで、現在は藻類やミ エレクトレットセンサを用いた 多様な植物の AE センシングによる ツバチなどの生物の AE センシン AE センシング 栽培・培養支援 グにチャレンジしていて、作物 栽培以外でも AE センシングが有 望な生物培養分野を探索してい ます。将来的には、農業に限ら ず様々な分野で生命の音を感じ て多様な生態系と人をつなぐ社 会の実現を目指します! 産業界へのアピールポイント ● エレクトレットセンサを用いれば、植物の茎に取り付けるだけで植物の水分動態を可視化できる (クラウドデータベースでリアルタイムにモニタリング可能) Hz から 300 kHz まで超広帯域周波数で生体や水中の音 響・超音波を検出できる ● エレクトレットセンサに適した測定デバイスとクラウドデータベースまで独自に開発している。 ● エレクトレットセンサを用いれば、1 実用化例・応用事例・活用例 ● エレクトレットセンサを用いた植物の AE センシングシステムの開発 ● ハウス栽培トマトにおける グリーン AE センシングを用いた栽培支援 ● マルドリ方式ミカンにおける AE センシング ● 植物工場における葉物野菜の AE センシング ● 藻類の AE センシングによる培養モニタリング 蔭山 健介 (カゲヤマ ケンスケ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● エレクトレットを用いた低コストで高性能な音響センサの開発 ● 藻類の光合成由来の AE センシングによるバイオマス生産支援技術の開発 AE センシングによる養蜂支援技術の開発 ● AE センシングを用いた生態系モニタリング技術の開発 ● バイタルサインの取得を目的とした体動音センサの開発 ● ミツバチの 102

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 構造物・建物の新しい健全度評価‒ ひずみテンソルの測定 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード ひずみテンソル 構造物 トンネル 岩盤 コンクリート 『 構造物・建物の新しい健全度評価‒ ひずみテンソルの測定 』 日本はプレート境界に位置するため、世界的に見て地震の発生頻度が非常に高く、それに伴って 建造物の被害が非常に多いです。地震が起こると「揺れ」を感じると思います。地震は波なので 地盤が揺れて繰返す動きをします。この時、建物や高架などの構造物は複雑な動きを繰返し受け ることになりますが、建造物の内部の変形を詳細に把握することは極めて難しいです。 私たちの研究グループでは、自然由来の堆積構造をもつ岩盤の変形を詳細に調べるために小さな 円柱状の岩石の詳細な変形(ひず ひずみテンソルの測定法 みテンソル)を捉える技術を開発 し、確度を高めてきました。この 方法は、如何なる形状であっても、 適用箇所を工夫すれば、建造物に も応用できます。 今後は建物やコンクリート構造物 を対象として、地震時などの複雑 な変形を呈する場合の健全度評価 に役立てていきたいと考えます。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● コンクリート構造物をコア抜きする場合に、円柱供試体にひずみゲージを設置して埋め戻すこと で、部材の局所的なひずみテンソルが測定できます。 主ひずみの値と方向が特定できます。 ● 地震時における主ひずみ方向の回転が正確に測定できます。 ● 残留ひずみも特定できます。 ● ひずみテンソルの測定により、3 実用化例・応用事例・活用例 ● コンクリート構造物の部材 ● トンネル ● 岩盤構造物 富樫 陽太 (トガシ ヨウタ) 准教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 切羽安定性 ● 岩盤の変形異方性 ● トンネル周りの不飽和浸透特性 ● 線路下横断構造物 21

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 人と調和する移動ロボット・対話システムを創る 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード コンピュータビジョン 移動ロボット 人物行動計測 インタラクティブシステム 『 人と調和する移動ロボット・対話システムを創る 』 前から歩いて来た人を左右のどちらに避けようか迷ったことはありませんか?これから身近にな る自動走行ロボットも、周囲の人の動きと調和して安全に移動できることが求められます。私た ちは、カメラや LiDAR などのセンサを使って人の動きを計測する技術と、自律移動するロボット 技術を統合して、同伴者と一緒に移動できるロボット車いすや、声で指示をしたり、荷物を入れ たいときにそばに来てくれたりするロボット買い物カートなど、人と協調するロボットの開発を しています。 また、ロボットや情報デバイスを用 ロボット買い物カート インタラクティブペンライト いた人と人のコミュニケーションの 支援についても取り組んでおり、例 えば、コンサートで使うペンライト を IoT 化して自宅にいてもライブ会 場に居るかのように盛り上がりを感 じることができるシステムなどを作 成しています。 これらのシステムのデザインには、 人と人、人とシステムの関係を考え る社会学の知見を活かしています。 産業界へのアピールポイント ● カメラや LiDAR で人の行動を計測する技術を保有している。 ● 障害物を避けながら目的地まで自動走行する移動ロボット技術を保有している。 ● 人と一緒に活動するロボットは、どう振舞うべきかのノウハウを保有している。 ● 移動ロボットやインタラクティブシステムに関する特許を複数保有している。 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● 同伴者と協調移動するロボット車いす ● 誘導と追従を自動化したロボット買い物カート ● 美術館や博物館などでの来場者の動線計測 ● 歩行者の属性(身長や年齢)やグループの識別 ● 呼吸や心拍数などの生体情報の計測 小林 貴訓 (コバヤシ ヨシノリ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● スマートフォンを援用した歩行者の追跡と行動計測 ● 全方位テレビ電話と連携した移動ロボットシステム ● 演者と観客をつなぐインタラクティブペンライト ● 感情を表現するロボットを用いたコミュニケーション支援 ● 協働体験に基づいて過去の体験や 81 VR での体験を増強する対話ロボット

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 人と付き合いやすい社会的なロボット・AI を作る 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード ロボット AI コミュニケーション 『 人と付き合いやすい社会的なロボット・AI を作る 』 ロボット・AI の社会進出が目覚ましい近況でも、ロボットや AI を取り扱いにくいと感じ、導入を 見送る状況は多く見られます。特に、ChatGPT に代表される高性能 AI は単なる文章生成にとど まらず、画像に映る物体を自動認識できるような高度な機能を示す反面、出力の安全性・信頼感 に疑問を持たれることが多くあります。 私は、ユーザである人間に対し、ロボットや AI が自身のできること・できないことを感覚のレ ベルで分かりやすく伝える機能を実現し、「真に 使いやすい」ロボット・AI の実現を目指してい ます。工学の力により社会的で利用可能なロボッ ト・AI を社会実装レベルで開発し、社会学の知 見も用いてユーザに対する影響を調査する研究 を行っています。また、ユーザの行動意図や感情、 人通りの多い領域のようなユーザ・周辺環境の 文脈情報も必要になるため、カメラ映像やレー ザ距離計(LiDAR)、温度センサなどの様々なセ ンサのデータから、目に見えにくい人や環境の 状態を推定する研究も同時に行っています。 産業界へのアピールポイント ● カメラや LiDAR で環境および人の行動を計測する技術を保有している。 ● AI(深層学習モデル)の構築技術を保有している。 ● AI ● AI がユーザとコミュニケーションするためのロボット・VR 技術を保有している。 の実応用における問題解決に関するノウハウを保有している。 実用化例・応用事例・活用例 による足元計測のみからの全身骨格推定 ● 環境計測と AI 認識技術に基づくインテリア構成要素のリアルタイム可視化および物理シミュ レーション ● 同伴者との陣形を維持して移動する複数ロボット制御 鈴木 亮太 (スズキ リョウタ) 助教 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 情報領域 【最近の研究テーマ】 ● AI・VR 技術に基づく 360 度視野拡張システムの開発および遠隔作業の効率化 ● 会話履歴に多様なセンサを組み合わせたユーザの感情推定に基づくロボットの応対 82 情報通信技術 ● 2D-LiDAR

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 糸を操り移動するクモを模倣したインフラ点検ロボット 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード 6 脚ロボット ワイヤ牽引 自重補償 不整地歩行 SLAM 『 糸を操り移動するクモを模倣したインフラ点検ロボット 』 山岳地での崖崩れを予防するための岩壁の安全度調査や、都市部でのビル等の老朽化を検査する ためのインフラ点検では、作業員がロープで直接現場にアクセスし作業を行います。これらの作 業は危険であり、専門作業員を育成するコストも大きな問題となっています。 私達の研究グループでは、生物規範型ロボットという、自然界の生物の優れた機能や構造をロボッ トの開発に取り入れ、性能の向上を図るロボットの研究に取り組んでいます。 現在は、クモの移動様式を参考にして、6 脚歩行ロボットとワイヤ牽引でロボットの自重を補償す る移動支援装置を組み合わせ、凹凸のある急斜面を自在に移動できるロボットシステムを開発し ています。クモは小さな生 開発した 6 脚歩行ロボットの実験機 物ですが、非常に長い脚と ワイヤによる移動支援装置を用いた 6 脚 歩行ロボットの調査作業のコンセプト (脚長:1.4m、重量:65kgf) 自ら生成した糸を使って自 分の何倍もある岩や木を上 り下りできる卓越した移動 能力を有しているからです。 作業員の代わりに危険な作 業を行う革新的なロボット システムです。 産業界へのアピールポイント ● 化学繊維ワイヤネットワークにより多関節を協調して駆動する強力な駆動系設計法 ● 三次元不整地を自在に歩行するための歩行パターン生成手法 ● 歩行ロボットに特化した環境認識システム ものづくり ● 重力の影響を無効化し水平面と同様に急斜面を移動できる自重補償システム ● 人に代わり危険な場所で作業を行うフィールドロボットシステム 実用化例・応用事例・活用例 ● 山岳地での崖崩れや地滑り予防のための安全度調査など土木分野への応用 ● 都市部でのビルや橋梁の老朽化調査など社会インフラ分野への応用 ● 配管やタンクなどの点検や改修などプラントメンテナンス分野への応用 ● 汎用性の高い環境認識システムによる歩行ロボットの移動性能向上 ● 自重補償システムを活用したアトラクション 程島 竜一 (ホドシマ リュウイチ) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 扁形生物のヒラムシを規範としたヒラムシ型メッシュロボット ● 作業移動を目的とするトカゲを規範としたトカゲ型 4 脚歩行ロボット ● トビヘビの滑空運動を模倣した滑空ヘビ型ロボット ● 折紙の変形機構とスリンキー玩具の移動様式を核としたスリンキー型移動ロボット ● 並走車両間のテザー懸垂移動装置による屋外広域作業システム 63

環境 | 埼玉大学 | 『 より良い公共交通システムの実現を目指して 』

埼玉大学 環境 キーワード 公共交通 ネットワークデザイン 施設配置計画 最適化 『 より良い公共交通システムの実現を目指して 』 モータリゼーションの進展に加え、オンラインサービスの普及、人口減少、さらには人件費高騰 により日本の公共交通は厳しい経営状況にあります。一方で高齢化などを踏まえれば地域インフ ラとしての重要性はむしろ高まりつつあります。その中で私は地域にとってより良い公共交通の 姿を明らかにすべく、公共交通網や運賃の設定のあり方を研究しています。その際、単に利便性 が高いというだけでなく、公共交通の運行コストを利用者や地域がどのように負担すべきかも合 わせて検討すべきだと考えています。数理計画法に基づいて最適化モデルをつくり、理論解析や 数値解析を行うことで、地域公共交通を持続可能にするために必要な戦略の解明を行っています。 公共交通は激変期を迎えており、地域住民や自治体、交通事業者は存廃を含む様々な難しい選択 を迫られています。その際、本研究で解明する最適戦略が適切な選択を導く一助になることを期 待しています。 最適な路線バス網の計算例 最適化モデルのイメージ 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 公共交通網と運賃を数理的に同時最適化している点が特長です。 ● そのほか、最近は機械学習等の活用も模索しています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 地域公共交通計画の検討の際などに活用されることを目指しています。 須ヶ間 淳 (スガマ アツシ) 助教 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 公共交通のネットワーク・運賃・運行頻度等に着目した最適化 ● 公共交通と各種施設配置の同時最適化 ● 空飛ぶクルマの普及が国土構造に与える影響 ● 都市の最適更新戦略 ● 機械学習を用いた都市構造の把握 9

計測・制御 | 埼玉大学 | 『 電子嗅覚がもたらす生活の中の新しいセキュリティ 』

埼玉大学 計測・制御 キーワード 電気化学センサ 二次元化学画像センサ マイクロアレイ 電子嗅覚 分子認識 『 電子嗅覚がもたらす生活の中の新しいセキュリティ 』 新型コロナで匂いや味が分からなくなるという話をよく聞きますが、普段、意識することの少な い嗅覚でも、飲食のみならず極めて多様な身の回りの情報を得ていると言えます。例えば、見え ない場所の火災や機器の故障などを最初に知覚するのが匂いであったりします。さらに嗅覚の鋭 いイヌは空港や警察で探知犬として活躍しており、病気の人の呼気に含まれる匂いで病気の診断 を行う研究も行われています。 イヌに匹敵する嗅覚を日常生活で使える技術として実現するのは大変ですが、私たちは新しい二 次元電気化学センサを開発し、極めて多数のセンサ同時に利用するシステムを構築ました。普通 のセンサは匂いを捕まえ 二次元電気化学センサで観測した画像 二次元電気化学センサの概要 る能力を上げることで高 感度化しますが、私たち はセンサが匂いを捕まえ ても手放すことで、多数 あるすぐ次のセンサが捕 まえて信号を出すことを 繰り返すという新しい観 点から高感度な電子嗅覚 の実現を目指しています。 産業界へのアピールポイント ● 舌や鼻のように多数のセンサを組み合わせて分子を検出する仕組みは、二次元電気化学センサの ものづくり 機能によるものです。従来の電圧測定に代わり、電流測定になったことで応用範囲が広くなっ た世界初の技術です。 ● また、マイクロアレイシステムとの相性が良く、創薬系のスクリーニングシステムを構築するの にも適した測定技術になっています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 化学イメージセンシングによる過渡現象の可視化 ● 創薬スクリーニングのための新型マイクロアレイシステム 内田 秀和 (ウチダ ヒデカズ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● 呼気測定による疾病診断のための高感度な酵素センサ ● 初期火災検知のための信頼性の高いガスセンサ ● 新しい技術を用いた化学画像センサ(Light ● イヌに匹敵する高感度な匂い識別センサ 49 Addressable Amperometric Sensor)

