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医療・福祉 | 神奈川工科大学 | 『 アルツハイマー病の早期診断・予防法の開発 』

神奈川工科大学 医療・福祉 技 術 シーズ 集 2024.10.16 健康・生命科学 『 アルツハイマー病の早期診断・予防法の開発 』 キーワード: 抗体科学、アルツハイマー病、バイオマーカー 工学部応用化学生物学科 准教授 山下 直也 E-MAIL : yamashita.n@bio.kanagawa-it.ac.jp URL: https://researchmap.jp/read0140959 ● 研究の背景とこれまでの課題 アルツハイマー病(AD)は、高齢化社会が進む現代において克服すべき疾患の一つである。 ADの発症はアミロイドβ(Aβ)の蓄積により引き起こされると考えられているが、Aβ蓄積の開始とAD発症との間には十数年のギャップがあり、疾患が発症してからの介入では効果が限定的である。 従って人類がADを克服するためには、Aβ蓄積を引き起こす予兆をとらえることでAD未病状態を早期に発見し、その改善に努めることが必須であるが、このような視点からの開発研究は成功していない。 ● 研究開発の着眼 神経発生制御因子の一つであるセマフォリン3A(Sema3A)は、その発現異常がAD発症に関連することが示唆されている。 しかし、信頼性の高いSema3A抗体が存在せず、再現性の高い研究結果が得られないことや、AD発症とSema3A発現異常との因果関係が不明である。 従って、Sema3Aをターゲットとした医療応用を展開するには、これらの障壁を乗り越える必要がある。 ● 研究成果 ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント Sema3AをターゲットとしたAD早期診断とその予防法の確立に向け、以下の基盤技術の確立に成功した。 生体Sema3Aの高精度測定系を確立 ・世界に先駆けてSema3Aを特異的に測定できるELISAシステムを樹立 ・ヒト死後脳における測定に成功 Sema3Aシグナルをターゲットとした薬剤スクリーニング系を確立 ・Sema3A受容体を介したAβ産生促進機構の解明 ・Sema3A受容体をターゲットとした薬剤スクリーニング系の樹立に成功 ②主要な論文・効果特許 等 Yamashita N et al., Nat commun, 2014, Int Immunol, 2015 山下 直也 他 特許6372040 (国際公開番号: WO2014-123186) ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 AD未病状態の早期診断法の確立 AD予防を目指した創薬研究 ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究(確立した薬剤スクリーニング系を用いた創薬研究) ■技術移転(生体Sema3Aの大規模測定を目指した技術移転) お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

環境 | 神奈川工科大学 | 『 地球温暖化抑制のための非可食性バイオマス資源からのバイオPET生産の社会実装 』

神奈川工科大学 環境 技術シーズ集 2023.12.7 環境・エネルギー 『 地球温暖化抑制のための非可食性バイオマス資源からのバイオPET生産の社会実装 』 キーワード: バイオマス、地球温暖化抑制、テレフタル酸、ポリエステル、PET 応用バイオ科学部 応用バイオ科学科 教授 仲亀 誠司 E-MAIL : nakagame@bio.kanagawa-it.ac.jp ● 研究の背景とこれまでの課題 産業革命以降の化石資源の利用により、地球温暖化の原因となる大気中の二酸化炭素(CO2)濃度が年々増加しています。 カーボンニュートラルであるバイオマス資源を活用することで、CO2排出量を抑制できる可能性がありますが、現在日本におけるバイオマス資源の利活用方法としては、バイオ マス資源を直接燃焼することによる熱や発電としての利用が多く行われています。 バイオマスのマテリアル利用には、需要の増加が見込まれる付加価値の高い製品の製造を、バイオマス資源から製造する必要があります。 ● 研究開発の着眼 未利用系バイオマス資源から得られる糖類を原料として、PETボトルや繊維などの原料である付加価値の高いテレフタル酸やポリエステルを製造することで、地球温暖化の原因となるCO2排出量の削減に貢献すると共に、地域社会における雇用創出と活性化への貢献を目指しています。 ● 研究成果 ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント バイオマス資源からテレフタル酸を製造する研究開発は、様々な企業や研究機関で行われていますが、熱による反応を行う化学プロセスを利用する技術が多いため、テレフタル酸を製造する際のエネルギ使用量が多くなる可能性があります。 また競合技術では製造時の製造工程数が多いため、設備費用が高くなる可能性があります。 一方、本研究で取り組んでいる製造方法では、バイオマス資源からテレフタル酸を製造する際に常温で反応が進む微生物による発酵法を利用するのに加え、製造工程数が少ないため、競合技術より製造エネルギーやコストを削減できる可能性があります。 農村地域 バイオ テレフタル酸 バイオPET (バイオポリエステル) バイオマス資源 ②主要な論文・効果特許 等 農林業活性化 CO2排出量削減 発酵 バイオエチレングリコール 特許「バイオマス資源からのテレフタル酸の製造方法及びバイオマス資源からのポリエステルの製造方法(PCT/J P2022/5192)」 ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 テレフタル酸やポリエステルを製造・販売している化学、繊維、フィルムなどの産業に応用していきたいと考えています。 ②社会実装に向けた今後の希望 企業等との連携による社会実装や、本技術を活用したスタートアップとしての事業化を目指しています。 お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