環境 | 埼玉大学 | 『 熱帯植物栽培による CO2 吸収 - 固定化の促進 』

埼玉大学 環境 キーワード モリンガ バイオ炭 土壌改良 水質浄化 アグロエコロジー 脱炭素促進 『 熱帯植物栽培による CO2 吸収 - 固定化の促進 』 アジア・アフリカで生育する熱帯植物のモリンガは、多くの栄養素を多量に含むことから健康お よび美容促進として近年大変注目されています。成長の速さは目を見張るものがあり、見沼田圃 で栽培した 1600 本のモリンガ圃場にて、発芽後 4 か月で少なくとも 5 トンの CO2 を吸収しまし た。モリンガは多年木ですが日本では越冬できないため栽培は普及しませんでしたが大量に生産 される葉と種が収穫物であり、収穫後のバイオマスを炭化することで多量の CO2 を固定出来ます。 研究室では炭素収支の厳密な定量評価を行っています。またモリンガの種は天然凝集剤として水 浄化材として利用できます。このように様々な商品化が展開されるモリンガは経済的価値のみな らず企業の CSR 活動として 見沼耕作地のモリンガ栽培 葉の収穫後に大量に生産される 利用しやすく、増加する耕 (高さ 4m 以上、播種後 4 か月) モリンガ幹チップ 作放棄地問題の解決に貢献 します。モリンガは土壌水 分が適正であれば人工肥料 や農薬不要であるため、ア グロエコロジーの視点から 様々な研究を行っています。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 本活動は、埼玉大学産官学連携協議会に置かれる「埼玉グリーンインフラ SDGs 研究会(代表: 藤野毅)」活動としてさいたま市の合同会社と実施し、2024 年 2 月に「見沼田圃グリーンカー ボン事業」として同市と 5 年間の協定を結んで公有地でも実施しています。収穫物はサプリメ ントやモリンガパスタとして販売・提供される他、様々な企業・団体が参画しています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 基礎から応用まで水質・土壌質の分析をサポート(例:事件解決に貢献し川越署より感謝状授 与、2021、RT-PCR 法による食品加工工場排水の細菌量検査、2023) 。 地球環境における科学技術の応用と融合プログラム長(博士前期課程) として産業界とともに 未来社会のビジョンを描きます(2022- 現在) 。 ● 民間企業との共同研究が NEDO 技術革新事業に展開(バイオマス 2 段ガス化設備の自動制御に よる高品質水性ガスの高効率生成と長期安定供給、2015) 。 ● 藤野 毅(フジノ タケシ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 電解処理によるアオコ群衆の凝集・浮揚処理システムの開発 ● 重金属蛍光プローブを用いた水生生物汚染評価 ● ニューラルネットワークを活用した夏季の熱中症搬送者数の予測 ● 田島ヶ原サクラソウや宝蔵寺沼ムジナモ自生地の環境管理 5

環境 | 埼玉大学 | 『 静穏な居住環境の創出に向けて 』

埼玉大学 環境 キーワード 環境振動 居住性能 振動感覚 振動予測 振動対策 『 静穏な居住環境の創出に向けて 』 住まいや仕事・学習の場となる建物は、地震や台風などの自然災害に対する安全性や、長期間に わたる使用に対する耐久性など、その建物に求められるさまざまな性能を満たすように設計され 建設されています。建物内に快適で健康的な居住環境を創り出すこともそのような要求性能の一 つです。安全性や耐久性と違って建物の性能が日常生活に直結しますので、居住環境は皆さんの 想像以上に重要な性能です。 我々の研究室では、居住環境に関わる要素である環境振動について様々な研究を行っています。例 えば、どの程度の大きさのどのような特徴を持った振動が居住環境において問題となり得るのか、 実際の建物内での種々の振動を振動試験機により再現した実験を行って調査しています。また、環 境振動は騒音と同時に生じる場合も少なくありませんので、環境振動と騒音が居住者に与える複 合的な影響について、それらを同時に発生させる実験を行って検討しています。 振動実験の様子 環境振動に関する研究 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 参加者の安全に配慮して設計、製作された振動試験機による実験 ● 環境振動が与える居住者への影響の適切な評価 ● 人の振動感覚への影響を考慮した効果的な振動対策 実用化例・応用事例・活用例 ● 環境振動評価法、評価基準 ● 環境振動対策による効果の評価 松本 泰尚 (マツモト ヤスナオ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 環境振動の対策 ● 橋梁振動の予測・対策 ● 橋梁の構造ヘルスモニタリング 18

環境 | 埼玉大学 | 『 大気を知り、大気を制御するための化学と技術 』

埼玉大学 環境 キーワード 大気汚染 PM2.5 超微小粒子 超音波 真空紫外線 反応活性種 空気浄化 『 大気を知り、大気を制御するための化学と技術 』 光化学スモッグや PM2.5 は、大変身近な大気環境問題です。これらガス/粒子状の汚染物質は直 接放出されることもありますが、多くは大気中での光化学反応により生成します。たとえば粒子 状汚染物質であれば、どのような成分がどのような粒 径に存在しているかを知ることは、汚染の発生を制御 する上で大変重要な情報となります。その一方で、こ れら汚染物質はさらなる光化学反応を用いることで、 完全に分解、無害化することも可能です。 そこで、大きく分けて二つの分野で研究開発に取り組 んでいます。一つは、粒子状汚染物質の屋内外におけ る大気挙動調査であり、粒径別分級捕集手法の開発や 研究の概要 粒子中化学成分の評価、さらには、室内チャンバーに よる反応モデル実験などを行っています。もう一つは、 真空紫外線、光触媒、超音波などの反応活性種を効果 的に生み出せる要素技術の複合化と反応場の有効利用 に関する研究であり、ガス/粒子状汚染物質の高効率 分解が可能な空気浄化手法に挑戦しています。 周波数による超音波の効果 ● 屋内外問わず粒子状汚染物質に関する必要な情報を提供します。また、粒径別分級捕集や成分分 析など、粒子状汚染物質の実測もサポートします。 ● 真空紫外線、光触媒、超音波などの空気浄化手法への応用や分解生成物の効果的な制御手法など、 ガス/粒子状汚染物質の処理に関して技術的な提案やサポートが可能です。 ● 有害物質や排ガスに対する処理装置に関して、複数の特許を出願しています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 屋内外における粒子状汚染物質の挙動を成分分析により評価 ● 微小、超微小粒子の汚染状況を実測により調査 ● 真空紫外線、光触媒、超音波を用いた反応活性種の安定発生と環境応用 ● 揮発性有機化合物(VOC)ガスや悪臭成分を光や反応活性種により分解無害化 ● 水と反応活性種を用いた人と環境に優しい空気浄化手法を開発 関口 和彦 (セキグチ カズヒコ) 教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 屋内環境条件での二次粒子生成速度に関する反応モデル実験 ● 東南アジア地域における粒子状汚染物質の粒径別観測と実態解明 ● ミストの気液界面反応を利用した気相汚染物質の分解処理技術 ● ファインバブルの気液界面反応を利用した水中汚染物質の分解処理技術 ● 超音波を用いた二酸化炭素還元と燃料化に関する研究 2 社会基盤 産業界へのアピールポイント

環境 | 埼玉大学 | 『 環境リスクってなに?循環型社会形成で生活を豊かに! 』

埼玉大学 環境 キーワード 環境リスク 土壌 重金属類 揮発性有機化合物 機械学習 産業副産物 汚染問題 『 環境リスクってなに?循環型社会形成で生活を豊かに! 』 重金属類の多くは、私たちの生活に欠かせない資源であると同時に毒性を持つ物質です。例えば、 水銀は、合金の製造用いられる液体金属です。水銀は、常温常圧で液体や気体になり容易に人が 摂取する可能性があります。特に、毒性の強いメチル水銀は、生体濃縮を受け高濃度で環境中に 存在します。「環境リスク」は、工業・農業的に必要な資源の有効活用とそれに伴う人の健康影響 や環境への影響を双方から評価する学問です。環境リスクを無視した社会発展は、環境汚染が発 生し公害が発生します。残念ながら、現在でも開発途上国の一部では、重金属類の汚染による環 境問題が恒常的に生じています。私 機械学習による重金属類の 産業副産物を用いた の研究では、 「環境リスク」をキー 吸着プロセスの解明 大気中 CO2 除去技術 ワードに最新の技術を用いた分析、 数理統計の機械学習による将来予 測、X 線 CT よる地盤環境の 3D 可 視化技術を用いて、工業的に発生す る産業副産物の有効利用の検討や新 規物質の地盤環境中での移動特性を 評価しています。 産業界へのアピールポイント 社会基盤 ● 地盤環境の物質移動プロセスの基礎から応用までが研究領域 ● 日本国内外の研究調査実績(土壌・地下水調査、津波堆積物調査、廃棄物調査) →環境リスクを背景に地盤工学・農業土木の環境問題に取り組むことが可能。 →産業副産物の新たな利用方法の提案が可能。 →機械学習の数学的要素を取り入れたデータの可視化による新たなアプローチの提案。 実用化例・応用事例・活用例 ● 産業副産物を用いた大気中 CO2 除去技術の確立(Yoshioka et al, 2022., Frontiers in Environmental Science) ● 機会学習を用いた土壌中重金属類の吸着プロセスの推定(Nakamura et al, 2017, CHEMOSPHERE) ● 歴史津波堆積物の判定・判別システムの構築(地学雑誌,2022) ● 新規物質の環境リスク評価手法の確立(環境省研究総合推進費 2016 〜 2019,2019 〜 2022) ● 開発途上国の産業副産物の環境リスク評価手法(SATREPS) 中村 謙吾 (ナカムラ ケンゴ) 助教 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 鉄鋼スラグの加速風化による土壌通気特性及ぼす大気中 CO2 除去効果への影響 ● 石炭灰による泥土の土壌改良による透水性・水質の変化 ● ラテライト・熱処理ラテライトの pH の影響によるヒ素吸脱着量の変化 ● 機械学習による歴史津波堆積物の判定・判別システムの構築 13

環境 | 埼玉大学 | 『 景観研究を通じて地域を理解し、暮らしやすいまちづくりを考える 』

埼玉大学 環境 キーワード 景観工学 景観まちづくり 『 景観研究を通じて地域を理解し、暮らしやすいまちづくりを考える 』 街並み景観、都市近郊緑地や水辺の景観、夜間の光環境など人間が環境を見ることに関わる幅広 い研究テーマに取り組んでいます。景観に関わる研究成果を通じて新しい都市整備のあり方につ いて提言を行います。景観分析では公共空間での歩行者の行動分析、交通行動における視線解析、 VR で再現した街並みを 景観分析ツール 仮想歩行で評価するな 地域固有の景観の価値・人々の景観認識 【視線解析・街路網の空間解析】 どの研究手法を用いる こ と が 特 色 で す。 地 域 の景観づくりの実践で は都市づくり NPO さい た ま に 所 属 し、 埼 玉 県 や 各 市 町 村、 市 民 団 体 と連携して、それぞれの 地域の景観まちづくり活 動に参加しています。 産業界へのアピールポイント 社会基盤 ● 現在の主要な研究フィールドは埼玉県内が多いですが、それぞれの地域の景観上の課題について 地域の個性を踏まえた調査、評価分析、景観まちづくりの提言を行っています。 実用化例・応用事例・活用例 ● さいたま市見沼田んぼ地域の景観資源や斜面林の保全について、市民団体と協働による調査分析 と提言のとりまとめ(景観・未来へのビジョン)。 ● 斜面緑地の生態的特徴をほぼそのまま保全する環境保全型自然葬を検討。条件の異なる提案に対 しアンケートにより一般人の受容性と経済評価を実施。 ● バス会社と連携:バス運転手の安全確認行動と視線挙動の関係を分析し、安全運転の対策を検討。 ● グリーンインフラ強化、自然共生サイト推進に資する環境緑地評価の研究(首都高速道路株式会 社と連携した首都高ビオトープでの自然再生活動の経済価値評価) 深堀 清隆 (フカホリ キヨタカ) 准教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 飯能市での古民家を巡る街並み景観形成のあり方と木視率の基準化に関する研究 ● 都市部の公園緑地における自然再生活動と公園利用の競合解消のための公園管理手法 ● 眺望隠れ場理論に基づく夜間街路における光環境の面的評価手法の構築 ● ステレオカメラの深度画像、CG ●3 7 を用いた立体的な緑視の定量評価手法の開発 次元損失視距離の計測に基づく、橋梁構造物の圧迫感の定量評価手法の開発

環境 | 埼玉大学 | 『 環境にも地域にも自分にもやさしい生活に変えよう! 』

埼玉大学 環境 キーワード 環境計画 環境アセスメント 合意形成 上下水道 『 環境にも地域にも自分にもやさしい生活に変えよう! 』 身近な環境やインフラ、社会システムを研究対象として、私たちの当たり前の生活を継続しつつ もより良く変えていく研究に文理融合のスタイルで取り組んでいます。環境負荷を減らす観点を 中心に、環境やインフラ、社会システムが抱える見えない課題を探し、その原因の探索、解決策 の探求を行います。加えて、自治体の計画づくりや大規模事業の検討プロセスのデザインを研究 して合意形成に役立て、持続可能な地域づくりへの貢献を目指します。 現在は、上下水道を対象に、人口減少により事業効率が悪化しうるエリアの抽出や、水量フロー の可視化や将来の地区別運営コストの推計の手法開発に挑戦しています。上下水道が抱える利用 者の減少、料金の負担感の増大、地域の水環境確保といった社会・経済・環境の各側面に課題に 対し、統合的かつ持続可能性向上となる対策を探求します。開発した手法を他のインフラや社会 システムにも適用していきます。 社会・経済・環境の課題(上下水道) 地区別水道運営費用推計 (2050 年・東京圏平均対比) 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 環境に影響を与える過程の見える化 ● 計画段階での環境影響評価の支援 ● 生活に無理を強いない程度での環境影響の最 ● 現在の主要な研究フィールドは埼玉県内です。 適化 実用化例・応用事例・活用例 ● 上下水道の広域化検討、経営戦略の策定 ● 大規模施設の計画段階における環境配慮の支援 ● 地域環境計画、実行計画の策定・運用 持木 克之(モチキ カツユキ) 准教授 研究機構 社会変革研究センター 【最近の研究テーマ】 ● 上下水道の持続可能性の推計と対策の検討 ● 土地利用計画を踏まえた各種施設整備方法の検討 ● 再生可能エネルギー施設の環境影響評価 24

環境 | 埼玉大学 | 『 持続可能なゼロエミッション社会形成の実現に向けて 』

埼玉大学 環境 キーワード 環境 廃棄物問題 汚染防止 リサイクル技術 『 持続可能なゼロエミッション社会形成の実現に向けて 』 急速な経済成長や人口増加を背景に、多くの社会・環 境問題が顕在化しているアジア開発途上国都市域では、 不適切な廃棄物管理・処理が原因となり、深刻な環境 破壊や健康被害をもたらしています。私たちは、この ような国際社会において解決すべき廃棄物問題の中で も、廃棄物の適正管理・処理・リサイクルに焦点を当 て、「循環型ゼロエミッション社会形成」に不可欠とな る産業廃棄物の有効活用・リサイクル技術開発に関す る研究を、主にアジア開発途上国を対象に実施してい ます。同時に、各諸国で地域特性を活かした汚染土壌・ 地下水の浄化技術の開発も進めています。我が国も、 過去に多くの公害や環境問題に直面し、その解決に取 り組んできました。このような日本の経験・知識・技 術を活かして、アジア開発途上国の廃棄物問題の解決に 向けて産学官連携の推進、地域社会・コミュニティーと 連携を進めて問題解決に取り組んでいます。 現地材料を活用した汚染防止技術を 導入した廃棄物処分場 (スリランカカタラガマ、2019 年) 建設リサイクル材を用いた公園整備 (ベトナムハノイ市、2024 年) 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 国内外の各種廃棄物・産業副産物を活用した環境汚染防止技術の開発 ● 社会工学的アプローチによる廃棄物適正管理システムの構築 ● 土壌圏における各種物質(水・ガス・熱・汚染物質)のモニタリング・動態解析 実用化例・応用事例・活用例 ● スリランカ廃棄物処分場計画・管理・汚染防止ガイド(2018 年 環境省中央環境庁) 年) ● スリランカ地域特性を活用した汚染防止技術を導入した廃棄物処分場建設(2019 ● ベトナム建築解体における現地分別ガイドライン(2022 ● ベトナム再生砕石ベトナム国家基準(2023 年 建設省令) 年 規格・計量・品質総局認可) 川本 健(カワモト ケン) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 放射性廃棄物地層処分に係る技術開発(緩衝材としての顆粒状ベントナイト材料) ● 土壌を含む多孔質媒体の間伱構造の解明とそれに基づく物質移動係数評価 ● 火山灰土壌の撥水性発現評価と撥水性度合いの定量的モデル化 12

環境 | 埼玉大学 | 『 歩いて笑顔になる歩行者空間をつくろう 』

埼玉大学 環境 キーワード 歩行空間評価 交通安全 表情センサー 『 歩いて笑顔になる歩行者空間をつくろう 』 近年、コンパクトシティの考え方や、人間主体の街づく りの考えが広がる中、交通計画における、歩行者への重 要性は増してきている。しかしながら、歩行者の快適性 を計るために利用される主な方法、アンケート調査は、 歩行者の協力意思に頼っており、対象者の無作為抽出は できない。さらに、調査依頼をすることで、せっかくの 気分を害しているかもしれない。このような課題に対し て、歩行者の「笑顔」を観測して数値化し、その値を歩 行者空間の質の評価として利用することで、理論的には 対象区域の全歩行者を対象とすることができ(少なくと も、無作為抽出が可能となり) 、対象者が調査に協力し ていることを意識しない状況で評価をすることができ る。近年技術が進歩している画像解析技術と表情認識セ ンサーを用いたシステムを開発し、歩行者の表情の解析 をすることで、歩行者の幸せ度に歩行空間のどのような 要素が影響しているのかを研究している。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 歩行者に意見を聞くためにわずらわせることがない ● 対象者を無作為抽出できるようになった ● 笑顔を数値化した情報がデジタルデータとして蓄積していくため、処理が容易 ● 適切な周知の上、防犯カメラと組み合わせた活用が期待される ● 笑顔度のデータ自体の個人情報のない情報として扱える 実用化例・応用事例・活用例 ● 歩行者天国化した道路の評価(土木学会論文集 D3、2014) ● 自転車通行空間整備後の歩道の質の向上の評価(土木計画学研究・講演集 Vol.50、2014) QOL 向上に関する評価(第 34 回交通工学研究発表会、2014) ● 2019 年度「ストリートデザインガイドライン −居心地が良く歩きたくなる街路づくりの参考 書−」の策定に参画 ● 電気自動車による 小嶋 文(コジマ アヤ) 准教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 高齢者の運動経験と交通事故の関係 ● フル電動自転車の活用 ● 地域による気質の違いと交通事故の関係 ● ライジングボラードの活用に関する研究 8

エネルギー | 埼玉大学 | 『 磁気応用でクリーンで安全なエネルギー伝送を! 』

埼玉大学 エネルギー キーワード ワイヤレス給電 アーク溶接 非接触給電 電動モビリティ EV 溶接ロボット 電気機器 パワーエレクトロニクス 『 磁気応用でクリーンで安全なエネルギー伝送を! 』 電気機器やパワエレ技術は日本が誇れる一つの分野です。中でも電気自動車(EV)の普及で注目 されているワイヤレス給電は、接点不良に関係無くエネルギーを安全に伝送できる技術です。原 理的には空伱の大きな変圧器で、一次側コイルに交流電流を流して磁束を発生させ、これを二次 側コイルに伝えて誘導起電力(電磁誘導)を発生させる仕組みです。数十 kHz 以上の高い周波数 の交流電源を用い、かつ一次側と二次側コイルに適切な共振コンデンサを接続すれば、90%以上 の電力効率でエネルギー伝送が可能です。我々の研究室では入出力特性や最大効率条件の理論的 解析や様々なコイル形状での給電特性の比較等について多数の論文を発表するとともに、EV など 電動モビリティに有効なワイヤレス充電システムの開発に特に力を入れています。また、磁気応 用として外部磁 駐車中 / 走行中給電可能なワイヤレス給電システム 開発した各種ワイヤレス給電トランス 場を利用した高 性能アーク溶接 ロ ボ ッ ト な ど、 溶接機器の高度 化・ 知 能 化 に 関 する研究も行っ ています。 産業界へのアピールポイント ● ワイヤレス給電システム設計に役立つ様々な共振コンデンサ方式に対応した理論解析 ● 磁界解析ソフトと実機製作による高効率で小型化可能なワイヤレス給電の開発実績 ● EV や電動アシスト自転車などの駐車中かつ走行中給電システムの研究開発 ものづくり ● 外部磁場をアーク溶接に活用した研究開発 ● 特許も多数出願実績あり 実用化例・応用事例・活用例 ● 駐車中&走行中 EV 用ワイヤレス充電トランスの実用化開発(NEDO 助成金など、2009 〜 2021) ● 双方向ワイヤレス給電システム( NE ジャパン・ワイヤレス・テクノロジー・アワード 2013) 〜 2018) ● シェアサイクル用電動アシスト自転車用ワイヤレス給電トランスの開発(2014 金子 裕良 (カネコ ヤスヨシ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● 電動モビリティ用走行中ワイヤレス充電システムの開発 ● 大電力ワイヤレス給電時の漏洩磁界低減方式の研究 ● ワイヤレス給電コンセントの開発や産業用ロボットへの非接触給電技術の応用 ● 外部磁場制御によるアーク溶接の安定化(磁器吹き、クリーン ● 溶接技能者サポートシステムの開発(作業情報等の MIG 溶接など) AI 管理と技能教育への活用) 48

医療・福祉 | 埼玉大学 | 『 スンクスを用いた消化管運動機能改善薬の開発 』

埼玉大学 医療・福祉 キーワード 消化管運動 胃排出 創薬 スンクス ホルモン 『 スンクスを用いた消化管運動機能改善薬の開発 』 消化管運動は、ホルモンなどの内分泌因子と自律神経系及び腸管神経系を含めた脳腸相関機構よっ て緻密に調節されている。消化管運動の中でも胃収縮の機能異常は、胃もたれ、機能性胃腸障害 そして糖尿病性胃麻痺などの疾患を誘発する。これらの疾患は命に直結するものではないが、 quality of life(QOL)の低下となることから、胃運動機構の解明及び胃運動を亢進もしくは抑制 させる因子の同定は創薬開発や治療法の観点から注目されている。げっ歯類であるマウスやラッ トは最も一般的に使用されている小型実験動物で 消化管運動モデル小型哺乳動物スンクス あるが、ヒトの消化管運動様式と大きく異なって いる。消化管運動の研究は、主にイヌを用いて行 われてきたが、イヌは比較的大型であることやコ ンパニオンアニマルであることから、当該分野の 研究が遅滞していた。所属研究室では、消化管運 動研究モデルとして小型哺乳動物の食虫目スンク スを見出し、胃運動調節の研究を行っている。こ れまでに、応募者は消化管ホルモンであるモチリ ンとグレリンが協調的に作用することで胃の強収 縮運動が刺激されることや迷走神経、交感神経そ して腸管神経の胃運動への関与など、これまで不 明であった胃収縮運動の基盤的駆動メカニズムを 明らかにしてきている。 産業界へのアピールポイント ● ヒトの消化管運動モデル動物を用いた創薬開発 実用化例・応用事例・活用例 ● 消化管運動改善薬のスクリーニング及び作用機序の解明 坂田 一郎 (サカタ イチロウ) 教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域 【最近の研究テーマ】 ● 消化管ホルモン分泌機構の解析、日内休眠、大腸運動 ライフ 122

エネルギー | 埼玉大学 | 『 デトネーション(爆轟)を用いた新しい燃焼技術による内燃エンジンの性能向上 』

埼玉大学 エネルギー キーワード 内燃エンジン 航空宇宙用推進エンジン デトネーション(爆轟) 衝撃波 燃焼 ガス爆発 水素燃焼 『 デトネーション(爆轟)を用いた新しい燃焼技術による内燃エンジンの性能向上 』 デトネーション(爆轟)は可燃性ガス中を秒速 2 〜 3 km で進行する爆発的燃焼であり、衝撃波と燃焼が 一体化した性質により非常に高い温度(〜 3000 K) 、 圧力(〜数 10 気圧)、流速(〜 1000 m/s)を生成 します。これは、その前後で圧力がほとんど変わらな い通常の燃焼とは大きく異なる特徴です。私たちは、 この特徴を活かした航空宇宙用推進エンジンへのデト ネーション応用技術を研究しています。強い衝撃波で 圧力を上げながら瞬時に燃焼させることで、エンジン の小型化・高効率化の実現が期待されます。特に水素 燃焼においてデトネーションが発生しやすいことか ら、航空宇宙分野に限らず、水素社会においては工学 応用、安全工学、双方の観点で重要な現象です。私た ちはデトネーションの特徴を活かした応用技術全般に 関心を持っており、その支えとなる基礎研究を含めた 総合的な知見を有しています。 パルスデトネーションスラスター試験器 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● デトネーションは瞬間的に高圧・高温・高速の燃焼ガスを生成できます。 ● デトネーションを利用すれば、マッハ数 5 〜 7 の強い衝撃波を生成できます。 ● 基礎研究に立脚したデトネーション制御技術を有しています。 ● 超高速度カメラを用いた衝撃波、超音速流れ、燃焼の可視化観測を行っています。 ● 爆発安全技術として、デトネーションの抑止技術の研究も行っています。 前田 慎市 (マエダ シンイチ) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 生産科学領域 【最近の研究テーマ】 ● 水素燃料を用いたパルスデトネーション推進装置 ● 水素燃料を用いた空冷式パルスデトネーション燃焼器 ● デトネーションを利用した衝撃波(爆風)生成装置 ● デトネーションを利用した高速物体射出装置(〜秒速 2.5 km) ● デトネーションの発生機構および抑止機構 58

医療・福祉 | 埼玉大学 | 『 ミトコンドリアの維持と老化の関係 』

埼玉大学 医療・福祉 キーワード 加齢 寿命 老化 ミトコンドリア ミトコンドリア DNA 『 ミトコンドリアの維持と老化の関係 』 生物は時間の経過によって老化するが、実際のタイミングは さまざまである。 「老い」には何か関わっているのか?遺伝子 の機能の観点でその問題を解明してきた。アカパンカビを用 いた実験によると、そのほとんどがミトコンドリアの維持に 関係していた。ミトコンドリアは、活動のためのエネルギー を生み出すパワーハウスであるが、日々の酷使のため、それ 自体に悪い部分が生じるため、その部分を除去しなければな らない。ミトコンドリアは分裂と融合を繰り返し、不具合の ある部分を処分する。また、ミトコンドリアに必要な遺伝子 の多くが、独自に存在する DNA にコードされているが、時 として大きく欠落する。ミトコンドリアを適正に維持する遺 伝子が異常となり、ミトコンドリアが機能不全となり、老化 が加速化する。加速度的な老化をもたらす遺伝子を新たにす ることで、加齢のメカニズム研究に役立てられ、長寿命化が 伴となる産業作物への応用が可能となる。 ミトコンドリアの維持に関わる遺伝子の 異常によって老化が加速化する。 産業界へのアピールポイント ● 難治性ミトコンドリア病の原因解明のため未同定の新規遺伝子の機能の研究が必要。 ● ヒトにおいて新たに遺伝子を決定し解明するには倫理上の問題が多い。 ● 遺伝学的解析に優れており、ミトコンドリアを有するアカパンカビを用いることで新規のアプ ローチが可能 ● ミトコンドリアを有する産業作物(キノコなど)にも知見が応用できる 実用化例・応用事例・活用例 ● 将来的に老化・寿命に関連する医療・健康分野に対して情報提供ができる。 ● キノコなどにおける有用菌株の維持、病原真菌の駆除に対して有用な知見を提供できる。 畠山 晋(ハタケヤマ シン) 准教授 大学院理工学研究科 生命科学部門 生体制御学領域 【最近の研究テーマ】 ● 老化を抑制する遺伝子の探索 ● ミトコンドリア DNA 維持に対する活性酸素種の役割 ● ミトコンドリアの淘汰に関わる遺伝子の機能解明 ライフ 120

医療・福祉 | 埼玉大学 | 『 線形加速器を用いた医療用放射性物質の生成実験 』

埼玉大学 医療・福祉 キーワード 原子核 放射性物質 加速器 核データ 放射線治療 放射線診断 『 線形加速器を用いた医療用放射性物質の生成実験 』 原子核は原子の中心にあり、多数の中性子と陽子で構成されています。構成粒子と核全体の動き が干渉し、多様な性質をみせます。核分裂やガンマ線を放出する崩壊などは原子核の個性からく るものです。ウランなどの重い核の分裂現象は多くのエネルギーが解放される為、発電に応用さ れます。医療分野では放射線が利用されており、癌の治療や診断に用いられる医療用放射性物質 (RI)は国内で加速器を用いて生成されます。診断によく用いられる 99Mo は原子炉で生成され短 寿命(66h)であり、海外から空輸しますが、災害などで供給が止まる懸念が常にあります。医療 用 RI の国内供給ラインを確 保 す る 上 で、 代 替 と な る RI 理化学研究所の線形加速器に 積層箔法の概念図 設置した標的ホルダー の効率的かつ純粋に生成する 方法を確立しなければなりま せん。理化学研究所の線形加 速器を用いて、新しい医療用 RI の実用的で生成効率が良い 入射エネルギーを調べていま す。放射化法と積層箔法を用 い て、 生 成 断 面 積 の エ ネ ル ギー依存性を一度に調べられ ます。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 治療と診断の両方に応用可能な新しい医療用 RI の探索 RI の効果的な生成方法の探索 ● 世界で医療用 RI の核データを取得するグループは少数 ● 特許「放射性イットリウムの生成方法及び放射性医薬」特開 2017-090366 ● 医療用 実用化例・応用事例・活用例 ● PET 検査用の代替 RI 候補であるネオジム -140 の生成断面積をプラセオジム -141 に重水素を 入射する方法で取得した ● 取得データは IAEA のデータベースに採録され、国際的な原子力の開発基盤になる 江幡 修一郎(エバタ シュウイチロウ) 助教 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質基礎領域 【最近の研究テーマ】 ● 微視的平均場模型による核分裂片の荷電偏極分布の計算 ● 光核反応による核構造の理論的研究 ● 洋ナシ変形する原子核の構造 1