資源・材料 | 神奈川工科大学 | 『 貝殻焼成カルシウムを用いた微生物制御技術 』

神奈川工科大学 資源・材料 技術シーズ集 2023.11.28 健康・生命科学 『 貝殻焼成カルシウムを用いた微生物制御技術 』 キーワード: 殺菌/抗菌/食品/環境/医療 健康医療科学部管理栄養学科 教授 澤井 淳 E-MAIL : sawai@bio.kanagawa-it.ac.jp URL : http://sawai9.wix.com/jsawai-lab ● 研究の背景とこれまでの課題 ホタテ貝(年間水揚げ量は約50万トン)のいわゆる“身”の重量は2割程度。 残りは“貝殻”でその大部分は、捨てられています。 産地(北海道や青森)では山積みになった貝殻から、悪臭や土壌汚染および地下水汚染等が大きな問題になっています。 焼成処理 ● 研究開発の着眼 貝殻は産業廃棄物ですが、これらの「殻」は高温で焼成することにより、主成分の炭酸カルシウム(CaCO3)が酸化カルシウム(CaO)となり、抗菌活性を発現します。 この抗菌活性を食品や環境における微生物制御(微生物を殺菌したり、増殖を抑制したりすること)に利用します。 ● 研究成果 ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント  殺菌効果:細菌、カビは、ウィルスはもちろん!高い抵抗性をもつ芽胞(100℃以上の加熱や薬剤に耐える)の殺菌も可能 !  食品添加物(既存添加物)であり、食品の処理・添加も可能  カット野菜、肉類、果物などに応用  ナノ粒子化でさらにパワーアップ!  天然材料を使用した透明な抗菌塗料を開発  「貝殻」は「循環型」の抗菌材料! 貝殻は、海の成分が濃縮したものです。可食部ではない「殻」は「産業廃棄物」ですが、焼成することで、抗菌活性を有するCaOへ変化させします。 この焼成した貝殻を、食品や環境において「資源」として利用します。主成分であるCaOは、環境中に排出されると空気中のCO2を再び吸収し、もとのCaCO3に戻り、河川を通って海に戻ります。 現在、環境へ排出された抗生物質や抗菌剤が残留することにより、薬剤耐性菌の出現が問題になっていますが、貝殻は環境に優しい「循環型」の抗菌剤です。 ②主要な解説記事 澤井淳:食品における焼成貝殻カルシウムを用いた微生物制御技術.農業および園芸, 94 (11) 956-965 (2019). ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 食品・環境・医療などの分野 ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究(開発応用、概念実証 等) お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