医療・福祉 | 埼玉大学 | 『 障がいのある学生や生徒の学ぶ権利を守る 』

埼玉大学 医療・福祉 キーワード 障がい者支援 障がい者の権利擁護 修学支援 合理的配慮 共生環境の実現 『 障がいのある学生や生徒の学ぶ権利を守る 』 もともと長い間、障がいのある方の相談・支援に関わる仕事に、福祉や学校教育の領域で携わっ ておりました。そうした中で、障がいそのものを改善して社会適応を良くするモデル(医学モデル) から、社会環境を障がいのある方が参入しやすい方向に改善していくモデル(社会モデル)への 転換を経験し、誰もがいくつになっても、どのような状態でも社会で共に暮らせることに興味関 心を持ち、この研究に辿り着きました。私の視点で独自性があるとすれば、 「心理」 ・「福祉」 ・「教育」 ・ 「社会」の 4 領域にわたり、問題を捉えて考えていることかもしれません。またその際に「コミュ ニティ概念」を持ち理解するように努めています。 産業界へのアピールポイント ● 障がいのある学生の修学支援 ● 障がい者の権利擁護 ● バリアフリー環境の整備 谷津 修一(ヤツ シュウイチ) 准教授 教育機構 障がい学生支援室 【最近の研究テーマ】 ● 不登校の児童・生徒・学生の相談援助 ● 成年後見制度の推進 ライフ 138

医療・福祉 | 埼玉大学 | 『 凝集誘起発光物質を使い「ウイルスの見える化」、「高感度迅速診断」を可能にする 』

埼玉大学 医療・福祉 キーワード ウイルス・病原体検出 見える化 可視化 高感度検出 臨床現場即時診断(POCT) 蛍光 凝集誘起発光(AIE) シロール 糖鎖 ペプチド 有機ケイ素化学 有機合成 『 凝集誘起発光物質を使い「ウイルスの見える化」、「高感度迅速診断」を可能にする 』 ウイルスは非常に小さく色もついていないので、肉眼では、それらがいるのか、いないのか分か らない。我々は、検体と混合して 5 分後に紫外線照射すれば、調査したいウイルス等がいれば発 光する分子を開発した。これは、標的ウイルスがいないとき、もしくは標的外のウイルス類がい ても発光しないので、調べたいウイルス、微生物の『見える化』を実現できる。この分子を使っ たインフルエンザウイルスの検出試験では、市販されているイムノクロマトキットに比べ、1,000 倍も高感度検出できることが分かっている。また、量子収率が 90% にも達する高輝度な蛍光ビー ズの開発にも成功している。これは、従来の蛍光色素を使ったビーズよりも数十倍明るく光るだ けでなく、光に対する安定性も兼ね備えているため、実用性に富んでいる。この高輝度蛍光ビー ズに抗体を結合させることにより、標識化抗体としてイムノクロマトキットや病巣のマーカーと して利用すれば高感度化が期待できる。新型コロナウイルスのイムノクロマトキットを試作し、既 製品に比べ大幅 ウイルスの見える化試薬の概要 従来の蛍光ビーズと開発品の比較 に高感度検出が できることが分 か っ た。 そ の 他 の ウ イ ル ス・ 病 原体の検出にも 応用可能である。 産業界へのアピールポイント ● 標的とするウイルス、タンパク質がある時にだけ発光する『見える化』を実現 ● 高輝度に発光するので、高感度検出が可能(既存製品の 1,000 倍高感度) ● 発光色を変えることも可能(青、緑・黄・橙) ● 光による劣化(光退色)をしない非常に安定な蛍光分子 ● 低コストでの製造が可能 実用化例・応用事例・活用例 ● 蛍光イムノクロマト法による病原体の高感度検出 ● ウイルスなどの病原体の見える化試薬 ● 高輝度蛍光ビーズを利用した病巣のマーカーの製造 ● 高輝度に発光するフィルムの開発 幡野 健(ハタノ ケン) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 【最近の研究テーマ】 ● がんを標的とした標的指向型ドラッグ・デリバリー・システムのキャリア分子の開発 ● 嵩高いケイ素置換基を活用した簡便かつ産業廃棄物を多く出さない糖鎖合成法の開発 ● 糖鎖もしくはペプチドを多価型にした化合物による各種病原体の感染阻害剤の開発 ライフ ● 高発光フィルムの開発とその応用 131

安全安心 | 埼玉大学 | 『 より安全・安心なインフラを構築し維持する 』

埼玉大学 安全安心 キーワード コンクリート 鋼 耐荷性 載荷実験 数値解析 『 より安全・安心なインフラを構築し維持する 』 「壊れない構造物を造るためには、まず壊れ方を知らなければならない」との恩師からの言葉に感 銘を受け、国民の税金を用いて構築される橋梁などのインフラをより安全・安心なものとするこ とを目指して、コンクリート構造を始めとする各種インフラ構造物の破壊実験や数値解析を通じ た研究を実施しています。「真に応用の効く研究開発を目指す」をモットーとし、単に実験等を行 うだけでなく、得られた現象や結果を説明できる力学原理やメカニズムに立脚した技術検討を行っ ています。載荷実験と数値 円筒形タンクの非線形有限要素解析 解析の両方を駆使して、鋼 鉄筋コンクリート柱はり接合部の載荷実験 とコンクリートを組み合わ せ た 合 成 構 造・ 混 合 構 造 や、FRP を 補 強 材 に 用 い たコンクリート部材の開 発、構造物と周辺地盤との 連成挙動の解明、セメント 改良地盤の力学的性状な ど、材料の種類を問わない 幅広い研究を行っている点 が強みです。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 各種載荷実験設備とノウハウ(柱やはりの載荷装置、材料試験用の万能試験機など) ● コンクリート構造物および地盤の非線形数値解析を実施可能 ● 企業との共同研究を通じて、これまでに数件の特許を取得 実用化例・応用事例・活用例 ● 短時間の交通規制で更新可能な壁高欄を企業と共同開発(特許)および実施工 ● 既設構造物の補強を行うにあたり、実験および解析によりその効果を評価 ● 既設地中函渠の地震時挙動を、地盤の液状化を考慮した数値解析で評価 ● 非線形有限要素解析で用いる損傷評価手法を提案し、設計指針にも採用 牧 剛史(マキ タケシ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● FRP を補強材に用いたコンクリート部材の開発 ● 鋼コンクリート混合構造接合部の耐荷性状 ● 劣化したプレストレストコンクリート桁の力学的性状 ● 液状化地盤中における RC 地中構造物の地震時挙動 14

医療・福祉 | 埼玉大学 | 『 エビデンスに基づいて社会保障の在り方を考える 』

埼玉大学 医療・福祉 キーワード 社会保障 年金 医療 福祉 貧困 『 エビデンスに基づいて社会保障の在り方を考える 』 社会保障制度は、様々な給付を通して私たちの生活が困難に陥るのを防ぐ仕組みです。同時に、所 得の再分配によって格差を是正する役割や、消費を下支えす ることで景気変動を緩和させ、社会・経済を安定させる役割 も担っています。しかし、格差の拡大・固定化や、少子高齢 化の進行、財政状況の悪化といった深刻な問題が生じる中で、 社会保障制度は見直しを迫られています。 私の主要な研究テーマは、このような現状を踏まえて、(1) 日本における格差・貧困を定量的に測定することと、 (2)社 会保障制度の在り方を考えるためのエビデンス(科学的根拠) を創出することです。前者については、財・サービスの利用 可能性という観点から人々の生活の実態を直接的に測定する 「剥奪指標」という貧困指標を用いて、所得に基づく指標だけ では見えにくい貧困の実態把握を進めています。後者につい ては、年金や医療・介護など個別分野の制度研究を行ってい る他、国民皆保険・皆年金を柱とする日本の社会保障制度か ら「零れ落ちた」人々に焦点を充て、その実情の把握に取り 組んでいます。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● データ分析に基づく社会保障制度の評価と提言 ● 自治体や民間団体が実施する個別事業の評価 ● 社会保障・福祉に対する理解 実用化例・応用事例・活用例 ● 自治体におけるデータ活用に対する助言・研修・分析支援 ● 社会福祉法人が実施する事業評価のためのアンケート調査に対する助言・分析支援 大津 唯(オオツ ユイ) 准教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 剥奪指標による貧困の測定 ● 国民年金保険料の納付行動の解明 ● 医療保険料の負担の公平性に関する研究 ● 生活保護受給者の特徴や地域差の解明 ● 認知症やフレイルの予防に関する取り組みの効果測定 32

安全安心 | 埼玉大学 | 『 水害シミュレーションでリスクを可視化する! 』

埼玉大学 安全安心 キーワード 洪水 数値シミュレーション 気象との連携 洪水保険 人間行動 ハザードマップ 富岳 治水ダム 田んぼダム 気候変動 『 水害シミュレーションでリスクを可視化する! 』 東京 23 区丸ごと洪水計算例 私はドイツに留学して博士号を取得しましたが、その時は地下環境で の多相流に関する研究を実施しました。温室効果ガス・メタンの地下 環境での輸送過程をシミュレーションするモデルを作りました。ヨー ロッパは数値計算の専門家と実験・観測の専門家が別であることが多 く、どちらかというと実験・観測も計算も自ら実施して見識を深めよ うとする日本の研究者とは少し違う所があります。優劣を申し上げて いるわけではないのですが、ドイツ人の合理的な考え方を学びました。 その後、日本に帰国して洪水災害の研究を始めました。数値計算が中心 ですが、地元住民と地域密着型の水害対策について検討したり、気候変 動関連の研究、高度な気象シミュレーションと連携した洪水予測に関す る研究、田んぼダムの研究、水害保険の研究、避難行動モデルの開発、 伝統的治水工法霞堤の機能評価 水文統計の研究を実施しています。ドイツの数値計算特化型研究の経験 も生かして、富岳コンピュータを用いた洪水計算も実施しています。 産業界へのアピールポイント ● 市規模であれば市全域の簡易洪水計算を例えば富岳が動けば一日で できます。 社会基盤 ● 富岳というと敬遠する方もいるかと思いますが、簡易計算はあくま で試算とお考え下さい。病院の CT や MRI と同じで、問題がある かもしれない箇所を画像で判断するということになります。 ● 最終的には現場検証が必要になります。また、河川行政や危機管理行政と矛盾を生じるものでも ないと考えています。 ● 流域治水では、すべてのステークホルダーが流域の安全・安心を「自分事」として考えると国も 宣言していますので、排除の論理はないはずですので、大学人としてできることをしたいと思っ ています。 実用化例・応用事例・活用例 ● 九州・川辺川ダムの治水効果の算定 ● 気候変動影響評価に関する研究 ● 民間保険会社との洪水保険に関する研究 ● JAXA 施設部との共同研究 ● 洪水予測に関する研究 小林 健一郎(コバヤシ ケンイチロウ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 最近は、人間・生物・車両などの行動・流動シミュレーションを流体シミュレーションと 連成して実施することに興味を持っています。また、以前はアフリカ・ガーナを対象に最 近は南アジアのネパールを対象に気候変動影響評価研究を実施しています。もともと学生 の頃に途上国への貢献を志したという原点があります。最近は日本円が弱く外国を支援す る余力があるのかと思うことも多いですが。 11

安全安心 | 埼玉大学 | 『 マルチパラメータフェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)を活用した防災・減災研究 』

埼玉大学 安全安心 キーワード 土砂災害 気象災害 気象レーダ 内水氾濫 微地形 『 マルチパラメータフェーズドアレイ気象レーダ(MP-PAWR)を活用した防災・減災研究 』 埼玉大学は、防災科学技術研究所、情報通信研究機構、日本気 象 協 会 と 2019 年 3 月 6 日 に 4 者 に よ る 協 定(「MP-PAWR 等を活用した気象災害軽減に向けた連携協力に関する協定」 ) を取り交わし、戦略的イノベーション創造プログラム第 1 期の 「レジリエントな防災・減災機能の強化」の研究課題「豪雨・ 竜巻予測技術の研究開発」において開発し設置したマルチパラ メータフェーズドアレイ気象レーダ(以下、MP-PAWR:写真 参照)を活用した連携協力を推進することにより、気象災害軽 減分野のイノベーション創出及びレジリエントな社会構築への 貢献を目指しています。 最近では、毎年のように気象災害が発生し、内水氾濫による浸 水被害が発生しています。浸水被害が出る地域には微地形的な 特徴があります。例えば、 埼玉大学周辺では、図に示したように、 自然堤防が旧河道の両側に発達し、氾濫平野を取り囲んでいま す。このような微地形の作る雨水が溜まりやすい器を見つけ、 そこの降る雨量を MP-PAWR を用いて推定すれば、早期に浸 水深を予測することが可能になると考えています。 埼玉大学工学部環境社会デザイン学科 3 号館屋上に設置された MP-PAWR 埼玉大学周辺の「自分で作る 色別標高図」(地理院地図を使用) 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● MP-PAWR は、現在までのところ世界最新の気象レーダと言われています。 ● その理由の一つは、偏波を使って雨滴に関する多くの情報を得ていること、 ● もう一つは、ファンビームとデジタル・ビームフォーミング技術を用いて、アンテナを一周回す ことで全天の雨滴情報が得られることです。 30 秒間隔で三次元立体観測しています。 ● これらによって、全天の雨滴情報を 実用化例・応用事例・活用例 ● リアルタイムクイックルック https://pawr.nict.go.jp/saitama/index.html ● 浸水深のリアルタイム推定 ● 床上・床下浸水の被害領域推定 長田 昌彦 (オサダ マサヒコ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● IoT センサの利活用 ● 大気圧変動を利用した岩盤の物性値推定 ● ミリ波レーダを用いた落石の危険度判定 ● 赤外線サーモグラフィを用いた蒸発量測定 ● 素掘りトンネルの風化プロセスを考慮した安定性評価 19