資源・材料 | 神奈川工科大学 | 『 生物活性・機能性有機化合物の合成研究 』

神奈川工科大学 資源・材料 技術シーズ集 2023.12.4 健康・生命科学 『 生物活性・機能性有機化合物の合成研究 』 キーワード: 有機化合物合成・有機化合物構造解析・有機化合物の分離精製 工学部応用化学生物学科 教授 山口 淳一 E-MAIL :yamagu@chem.kanagawa-it.ac.jp URL:https://www.chem.kanagawa-it.ac.jp/labo/ ● 研究の背景とこれまでの課題  新規アズレン誘導体の合成 ・アズレンはベンゼンに似た芳香族化合物ですが、構造の違いにより、ベンゼン誘導体とは全く異なる挙動を示します。 アズレン誘導体は、医薬品・有機電子材料などの利用が試みられています。  新規ヒダントイン誘導体の合成 ・ヒダントインは生物活性化合物であり、中枢神経に特に作用する化合物群として知られています。 新規に合成した化合物の中には抗がん活性を示すものも見いだしています。 ● 研究開発の着眼  新規化合物の合成 ・機能性を有する有機化合物の合成を行っています。新規の有機化合物でしたらどのような構造も合成できます。有機化合物の構造解析も行います。  既知化合物の合成 ・分析・解析のための標準サンプル合成も手早く合成・提供可能です。 ● 研究成果 ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント  幅広い有機化合物を合成できる技術 ・アズレン、ベンゼンを含む誘導体 ・ペプチド合成・グリコシル化も経験あり、合成可能です ・理化学研究所での合成研究あります  機器分析を利用した構造解析 ・NMRスペクトル・IRスペクトルなどの分光機器も測定・解析します ・高分解能質量分析スペクトルも使用出来ます  分析機器も利用できます ・高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)も常に使用出来ます ・カラムクロマトグラフィー・再結晶などによる精製技術もあります ②主要な論文・効果特許 等 1) Synthesis of New Hydantoins Bearing Glutarimide or Succinimide Moiety and Their Evaluation for CellDifferentiation-Inducing and Anti-Angiogenic Activities, J. Yamaguchi, T. Noguchi-Yachide, Y. Sakaguchi, C. Shibata, S. Kanuma, A. Yoshizaki, Y. Takizawa, and Y. Hashimoto, Heterocycles, 91, 764-781 (2015). 2) Conjugate Addition of an Ynone Containing Azulene with a Tertiary Amine, J. Yamaguchi and S. Sugiyama, Tetrahedron Lett., 57, 4514-4518 (2016). 3) Guaiazulene derivative 1,2,3,4-tetrahydroazuleno[1,2-b] tropone (TAT) reduces the production of ATP by inhibiting electron transfer complex II, C. Kasami, J. Yamaguchi, H. Inoue FEBS OpenBio, 2021, 11, 2921-2932; doi.org/10.1002/2211-5463.1325. ●想定利用・展望  有機化合物を素材として利用する企業 ・香料・原薬・光学電子素材  共同研究(開発応用等) お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