安全安心 | 埼玉大学 | 『 洪水被害を減らし、かつ生物が多様な川をつくる! 』

埼玉大学 安全安心 キーワード 減災 Eco-DRR グリーンインフラ 洪水氾濫 避難解析 河道内植生 河道管理 水理実験 数値解析 災害調査 『 洪水被害を減らし、かつ生物が多様な川をつくる! 』 気候変動の影響で河川の氾濫が頻発しています。河川を掘削し大きくする一方で、ネイチャーポジティブの実現には河川や その周辺流域においても生物が多様な地域を増やしていくことが必要です。 グリーンインフラ(湿地、水田、樹林帯等)には災害リスクを低減する機能もあるため、自然要素と人工構造物(堤防、調節池等)をいかにミックスさせれば減災上も 生態系としてもよい状態を作り出せるかに興味をもっています。 また、荒川流域を中心として、埼玉県の治水事業の変遷と関連付けた氾濫リスクを明らかにし、 水害危険域と避難タイミングを精度よく推定するための避難方法の研究を行っています。 また、堤防内や基礎地盤における浸透や越水によって生じる堤防決壊を遅らせる大型水路による浸透破壊実験と住民の洪水時避難解析対策工法や、河川内のその検知技術の開発(洪水氾濫シミュレーションと連動)流れによる堤防侵食や、河川内植生と水流の相互作用が河道の長期的な維持管理に与える影響を考慮した上で、生物が多様な場をいかに形成するかの研究を行っています。 ● 充実した水理実験施設群(津波条件を含む造波装置 4、水路実験設備 3(可変勾配、広幅、平面)、 風洞実験設備 1)と実験設備(流れの可視化(PIV)設備、レーザドップラー流速計(LDV)設備、 音響ドップラー流速計(ADV)、分力計他)、現地観測機器類 ● 津波の遡上氾濫解析、河川氾濫解析に基づく減災型街づくりへの提言 ● エージェントモデルによる避難解析 実用化例・応用事例・活用例 ● 北海道の海岸防災林パイロット事業への提案と社会実装 ● 大槌町の復興に対する提案 ● 浸水リスクの可視化手法 ● 越流や浸透に対して堤防決壊を遅らせる工法 田中 規夫 (タナカ ノリオ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 環境計画領域 【最近の研究テーマ】 ● 堤防越水に対して粘り強い河川堤防にするための対策工法に関する研究 ● 河道内植生が侵食・堆積・流木化を通して河道管理に与える影響の解明と対策の提案 ● 地域の水害リスクの解明と貯留・浸透対策の効果の評価方法に関する研究 ● 河川の氾濫と住民の避難タイミング 10 社会基盤 産業界へのアピールポイント

安全安心 | 埼玉大学 | 『 微生物を用いてコンクリートのひび割れを修復する 』

埼玉大学 安全安心 キーワード コンクリート構造物 ひび割れ アルカリ骨材反応 水分浸透 耐久性 補修 イースト菌 バチルス菌 炭酸カルシウム 『 微生物を用いてコンクリートのひび割れを修復する 』 コンクリートは引張強度が小さいため、ひび割れが発生しやすいです。 水分や有害イオン等がひび割れを通してコンクリート内部に侵入し、構造物の長期耐久性に影響を及ぼす恐れがあります。 従来の補修工法としては、補修材の注入・充填、防水材によるひび割れ面の被覆が多く行われますが、ひび割れの再発生もしくは被覆層の劣化が起きる可能性があり、 また施工中の補修材流出による環境負荷などの問題点が挙げられます。 一方、近年では、微生物を用いた斬新な補修工法が提案されています。 この手法では、微生物の代謝産物である二酸化炭素とひび割れ中のカルシウムイオンが反応し、生成された炭酸カルシウムによってひび割れを塞ぐものです。 無害な微生物の使用による環境負荷の低減に加え、修復された部分に微生物が生き続ければ、ひび割れの再発生時に再び塞ぐことができるという潜在的な利点があります。 現在、イースト菌、バチルス菌などの微生物を用いてひび割れ補修材の研究開発を行っており、実験において、補修後はひび割れの閉塞が確認でき、 補修前と比べ、劣化要素である水分の浸透も顕著に低下したことが明らかになりました。 微生物を用いたひび割れ修復のメカニズム 修復効果 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● カプセル化した微生物をコンクリートの配合に混入することで、コンクリートに自己治癒機能を 付与できる ● 微生物を用いた補修材をコンクリート表面に塗布することで、既存ひび割れの修復が可能になる ● イースト菌、バチルス菌などの無害な微生物の使用による環境負荷の低減 実用化例・応用事例・活用例 ● 微生物を利用したコンクリートの ASR ひび割れの修復に関する実験的研究 (セメント・コンクリート論文集,Vol. 72,pp. 328-335,2018;ACI Materials Journal, Vol.118,pp. 133-142,2021) 欒 堯(ルアン ヤオ) 助教 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 複数の自己治癒機構を用いたコンクリート構造物の断面修復材の開発 ● 高炉スラグを多量に用いたコンクリートの強度発現と塩化物浸透抵抗性に関する研究 ● 複数微細ひび割れ型繊維補強セメント複合材料の実用化と耐久性に関する研究 ● ひび割れを考慮した鉄筋コンクリート構造物の劣化に関する確率的評価手法の構築 ● 石炭灰・焼却灰を用いたジオポリマー骨材の開発 15

安全安心 | 埼玉大学 | 『 橋の合理的な設計と維持管理を目指して 』

埼玉大学 安全安心 キーワード 構造解析 橋梁設計 免震支承 信頼性設計 既設橋の評価 『 橋の合理的な設計と維持管理を目指して 』 橋に関わる以下の内容の研究を行っています。 』 (1)橋梁の設計法に関する研究 (2)橋梁設計における安全係数の合理的決定法に関する研究 (3)既設橋梁の安全性評価と必要な安全性レベルの検討 (4)橋梁維持管理のためのリダンダンシーと Vulnerability に関する研究 (5)橋梁用ゴム支承の耐震設計用モデルの開発と温度依存性に関する研究 一般の人からみると「橋」なんて、あまり変化が無いように思うかもしれませんが、使用材料、設計法、構造形式、維持管理の手法などが、 2000 年代から急激に変化しています。材料で言えば高性能鋼や炭素繊維強化樹脂などが使用されるようになりました。 また、国内の橋梁設計法はまさに今変化している途中の段階にあります。そのため、次世代の設計法や維持管理方法の開発を研究テーマにしています。 桁橋のシステム・リダンダンシー(冗長性)の解析 (赤が損傷した鋼桁の領域) 桁橋のシステム・リダンダンシー(冗長性)の解析 (紺が損傷した床版の領域) 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 得意分野は鋼構造物の設計法に関する研究です。 実用化例・応用事例・活用例 ● 東日本高速道路の大規模更新事業で提案する手法が一部使われている。 奥井 義昭 (オクイ ヨシアキ) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 炭素繊維強化樹脂(CFRP)を用いた鋼橋の補強・補修 ● 橋梁の維持管理用の交通荷重の検討 ● プレキャストコンクリート床版合成桁の耐力評価方法の検討 16

安全安心 | 埼玉大学 | 『 アリジゴクの構造を使って、文化財を地震から守る! 』

埼玉大学 安全安心 キーワード 地震 地震対策 美術品 文化財 免震 『 アリジゴクの構造を使って、文化財を地震から守る! 』 2024 年能登半島地震が発生し、多くの人命とともに、幾多の美術品や文化財が失われました。 すでに作者が亡くなっている作品も多く、作り直しや完全な修復が難しい状況です。 美術館や博物館の地震被害を軽減する対策として、テグスでの固定や免震装置がありますが、 選択肢はあまり多くありません。 この研究では、文化財や美術品を地震から守るための新しい対策を検討しています。 近年発表した「AL(Ant Lion:アリジゴク)免震」は、昆虫(アリジゴク)の捕食形態を参考に 考案した地震対策です。 この装置は、地震発生直後に緊急地震速報を受信すると、地震波が到達する前に、 床がアリジゴクの巣のように美術品を引き込み、美術品を保護する仕組みです。 生態系で観察される捕食形態や営巣構造などからヒントを得る「バイオミメティクス」を活用することで、これまでにない地震対策法を提案し、社会実装します。 AL 免震の状態その1:美術品を展示している様子 AL 免震の状態その2:美術品を保護している様子 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● AL 免震の機構について特許第 7445231 号を取得済み ● アリジゴクの他にも、バイオミメティクスの可能性は無限! ● 地震が来る前の数秒間でできることをイメージして、それを装置化しましょう 実用化例・応用事例・活用例 ● 美術品の保護(令和6 年 3 月より埼玉県立近代美術館で試験的に設置(期間限定)) ● 文化財の保護 ● 上記以外の身近な大切なものの保護 齊藤 正人 (サイトウ マサト) 教授 大学院理工学研究科 環境社会基盤部門 社会基盤創成領域 【最近の研究テーマ】 ● 長周期地震動にも強い、免震システムの開発 ● デジタルツインを利活用した火災などの災害地点の特定技術の研究開発 ● 逃げ地図ワークショップなどで活用できる最短経路やコスト経路の地図化技術 ● 開発技術の未来を見通す、免震・制振デバイスの限界最適性能の探索技術の開発 22

ナノ・マイクロ | 埼玉大学 | 『 新しい分子骨格からの提案−生体に使え近赤外吸収色素から有機薄膜太陽電池まで− 』

埼玉大学 ナノ・マイクロ キーワード 機能性色素 近赤外吸収色素 生体特異的結合色素 有機薄膜太陽電池 色素薄膜化 『 新しい分子骨格からの提案−生体に使え近赤外吸収色素から有機薄膜太陽電池まで− 』 権力の象徴であったクレオパトラの紫色の衣や、日本の僧侶にお ける緋色の法衣など色は古代から人を魅了してやまない。現在も 様々な場面で彩りのある色があふれているが、新しい骨格構造を 持った色素の開発は非常に魅力的で奥深く、現在なお精力的に行 われている。近年は単に衣服を染めるだけでなく生体内で利用で きる色素から電子デバイス材料用の色素など幅広い分野に利用可 能な色素の開発が行われている。我々は、以下の 2 つのテーマ を中心に研究している。 ・近赤域に吸収を持つ化合物の合成 電子デバイス用色素としてだけでなく、生体イメージング色素 として、近赤外域に吸収を持つ色素の開発を行っている。更に、 吸収だけでなく発光色素へ展開も行っている。 有機薄膜太陽電池用色素の合成 再生可能エネルギーの観点から有機薄膜太陽電池用色素の開発 を行っている。室内光の効率的な利用のためのドナーアクセプ ター型長波長域吸収色素の開発を行っている。 このように新しい色素骨格の提案が重要であると考えている。 新しい分子構造を持った近赤域吸収 色素の可視吸収スペクトル 開発したドナーアクセプター型長波 長域吸収色素 産業界へのアピールポイント ● 機能用途に適した機能性色素の分子設計および合成スキル ● 科学分析支援センターを核にし、迅速な化合物の構造解析および物性評価 ● 有機溶媒系から水系までの分離精製技術 ● 分子フラスコライブラリー(水系で化合物安定化、薬剤やコエンザイム Q10 等) ● 特許も多数出願実績があり 実用化例・応用事例・活用例 ● 近赤外域までの長波長化を目指した機能性色素の開発 ● フラーレン修飾により、フラーレン医薬への展開 ● 有機薄膜太陽電池用界面制御分子の開発 ● 三元系有機薄膜太陽電池の作製 ● 水の光分解用触媒の研究 石丸 雄大 (イシマル ヨシヒロ) 准教授 大学院理工学研究科 物質科学部門 物質機能領域 ナノテク 【最近の研究テーマ】 ● 反芳香属化合物の合成と機能評価 ● 自己修復高分子化合物の創製 ● カラーフィルター用フタロシアニン金属錯体の開発 ● 歪みを持ったπ共役系の創製 ● 新奇金属錯体の合成と光機能評価 110

電子デバイス | 埼玉大学 | 『 Siよりも強く、ダイヤモンドよりもデバイスフレンドリーなSiC半導体 』

埼玉大学 電子デバイス キーワード SiC 半導体 金属 - 酸化膜 - 半導体(MOS)接合デバイス 量子効果デバイス パワーデバイス ハードエレクトロニクス 『 Siよりも強く、ダイヤモンドよりもデバイスフレンドリーなSiC半導体 』 炭化ケイ素(SiC)は、熱酸化によって表面に SiO2 膜を形成できる上、8 インチウェハが量産化 され、デバイス作製技術が発達している、Si 半導体並にデバイス応用のし易い半導体材料です。 また、ワイドバンドギャップ、高い耐放射線性・耐熱性、堅牢といったダイヤモンドに良く似た 性質も兼ね備えています。まさに SiC は Si と C(ダイヤモンド)の いいとこ取り をした材料 です! さらにここ数年間の研究に SiC は Si と C(ダイヤモンド)の化 バイオイメージングプレート:SiC 基 板に単一欠陥を碁盤の目状に配置し、 合物半導体、Si と C のそれぞれの特 より、SiC にはダイヤモンド 長を兼ね備えている 超 高 感 度・ 高 分 解 能 な 温 度・ 磁 場 イ メージングを実現(バイオ・先進医療 NV センターによく似た単一 研究にブレイクスルー) 欠陥が存在し、これを単一 光子源やスピンとして利用 することで、量子コンピュー ティングや量子フォトニク ス、量子センシングに応用 できる道のりが開かれてい ます。 産業界へのアピールポイント ● 独自の SiC 酸化モデルを考案し、MOS 界面物性の予測が可能となりました SiC 半導体評価技術を考案しました ● SiC 半導体を用いて 10 メガグレイ(グレイ≒シーベルト、従来型 Si 素子の 100 〜 1000 倍) もの高い耐放射線性を有したスイッチング素子(MOSFET)を開発しました ● 光をプローブとして用いた非破壊・非侵襲の 半導体中に単一光子源 / スピンを生成し、SiC のデバイス親和性を活かした量子効果デバイ スを開発しています ● 量子の性質を持つ光を利用し、新たなイメージング方法を開発しています 実用化例・応用事例・活用例 ● SiC MOS 界面単一光子源を用いた単一光子 LED の試作 結晶中の窒素 - 空孔センタや Si 空孔スピン欠陥の形成 ● SiC MOS 接合界面の欠陥低減技術の開発 ● SiC MOSFET の 10 メガグレイガンマ線照射耐性の達成 ● SiC 土方 泰斗 (ヒジカタ ヤスト) 准教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● SiC 半導体中の単一光子 / スピン源を利用した量子効果デバイスの開発 ● 量子光源を利用した超解像度イメージング技術の開発 ● SiC/ ● SiC 酸化膜界面の物性制御、SiC 酸化メカニズムの解明 半導体を用いた超耐放射線性エレクトロニクスの開発 50 ものづくり ● SiC