情報・通信 | 神奈川工科大学 | 『 人工知能を用いた動作認識技術の手話認識と手話学習への展開 』

神奈川工科大学 情報・通信 技術シーズ集 2023.12.14 情報 『 人工知能を用いた動作認識技術の手話認識と手話学習への展開 』 キーワード: 人工知能、動作認識、手話、センサ応用、学習システム 情報学部 情報工学科 教授 田中 博 情報メディア学科 教授 西村 広光 E-MAIL : h_tanaka@ic.kanagawa-it.ac.jp, nisimura@ic.kanagawa-it.ac.jp URL: http://www.tnklab.ic.kanagawa-it.ac.jp/tanakalab/index.htm ● 研究の背景とこれまでの課題 ・音声認識や日本語⇔外国語間の翻訳技術は急速に進展し、すでに商用化、広く普及している。 ・一方、手話認識の実現のためには、動作認識技術と手話言語モデルの体系化が必要 ● 研究開発の着眼と研究方針 ・手話認識は、多様な研究開発要素があり、長期の継続的な研究開発が必要 →短期的目標と中長期目標に分割し推進、進捗管理 最終目標の形態 ・短期的目標 →開発技術である動作識別技術を利用して手話学習ツールに展開 手話認識のための技術課題と現状 ● 研究成果 ①差別化できる技術ポイント ・中長期目標 →継続的な研究と手話認識に基づく自動翻訳 ・動作識別技術 >単語認識に展開し、手話学習・復習システム・アプリとして構築中(技術の早期展開) ・手話文のセグメンテーション(単語分割)技術 >従来の手の速度情報から手の動き全体を考慮した単語分割技術(セグメンテーション) ②主要論文 ・“加速度データと座標データを用いたマルチモーダル情報による手話動作認識”, 画像電子学会誌,Vol.52, No.2, pp.348-356, 2023. ・“短文手話動作の認識のためのセグメンテーションと識別精度の検討”, 第85回情報処理学会全国大会, 5ZD-02, pp.4-29~30(学生奨励賞). ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 ・動作認識 → 製造分野への適用(認識結果に基づく操作コマンドへの対応付けなど) ・学習ツール → ダンスなどの学習におけるフィードバックへの利用も可能 ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究 ・潜在ユーザの開拓とヒアリング(開発への反映と試用によるフィードバック) ・開発資金獲得のための公的資金への共同公募 お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

電子デバイス | 神奈川工科大学 | 『 液晶を用いた導波路型光機能デバイス 』

神奈川工科大学 電子デバイス 技 術 シーズ 集 2023.12.14 情報 『 液晶を用いた導波路型光機能デバイス 』 キーワード: 液晶/光スイッチ/波長可変フィルタ/光主席回路/情報通信 工学部電気電子情報工学科 教授 中津原 克己 E-MAIL :knakatsu@ele.kanagawa-it.ac.jp URL:https://www.kait-ele.jp/laboratory/naka2/ ● 研究の背景とこれまでの課題 光通信ネットワーク モバイル端末で扱われる情報が増大し、ネットワークでは通信容量の増大とともに通信需要の動的な変化への対応が必要となっています。 波長多重 (WDM:Wavelength Division Multiplexing)技術により伝送容量を増大してきた光通信ネットワークは、波長選択スイッチや波長可変フィルタなど多くの光機能デバイスが用いられています。 今後は高密度に集積化することが望まれていますが、各光機能デバイスの低消費電力化、熱干渉の抑制が必要となっています。 ノード OXC ノード ノード ノード Port-1 Port-4 Port-3 Port-2 Si SiO2 Si sub . 単位光スイッチ Si sub . 集積型光スイッチ ● 研究開発の着眼 液晶装荷シリコン導波路は超高密度集積化が可能な導波路型デバイスと自己保持特性によって超低消費電力化が可能な強誘電性液晶(FLC : Ferroelectric liquid crystal)を組み合わせた構造です。 この構造を用いた光スイッチ及び波長可変フィルタは、超低消費電力で動作するフォトニックノード回路の実現が期待できます。 Electrode Indium tin oxide (ITO) Ferroelectric liquid crystal (FLC) Sampled grating Input port Add port Drop port Through port Si SiO2 Electrode Si sub. R T ● 研究成果 λ λB ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント λB 波長選択光スイッチの動作概要 液晶分子の回転による大きな屈折率変化と自己保持特性が期待できるFLCを導波路のクラッド層として装荷した液晶装荷シリコン導波路により、光デバイスの可変特性を得ています。 これまで信号経路を切り替える光スイッチ、特定の波長を選択する波長可変フィルタ、波長選択スイッチを提案し、動作実証に成功しています。 また、超低消費電力動作を実現する自己保持動作の実証にも成功しています。 17mm 15mm FLC ITO 試作光スイッチの写真 ②主要な論文・効果特許 等 特許第4776370号(特願2005-371514):光スイッチ及び光スイッチの製造方法 特許第5016951号(特願2007-054064):光スイッチ及びその製造方法 特許第4855065号(特願2005-371515):光フィルタおよび光フィルタの製造方法 特許第4834589号(特願2007-080774):光スイッチ Input Output1 ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 光通信ネットワーク機器分野 ②社会実装に向けた今後の希望 Output2 -10V +10V Output2 Output1 Output2 Output1 ■共同研究(開発応用、性能向上、新機能実証 等) Bar state Cross state 試作光スイッチの動作例 お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