電子デバイス | 埼玉大学 | 『 処理の特徴を活かして性能を発揮するLSIを素早く設計 』

埼玉大学 電子デバイス キーワード 高性能 LSI 設計 設計自動化 低消費電力 『 処理の特徴を活かして性能を発揮するLSIを素早く設計 』 LSI(大規模集積回路)は、1mm 角から 10mm 角程度の半導体結晶片にナノスケールの回路素子 (トランジスタ)を組合せたディジタル回路を作りこんだものであり、素子数は規模の大きなもの では 1 億個を超えるものもあります。様々な情報通信機器や家電、自動車などに組み込まれて信 号処理や画像処理、数値計算、制御、記憶を担っています。小型で低消費電力の LSI は、IoT 実現 にも不可欠な技術です。LSI は多数の素子を活用した並列処理によって処理性能を高めます。LSI に実行させたい処理の特徴を見極め、高速かつ低消費電力で LSI が実行できる処理方式を考案し、 LSI が最高性能を発揮する優れた設計を提案しています。また、より早く所望の LSI を入手するた め、LSI 設計を自動化します。処 LSI 制御回路の誤りを訂正する 実時間 SIFT 特徴点検出 理中に含まれる多数の演算の並 二重冗長化回路構成 LSI の動作検証 列性を考慮して実行順序や割り 当ての組み合わせをコンピュー タで探索し、面積、速度、消費 電力などが最良の LSI を短時間 で自動設計する手法を開発して います。 産業界へのアピールポイント ● LSI 実装したい処理の特徴分析と、特徴を活かした高性能 LSI の設計 LSI 実装向け並列高速化 ● 複数の LSI 実装選択肢を計算機により高速自動探索 ● 焼きなまし法と整数計画法を組み合わせた汎用性のある演算スケジューリング探索による LSI 設計自動化 ● 静止画、動画処理、深層推論の 実用化例・応用事例・活用例 情報通信技術 ● LSI 内データ通信の消費電力を最小化する設計自動化手法の開発 LSI 向けアーキテクチャに基づく LSI 設計 ● データ通信を削減して処理高速化を図る ● 誤り訂正符号化 / 復号処理を高速化するプロセッサ・アクセラレータの開発 内演算処理を制御する回路の誤りを検出・訂正する二重冗長化回路構成 ● LSI 向け SIFT 画像特徴点検出方式の考案及び LSI 実装 ● LSI 伊藤 和人 (イトウ カズヒト) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● LSI に適したレジスタ・ブリッジ型並列アーキテクチャ向け設計自動化手法の開発 LSI の回路方式考案及び設計自動化手法の開発 ● 静的消費電力削減と遅延時間増加抑制を両立する LSI 設計 ● イジングモデルアニーリングを高速高効率で実行する LSI の設計 ● 機械学習における推論を高速高効率で実行する LSI の設計 ● 冗長化による高信頼 77

その他 | 埼玉大学 | 『 円滑な事業経営・事業承継を阻む「所有者不明土地」問題の解決に向けて 』

埼玉大学 その他 キーワード 土地制度 土地利活用 農業法人 農業経営 事業承継 所有者不明土地 農地中間管理機構 経営承継円滑化法 親族内承継 登記制度 相続制度 相続税 『 円滑な事業経営・事業承継を阻む「所有者不明土地」問題の解決に向けて 』 産業界へのアピールポイント ● 事業承継における家族の遺産承継(相続)問題 ● 農業経営法人の事業承継問題解決 ● 所有者不明土地問題解消および有効活用のためのシステム構築 江口 幸治 (エグチ コウジ) 准教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 農地転用問題と取得時効制度 ● 農地バンク(農地中間管理機構)の再評価と役割拡大の可能性 ● 所有者不明土地の解消に向けた民事法制の見直しに対する問題検討 30 社会基盤 ひとつの土地に対し、所有者が持つ所有権、地上権や賃借権などの利用権、および抵当権者や ࣆ‫ۂ‬ট‫ܩ‬͹ࡏͶ໲ୌͶ͵Εͨ͑͵͞ͳ 譲渡担保権者の持つ交換価値支配権が存在する場合、その三者間の利益調節に関する問題につい ࣆ‫ۂ‬ট‫ܩ‬͹ࡏͶ໲ୌͶ͵Εͨ͑͵͞ͳ て検討してきた。 また、農業経営法人など、土地利活用型組織(単なる建物等の土台としての土地ではなく、生 産基盤としての土地として活用)の事業承継 問題について、経営の持続可能性を阻害する ࣆ‫ۂ‬ট‫ܩ‬͹ࡏͶ໲ୌͶ͵Εͨ͑͵͞ͳ ࣆ‫ۂ‬ট‫ܩ‬͹ࡏͶ໲ୌͶ͵Εͨ͑͵͞ͳ 要因を分析、明確化し、改善策を提案している。 分析手法は、主にフィールドワークを中心と して行っている。 さらに、現在、少子高齢化の進展、相続件 数の増加や農地利用ニーズの低下、土地所有 意識の希薄化を原因とするいわゆる「所有者 不明土地」が増加している。この問題は、土 地が共有地である場合や複数の権利が設定さ れているような場合は、より深刻であり、問 題解決は焦眉の急務である。 さらに、最近は、2018 年に相続法制の見 直しを内容とする「民法及び家事事件手続法 の一部を改正する法律」が成立したが、この 改正は企業内の役員や従業員に承継する親族 外承継とは異なり、主に親族への事業承継を  行う親族内承継(中小企業白書によれば、事 業承継全体の 3 分の1が親族内承継)に関し、 ೖຌ੕ࡨۜ༧ޮ‫ށ‬૱߻‫ॶڂݜ‬ どのような影響を及ぼすのか、検討を行って ʰ஦ঘ‫ۂة‬͹ࣆ‫ۂ‬ট‫ܩ‬Ͷ‫ͤؖ‬Ζ΢ϱνʖϋρφ௒ࠬʤ ೧௒ࠬʥʱ いる。

その他 | 埼玉大学 | 『 現代アメリカ都市における人種問題について考える 』

埼玉大学 その他 キーワード 都市政治 都市史 公共交通機関 人種差別 貧富の差の拡大 ジェントリフィケーション 『 現代アメリカ都市における人種問題について考える 』 なぜアメリカでは人種問題が大きな問題なのでしょうか。リンカン大統領によって奴隷制度は廃 止され、キング牧師の活躍によって知られる公民権運動の成果もあったので、人種差別はなくなっ たと考える人も多いかもしれません。しかし、差別に起因する事件や抗議活動は後をたたず、現 在の大統領選挙においても大きなトピックなのはご存じの通りでしょう。 私が研究しているのは、都市の環境や制度のなかに、なくなったはずの人種差別が残り続けるプ ロセスについてです。権利が保障されたとしても職業や教育の機会が十分に与えられなかった人 種マイノリティの多くは、貧しいままの状況に留め置かれます。この点に注目し、私は、住む場 所や学校、公共サービスの規模等を経年的に分析することで、いかに、なぜかれらの貧しさが保 たれ、そして「見えざる」状態に置かれてきたのか、そしてそうした状況が結果的にどう人種差 別とつながっているの アトランタ公共鉄道(点線) 差別への抗議のための壁画 かを調べているのです。 基本的に自動車を持てない人が利用。 マイノリティの怒りはこうした壁画などに 郊外には行けない。 表現される。 差別は生まれつき人間 に 備 わ っ た 本 質 的、 感 覚的なものではなく、経 済や環境と結びつき、構 造 的 に 発 生・ 維 持 さ れ るものであることを示 すのも、私の課題です。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 差別が続く理由を社会経済的な文脈から解明する ● 現代アメリカ都市が抱える問題について理解する 実用化例・応用事例・活用例 ● 自治体の抱える問題について、世界的視野で把握し、その解決策を構想する ● 1980 年代以降の都市財政難への取り組みとその社会的影響について理解する ● ジェントリフィケーションが現代アメリカで持つ社会的意味の解明 ● 不動産市場における人種差別の展開やサブプライムローン問題の社会的影響の解明 宮田 伊知郎(ミヤタ イチロウ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● アメリカにおける農村地域の衰退とその意味 ● サンベルト都市の興隆による人種間関係など社会の変化 ● 70 ● 21 年代における経済不況と都市環境への影響 世紀転換期におけるアトランタ郊外の社会的性格の変容 26

その他 | 埼玉大学 | 『 ジェンダー・多様性に関わる課題を考え、より公正な社会づくりをめざす 』

埼玉大学 その他 キーワード 人権 ジェンダー平等 ダイバーシティ インターセクショナリティ 『 ジェンダー・多様性に関わる課題を考え、より公正な社会づくりをめざす 』 性別や性的指向、性自認、障害の有無など、私たちの社会にはすでに多様な背景をもつ人たちが 暮らしています。東日本大震災以降、こうしたジェンダー・多様性の課題が注目されるようにな りました。災害時には、社会のなかにある課題が浮き彫りになります。東日本大震災では、岩手、 宮城、福島の 3 県における死者は、女性が男性より 1000 人ほど多かったことが知られています。 また、障害のある人の死亡率が、地域によっては一般と比較して 2 倍以上の高い割合となりました。 性別に関わる格差や健常者中心社会の テーマ関連の共著書 課題は、いまの社会が抱える大きな社 会課題の一つです。 私は、これまでに、経済的な脆弱性を 抱えやすい非正規雇用の女性たちの課 題、なかでも、公務領域で働く非正規 の課題や、障害のある女性たちが直面 している複合差別の解消をテーマに質 的調査などを行いながら、問題の解決 に向けた探求を続けてきました。 日常のなかにあるジェンダー・多様性 に関わる課題を把握し、より公正で多 様性に富み、持続可能な社会を構想し ていくことが私の研究テーマです。 産業界へのアピールポイント ● 様々な「人権問題」に向き合い、 課題解決を目指すことがこの先の企業活動においても重要なテー マだと考えます ● ジェンダー平等、障害のある人の権利、性の多様性の尊重などのダイバーシティの推進を進めて いくことが課題解決の伴になると考えています 実用化例・応用事例・活用例 ● 災害支援におけるジェンダー・多様性配慮のガイドライン作成 ● ジェンダー・多様性をベースにしたまちづくり、コミュニティづくり ● 当事者参加型の多様性理解研修プログラムの開発 瀬山 紀子 (セヤマ ノリコ) 准教授 ダイバーシティ推進センター 【最近の研究テーマ】 ● 障害女性をめぐる差別構造および差別的状況についての横断的解明 ● 公務非正規女性が支える専門職の持続可能性についての実証的研究 ● アーカイブ構築に基づく優生保護法史研究 ライフ 139

その他 | 埼玉大学 | 『 豊富な知見を活かし、産学連携で新たな可能性を創造します 』

埼玉大学 その他 キーワード 産学連携 スタートアップ プロセス工学 流体力学 数値シミュレーション 機械学習 『 豊富な知見を活かし、産学連携で新たな可能性を創造します 』 長年にわたり、数値シミュレーションを活用して、自然界や装置内で発生する複雑な現象の解明 に取り組んできました。具体的には、これらの現象を支配する主な因子や装置設計における重要 なパラメータ、さらには装置や機器のトラブルの原因について深く掘り下げています。これらの 知見を通じて、新しい装置や機器の開発に貢献することを目指しています。 現在は、これまでの豊富な経験を生かし、産学官連携活動に積極的に参加しています。さまざま な産業界との共同研究を通じて、実践的な問題解決に取り組む一方、アントレプレナーシップ教 育やスタートアップに関する新たなプロジェクトにも挑戦しています。このような活動を通じて、 学術界と産業界の架け橋となり、持続可能な未来の実現に貢献していきたいと考えています。 社会基盤 塗布不良を再現する数値シミュレーション 数値シミュレーションを用いた 新たな尿流量計の開発 産業界へのアピールポイント ● 産学官連携活動の実績 ● 熱や物質の移動現象に関する豊富な知見 ● CFD(数値流体力学)による流体解析の豊富 ● 反応プロセスおよび分離プロセスの数値解析 な知見 ● 流体解析をもとにした複数の発明 実用化例・応用事例・活用例 ● 尿墳流のシミュレーション ● ガラス溶融炉の流動解析 ● 塗布装置のシミュレーション ● 固体粒子の燃焼反応モデルの開発 本間 俊司(ホンマ シュンジ) 教授 研究機構 オープンイノベーションセンター 【最近の研究テーマ】 ● 排尿障害診断のための尿流量計の開発 ● 産学官連携 ● アントレプレナーシップ教育 ● スタートアップ 23

その他 | 埼玉大学 | 『 評価による資質・能力の育成 』

埼玉大学 その他 キーワード OPPA 論 教育評価 自己評価 主体的に学習に取り組む態度 理論と実践の融合 学習・授業改善 非認知能力 『 評価による資質・能力の育成 』 私の専門は「自己評価」です。具体的には一枚ポートフォリオ評価(One Page Portfolio Assessment:OPPA)論を中心に研究しています。ここでの「自己評価」とは、学びにより自己 の概念や考え方がどのように変わったのかを自覚することを指します。自己評価は「(今日の学習 は)よかった、悪かった」というような情意面の変容に注目することが多いのですが、私の研究 では認知面(思考、判断など)に注目しています。最近は「教師の教育観」の変容に注目してい ます。教育観とは、「教育とは何か」、「学ぶとは何か」といった教育の本質に関わる考え方を指し ます。物事の本質について「自己評価」により改めて問い直すことで、考え方の変容が促され、改 善に必要な要素が明らか になることがわかってい ます。さらに、これが日 本人が持ちにくいとされ る「自尊感情」や「自己 肯定感」といった非認知 能力の育成に効果がある ことが明らかになりつつ あります。 非認知能力の例 小塩真司(2021) 『非認知能力 シリーズ本『OPPA でつくる授業』 概念・測定と教育の可能性』 北大路出版。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● OPP シートを活用した各種研修(学習ポートフォリオによる企業研修) ● 人材育成 ● 社会人教育 ● 概念や考え方の形成過程を重視した企業改革 ● 価値観に注目した企業風土の変革 実用化例・応用事例・活用例 ● 非認知能力の評価と育成(企業との共同研究で実証済) 以下、学校現場との連携により実証済のものをいくつかあげます。 ● 学習者および教師の自己評価による授業改善 ● OPPA ● OPP 論を活用した教員の校内研修 シートを活用した研修履歴による教員研修 中島 雅子(ナカジマ マサコ) 准教授 教育学部 【最近の研究テーマ】 ● 概念や考え方の形成過程を重視した自己評価 ● 理論と実践の止揚 ● 現場に生きる教育研究 ● 自己評価による学習・授業改善 38

その他 | 埼玉大学 | 『 「生き残る大学」とは?カリフォルニアの事例から学ぶ 』

埼玉大学 その他 キーワード リベラルアーツカレッジ 大学コンソーシアム 『 「生き残る大学」とは?カリフォルニアの事例から学ぶ 』 本研究では、18 歳人口の減少、公的資金の削減、コロナ禍な ど大学を取り巻く厳しい環境を鑑み、「持続可能な小規模私立 大学モデル」を探求する。これまでの「コロナ禍とアメリカ の大学」の研究をさらに具体化させ、カリフォルニア地域の 小規模私立大学の歴史、文化、ガバナンスの分析を試みる。 また、調査対象大学で構成されるコンソーシアムのシステム 構造と相互補完的機能に着目する。研究対象がカリフォルニ ア地域の小規模大学である理由は: (1)日本の大学誕生と同 時期にアメリカ西海岸の高等教育は誕生し、欧州や東海岸の 影響を受けつつも独自の発展を続けている; (2)小規模なが ら「多様なリベラルアーツ」の特徴を持つ大学・コンソーシ アムが高い評価を得ている; (3)私立大学は、特徴ある人材 育成を担い、常に変化し続ける社会的需要と価値観の中で生 存・繁栄してきた。これらの点に注目しつつ、小規模私立大 学の発展と継続のメカニズムを解明したい。 大学コンソーシアムの地理的近接性 卒業式の風景(南カリフォルニア) 産業界へのアピールポイント 社会基盤 ● グローバル社会における高度人材育成と大学の役割:大学がいかに社会や産業界と連携し、持続 可能な形で高度な人材育成に取り組むかを考察することは、教育界だけでなく、経済界におい ても重要な課題といえる。 ● リーダー養成におけるリベラルアーツ教育の重要性と進化:リベラルアーツ教育は、 批判的思考力、 多様性の理解、倫理感を涵養する点で、リーダー養成において極めて重要な役割を果たしている。 ● 小規模組織の運営戦略とコンソーシアム機能:小規模組織の特徴である柔軟性や迅速な意思決 定能力、濃密な人間関係に加えて、大規模組織の安定感やスケールメリットを実践するために コンソーシアム機能に注目する。 実用化例・応用事例・活用例 ● 組織の継続的な発展における「偶然性」と「必然性」の検証 ● コンソーシアム機能のメリット・デメリット ● 持続可能な組織の国際比較 長沢 誠(ナガサワ マコト) 准教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 「高コスト・高エイド」の高等教育モデル ● 多様なリベラルアーツ教育の可能性 ● 大学コストの継続的なインフレーションの未来 ● 「格差再生産装置」としての大学:メリトクラシーの再考 ● アメリカの政治的分断と州間における頭脳流出・流入 25

その他 | 埼玉大学 | 『 潤滑技術による機械のなめらかな運動の実現 』

埼玉大学 その他 キーワード トライボロジー 摩擦 潤滑 ダイナミクス 振動 機能性材料 『 潤滑技術による機械のなめらかな運動の実現 』 機械の高効率化(省エネルギー化)と静粛性向上に寄与することを目指して、機械可動部のなめ らかな運動を実現するための研究に取り組んでいます。機械の高効率化に対しては、可動部の摩 擦損失を低減させるために用いられる潤滑油について、光干渉を利用して 0.1 nm 分解能で接触面 間に形成される油膜厚さ(脂肪酸添加剤の 1 分子の長さは 2 nm 程度)を計測可能な実験装置を 開発し、新素材を利用した潤滑システムの創成や新しい潤滑油の開発支援をおこなっています。ま た、機械の静粛性向上に対しては、摩擦により生じる振動や異音を抑制するために、摩擦力の大 きさや向きに着目した制振設計方法を確立し、静粛性の要求が高まっている自動車関連の機械要 素への展開を検討しています。 油膜厚さ計測装置 摩擦振動抑制試験装置 ● 光干渉を利用した油膜厚さ計測技術 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 摩擦振動や摩擦音を抑制させる設計技術 ● 摩擦面のその場観察技術 実用化例・応用事例・活用例 ● 液晶の自律粘度変化を利用したスマート潤滑システムの実証 ● ポリマーブラシによる低摩擦性と高密封性の両立の実証 ● 潤滑油添加剤の吸着膜形成過程の可視化 ● 摩擦をともなう機械要素への制振設計の応用 田所 千治 (タドコロ チハル) 准教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 油膜厚さ分布計測法の確立 ● 機械要素の潤滑状態モニタリング技術の確立 ● 摩擦振動シミュレータの構築 68

その他 | 埼玉大学 | 『 経済学で環境・資源問題を分析し、政策提言へつなげる 』

埼玉大学 その他 キーワード 環境経済学 資源経済学 エネルギー経済学 農業経済学 グリーンボンド サステナビリティボンド アンケート調査 計量経済学 行動経済学 消費者意識調査 『 経済学で環境・資源問題を分析し、政策提言へつなげる 』 環境・資源問題が起こるのは、人間の経済活動が地球環境に与える影響が大きくなっているから です。世界中で異常気象が起こったり、地球上の自然資源が凄まじい勢いで破壊されたりしてい る中、私は経済活動が地球に与える負荷を緩和していくための経済政策に関わる研究を行ってい ます。私の研究分野は、環境経済学と資源経済学の二つの研究分野があります。環境経済学では、 温暖化問題、大気汚染、生物多様性破壊など地球規模あるいは国境を越えたマクロレベルの環境 問題に焦点を置き、問題を解決するための仕組みや制度を研究しています。資源経済学では希少 資源の有効利用のために、ミクロ的な視点から個別のエネルギー、鉱物、農林水産物といった資 源の持続可能な利用を促すための経済政策を研究しています。こういった問題の解決には人間の 行動を変えさせることが重要なため、最近は 研究分野の概要 研究分野に関する著書 行動経済学や心理学と融合させた手法を使っ た研究を進めています。 特に最近では、金融機関の環境問題への取り組 みも注視されているため、環境負荷を低減する プロジェクトのための資金を集めることを目的 としたグリーンボンドの研究を行っております。 産業界へのアピールポイント ● 環境・資源問題の解決のための有効な経済政策の提案 ● エネルギー、農林水産物資源の有効利用に向けた経済政策の提案 ● 市町村、県、国レベルでの農林水産資源市場の効率化に関する提案 ● 住民や消費者を対象としたアンケート調査と分析 ● 市場データの計量分析 実用化例・応用事例・活用例 ● 福島第一原子力発電所事故後の原発近辺の農林水産物に対する消費者アンケートの実施と分析 ● 中国における CDM(クリーン開発メカニズム)市場で温室効果ガス削減に関する測定・報告・ 検証(MRV)の企業での実施体制に関するアンケート調査 ● シェールガス革命が起こった時期を時系列計量経済学の手法で特定 グリーン ● グリーン・ツーリズムへのニーズを把握するための住民アンケートデータの作成・分析 ● エネルギー、農林水産物資源の地域市場の関連性の度合いを調査した研究 有賀 健高 (アルガ ケンタカ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● コロナ化の人々の移動の変化が二酸化炭素排出量に与えた影響分析 ● 石炭依存のエネルギー政策からより CO2 排出量を少なくするエネルギー政策への転換に 関する人々の意識調査研究 ● 利他的意識が消費を通じた寄付行動に与える影響分析 ● 放射線の知識の違いが原発近辺の水の消費行動に与える影響分析 ● グリーンボンドやサステナビリティボンドに対する投資家の投資意識に関する研究 103

その他 | 埼玉大学 | 『 高電圧の電気絶縁や放電制御と電気機器の保護技術 』

埼玉大学 その他 キーワード 高電圧絶縁 大電流遮断 放電抑制 電気絶縁全般 真空中の高電圧技術 ヒューズ技術 『 高電圧の電気絶縁や放電制御と電気機器の保護技術 』 高電圧(一般的には 600V 以上の電気設備)は、電力の送電や配電をはじめ、様々なところで利用 されています。これは電気を効率よく利用(輸送)したり、 高電界を発生させたりしやすいためです。 電気を高電圧で利用しようとすると、思わぬところで電気の絶縁(電気が流れないようにすること) が破れて、放電(小さな雷のようなもの)が発生して、停電を起こしたり、装置を故障させたりし てしまいます。このようなことを起こさないようにすることが大事で、電気を安全に安心して利用 できるようにするには、 電気絶縁をきちんとせねばなりません。仮に電気絶縁が完全に破れてしまっ て大電流が流れてしまうと、火災や爆発など甚大な事故や装置の故障を引き起こしてしまいます。 そのようなことが起きたとしても、大電流をすぐさま切って(電気では遮断すると言います) 、事 故を最小限に抑えるための保護装 図 1 超高真空中一貫(in situ) 図 2 AC・DC・インパルス 試験装置 高電圧試験装置 置も重要です。 我々の研究室では、優れた絶縁性 を持つ「真空」を利用した電気絶 縁 の 研 究 を 行 っ て い ま す。 ま た、 電気事故により大電流が流れたと きに、機器を保護するためのヒュー ズの研究も行っています。 産業界へのアピールポイント ● 放電の発生によってお困りの方、特に真空中での絶縁方法や放電抑止法について相談にのります。 ● 各種の高電圧試験や絶縁性能を調べる試験、 ヒューズ等の大電流の遮断試験の相談も受け付けます。 ● 本学には、高電圧・大電流の試験設備およびその専用試験室があります。 ものづくり ● AC・DC・インパルス高電圧試験システム(図 2 参照、最大発生電圧は、AC:100kVrms、DC: 200kV、 雷インパルス電圧 : 1000kV)が設置されており、各種高電圧試験を行うことが可能です。 ● LC 共振型大電流発生装置(低圧 600V まで 100kArms、高圧 7200V まで 40kArms)により 遮断試験を行うことができます。 実用化例・応用事例・活用例 ● 荷電粒子の加速器や X 線源、電子ビーム装置などの放電抑制や耐電圧の向上 ● 各種機器における放電の抑制全般 ● 様々なヒューズの各種試験(遮断試験・溶断試験・温度上昇試験など) ● 電力用開閉装置における高耐電圧化 山納 康(ヤマノウ ヤスシ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 電気電子物理領域 【最近の研究テーマ】 ● 真空絶縁の高耐圧化や放電の抑制 ● 高電圧に利用する電極や絶縁体の高性能化の研究 ● ヒューズの遮断性能の向上の研究 ● 直流大電流遮断に関する研究 47

その他 | 埼玉大学 | 『 構造的無能化を乗り越える企業変革の推進 』

埼玉大学 その他 キーワード 企業変革 構造的無能化 イノベーション推進 新規事業開発 組織の慢性疾患 対話 『 構造的無能化を乗り越える企業変革の推進 』 私は企業変革やイノベーションの推進について研究しています。一度成熟した企業や、スタート アップ企業でもある程度の成長を経験すると、組織内の部門・部署・階層の壁が生まれ、個々人 の能力や経営者の才覚だけでは継続性のある企業成長をし続けていくことが難しい、 「構造的無能 化」の状態に陥ります。このような状態は、病気に例えるならば「慢性疾患」とも呼べるもので、 これという解決策の決め手が見つからない、長期に渡って徐々に問題が悪化していくような状況 であると言えます。例えば、新規事業開発がなかなか生まれない・進まない・頓挫する、部署間 の連携が悪い、離職率が高いなど、様々です。 このような状況をどのように打開していくのかということについて、様々な企業への研究調査を 行い、また、独自の視点として対話に着目して研究を行っています。一般に、企業変革において 危機感の欠如など意識の問 V 字回復を目指す変革とは異なり、そ これまで変革を軸に 3 冊の著作を書い 題とされがちですが、実際 れ以前の不調な状態の変革、もしくは、 てきました。特に、『企業変革のジレ は危機感よりもむしろ構造 V 字回復後の慢性期の変革がフォーカ ンマ―「構造的無能化」はなぜ起きる スです のか』が本内容と強く関係しています。 的に発生し、「問題が何か」 「どこから手を付けたらよい かがよくわからない」とい う状態が生まれます。この 点にフォーカスして支援を 行います。 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 構造的無能化を乗り越えるための企業変革 ● 事業承継のための組織課題の解決 ● 経営者の育成 ● 経営企画、人事コーポレート機能の改革 ● 新規事業開発、新領域の事業開発の推進 実用化例・応用事例・活用例 ● 大手製造業の企業変革、イノベーション推進の支援 ● 大手企業の企業変革のための研修 ● スタートアップ企業の経営イシューの掘り下げ、事業開発支援 ● 企業変革のための対話方法の開発 宇田川 元一(ウダガワ モトカズ) 准教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 企業変革におけるコーポレートの変革の重要性とその意義 ● 対話的な経営課題の発見と対処策の構築 ● 長期的な企業変革のための思想と理論構築 ● 対話に基づいた企業変革の実践については、著書『他者と働く』 『組織が変わる』にまと めてあります。 31

その他 | 埼玉大学 | 『 身のまわりの振動現象の理解とその応用 』

埼玉大学 その他 キーワード ゆれ 振動 自由振動 固有周期 振動モード 強制振動 共振 自励振動 係数励振 非線形振動 『 身のまわりの振動現象の理解とその応用 』 図は鼻笛の演奏の様子と実験結果のグラフです。鼻息で音楽を奏でる楽器ですが、とても単純な 構造です。このような単純な構造で演奏ができる理由を調べました。この他には、ヴァイオリン のような擦弦楽器の弦の振動の特性等も調べています。また、スケートボードなどの推進方法に ついても調べています。機械に関わらず身のまわりには、振動するものが多くあります。このよ うな振動現象は共通する特性はあるものの実際の現象には様々な要因により、その原因を特定す ることが難しいものも多く見られます。このような、原因を謎解きの様にして解き明かしていく ことと、そのメカニズムを理解した上でその応用を考えています。 鼻笛の演奏 鼻笛演奏時の実験結果 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● 機械における振動問題は製品開発において必ずでてくる問題です。 ● 特に軽量化や静音化を求めると思わぬところで振動が現れます。 ● 現場や工場で対応することが多く、原因不明のままとりあえず振動を抑えたということも多いの ではないでしょうか。 実用化例・応用事例・活用例 ● 水膜振動防止装置 長嶺 拓夫 ● ねじり振動防止装置 (ナガミネ タクオ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● 振動発電 ● 風力発電 ● 揺動推進装置 ● 工学教育教材 67