電子デバイス | 神奈川工科大学 | 『 水平スロット導波路を用いた光センシングデバイス 』

神奈川工科大学 電子デバイス 技術シーズ集 2023.12.14 健康・生命科学 『 水平スロット導波路を用いた光センシングデバイス 』 キーワード: スロット導波路/センサ/共振器/光集積回路/光エレクトロニクス 工学部電気電子情報工学科 教授 中津原 克己 E-MAIL :knakatsu@ele.kanagawa-it.ac.jp URL:https://www.kait-ele.jp/laboratory/naka2/ ● 研究の背景とこれまでの課題 センサ素子は、快適で安全な生活をするために私たちの暮らしの様々な場面で利用され、さらに、IoT技術の進展に伴い、重要性が増しています。 “光”を用いたセンサ素子は、機械的な機構がないために摩耗等による故障が少なく、信頼性の高いセンサが実現でき、火花や熱の発生の問題もないので安全です。 医療分野などでは特定のたんぱく質や化学物質を検出するセンサなど、様々な診断への利用が研究されています。 ここで、光の干渉や共振といった現象を利用するためにレンズやミラー等の光学部品を使った構成では大型化してしまうことが課題となります。 ● 研究開発の着眼 光導波路を用いた集積回路技術により小型な光センサが実現できます。 さらに、本研究の特徴であるスロット導波路を用いることで、高い屈折率の材料に挟まれた“中空”の部分に光を閉じ込めて、高感度な光センサを実現することができます。 水平スロット導波路の断面図 Nb2O5 hc hpl Clad (SiO2) Si基板 ● 研究成果 光強度分布 Nb2O5 Target EBレジスト ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント EBレジスト DBR Input DBR 中空スロット Nb2O5 Output SiO2 水平スロット導波路を用いた共振器型光センサは、中空部分に気体や液体など様々な物質を通すことができ、その物質の変化を共振特性の変化としてとらえることでセンサとして機能します。 また、レンズやミラーに相当する機能を導波路で構成することで、センサに必要な機能を集積化することができます。 分布反射器と水平スロット導波路を用いたセンサデバイスの構成例 ②主要な論文・効果特許 等 共振特性の変化 Nao Suzuki, et. al, “Design and fabrication of DBR resonators for sensing devices using Nb2O5 horizontal slot waveguides”, OECC2023, Shanghai, (2023). Yoshiki HAYAMA, , et. al, “Study on analysis and fabrication conditions of horizontal SiO2 slot waveguides using Nb2O5”, IEICE TRANS. ELECTRON. E103-C(11) 669-678, (2020). ①利用したい産業応用分野 ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究(開発応用、概念実証 等) 1.0µm 試作した中空水平スロット導波路の電子顕微鏡写真 ●想定利用・展望 医療・環境などの分野 計測技術関連分野 OEBR Cr ( metal mask ) Nb2O5 波長可変レーザ 制御ユニット 光検出器 光検出器 光検出器 スロット導波路 SiO2 500 nm センサ集積回路 水平スロット導波路を用いたセンサシステム例 お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp 高感度化に向けた多層スロット導波路 TEL: 046-291-3109

電子デバイス | 神奈川工科大学 | 『 多重反射層と回折格子を用いた空間光結合器 』

神奈川工科大学 電子デバイス 技術シーズ集 2023.12.14 健康・生命科学 『 多重反射層と回折格子を用いた空間光結合器 』 キーワード:多重反射層/回折格子/空間光結合器/光集積回路/光エレクトロニクス/スパッタリング 工学部電気電子情報工学科 教授 中津原 克己 E-MAIL :knakatsu@ele.kanagawa-it.ac.jp URL:https://www.kait-ele.jp/laboratory/naka2/ ● 研究の背景とこれまでの課題 2D-LDVプローブ 計測機本体 2D-LDVプローブ 変調器 光ファイバ 微小領域の速度分布計測に向けて、香川大学とともに新たな3次元空間速度分布計測方法の技術開発を行っている。 マイクロ流路等の微小領域の速度分布を計測可能な集積型デバイスへ展開するために、微小領域の速度分布を計測するための集積型デバイスの開発を進めている。 波長可変 波長可変による測定点走査 偏光子 流路,血管等 レーザ 出力ポートのスイッチングによる測定点走査 信号処理回路 小型プローブを用いた2次元走査型LDV(レーザドップラ速度計)の概要図 ● 研究開発の着眼 微細加工技術を用いたグレーティングカプラの形成 多重反射層成膜による出射効率向上 2次元走査型LDV用小型プローブ概要図 ●技術ポイント ①反応性DCスパッタリング装置 Nb2O5 SiO2 ・低損失光学材料の成膜 ・2つのスパッタ室を有し、多層膜の連続形成が可能 ・低温成膜 ・高成膜レート(マグネトロンカソードによる高密度プラズマ形成) ・高制御性 ・ロードロック室からの自動トレイ搬送 ・両面コーティング(真空ロボット+基板反転機構) Nb2O5 SiO2 Nb2O5 SiO2 Nb2O5 SiO2 Nb2O5 SiO2 Nb2O5 200 nm A : 66 nm B : 110 nm C : 66 nm Si 多層膜構造 ②電子ビーム描画装置 ・Windowsベースの操作簡易性と機能性 ・単結晶ZrO/Wを採用したTFE電子銃 ・加速電圧50kVで2nmの最小ビーム径を実現 ・高いつなぎ精度、重ね合わせ精度 ・装置恒温システム付 0.6[µm] ●想定利用・展望 グレーティング構造製作例 ①利用したい産業応用分野 医療・環境などの分野 計測技術関連分野 二次元周期構造描画例 500 nm ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究(基本動作実証 等) レーザ顕微鏡による観察結果(電子ビームレジストZEP520A-7) 電子ビーム描画装置を用いたテスト描画 お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

バイオ | 神奈川工科大学 | 『 開閉可能なタンパク質性ナノカプセルの応用 』

神奈川工科大学 バイオ 技術シーズ集 2024.11.28 健康・生命科学 『 開閉可能なタンパク質性ナノカプセルの応用 』 キーワード: ドラッグデリバリーシステム、バイオチップ 工学部応用化学生物学科 教授 小池 あゆみ E-MAIL : koike@bio.kanagawa-it.ac.jp URL: https://www.kait.jp/topics/senryaku/ ● 研究の背景とこれまでの課題 「ドラッグデリバリーシステム(DDS)」は、薬物を効率的に体内の特定の部位へ届けるための技術で、薬物の治療効果を最大化し、副作用を最小化することができる。 DDSに使われる代表的なキャリア材料にはリポソームなどの脂質や、デンドリマーなどのポリマーや、金属などで作られるナノ粒子が活用されている。 生体適合性、ターゲティング能力、薬剤放出制御などの課題がある。 ● 研究開発の着眼 シャペロニンはダブルリング構造をもつタンパク質で、水溶媒中で安定に自己組織化して、10 nm程度の均一なナノ粒子構造を形成する。 その結果、外部環境から隔離された直径5 nmの空洞を1分子に2つもつ。 CdS半導体ナノ粒子やフラーレンなどタンパク質以外の物質もこの空洞に効率よく閉じ込めることが可能なため、生理活性物質(Drug)を内包して細胞局所に輸送し、適切な時間で内包物を放出する技術を開発した。 ● 研究成果 ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント 生体適合性:すべての生物がもつタンパク質性カプセルであるため、適合性は高い。 ターゲティング能力:局所送達に必要なシグナル配列を見出した。 さらに、別の機能性の付与や各種性質の組み合わせも可能である。 薬剤放出制御:閉じ込めから放出までの時間を改変した人工変異体ライブラリーを所有しているため、内包物放出までの時間に応じたカプセル選択が可能である。 この他、カプセルサイズが均一であり、内包物の多様性も確認している。 シャペロニンの構造 ②主要な論文・効果特許 等 ■ Hiromi Yoda, Ayumi Koike-Takeshita, TEM and STEM-EDS evaluation of metal nanoparticle encapsulation in GroEL/GroES complexes according to the reaction mechanism of chaperonin, Microscopy 70(3) 289-296 ■ 特許6454008「変異型シャペロニン複合体を利用した細胞内への局所的薬物送達システム用ナノカプセル」出願人:学校法人幾徳学園、発明者:小池 あゆみ、依田 ひろみ、高村 岳樹 ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 薬物担体、核酸医療、ナノ材料 ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究(開発応用、概念実証 等) ■技術移転(ライセンシング、試作 等) お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109