その他 | 埼玉大学 | 『 身の回りの振動や音と向き合う!−良し悪しを見極めよ− 』

埼玉大学 その他 キーワード 耐震・免震・除振 音 脳波・筋電 スポーツ 『 身の回りの振動や音と向き合う!−良し悪しを見極めよ− 』 研究分野は静粛工学、耐震・免震工学、音工学、スポーツ工学、生体情報工学と幅広い。大別す ると、振動、音、運動に関する研究である。振動や音は我々の生活の中に存在する。それらは我々 にとって有害なものもあり、生活を豊にするものもある。例えば、近年多発している地震は人や 構造物に被害を及ぼしている。また、工場、自動車、鉄道、航空機、その他、数え上げればきり がないほど有害となる振動や騒音が発生している。一方、振動を利用するものも多数存在する。振 動を利用した搬送、削岩機、音の利用では音楽、警報音など様々である。有害な振動や音は低減し、 利用できる振動や音は有効活用するべきである。それには、観察と計測による特性把握を行い、モ デリングとシミュレーション、さらには、設計指針の確立、人間の感覚や感性評価などを行う必 要がある。現在は薄肉板平板をねじることによる剛性増加や脳波を用いた人間の快適性評価など を行っている。 ねじれを有する薄肉平板 ものづくり 産業界へのアピールポイント ● さまざまな免震機構を提案している。 ● マルチボディーダイナミクスを用いて柔軟な紐の挙動を解析できる。 ● 振動低減、騒音低減への方針を提案できる。 実用化例・応用事例・活用例 ● 新型の免震装置の開発 ● キャスティング搬送装置の開発 ● 非線形要素を利用した減衰装置の開発 渡邉 鉄也 (ワタナベ テツヤ) 教授 大学院理工学研究科 機械科学部門 人間支援工学領域 【最近の研究テーマ】 ● フライキャスティングの力学 ● 板ばね免震機構 ● 脳波を用いた表情と感情の関連性の解明 61 無響室

その他 | 埼玉大学 | 『 流れ(とみなせる現象)のトポロジカルな解析 』

埼玉大学 その他 キーワード 流れ トポロジー データ解析 力学系 流線トポロジー解析 TFDA 安定性 『 流れ(とみなせる現象)のトポロジカルな解析 』 流れをあいまいさなく表現する枠組みを構築し、流れ(とみなせる現象)を解析する研究です。こ れは、私と共同研究者が創出した理論であり、工学、医学、海洋、気象などのさまざまな分野に 適用されています。具体的な研究内容としては、例えば、一見似たように見える 2 つの状態で特 性が大きく違うものを見分ける道具を提供します。さらに、あいまいさなくトポロジーの意味で の渦の支配領域を同定することができるため、明示的に表現できなかった知見をトポロジーを使っ て明示的にすることなどを行なっています。特に、流れのトポロジーを抜き出す理論を計算機上 に実装し、流れの位相的なデータ解析を行なっています。一方、現在、流れのトポロジーを抜き 出す理論を計算機上に実装することについては、実装化されている理論部分と実装中の理論部分 があるので、実装途中の部分を発展させています。 渦が 2 つ以下の一般的に起こりえる 全ての流れとその変化 流れのトポロジーの抽出方法 社会基盤 産業界へのアピールポイント ● 共同研究者と構築した理論であり、新規性がある。 (10 年ほど前に構築) 件の取得済み国内特許、1 件の国内特許申請、とその PCT 出願(一部はアメリカ、欧州、イ ンド、中国などで取得済み) ● 流線トポロジー解析の関する論文関して、日本応用数理学会 2020 年度論文賞を受賞 ● 企業への特許のライセンスの実施 ●3 実用化例・応用事例・活用例 ● 工業機械の改良(プレスリリース済み) ● 流線トポロジー解析の理論の実装 ● 心血流への適用 ● 流線トポロジー解析の理論の特許化 ● 気象、海洋への適用 横山 知郎 (ヨコヤマ トモオ) 教授 大学院理工学研究科 数理電子情報部門 数理領域 【最近の研究テーマ】 ● 流れの空間の形と距離構造 ● 流れの極限 ● 平均の非存在のメカニズム ● 流れ、形、空間の結びつきの構造から有限構造を取り出す枠組み ● 3 非圧縮的な 配向場(e.g. 液晶、線上の模様)の一般的な構造

その他 | 埼玉大学 | 『 日本経済の持続的発展のための有効策はまだある! 』

埼玉大学 その他 キーワード 人生 100 年時代 金融デジタル化 気候変動と金融 金融リテラシー 『 日本経済の持続的発展のための有効策はまだある! 』 人生 100 年時代とも言われる超高齢化社会が訪れようとしているが、 金融デジタル化を巡る規制や 監督についてアジア開発銀行と 働き手不足や地方衰退といったマイナス面ばかりが強調されているよ 取りまとめた政策提言集 うに思います。日本のみならず、今後数十年を考えた場合、とくにアジ アの多くの国・地域において、高齢化の急速な進展が確実視されてい ます。この点、日本が得意とするロボットや自動化技術、そしてこれに 金融面からのサポートを融合することで、例えば医療・介護、買い物 や移動手段といった分野において、高齢化対応の商品・サービス市場 を世界的に構築する絶好のチャンスではないのか。世界に人気の高い アニメ技術なども駆使すれば、無機質なロボットも華やかになります。 また、将来不安により消費を控える(予備的貯蓄を増やす)といった行 動がみられる。先行きの不確実性は、 誰もが抱く 「不可避な不確実性」 と、 金融広報中央委員会 「金融リテラシー調査」 正しい金融知識(リテラシー)の欠落に起因する「知識不足による不 (2019 年)より作成 確実性」の二種類があるのではないか。この点、金融教育の推進によ り金融リテラシーを高めることで、後者の不確実性を取り除くことがで きれば、日本経済の持続的成長に資する有効策となると考えます。 産業界へのアピールポイント 社会基盤 ● 少子高齢化時代は、あらゆる分野における生産性引き上げが重要となる ● 高齢化先進国の日本にとって、高齢化は世界規模のビジネス・チャンス ● 日本は、公害対応など、環境問題への取り組みに成功した経験がある ● 金融は、生産性引き上げ余地が大きい分野の一つ ● 預貯金のままではなく、お金にも働いてもらうことが重要 実用化例・応用事例・活用例 ● AI、ロボット、アニメ技術などを駆使した世界をリードするシルバー産業の育成 ● オンライン・バンキング、キャッシュレス化、資産形成や保険診断アプリ、ロボ・アドバイザー、 信用判定など、金融分野の生産性向上余地は大きい ● サステナブル・ファイナンスの発展 ● 金融リテラシーの向上と新 NISA や iDeCo といった資産形成制度の活用・充実 中川 忍(ナカガワ シノブ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 金融リテラシーと合理的消費行動 ● 少子高齢化時代の金融サービス ● 金融政策正常化に向けての課題 35

その他 | 埼玉大学 | 『 「最先端技術を分かりやすい教材へ」「ICT の効果的活用で学力向上」 』

埼玉大学 その他 キーワード 科学・技術教育 エネルギー・環境教育 AI・ICT の効果的活用 (情報教育) 教師教育・教員研修 『 「最先端技術を分かりやすい教材へ」「ICT の効果的活用で学力向上」 』 本研究室では、学校教育や社会教育で利用する体験型の教材・教具・カリキュラムなどの開発・ 提案をおこなっています。最先端科学技術の教育への応用や、基礎・基本を定着させるための指 導方法を研究テーマとして、学校の授業をより良くすることを目的に研究しています。 そこで本研究室で対象とする分野は、①技術教育・科学教育・情報教育に関する研究、②教師教 育に関する研究、③環境教育・ 電磁誘導式波力発電装置 Allmay3 エネルギー教育に関する研究、 ※ 3 種類のバネ係数の異なるスプリン Wi-Fi でのデータ転送を可能にした ④認知心理学に基づく授業分 グであらゆる波に対応 計測制・御教材 析、⑤ ICT の効果的な活用を 通した学力向上、などです。 予測困難な未来に対して、感性 を磨く体験的な学習活動を通し て、身についた「知識」と「技 能」が『知恵』として転移でき るような教材やカリキュラムを 提供したいと思っています。 産業界へのアピールポイント ● 開発した装置で得た知的財産の一例 ● 発電装置及び発光ブイ 登録特許第 5133106 号(平成 24 年 11 月 16 日) 登録実用新案第 3191559 号(平成 26 年 6 月 4 日) ● 教材用太陽熱発電装置 登録実用新案第 3209653 号(平成 29 年 3 月 8 日) ● 地熱発電実験装置 登録実用新案第 3227780 号(令和 2 年 8 月 26 日) ● 海流発電実験装置 登録実用新案第 3238187 号(令和 4 年 6 月 29 日 ● 水力発電実験装置 ものづくり 実用化例・応用事例・活用例 ● 株式会社優良教材:allmay1、2、3 ● 株式会社ケニス:海洋温度差発電教材 ● 株式会社メディア5:ラーニングスケルトン AI ● 株式会社オータケ:低学年向けアンプラグドプログラミング教材 ● 株式会社アフレル:LEGO マインドストーム テキスト 20 種類以上 ● 株式会社アバロンテクノロジー:3DCAD ソフト作ってみよう その他 山本 利一(ヤマモト トシカズ) 教授 教育学部 【最近の研究テーマ】 ● 再生可能エネルギー学習装置の開発(地熱発電、海流発電、太陽熱発電、風力)等 ● ICT の効果的活用(電子黒板、タブレット端末) 機械学習、画像認識)に関する中・高校生向け教材とカリキュラム開発 ● 新学習指導要領に関する教員研修プログラムの開発 ● デジタルファブリケーションの効果的な活用(3D プリンタ、レーザ加工機など) ● A(I 72

その他 | 埼玉大学 | 『 産学公民連携による地域創生、人材育成 』

埼玉大学 その他 キーワード 地域創生 まちづくり 人口減少 人材育成 キャリア 若者就業支援 『 産学公民連携による地域創生、人材育成 』 地域創生を推進するには、自治体や住民が進めてきたコミュニティ再生といった試みに加え、グ リーンツーリズムや民泊、山村留学、移住 ・ 定住、観光資源の発掘・PR など都市と地方との人的 交流を促進させるための仕掛けとしての交流事業の成果や社会的効果を最大化することが求めら れます。私は、講演会やワークショップなどを通じ、直接話をしながら、地域の個性や特徴をい かしたまちづくりを「具体的な取組」として企画、サポートしてきました。人口減少は待ったな しの状況ですが、これまでの活動をふまえ、現地に足を運び、まずは地域の「現実」を直視する ことを第一歩とし、まちの個性や資源をいかした地域創生のプランニングを行っています。大学 の強みともいえる「人材」「ネットワーク力」「情報通信技術」という資源の有効活用を視野に入 れつつ、大学教育とまちづくりとを連動させながら、まちの再生、交流をプロデュースしていけ ればと考えています。 まちづくりワークショップの企画・運営 インターンシップのコーディネート 産業界へのアピールポイント ● インターンシップマッチングサイトの企画・運営 ● オリジナルのアセスメントテストを用いた企業研修・コンサルティング 実用化例・応用事例・活用例 ● 人口減少地域のコミュニティ再生(三重県尾鷲市など全国各地) ● 産学連携による新商品の開発( 「朝バウム」「大人のウエハース」など多数) ● アセスメントテスト(長所発見テスト VSAT(Visualize Strength Assessment Test) )の開発 サポート(啓発ポスター、アプリの開発協力) ● 企業での人材育成プログラムの実施(研修、講演) ● 企業の広報・PR 石阪 督規(イシザカ トクノリ) 教授 教育機構 基盤教育研究センター 【最近の研究テーマ】 ● 過疎地域と都市間での人的移動・交流に関する研究 ● 地域創生、集落再生に関する研究 ● 若年無業者問題、若者の自立支援に関する研究 ライフ ● 男女共同参画社会、少子化・人口減少問題に関する研究 ● 社会調査、および地域マーケティングに関する研究 136

その他 | 埼玉大学 | 『 「美しさ」を共有できれば、強い共感が生まれる! 』

埼玉大学 その他 キーワード 美しさ 美学 共感 インスタ映え 答えのない問 『 「美しさ」を共有できれば、強い共感が生まれる! 』 私の研究分野は、美学、芸術学、色彩論、それから現代信仰論と多岐に渡ります。中でも、これ から特に力を尽くしていこうと考えているのが、哲学の 1 分野である美学に関する研究です。 美学とは、いうなれば感性の哲学です。感性とは、はっきり認識できるけれども説明できないも ののこと。例えば、美しいという観念は人々の間で共通認識として確かに存在しますが、「美しい と感じるものがなぜ美しいのか」は、はっきりと説明できない。そういうものについて深く考え るのが美学です。 美学の研究成果は、世の中に大きな影響力を与えるものになる可能性があります。例えば、宗教 や政治は立場によって捉え方は 小説『オーバーラップ』 学術書『点描の美術史』 人それぞれ。しかし、音楽や絵画、 (水声社 2023) (水声社 2024) 小説、詩などの芸術の美しさは、 立場が異なっていても同じよう に感じるものです。つまり美学 の研究によって、 「美しさとは何 か」がわかれば、伝えたい情報 に非常に強い拡散力をもたせる ことができるかもしれないのです。 産業界へのアピールポイント ● 多くの研究論文、講演、研究著書に加え、2021 年度から自著の小説の出版をはじめています。 2008 年ですが、それ以来、書き溜めたものを徐々に出版し、 「美」 がなんであるのかを、学術だけではなく、芸術の分野から広めています。 ● 私が小説執筆をはじめたのは 実用化例・応用事例・活用例 ● 加藤有希子『新印象派のプラグマティズム』三元社、2012 ● 加藤有希子『カラーセラピーと高度消費社会の信仰』サンガ、2015 ● 加藤有希子『クラウドジャーニー』水声社、2021 ● 加藤有希子『オーバーラップ』水声社、2023 ● 加藤有希子『点描の美術史』水声社、2024 加藤 有希子(カトウ ユキコ) 教授 大学院人文社会科学研究科 【最近の研究テーマ】 ● 2023 ライフ 年度から美学を倫理学の基礎に据えて、新時代の「新しい倫理をつくる」という共 同研究をはじめています。 ● 【共同研究者】吉岡洋(京都大学)、大久保美紀(IAMAS)、清水知子(東京藝術大学) 、三 輪眞弘(京都芸術大学)、小澤京子(和洋女子大学)、ビュールク・トーヴェ(埼玉大学) 135