その他 | 神奈川工科大学 | 『 食品成分の新規機能性を見出す 』

神奈川工科大学 その他 技術シーズ集 2023.12.14 健康・生命科学 『 食品成分の新規機能性を見出す 』 キーワード: 機能性食品開発 健康医療科学部 管理栄養学科 教授 清瀬 千佳子 E-MAIL : kiyose@bio.Kanagawa-it.ac.jp ● 研究の背景とこれまでの課題 近年、日本人、特に成人男性の3人に一人は肥満であり、その状態は10年以上続いている。 肥満とは、単なる過体重であるだけでなく、体内に脂肪が過剰に蓄積した状態を示す。 体内に脂肪が過剰に蓄積した状態が続くと、脂肪細胞から多くの炎症性サイトカインが産生され、血中を介して各組織に輸送され、それがきっかけとなって様々な生活習慣病を惹起すると考えられている。 生活習慣病の一次予防は世界的にも重要な課題である。 ● 研究開発の着眼 毎日摂取している食品成分で生活習慣病惹起を抑えられないかという点がポイントとなる。 いわゆる、これが機能性食品の開発であり、体内で機能している成分が同定されている事、また、体内のどこでどのように働いているか、そのメカニズムを明らかにする事、さらには動物実験でその機能が生体全体で証明される事が重要となる。 このワンステップ毎の証明が出来れば、新たな機能性食品が出来る事になる。 ● 研究成果 ①従来技術に比べて差別化できる技術ポイント 実験技術としては新たなものはないが、培養細胞を用いたin vitro系の構築、さらには実験動物を用いたin vivo系の構築がすでに確立されており、特に抗肥満、抗炎症作用について検討できる。 In vitro系についてはマウス繊維芽細胞である3T3-L1細胞を成熟した脂肪細胞へと分化誘導し、その間に食品成分や食品抽出物を添加する事で、抗肥満や抗炎症作用を有している かどうか検討する事が可能である。 さらに、ある程度のメカニズムが明らかになった場合、次のステップとして動物実験系に持っていくことが可能となる。 マウスに独自に配合した高脂肪・高ショ糖食を4ヶ月間負荷する事で体内の脂肪組織に炎症を起こす事ができる系を確立した。 そこで、食品成分を同時に摂取させる事でin vivoでの効果を検討する事が可能となる。 従って、食品成分や素材などがあれば検討する事が可能である。 ②主要な論文・公開特許 等 【主要論文(下記の特許に関連したもの)】 〇H.Takeuchi, C.Kiyose et al: J. Oleo Sci., 69, 487-493, 2020 〇C.Kiyose et al: J.Oleo Sci., 70, 1317-1323, 2021. 【特許】 〇特許第7268812号「抗肥満剤及び肥満の予防又は治療用食品組成物」(2023年) ●想定利用・展望 ①利用したい産業応用分野 食品素材を製造しているが、その機能や効能を知りたいという企業の方々との共同研究が可能だと思います。 ②社会実装に向けた今後の希望 ■共同研究:機能性食品開発 お問合せ : 研究推進機構 E-MAIL: liaison@kait.jp TEL: 046-291-3109